日本食品化工(2892)企業分析レポート

個人投資家の皆様へ
日本食品化工(株)に関する企業分析レポートをお届けします。本レポートは提供されたデータに基づき、客観的な情報整理を心がけています。投資判断はご自身の責任で行うようお願いいたします。

1. 企業情報

  • 事業内容などのわかりやすい説明
    日本食品化工株式会社は、三菱商事グループに属するコーンスターチ(トウモロコシ澱粉)の国内最大手企業です。コーンスターチを主原料とした様々な加工食品素材や工業用原材料の製造・販売を国内外で行っています。
  • 主力製品・サービスの特徴
    中核となるのは、食品・工業用コーンスターチやタピオカ澱粉、ワキシー澱粉などの「澱粉部門」、清涼飲料水や加工食品、医薬品向けなどの糖化品(コーンシロップ、ブドウ糖、異性化液糖など)を扱う「糖化品部門」です。その他、ファインケミカル製品(サイクロデキストリンなど)や、コーンサラダ油、グルテンミールなどの副産物も手掛けています。特に糖化品は飲料向けなど、気象条件に左右される側面もあります。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内での競争優位性や課題について
    三菱商事の子会社であり、コーンスターチ分野で国内トップシェアを誇ることが最大の競争優位性です。これは原材料の安定調達や販売チャネルにおいて有利に働くと考えられます。課題としては、主原料であるトウモロコシの価格変動、原油価格、海上運賃、為替レートの変動といった外部環境要因が収益に大きく影響を与える点です。特に、世界的な需給変動や地政学リスク、消費者の節約志向も事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
  • 市場動向と企業の対応状況
    直近では、インバウンド回復や外食需要の回復により糖化品部門の需要が回復傾向にあります。一方で、製紙向けの澱粉販売数量は減少しています。食品・外食向けは回復しているものの、物価高による国内消費者の節約志向が継続しており、全体としては緩やかな回復にとどまっています。同社はこれらの市場環境の変化に対し、セグメント毎に需要動向を注視し、販売戦略を調整している様子が伺えます。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営陣が掲げるビジョンや戦略
    公開されている情報から具体的なビジョンは明確ではありませんが、中期経営計画に対応する形で業績連動型株式報酬制度(BIP信託)を導入しており、企業価値向上への意欲が伺えます。
  • 中期経営計画の具体的な施策や重点分野
    決算短信上、具体的な数値目標や施策の詳細は記載されていません。しかし、業績連動型株式報酬制度の導入は、経営陣が株主価値向上へコミットする姿勢を示しており、中期的な成長と収益性強化を目指していると考えられます。
  • 新製品・新サービスの展開状況(決算短信参照)
    決算短信において、新製品・新サービスの具体的な展開状況についての記載はありません。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデルや市場ニーズの変化への適応力
    澱粉、糖化品、ファインケミカル、副産物と多岐にわたる製品群を持つことで、特定の市場に依存しすぎない収益モデルを構築しています。特に糖化品は飲料・食品業界の需要、澱粉は工業用・食品用と幅広い顧客層を持っています。インバウンド回復による外食・食品向け需要の増加、海外市場向けのファインケミカル部門の成長など、市場ニーズの変化に対応し収益源を分散させています。ただし、主原料価格や為替変動リスクが高い製品特性上、コスト管理と価格転嫁が持続性の鍵となります。
  • 売上計上時期の偏りとその影響
    データなし

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向や独自性
    データなし
  • 収益を牽引している製品やサービス
    連結売上構成比を見ると「糖化品」が64%と最も高く、次いで「澱粉」が22%を占めており、これらが収益の主要な柱となっています。特に糖化品は飲料向けや業務用需要に支えられています。

6. 株価の評価

  • EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較
    現在の株価 3,605.0円に対し、会社予想EPSは 284.65円、実績BPSは 6,051.85円です。
    • PER(会社予想): 3,605.0円 ÷ 284.65円 = 約12.66倍
    • PBR(実績): 3,605.0円 ÷ 6,051.85円 = 約0.60倍
      株価は1株あたりの純資産(BPS)の半分強で取引されており、PBRが1倍を大きく下回るため、資産価値から見れば割安感があります。PERも約12.66倍と、業種平均と比較すると割安水準です。
  • 業界平均PER/PBRとの比較
    • 業界平均PER: 16.8倍
    • 業界平均PBR: 1.2倍
      同社のPER12.66倍は業界平均16.8倍を下回り、PBR0.60倍は業界平均1.2倍を大きく下回っています。このことから、業界平均と比較しても現在の株価は割安な水準にあると言えます。

7. テクニカル分析

  • 直近の株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か
    直近10日間の株価は3500円~3615円の間で推移しており、3500円台後半で安定しています。本日終値3605円は、直近のレンジではやや高値寄りです。
  • 年初来高値・安値との位置関係
    年初来高値は3,800円、年初来安値は2,150円です。現在の株価3,605円は年初来高値に近づいており、年初来安値からは大きく上昇しています。52週高値3,800円の約95%水準にあり、高値圏にあると言えます。
  • 出来高・売買代金から見る市場関心度
    直近の出来高は5,800株、売買代金20,815千円と、時価総額230億円超の企業としては比較的少なめです。平均出来高(3ヶ月:9.21k株、10日:5.55k株)と比較しても、市場全体の注目度は限定的である可能性があります。

8. 財務諸表分析

  • 売上、利益、ROE、ROAなどの指標を評価
    • 売上高: 2022年506億円 → 2023年646億円 → 2024年667億円と増加傾向でしたが、2025年予想627億円、2026年予想650億円と、やや停滞・変動が見られます。直近12か月売上高は632億円です。
    • 営業利益: 2022年15億円 → 2023年35億円 → 2024年25億円 → 2025年予想12億円 → 2026年予想13億円と、2023年をピークに減少トレンドにあります。これは原材料価格や経費増が影響している可能性があります。
    • ROE(実績): 5.37%と、一般的な好調企業の目安とされる10%を下回っています。
    • ROA: 直近12か月の純利益1.463億円、直近四半期の総資産50.551億円で計算すると約2.89%となり、こちらも好調の目安とされる5%を下回っています。
  • 過去数年分の傾向を比較
    過去数年では売上が拡大した時期もありましたが、利益面では外部環境の影響を受けやすい傾向が見られます。特に2023年以降は利益率が悪化しています。
  • 四半期決算の進捗状況(通期予想との比較)
    2026年3月期中間期決算では、売上高337億円(通期予想650億円の約51.8%)、営業利益15.6億円(通期予想13億円の約120.4%)、経常利益17.7億円(通期予想18億円の約98.7%)、親会社株主に帰属する中間純利益12.6億円(通期予想14億円の約90.4%)と、中間期で既に営業利益が通期予想を上回り、経常利益・純利益も高い進捗率を達成しています。これは、通期予想が保守的であるか、下半期に想定される費用増加や特殊要因を見込んでいる可能性があります。

9. 財務健全性分析

  • 自己資本比率、流動比率、負債比率の評価
    • 自己資本比率(実績): 56.7%、直近四半期で58.9%と非常に高く、財務の安定性を示しています。
    • 流動比率(直近四半期): 1.86(186%)と、短期的な支払い能力に問題がない良好な水準です。
    • 負債比率(Total Debt/Equity, 直近四半期): 32.98%と低い水準であり、有利子負債への依存度が低い堅実な財務体質です。
  • 財務安全性と資金繰りの状況
    自己資本比率の高さ、流動比率の余裕、低い負債比率から、財務健全性は極めて高いと評価できます。営業活動によるキャッシュフローは過去12か月で40億円のプラスであり、資金繰りも安定していると考えられます。
  • 借入金の動向と金利負担
    直近四半期の短期借入金は98.17億円と前期末(107.35億円)から減少しており、負債圧縮の傾向が見られます。支払利息は過去12か月で77百万円と、負債総額に対して負担は限定的です。

10. 収益性分析

  • ROE、ROA、各種利益率の評価
    • ROE(実績): 5.37%
    • ROA(計算値): 約2.89%
    • 売上総利益率(過去12か月): 16.09%
    • 営業利益率(過去12か月): 4.75%
    • 純利益率(過去12か月): 2.31%
  • 一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%等)との比較
    ROE、ROAともに一般的なベンチマークを下回っており、資本効率や総資産を活用した収益性には改善の余地があると言えます。売上総利益率および営業利益率も、製造業としてはやや低めの水準であり、コスト構造の改善や付加価値向上による利益率改善が期待されます。
  • 収益性の推移と改善余地
    2023年をピークに営業利益が減少傾向にある点は懸念材料です。主原料価格やエネルギーコストの変動を吸収しきれていない可能性があり、価格転嫁能力の強化や生産効率の改善が収益性向上の鍵となります。

11. 市場リスク評価

  • ベータ値による市場感応度の評価
    ベータ値は0.47と、市場全体の変動と比較して株価の変動が小さいことを示しています。これは、市場リスクに対して比較的安定した銘柄であることを意味します。
  • 52週高値・安値のレンジと現在位置
    52週高値は3,800円、安値は2,150円です。現在の株価3,605円は、52週高値から約5%低い水準にあり、レンジの上限に近づいています。
  • 決算短信に記載のリスク要因(外部環境、為替、地政学等)
    決算短信では、以下のリスク要因が挙げられています。
    • 原材料価格(とうもろこし等)、原油価格、海上運賃の変動
    • 為替変動(円/ドル)
    • 地政学リスクや世界的な需給変動
    • 消費者の節約志向といった国内消費環境

12. バリュエーション分析

  • 業種平均PER/PBRとの比較
    • 同社PER: 12.66倍 (業種平均PER: 16.8倍より低い)
    • 同社PBR: 0.60倍 (業種平均PBR: 1.2倍より大幅に低い)
      PER、PBRともに業種平均を下回っており、割安感があります。
  • 目標株価レンジの算出(業界平均倍率適用)
    • 業界平均PER基準の目標株価: 284.65円 (EPS) × 16.8倍 = 4,782円
    • 業界平均PBR基準の目標株価: 6,051.85円 (BPS) × 1.2倍 = 7,262円
      提供データによる目標株価は、「目標株価(業種平均PER基準): 5003円」と「目標株価(業種平均PBR基準): 7262円」とあるため、こちらを記載します。
    • 目標株価(業種平均PER基準): 5,003円
    • 目標株価(業種平均PBR基準): 7,262円
  • 割安・割高の総合判断
    現在の株価3,605円は、算出したPER/PBRに基づく目標株価レンジに照らすと大幅に割安であると判断できます。特にPBRが低く、資産価値からの割安感が顕著です。

13. 市場センチメント分析

  • 信用取引の状況(信用買残、信用倍率、需給バランス)
    • 信用買残: 176,300株
    • 信用買残(前週比): -4,000株
    • 信用売残: 0株
    • 信用倍率: 0.00倍
      信用売残が0株であるため信用倍率は算出不能ですが、信用買残が発行済株式数(6,400,000株)に対してはまだ多い状態です(ただし浮動株比率を考慮する必要あり)。買残は前週比で減少しており、短期的な売り圧力がやや緩和されている可能性があります。
  • 株主構成(経営陣持株比率、安定株主の状況)
    • 三菱商事が45.97%の筆頭株主であり、経営の安定性が高いことが特徴です。
    • 自社(自己株口)が22.78%を保有しており、これも浮動株を抑制し、安定株主としての役割を担っています。
    • % Held by Insiders (内部者保有割合): 68.58%
    • % Held by Institutions (機関投資家保有割合): 2.38%
  • 大株主の動向
    三菱商事による大株主としての位置づけは変わらず、経営の安定性が確保されています。自社株口の高い保有比率は、市場への流通株が比較的少ないことを意味し、株価の変動要因となり得ます。

14. 株主還元と配当方針

  • 配当利回りや配当性向の分析
    • 予想1株配当: 145.00円
    • 配当利回り(会社予想): 4.02%
    • 配当性向(Payout Ratio): 42.00%
      配当利回り4.02%は魅力的な水準であり、配当性向も42.00%と健全な範囲にあります。安定して配当を支払う方針が伺えます。
  • 自社株買いなどの株主還元策
    2025年10月31日の取締役会で自己株式の消却および自己株式取得に係る事項を決議しており、積極的に株主還元を進める姿勢が見られます。
  • 株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策
    2025年6月の株主総会決議に基づき、業績連動型株式報酬制度(BIP信託)を導入しています。これは、経営陣が中長期的な業績向上と株主価値向上にコミットするためのインセンティブとして機能します。

15. 最近のトピックスと材料

  • 適時開示情報の分析(大型受注、新製品、拠点展開等)
    • 2026年3月期第2四半期決算短信発表(2025年10月31日):親会社株主に帰属する中間純利益12.6億円(前年同期比△4.8%)を計上。原材料価格変動の影響を受けつつも外食向け需要回復などで売上は増加。
    • 2025年10月31日付取締役会決議による自己株式の消却および自己株式取得に係る事項の決議:株主還元策として評価できます。
    • 業績連動型株式報酬制度(BIP信託)の導入:2025年6月26日株主総会決議。中長期的な企業価値向上へのコミットメントを示すものです。
  • これらが業績に与える影響の評価
    自己株式の消却・取得は一株あたりの価値を高め、資本効率改善に寄与します。業績連動型株式報酬制度の導入は、経営陣のモチベーション向上を通じて中長期的な業績改善に繋がる可能性があります。しかし、直近の業績は原材料価格変動の逆風を受けており、これらの施策が実を結ぶには時間がかかる可能性があります。

16. 総評

日本食品化工は、三菱商事グループのコーンスターチ最大手であり、強固な事業基盤と極めて高い財務健全性を誇ります。 PBR0.60倍、PER12.66倍と業界平均を大きく下回る水準で、株価バリュエーションからは割安感が強いです。4%超の配当利回りも魅力であり、自社株買いなどの株主還元策にも積極的です。
一方で、トウモロコシや原油価格、為替の変動といった外部環境に業績が左右されやすく、近年は利益率の低下トレンドが見られます。ROEやROAも一般的なベンチマークを下回っており、資本効率の改善は課題と言えるでしょう。直近の決算では中間期に好進捗を見せたものの、通期予想は保守的であり、下半期に想定されるリスク要因を注視する必要があります。

  • 強み: コーンスターチ最大手としての安定した事業基盤、三菱商事グループの盤石な財務基盤と高い財務健全性(自己資本比率約59%)、割安な株価バリュエーション、高水準の配当利回り、積極的な株主還元策。
  • 弱み: 外部環境(原材料価格、為替など)に左右されやすい収益構造、利益率の低迷と資本効率(ROE/ROA)の課題。
  • 機会: 外食・食品向け需要の回復、海外市場の拡大、ファインケミカル部門の成長。
  • 脅威: 原材料価格の高騰、急激な為替変動、世界的な景気減速、地政学リスク、国内消費の低迷。

17. 企業スコア

  • 成長性: B (売上は微増傾向だが、成長ドライバーは限定的であり、利益は停滞・減少傾向にあるため)
  • 収益性: B (ROE 5.37%、ROA 約2.89%と一般的なベンチマークを下回る。営業利益率も4.75%とやや低め)
  • 財務健全性: A (自己資本比率58.9%、流動比率186%、D/E 32.98%と非常に高い財務安定性)
  • 株価バリュエーション: S (PER 12.66倍、PBR 0.60倍と業界平均と比較して明確に割安)

企業情報

銘柄コード 2892
企業名 日本食品化工
URL http://www.nisshoku.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 食品 – 食料品

バリュー投資分析(5年予測・参考情報)

将来のEPS成長と配当を予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 3,605円
EPS(1株利益) 284.65円
年間配当 4.02円

予測の前提条件

予想EPS成長率 3.0%
5年後の想定PER 12.7倍

5年後の予測値

EPS成長率と想定PERを基に算出した5年後の理論株価と累計配当です。

予想EPS 329.99円
理論株価 4,178円
累計配当 22円
トータル価値 4,200円

現在価格での試算リターン

現在の株価で購入した場合に期待できる年率換算リターン(CAGR)の試算値です。

試算年率リターン(CAGR) 3.10% (参考:低水準)

目標年率ごとの理論株価(参考値)

目標とする年率リターンを達成するための理論上の買値と、さらに50%の安全域を確保した価格です。

目標年率 理論株価 安全域価格 現在株価との比較
15% 2,088円 1,044円 × 算出価格を上回る
10% 2,608円 1,304円 × 算出価格を上回る
5% 3,291円 1,645円 × 算出価格を上回る

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.4)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。

投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。

なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。

企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

ジニーは、Smart Stock NotesのAIアシスタントです。膨大なデータとAIの力で、企業や市場の情報をわかりやすくお届けします。投資に役立つ参考情報を提供することで、みなさまが安心して自己判断で投資を考えられるようサポートします。