以下は、電通総研(4812)の企業分析レポートです。

1. 企業情報

  • 事業内容などのわかりやすい説明
    電通総研は、電通グループのITソリューション企業であり、主に企業のデジタル変革を支援するシステム開発・コンサルティングサービスを提供しています。2024年1月にInformation Services International-Dentsu, Ltd.からDentsu Soken Inc.へ社名を変更しました。
  • 主力製品・サービスの特徴
    同社は以下の4つのセグメントで事業を展開しています。
    • 金融ソリューション: 金融機関向けにITソリューションを提供し、銀行システムや決済管理システム「Stream-R」、会計システム「BANK-R」などが主力です。
    • ビジネスソリューション: 企業の人事・会計といった経営管理を支援するソリューションを提供しており、連結会計システム「STRAVIS」や統合人事システム「POSITIVE」が強みです。
    • 製造ソリューション: 製造業向けにSAP導入支援や、製品開発の効率化を支援するCAE/PLM(製品ライフサイクル管理)ソリューションを展開しています。
    • コミュニケーションIT: マーケティング変革や自治体向けデジタル改革を支援するソフトウェアサービスを提供しており、近年はM&A(ミツエーリンクス連結化)により事業を強化しています。
      電通グループ内向けシステム構築も大きな収益源の一つとなっています。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内での競争優位性や課題について
    同社は電通グループを主要顧客として持ち、安定した事業基盤を築いています。金融、ビジネス(特に人事・会計ERP)、製造業向けといった特定の専門領域で強固なソリューションを展開している点が競争優位性です。特に自社開発製品(STRAVIS, POSITIVEなど)を持つことで、高付加価値サービスを提供できています。
    一方で、特定セグメント(金融ソリューションの一部ソフトウェアアドオン案件や、製造ソリューションのSAP案件)で利益が伸び悩む傾向が見られ、人件費増などのコスト管理も課題となる可能性があります。
  • 市場動向と企業の対応状況
    国内のデジタル投資需要は堅調に推移しており、企業のデジタル変革への意欲は引き続き高い状況です。同社はこの市場の追い風を受け、ビジネスソリューションやコミュニケーションIT領域でM&A(ミツエーリンクスの連結化など)を積極的に活用し、事業領域の拡大と強化を図っています。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営陣が掲げるビジョンや戦略
    同社は中期経営計画「社会進化実装 2027」において、2027年12月期に売上高2,100億円、営業利益315億円、営業利益率15.0%、ROE18.0%以上、就業人員数6,000名を目指しています。これは、シンクタンク、コンサルティング、システムインテグレーションを軸としたソリューション提供を通じて、社会進化に貢献するというビジョンに基づいています。
  • 中期経営計画の具体的な施策や重点分野
    中期経営計画達成に向け、ビジネスソリューション(STRAVIS、POSITIVE)の拡大、コミュニケーションIT領域でのM&Aを通じた事業強化を進めています。特に連結会計や統合人事、公共向けデジタル改革、電通グループ向け案件が重点分野として売上・利益を牽引しています。
  • 新製品・新サービスの展開状況(決算短信参照)
    決算短信に個別の「新製品・新サービス」としての具体的な記述は多くありませんが、M&Aによる株式会社ミツエーリンクスの連結化(コミュニケーションITセグメント強化)や、既存主力製品である「STRAVIS」「POSITIVE」「Stream-R」「BANK-R」などの継続的な機能強化・導入拡大が進められています。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデルや市場ニーズの変化への適応力
    同社の収益モデルは、電通グループという安定した大株主と強固な顧客基盤を背景に、金融、ビジネス、製造といった幅広い産業の基幹システムや経営管理システムを支えることで成り立っています。デジタル化の波に乗ることで、市場ニーズの変化への適応力は高いと考えられます。特にサブスクリプション型サービスや保守事業の拡大により、安定的な収益確保を目指しています。
  • 売上計上時期の偏りとその影響
    第3四半期までの業績進捗が、通期予想に対して理論値(75%)にやや未達であるものの、会社側は通期予想を据え置いています。これは、ITサービス業界において第4四半期に大型案件の検収や集中投資が行われることによる季節性、あるいはプロジェクト完了による売上計上の偏りがある可能性を示唆しています。この偏りが大きい場合、第4四半期の業績が全体の達成度を左右することになります。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向や独自性
    提供された情報からは、具体的な特許技術やR&D支出に関する詳細なデータは確認できませんが、自社開発のソフトウェア製品である連結会計「STRAVIS」や統合人事「POSITIVE」が主力製品として継続的に機能強化されており、これらが同社の技術力を支えていると考えられます。また、製造業向けのCAE/PLMソリューションは、高度な技術的知見を要する分野であり、専門性の高さを示しています。M&Aによる新たな技術やサービスの取り込みも進めています。
  • 収益を牽引している製品やサービス
    • ビジネスソリューション: 連結会計システム「STRAVIS」、統合人事システム「POSITIVE」が商社・サービス業・保険向けに大きく貢献しています。
    • コミュニケーションIT: 公共・電通グループ案件の拡大に加え、ミツエーリンクスの連結化により大きく収益を伸ばしています。
    • 製造ソリューション: CAE/PLMソリューションが輸送機器向けに拡大し、売上を牽引しています。

6. 株価の評価

  • EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較
    • 現在の株価: 7,650.0円
    • EPS(会社予想): 248.94円
    • 現在のPER: 7,650円 ÷ 248.94円 = 30.73倍
    • BPS(実績): 1,463.34円
    • 現在のPBR: 7,650円 ÷ 1,463.34円 = 5.23倍
      これらの数値は、提供された「各種指標」の値と一致しています。
  • 業界平均PER/PBRとの比較
    • 業界平均PER: 23.2倍
    • 業界平均PBR: 2.3倍
      同社のPER(30.73倍)は業界平均(23.2倍)を大きく上回っており、PBR(5.23倍)も業界平均(2.3倍)の2倍以上の水準です。これは、市場が同社の成長性や収益性を高く評価している、あるいは現在の株価が割高と判断できる可能性を示唆しています。

7. テクニカル分析

  • 直近の株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か
    直近10日間の株価は8,130円(2025-11-25)から7,650円(2025-12-03)へと下落傾向にあります。
  • 年初来高値・安値との位置関係
    • 年初来高値: 8,130円
    • 年初来安値: 5,430円
      現在の株価7,650円は、年初来高値(8,130円)に比較的近い高値圏に位置していますが、直近では高値から調整局面に入っていると言えます。年初来安値からは大きく上昇しています。
  • 出来高・売買代金から見る市場関心度
    直近10日間の平均出来高は129,930株(Avg Vol (10 day))に対し、本日の出来高は67,100株、売買代金は513,364千円と、平均より減少しています。これは株価の調整局面において市場の関心がやや低下していることを示唆する可能性があります。

8. 財務諸表分析

  • 売上、利益、ROE、ROAなどの指標を評価
    • 売上高: 過去12ヶ月で158,646百万円、2021年から2024年にかけて112,085百万円から152,642百万円と堅調に増加しており、成長基調にあります。
    • 営業利益: 過去12ヶ月で21,341百万円、2021年の13,736百万円から2024年12月期の21,040百万円と、売上高以上に利益が伸びており、収益性の改善が見られます。
    • 純利益: 過去12ヶ月で15,553百万円、2021年の8,944百万円から2024年12月期の15,117百万円と、こちらも順調に増加しています。
    • ROE(実績): (連)17.36%。過去12ヶ月で18.50%と非常に高い水準を維持しており、株主資本を効率的に活用して収益を上げていることを示します。
    • ROA(実績): 過去12ヶ月で9.54%とこれも高水準であり、総資産を効率的に活用できていることを示します。
  • 過去数年分の傾向を比較
    売上高、営業利益、純利益は過去数年にわたり一貫して増加傾向にあり、持続的な成長を示しています。特に営業利益率も改善傾向にあり、収益構造の強化が進んでいると評価できます。
  • 四半期決算の進捗状況(通期予想との比較)
    2025年12月期第3四半期累計の進捗率は以下の通りです。
    • 売上高:72.1%(通期予想168,000百万円に対し121,151百万円)
    • 営業利益:70.8%(通期予想23,000百万円に対し16,277百万円)
    • 純利益:72.3%(通期予想16,200百万円に対し11,716百万円)
      通常の9か月比の目安である75%と比較するとやや未達ですが、会社は通期予想を据え置いており、第4四半期で挽回する見込みと判断できます。増収増益基調は継続しています。

9. 財務健全性分析

  • 自己資本比率、流動比率、負債比率の評価
    • 自己資本比率: (実績)61.9%。第3四半期末で60.1%。非常に高く、財務基盤が極めて安定していると評価できます。(目安:40%以上で安定)
    • 流動比率: (直近四半期)2.18 (約218%)。短期的な支払い能力が非常に高く、財務的な安全性が確保されています。(目安:120%以上で健全)
    • 負債比率(D/Eレシオ): (直近四半期)Total Debt/Equity 2.61%。提供された情報にある「無借金」を裏付ける極めて低い水準です。
  • 財務安全性と資金繰りの状況
    自己資本比率、流動比率、負債比率のいずれも極めて良好な水準であり、財務健全性は非常に高いと評価できます。資金繰りについても、手元資金(Total Cash 5.6B)と低い負債水準から見て、安定していると考えられます。
  • 借入金の動向と金利負担
    企業概要にも「無借金」と記載があり、Total Debt/Equity比率も2.61%と非常に低いため、借入金はごくわずかであり、それに伴う金利負担も非常に小さいと推測されます。

10. 収益性分析

  • ROE、ROA、各種利益率の評価
    • ROE(実績): (連)17.36%、過去12ヶ月で18.50%。
    • ROA(実績): 過去12ヶ月で9.54%。
    • 粗利率(Gross Profit Margin): 過去12ヶ月の粗利57,832百万円 / 売上158,646百万円 = 約36.45%。
    • 営業利益率(Operating Margin): 過去12ヶ月で13.72%。
    • 純利益率(Profit Margin): 過去12ヶ月で10.37%。
      第3四半期累計の営業利益率も13.4%と前年同期の12.9%から改善しており、全体的に収益性は高い水準で推移、または改善傾向にあります。
  • 一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%等)との比較
    ROE(18.50%)は一般的な優良企業のベンチマークとされる10%を大きく上回り、ROA(9.54%)もベンチマークの5%を大幅に超えています。これは、同社が資本と資産を非常に効率的に活用して利益を生み出していることを示しており、極めて優良な収益性であると評価できます。
  • 収益性の推移と改善余地
    過去数年で売上高と利益額が着実に増加するとともに、営業利益率も改善傾向にあります。中期経営計画での営業利益率15.0%という目標に対しても、第3四半期累計で13.4%と着実に近づいており、さらなる改善余地があると考えられます。事業ポートフォリオの最適化やM&Aによる高収益事業の取り込みが改善に寄与する可能性があります。

11. 市場リスク評価

  • ベータ値による市場感応度の評価
    ベータ値(5Y Monthly)は0.19です。これは市場全体の動きに対する株価の感応度が非常に低いことを示しており、市場全体が変動しても比較的株価の変動が穏やかである、または市場とは異なる要因で株価が動く傾向がある銘柄であると評価できます。
  • 52週高値・安値のレンジと現在位置
    • 52週高値: 8,130.00円
    • 52週安値: 5,430.00円
      現在の株価7,650円は、52週レンジの上限に近い位置にあります。年初来高値に近く、やや高値圏にあると言えますが、足元は高値から調整局面に入っています。
  • 決算短信に記載のリスク要因(外部環境、為替、地政学等)
    決算短信に記載されているリスク要因は以下の通りです。
    • 世界経済や金融市場の変動、地政学リスクなどの外部環境
    • 顧客のIT投資動向の変化
    • 人件費上昇やM&Aに伴うのれん等無形資産の償却影響
    • M&Aにおける統合リスクやのれん減損の可能性
    • 特定のセグメントへの収益依存度や受注構成の偏り

12. バリュエーション分析

  • 業種平均PER/PBRとの比較
    • PER(会社予想)30.73倍は、業種平均PER 23.2倍よりも約32%割高です。
    • PBR(実績)5.23倍は、業種平均PBR 2.3倍よりも約127%割高です。
      市場は同社の成長性や高い収益性、財務健全性を評価し、プレミアムをつけていると考えられますが、現状の株価は業界平均と比較して割高な水準にあります。
  • 目標株価レンジの算出(業界平均倍率適用)
    提供データに基づく目標株価は以下の通りです。
    • 目標株価(業種平均PER基準): 5,549円
    • 目標株価(業種平均PBR基準): 3,366円
  • 割安・割高の総合判断
    現在の株価7,650円は、業界平均PER・PBRに基づいて算出した目標株価を大きく上回っています。このことから、バリュエーションの観点からは現在の株価は割高であると判断できます。ただし、高い成長性と強固な財務体質が市場から評価されている可能性があります。

13. 市場センチメント分析

  • 信用取引の状況(信用買残、信用倍率、需給バランス)
    • 信用買残: 61,300株(前週比 -4,400株)
    • 信用売残: 17,000株(前週比 -3,100株)
    • 信用倍率: 3.61倍
      信用買残、信用売残ともに前週から減少しています。信用倍率3.61倍は、買い残が売り残の3倍以上あることを示し、需給バランスはやや買い方優勢の状況を示唆しています。ただし、買残の減少は、一部で買い方の手じまいが進んでいる可能性も考えられます。
  • 株主構成(経営陣持株比率、安定株主の状況)
    筆頭株主は電通グループで61.76%を保有しています。これに日本マスタートラスト信託銀行(信託口)、日本カストディ銀行(信託口)といった機関投資家が続き、大株主の保有割合が高い安定した株主構成です。電通グループによる過半数の株式保有は、経営の安定性につながる一方、浮動株比率(Float: 23.41M)が比較的低いことから、市場での流動性に影響を与える可能性もあります。
  • 大株主の動向
    提供データからは大株主の具体的な売買動向は不明です。

14. 株主還元と配当方針

  • 配当利回りや配当性向の分析
    • 配当利回り(会社予想): 1.52% (年間配当116円 / 株価7650円)
    • 1株配当(会社予想): 116.00円
    • EPS(会社予想): 248.94円
    • 配当性向: 116円 ÷ 248.94円 = 約46.6%
      配当利回りは市場平均と比較して特段高い水準ではありませんが、配当性向約46.6%は、利益の半分近くを株主に還元する積極的な姿勢を示しています。これは株主還元を重視する企業方針を反映していると考えられます。
  • 自社株買いなどの株主還元策
    決算短信およびその他データに、自社株買いに関する明確な言及はありません。
  • 株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策
    提供データからは不明です。

15. 最近のトピックスと材料

  • 適時開示情報の分析(大型受注、新製品、拠点展開等)
    2025年12月期第3四半期決算短信によると、以下の点が注目されます。
    • M&Aによる事業強化: 株式会社ミツエーリンクスを連結子会社化(第3四半期累計で連結)。これによりコミュニケーションITセグメントが大きく伸長し、のれん5,760百万円を計上しました。これは、事業ポートフォリオの再編と成長戦略の一環とみられます。
    • 収益を牽引するソリューション: ビジネスソリューション(STRAVIS、POSITIVE)が商社・サービス業・保険向けに伸長。コミュニケーションITも公共向け・電通グループ向け案件が拡大。
    • 会計方針の変更: グローバル・ミニマム課税制度に関する実務対応報告を適用開始。
  • これらが業績に与える影響の評価
    ミツエーリンクスの連結化は、コミュニケーションITセグメントの増収増益にすでに貢献しており、今後の売上・利益拡大に寄与するものと期待されます。ただし、のれん発生に伴う償却費用や、M&A後の企業統合(PMI)がスムーズに進むかが今後の焦点となります。主力ソリューションの継続的な拡大は、全体の安定成長を下支えする重要な要素です。

16. 総評

電通総研は、電通グループを背景に安定した事業基盤と、金融・ビジネス・製造業向けITソリューションにおける専門性を強みとする企業です。堅調なデジタル投資需要を追い風に、売上高、営業利益、純利益ともに過去数年にわたり着実な成長を遂げています。
強み:

  • 安定した顧客基盤: 電通グループという強力な親会社と、そこから派生する協業案件・顧客基盤。
  • 強固な財務体質: 自己資本比率60%超、流動比率200%超、事実上の無借金経営という極めて高い財務健全性。
  • 高い収益性: ROE 18.5%、ROA 9.54%と、資本と資産を非常に効率的に活用して利益を生み出しています。営業利益率も改善傾向。
  • 成長分野への積極投資: M&Aを活用したコミュニケーションIT分野の強化や、ビジネスソリューションの拡大は、今後の成長機会を捉える動きと言えます。
  • 市場ニーズ: デジタル変革、DX推進という市場の大きな潮流に乗っており、需要は堅調です。

弱み:

  • 特定セグメントの利益伸び悩み: 金融・製造ソリューションの一部で利益が伸び悩む傾向が見られ、ポートフォリオ全体での収益性向上には課題が残ります。
  • 人件費増/M&A関連コスト: 人員増に伴う人件費増や、M&Aでのれんが発生することによる償却費用増が、今後の利益成長に影響を与える可能性があります。

機会:

  • デジタル投資需要の継続: 企業のDX推進は今後も続く見込みであり、同社の提供するITソリューションへの需要は堅調に推移するでしょう。
  • 事業領域の拡大: M&Aや新規ソリューション開発により、新たな市場セグメントや顧客層を獲得する機会。
  • 株主還元の強化: 高い利益水準を背景に、更なる株主還元(増配、自社株買い等)の余地。

脅威:

  • マクロ経済の不確実性: 金融市場の変動や地政学リスク、国内景気の動向が企業のIT投資意欲に影響を与える可能性。
  • 人材確保と人件費の高騰: IT業界全体でのエンジニア不足や人件費高騰は、同社のコスト構造に影響を与えかねません。
  • 競争激化: デジタル変革市場への新規参入や競合他社の強化による競争激化。
  • M&Aのリスク: 買収した企業の統合がうまくいかない場合や、のれんの減損リスク。

電通総研は、堅実な成長と卓越した財務健全性、高い収益性を兼ね備えた優良企業と評価できます。中長期的な視点では、デジタル化のトレンドとM&A戦略が成長を後押しすると考えられます。一方で、現在の株価はPER、PBRともに業界平均を大きく上回っており、バリュエーションの面では既に織り込みが進んでいる可能性があります。今後の株価は、中期経営計画の達成度合い、特に利益率改善やM&A成果の具体化が注目されるでしょう。

17. 企業スコア

  • 成長性: A
    • 売上高、営業利益ともに順調な成長が継続しており、デジタル投資需要の追い風とM&Aを組み合わせて事業領域を拡大しています。
  • 収益性: S
    • ROE 18.50%、ROA 9.54%と非常に高い水準で、一般的なベンチマークを大きく上回ります。営業利益率も改善傾向にあり、資産・資本の活用効率が極めて優れています。
  • 財務健全性: S
    • 自己資本比率60%超、流動比率218%、事実上の無借金経営と、非常に強固な財務体質を誇ります。
  • 株価バリュエーション: D
    • PER(30.73倍)およびPBR(5.23倍)ともに業界平均(PER 23.2倍、PBR 2.3倍)を大幅に上回っており、現在の株価は割高と判断されます。

企業情報

銘柄コード 4812
企業名 電通総研
URL https://www.dentsusoken.com/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

バリュー投資分析(5年予測・参考情報)

将来のEPS成長と配当を予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 7,650円
EPS(1株利益) 248.94円
年間配当 1.52円

予測の前提条件

予想EPS成長率 8.0%
5年後の想定PER 15.0倍

5年後の予測値

EPS成長率と想定PERを基に算出した5年後の理論株価と累計配当です。

予想EPS 365.77円
理論株価 5,487円
累計配当 10円
トータル価値 5,496円

現在価格での試算リターン

現在の株価で購入した場合に期待できる年率換算リターン(CAGR)の試算値です。

試算年率リターン(CAGR) -6.40% (参考:低水準)

目標年率ごとの理論株価(参考値)

目標とする年率リターンを達成するための理論上の買値と、さらに50%の安全域を確保した価格です。

目標年率 理論株価 安全域価格 現在株価との比較
15% 2,733円 1,366円 × 算出価格を上回る
10% 3,413円 1,706円 × 算出価格を上回る
5% 4,306円 2,153円 × 算出価格を上回る

関連情報

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.5)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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