2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
エグゼクティブサマリー
- 決算サプライズ:会社計画および直近公表予想との比較では「ほぼ予想どおり」
(会社は7月時点の業績予想を維持、当中間期の通期進捗は営業利益53%、親会社株主に帰属する純利益55%と会社側が示す進捗と一致) - 業績の方向性:増収減益(売上高は前年同期比+1.4%、営業利益は△17.7%)
- 注目すべき変化:生活環境基盤材料の営業利益が前年同期比で大幅減(営業利益△33%)となり、全社営業利益率は32.0%→26.0%(△6ポイント)に低下
- 今後の見通し:通期予想は修正なし(売上 2,400,000百万円、営業利益 635,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益 470,000百万円)。半期進捗は営業利益で約53%と会社想定ペースに沿っているため、現時点で修正は行われていない
- 投資家への示唆:半期で利益率が低下した点に注意。半導体関連投資は継続しており設備投資計画(通期3,700億円)の進捗も進んでいる一方、5月に大規模な自己株式取得(約8739万株、対価約4,000億円)を実施しており、財務・キャッシュの動き(有利子負債増、キャッシュ減)を確認する必要あり
基本情報
- 企業名:信越化学工業株式会社
- 主要事業分野:塩化ビニル等の生活環境基盤材料、シリコン・シリコーン等の機能材料、半導体向けシリコンウエハー・露光材料等の電子材料、加工・商事・技術サービス
- 代表者:代表取締役社長 斉藤 恭彦
- 報告日(提出日):2025年10月24日(半期報告書提出予定日 2025年11月13日)
- 対象会計期間:2026年3月期 第2四半期(中間期) 2025年4月1日~2025年9月30日(連結、国内基準)
- 決算説明会:有(証券アナリスト・機関投資家向け)
- 配当支払開始予定日:2025年11月18日
セグメント(名称と概要)
- 生活環境基盤材料事業:塩化ビニル、苛性ソーダ等
- 電子材料事業:シリコンウエハー、フォトレジスト、マスクブランクス、希土類磁石など半導体・電子向け材料
- 機能材料事業:シリコーンやセルロース誘導体等、高付加価値材料
- 加工・商事・技術サービス事業:半導体ウエハー用容器やシリコーン成形品等
発行済株式
- 期末発行済株式数(普通株式):1,984,995,865株
- 期中平均株式数(中間期):1,887,444,198株
- 期末自己株式数:111,875,422株(前年同期 24,869,464株、5月に87,393,400株(約4,000億円)取得)
- 時価総額:–(資料に記載なし)
今後の予定
- 半期報告書提出:2025年11月13日
- 決算説明会資料:当短信に綴込/開催済(有)
決算サプライズ分析
- 予想 vs 実績(会社予想は7月発表値を維持、通期見通しに修正なし)
- 売上高:実績 1,284,522 百万円(対通期予想 2,400,000 百万円 → 進捗率 53.5%)
- 営業利益:実績 333,935 百万円(対通期予想 635,000 百万円 → 進捗率 52.6%)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:実績 257,844 百万円(対通期予想 470,000 百万円 → 進捗率 54.9%)
- サプライズの要因:会社予想からの大きな乖離はなし。前年同期比で営業利益が減少した主な要因は売上総利益の減少(売上原価増)に伴う営業利益率の低下、特に生活環境基盤材料での採算悪化が寄与
- 通期への影響:会社は予想を維持。半期進捗は営業利益で約53%と想定ペースに近いため、現時点で通期予想修正は無し
財務指標(主要項目)
(単位:百万円、前年同期は2025年3月期中間期)
- 売上高:1,284,522(+1.4%)
- 営業利益:333,935(△17.7%)
- 経常利益:367,339(△17.1%)
- 親会社株主に帰属する中間純利益:257,844(△12.3%)
- 1株当たり中間純利益(EPS):136.61円(前年同期 147.83円)
- 包括利益:78,788(△88.2%)※為替換算差のマイナスが大きく影響
- 総資産:5,356,717(前期末 5,636,601 百万円)
- 純資産:4,381,431(前期末 4,837,585 百万円)
- 自己資本比率:78.7%(前期 82.6%、安定水準)
- 1株当たり純資産(BPS):2,251.21円(前期 2,375.48円)
- 現金及び預金(貸借対照表):1,494,104 百万円
- 有利子負債残高:2,439 億円(=243,900 百万円、直近資料の注記より)→ ネットで見れば現預金を大きく上回る(概算で約1.25兆円のネットキャッシュ)
- 営業活動によるCF:347,066 百万円(前年同期 451,889 百万円、減少)
- 投資活動によるCF:△300,701 百万円(設備投資およびその他)
- 財務活動によるCF:△303,317 百万円(主に自己株式取得による支出約4,000億円)
- 現金及び現金同等物期末残高:620,121 百万円(期首 882,736 百万円 → 減少)
収益性指標
- 売上高営業利益率:26.0%(前年同期 32.0%、△6ポイント)
- 売上高純利益率:20.1%(前年同期 23.2%、△3ポイント)
- ROIC(年換算):15.9%(前年同期 19.9%、△4ポイント)
- ROE(年換算):11.6%(前年同期 13.1%、△2ポイント)
進捗率分析(中間期・通期比較)
- 売上高進捗率:約53.5%(通期想定比)
- 営業利益進捗率:約52.6%
- 純利益進捗率:約54.9%
- コメント:いずれも通期想定の約半分を超え、会社が示す想定進捗(営業利益53%、純利益55%)と整合
財務の安全性・効率性
- 自己資本比率 78.7%(安定水準、ただし前期から低下)
- 流動資産 2,923,096 / 流動負債 495,661 → 流動比率非常に高く流動性に余裕
- 有利子負債は一時的に増加(長期借入の計上など)したが、手元現金が大きく上回る構造
- 総資産回転率・売上高営業利益率は前年同期比で低下(収益性悪化が表面化)
配当
- 中間配当:53円(実績・維持)
- 期末配当(会社見通し):53円(予想)
- 年間配当予想:106円(前期と同額、変わらず)
- 配当利回り:–(株価情報なし)
- 配当性向(予想・通期):42.4%(前年実績 39.3% → 上昇)
- 株主還元:自己株式取得を実施(上限200百万株・5,000億円、うち5月に約87.4百万株・3,999.99億円を取得)
セグメント別情報(上半期=2025年4月~9月、単位:億円)
- 売上高合計:12,845(+1%)
- 生活環境基盤材料:5,004(△2%)、営業利益 1,023(△33%)
- 電子材料:4,963(+7%)、営業利益 1,706(△9%)
- 機能材料:2,206(△2%)、営業利益 481(△10%)
- 加工・商事・技術サービス:671(+1%)、営業利益 136(△8%)
- セグメント戦略と動向:
- 生活環境基盤材料:北米は年初堅調→後半軟化、アジア市場で価格低迷。販売網を活用し販売維持、苛性ソーダは安定。
- 電子材料:AI関連需要は堅調。シリコンウエハー、フォトレジスト等を重点出荷。露光材料新拠点(群馬・伊勢崎)建設を推進。
- 機能材料:汎用製品市況は回復弱く、高機能品で収益補填。PFAS代替等ソリューションを提供。
- 加工・商事:半導体関連容器や自動車向け新規需要が堅調。
中長期計画との整合性
- 設備投資(2026年3月期予想):3,700億円、上半期実績 2,045億円(進捗約55%)— 半導体関連(露光材料等)で大型投資が進行
- 減価償却(通期予想):2,400億円、上半期 1,163億円
- 中期経営計画の主要投資(半導体材料強化、新拠点建設等)には整合しているが、短期的な利益率の回復が中長期目標の達成に重要
競合状況・市場動向
- 半導体材料分野:AI関連を中心に需要の「選別」が進む。信越はシリコンウエハーや露光材料で強みを持つが、需給・価格動向に敏感
- 塩化ビニル等:地域・期別で需給差がありアジアでの価格低迷が利益を圧迫
- 中国の輸出規制や米国の関税政策など地政学的リスクが事業に影響する可能性あり
今後の見通し(会社公表)
- 通期業績予想(変更なし)
- 売上高:2,400,000 百万円(△6.3%)
- 営業利益:635,000 百万円(△14.4%)
- 経常利益:700,000 百万円(△14.7%)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:470,000 百万円(△12.0%)
- 1株当たり当期純利益(通期予想):250.00円
- 会社想定為替レート(参考):2025年10月以降 US$ ≒ 145円、EUR ≒ 165円
- リスク要因(主要):為替変動、原材料価格・市況変動、半導体需要のボラティリティ、中国の輸出規制等の政策リスク
重要な注記
- 会計方針の変更や中間連結財務諸表作成に特有の会計処理:該当なし
- 当中間期は連結範囲の重要な変更なし
- 第2四半期決算短信は監査(レビュー)対象外。半期報告書にてレビュー報告書を添付予定(提出日 2025/11/13)
- 自己株式取得:取締役会決議に基づき上限200百萬株・5,000億円までの取得を決定、そのうち約87.4百萬株・3,999.99億円を5月に取得済
(注記)
- 当まとめは提供された決算短信に基づく事実の整理・要約であり、特定の投資行動を推奨するものではありません。数字は会社資料の記載に基づき記載。資料にない項目は「–」としました。
上記の内容は、AIによる自動要約に基づいて作成されたものであり、正確性や網羅性について保証するものではありません。内容の解釈や利用に際しては、必ず公式の決算短信 をご参照ください。信頼性を確保するよう努めていますが、情報の完全性についてはご自身での確認をお願い致します。
企業情報
| 銘柄コード | 4063 |
| 企業名 | 信越化学工業 |
| URL | http://www.shinetsu.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.4)」によって自動生成されました。
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