以下は、トリドリ(9337)の企業分析レポートです。

1. 企業情報

  • 事業内容などのわかりやすい説明
    株式会社トリドリは、インフルエンサーと企業をマッチングさせるマーケティングプラットフォームを運営する企業です。具体的には、インフルエンサーのSNS投稿を通じて企業のPRを行う「toridori base」を中心に、インフルエンサーを活用した広告サービスや動画制作支援、インフルエンサー自身のブランド立ち上げ支援など、多岐にわたるインフルエンサー支援サービスを提供しています。個人事業主のインフルエンサーに特に注力しています。
  • 主力製品・サービスの特徴
    • toridori base: インフルエンサーと企業を直接つなぎ、PR投稿を通じて企業の製品やサービスの認知度向上を支援するプラットフォーム。同社のビジネスの核となるサービスです。
    • toridori ad: 登録された多様なインフルエンサーを通じて広告投稿を行うプラットフォーム。
    • toridori promotion: インフルエンサーにプロモーションコンテンツの投稿を依頼する広告サービス。
    • toridori studio: YouTubeなどのSNS向け動画コンテンツの企画・制作を手がける。
    • toridori made: インフルエンサーが自身のブランドを立ち上げ、商品を販売するのを支援するサービス。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内での競争優位性や課題について
    トリドリはインフルエンサーマーケティングという成長市場で事業を展開しており、「toridori base」のようなプラットフォームを通じて多くのインフルエンサーと企業を結びつけている点が強みです。インフルエンサーデータベースの活用が競争優位の源泉となる可能性があります。一方、インフルエンサーマーケティング市場は急速に拡大している分野であり、新規参入も多く、競争激化は避けられない課題です。市場の変化に合わせたプロダクトの進化、特にSNSのトレンド(短尺動画など)やAI技術の活用が重要となります。
  • 市場動向と企業の対応状況
    国内インターネット広告市場は堅調に成長しており、特にSNS広告、短尺動画、リテールメディア、生成AIの活用が主要なトレンドとなっています。トリドリはこれらの市場動向を追い風と捉え、プロダクト領域(特にtoridori base)の拡大を通じて収益を伸ばしています。SNS短尺動画やAI活用による広告需要の拡大に対応する戦略を進めています。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営陣が掲げるビジョンや戦略
    決算短信によると、以下の3点を重点経営方針として掲げています。
    • 「toridori base」の更なる拡大
    • 中堅・大手企業をターゲットとしたマーケティングパートナー領域の強化
    • インフルエンサーデータベースの価値最大化
  • 中期経営計画の具体的な施策や重点分野
    データなし。ただし、上記の基本方針に沿って、プロダクト領域の成長と収益性改善に取り組んでいることがうかがえます。
  • 新製品・新サービスの展開状況(決算短信参照)
    具体的な新製品名の言及はありませんが、SNS短尺動画やAIを活用した広告需要拡大が追い風となっており、これらへの対応を事業活動の中で進めていると考えられます。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデルや市場ニーズの変化への適応力
    トリドリの収益モデルは、インフルエンサーと企業をマッチングさせるプラットフォーム事業を主軸としており、インフルエンサーマーケティング市場の拡大と連動して成長が見込まれます。特に「toridori base」がプロダクト領域の収益を牽引しており、高粗利率のビジネスです。SNSのトレンド(短尺動画など)や生成AIの活用といった最新の市場ニーズに対応することで、変化の速いデジタルマーケティング業界での適応力を示しています。
  • 売上計上時期の偏りとその影響
    決算短信では、第3四半期までの純利益進捗率が92.5%と通期予想に対して非常に高い水準にあります。これは、会計期間を通じて売上や費用が均等に発生するのではなく、特定の期間に利益が集中する傾向がある可能性を示唆します。今後の四半期ごとの収益変動には注視が必要です。売上高進捗率は70.6%と、純利益ほどの一極集中は見られませんが、通年で見た際にどの程度の偏りがあるかは要確認です。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向や独自性
    生成AI活用による広告需要の拡大を事業機会と捉えており、技術への感度が高いことがうかがえます。インフルエンサーデータベースの構築と活用が同社の独自性であり、効率的なマッチングと効果的なマーケティング活動に貢献しています。
  • 収益を牽引している製品やサービス
    プロダクト領域を牽引する「toridori base」が、同社の収益拡大に最も貢献している主力サービスです。決算短信でも、プロダクト領域の売上総利益寄与が拡大していることが示されています。

6. 株価の評価

  • EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較
    • 株価: 3,145.0円
    • EPS(会社予想): 121.87円
    • PER(会社予想): 25.81倍
    • BPS(実績): 545.07円
    • PBR(実績): 5.77倍
      現在の株価は、会社予想EPSに基づくと約25.8倍のPERとなっています。実績BPSに基づくPBRは約5.77倍です。
  • 業界平均PER/PBRとの比較
    • 業界平均PER: 25.7倍
    • 業界平均PBR: 2.5倍
      トリドリの予想PERは業界平均とほぼ同水準です。一方で、PBRは業界平均を大幅に上回っており、成長性への期待が株価に織り込まれているとみられます。

7. テクニカル分析

  • 直近の株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か
    直近10日間の株価は2,903円から3,240円の範囲で推移しており、現在の株価3,145円は直近の高値圏に位置しています。
  • 年初来高値・安値との位置関係
    • 年初来高値: 3,275円
    • 年初来安値: 1,590円
      現在の株価3,145円は年初来高値(3,275円)に非常に近く、約96%の水準にあります。安値からは大きく上昇しています。
  • 出来高・売買代金から見る市場関心度
    本日出来高は20,500株、売買代金は62,640千円です。直近10日間の出来高は20,500株から78,100株で推移しており、本日の出来高は平均的な水準と比較するとやや少ないものの、一定の市場関心は継続していると考えられます。3ヶ月平均出来高(39.72千株)や10日平均出来高(39.27千株)よりは下回っています。

8. 財務諸表分析

  • 売上、利益、ROE、ROAなどの指標を評価
    • 売上高(過去12ヶ月):4,824百万円
    • 営業利益(過去12ヶ月):667百万円
    • 純利益(過去12ヶ月):463百万円
    • ROE(実績):19.80%
    • ROA(過去12ヶ月):7.39%
    • 企業財務指標のROE(過去12ヶ月):29.39%
      同社は好調な売上成長に加え、高い収益性(ROE、ROA)を維持していることが確認できます。
  • 過去数年分の傾向を比較
    • 売上高は2021年の10億円から2024年予想の42億円まで、継続的な成長を示しており、毎年大きく増加しています。
    • 営業利益および純利益は、2022年までは赤字でしたが、2023年に黒字転換し、2024年には大幅な増益を達成すると予想されています。収益性が大きく改善している傾向が明確です。
  • 四半期決算の進捗状況(通期予想との比較)
    2025年12月期第3四半期累計の通期予想に対する進捗率は以下の通りです。
    • 売上高: 70.6%
    • 営業利益: 70.9%
    • 親会社株主に帰属する当期純利益: 92.5%
      特に純利益の進捗率が非常に高く、通期予想達成に向けて順調に推移していることがうかがえます。

9. 財務健全性分析

  • 自己資本比率、流動比率、負債比率の評価
    • 自己資本比率(実績):29.3%。決算短信の直近(2025年9月30日)では27.1%。一般的に目安とされる40%を下回っています。
    • 流動比率(直近四半期):1.30倍(130%)。短期的な支払い能力はやや良好な水準です。
    • 総負債純資産比率(Total Debt/Equity、直近四半期):144.14%。負債が比較的多くなっています。
  • 財務安全性と資金繰りの状況
    自己資本比率が目安を下回っており、負債比率も高いことから、財務安全性には注意が必要です。しかし、流動比率は130%と短期的な資金繰りには問題がない水準を維持しています。
  • 借入金の動向と金利負担
    決算短信によると有利子負債(短期借入金、1年内返済予定の長期借入金、長期借入金)の合計は約2,730.7百万円と、前年より増加しています。これにより支払利息も増加傾向にあり、金利負担が財務に与える影響に留意する必要があります。

10. 収益性分析

  • ROE、ROA、各種利益率の評価
    • ROE(実績): 19.80% (過去12ヶ月では29.39%)
    • ROA(過去12ヶ月): 7.39%
    • 売上総利益率(粗利率): 約91.9%(報告書に基づく)と非常に高い水準です。
    • 売上高営業利益率: 約13.4%(報告書に基づく)。前年同期間の約10.0%から改善しています。
  • 一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%等)との比較
    トリドリのROEおよびROAは、一般的な優良企業のベンチマーク(ROE 10%以上、ROA 5%以上)を大きく上回っており、非常に高い収益性を持っていると評価できます。
  • 収益性の推移と改善余地
    同社は過去の赤字から既に黒字転換を果たし、売上総利益率の高さが特徴的です。さらに、販管費の最適化などにより営業利益率も改善傾向にあります。今後も市場成長と効率的な事業運営により、収益性の維持・向上が期待されますが、費用の増加、特に金利負担の管理が重要となります。

11. 市場リスク評価

  • ベータ値による市場感応度の評価
    ベータ値は1.33(5年月次)です。これは市場全体が1%変動した際に、トリドリの株価が平均して1.33%変動する傾向があることを意味します。市場感応度はやや高く、市場全体の変動以上に株価が変動しやすい傾向にあります。
  • 52週高値・安値のレンジと現在位置
    • 52週高値: 3,275.00円
    • 52週安値: 1,590.00円
      現在の株価3,145.0円は52週高値の約4%下であり、レンジの上限に近い位置にあります。
  • 決算短信に記載のリスク要因(外部環境、為替、地政学等)
    決算短信には以下のリスク要因が挙げられています。
    • 広告市場の景況変動(企業の広告投資減少)
    • プラットフォーム競争激化や技術変化(AI関連技術への対応)
    • 財務面:有利子負債の増加とそれに伴う金利負担
    • 規制・プライバシー関連の強化(データ利用への制約)
      為替や地政学リスクについては特に記述がありません。

12. バリュエーション分析

  • 業種平均PER/PBRとの比較
    • PER(会社予想): 25.81倍 vs 業種平均PER: 25.7倍 (ほぼ同水準)
    • PBR(実績): 5.77倍 vs 業種平均PBR: 2.5倍 (業界平均を大幅に上回る)
  • 目標株価レンジの算出(業界平均倍率適用)
    • 目標株価(業種平均PER基準): 3,149円
    • 目標株価(業種平均PBR基準): 1,378円
  • 割安・割高の総合判断
    PER基準では業界平均とほぼ同水準であり、売上・利益の成長性を考慮すると、割高とは断言しにくい面があります。しかし、PBR基準では業界平均を大きく上回っており、この指標だけを見ると割高感があると言えます。市場は同社の高い成長性と収益性を評価し、将来への期待を株価に織り込んでいると考えられます。

13. 市場センチメント分析

  • 信用取引の状況(信用買残、信用倍率、需給バランス)
    • 信用買残: 142,900株(前週比 -12,300株)
    • 信用売残: 0株
    • 信用倍率: 0.00倍 (信用売残がないため)
      信用買いが活発であり、信用売残がないため、将来的に買い残の整理売りによる需給悪化のリスクがある可能性があります。
  • 株主構成(経営陣持株比率、安定株主の状況)
    • 中山貴之氏が31.57%を保有しており、経営陣による支配力は強いと言えます。
    • インサイダー保有比率は50.92%、機関投資家保有比率は12.75%です。
    • 日本カストディ銀行、日本マスタートラスト信託銀行などの信託口や、VC系ファンド、事業会社も大株主として名を連ねており、一定の安定株主が存在します。
  • 大株主の動向
    提示データからは直近の大株主の具体的な動向に関する情報はありません。

14. 株主還元と配当方針

  • 配当利回りや配当性向の分析
    同社は会社予想で配当利回り0.00%、1株配当0.00円と公表しており、無配です。配当性向も0.00%となります。
  • 自社株買いなどの株主還元策
    現在のところ、自社株買いなどの株主還元策は開示されていません。
  • 株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策
    株式報酬型ストックオプションに関する具体的な記述は提示データにはありません。
  • 株主還元方針
    現状は配当を行っておらず、事業成長への再投資を優先する方針であることがうかがえます。

15. 最近のトピックスと材料

  • 適時開示情報の分析(大型受注、新製品、拠点展開等)
    最新の適時開示情報は「2025年12月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2025年11月12日提出)です。
    • 第3四半期累計期間は増収増益で推移し、通期予想に対して純利益の進捗が非常に良好です。
    • インフルエンサープラットフォーム領域(特に「toridori base」)の需要拡大が業績を牽引しました。
    • SNS短尺動画やAI活用の広告需要拡大を事業の追い風としています。
    • 営業利益率が改善し、収益性が向上しています。
  • これらが業績に与える影響の評価
    第3四半期までの好調な業績は、通期予想達成への期待を高めるものです。インフルエンサーマーケティング市場の成長トレンドを捉え、サービスの提供を拡大できていることが伺えます。ただし、有利子負債の増加とそれに伴う金利負担は、今後業績に影響を及ぼす可能性のある財務リスクとして注視が必要です。

16. 総評

トリドリは、成長著しいインフルエンサーマーケティング市場において、独自のプラットフォームとサービスを武器に急速な成長を遂げている企業です。過去の赤字から黒字転換し、売上高は年々大幅に増加、収益性もROE、ROAともに極めて高い水準にあります。主力サービス「toridori base」がプロダクト領域の成長を牽引し、SNSトレンドやAI活用といった市場の変化にも積極的に対応しています。株価は年初来高値圏にあり、PERは業界平均と同水準ですが、PBRは割高感を示すなど、市場からの成長期待を強く織り込んでいると考えられます。
一方で、財務面では課題が見られます。自己資本比率は目安とされる水準を下回っており、有利子負債が増加傾向にあるため、金利負担の増加とともに財務安全性には注意が必要です。また、現在は無配であり、株主還元よりも事業成長への投資を優先する方針のようです。

  • インフルエンサーマーケティング市場の成長性と、その中でトリドリが独自のポジションを確立し、サービスを拡大できるか。
  • 高い収益性を維持しつつ、事業成長を持続できるか。特にプロダクト領域の更なる拡大とその利益貢献。
  • 有利子負債の増加と金利負担が財務状況および利益に与える影響。
  • 無配継続の中、株価が成長期待だけで維持できるか、あるいは成長が鈍化した際の株価への影響。

強み・弱み・機会・脅威 (SWOT分析):

  • 強み:
    • インフルエンサーマーケティング市場での先行者としての実績と「toridori base」を核としたプラットフォーム事業。
    • 非常に高い粗利率と改善傾向にある営業利益率。
    • 経営陣による高い持株比率が安定した経営基盤をもたらしている点。
  • 弱み:
    • 自己資本比率が低く、有利子負債が増加している財務体質。
    • 現在無配であり、短期的な株主還元策がない点。
  • 機会:
    • 国内インターネット広告市場、特にSNS広告、短尺動画、生成AI活用広告の継続的な成長。
    • インフルエンサーエコシステムのさらなる発展と、それに対応した新サービス展開の可能性。
  • 脅威:
    • インフルエンサーマーケティング市場における競争激化と新規参入者の増加。
    • 広告市場全体の景況変動や企業の広告投資抑制リスク。
    • 規制強化やプライバシー保護強化によるデータ利用制限の影響。
    • 金利上昇による有利子負債の金利負担増加。

17. 企業スコア

  • 成長性: A
    売上高は前年同期比で27.30%増加し、過去数年で倍増に近い成長を続けています。主力サービスであるプロダクト領域が拡大しており、市場のトレンドも追い風となっています。
  • 収益性: S
    粗利率は91.9%と極めて高く、営業利益率は13.4%に改善しています。ROEは29.39%(過去12ヶ月)、ROAは7.39%と、いずれも一般的なベンチマークを大幅に上回る非常に優れた水準です。
  • 財務健全性: C
    自己資本比率は27.1%(2025年9月30日時点)と、安定性の目安とされる40%を下回っています。Total Debt/Equityも144.14%と負債が多く、有利子負債が増加傾向にあるため、財務構成には懸念があります。流動比率は130%と短期の資金繰りには問題ありません。
  • 株価バリュエーション: C
    予想PERは業界平均と同水準ですが、PBRは業界平均を大幅に上回る5.77倍であり、現在の株価には高い成長期待が織り込まれていると判断できます。このため、割安とは言えず、今後の成長が期待通りに進まない場合には調整リスクも考えられます。

企業情報

銘柄コード 9337
企業名 トリドリ
URL https://toridori.co.jp/
市場区分 グロース市場
業種 情報通信・サービスその他 – サービス業

バリュー投資分析(5年予測・参考情報)

将来のEPS成長と配当を予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 3,145円
EPS(1株利益) 121.87円
年間配当 0.00円

予測の前提条件

予想EPS成長率 8.0%
5年後の想定PER 15.0倍

5年後の予測値

EPS成長率と想定PERを基に算出した5年後の理論株価と累計配当です。

予想EPS 179.07円
理論株価 2,686円
累計配当 0円
トータル価値 2,686円

現在価格での試算リターン

現在の株価で購入した場合に期待できる年率換算リターン(CAGR)の試算値です。

試算年率リターン(CAGR) -3.11% (参考:低水準)

目標年率ごとの理論株価(参考値)

目標とする年率リターンを達成するための理論上の買値と、さらに50%の安全域を確保した価格です。

目標年率 理論株価 安全域価格 現在株価との比較
15% 1,335円 668円 × 算出価格を上回る
10% 1,668円 834円 × 算出価格を上回る
5% 2,105円 1,052円 × 算出価格を上回る

関連情報

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.5)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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