以下は、コロプラ(3668)の企業分析レポートです。
1. 企業情報
- 事業内容などのわかりやすい説明
株式会社コロプラは、主にスマートフォン向けのゲームアプリケーションを提供する企業です。従来の携帯電話向け位置情報ゲームから出発し、2011年にスマートフォンゲーム市場に参入しました。現在は、日本国内外でモバイルゲームの企画、開発、運営を行っています。また、VRサービス、コンソールゲーム、ブロックチェーンゲーム、XR(クロスリアリティ)サービス、メタバース関連事業、さらには知的財産(IP)の開発や商品化、そしてIT・エンターテインメント企業への投資育成事業も展開しています。 - 主力製品・サービスの特徴
主力はスマートフォン向けゲームアプリであり、課金収入が主な収益源です。「ドラゴンクエストウォーク」などの人気タイトルを擁しています。近年は、VR/XR、Web3といった新しい技術分野への展開にも注力しており、多角的なエンターテインメント事業を目指しています。投資育成事業では、有望なIT・エンターテインメント企業への投資を通じて、キャピタルゲインを創出しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内での競争優位性や課題について
モバイルゲーム市場は競争が激しく、新規タイトルのヒットが企業の業績に大きく影響します。同社は長年にわたるゲーム開発・運営のノウハウと、既存人気IP(知的財産)を活用したタイトル(例: ドラゴンクエストウォーク)を強みとしています。しかし、既存タイトルの収益が漸減する中で、新たなヒット作を継続的に生み出すことが課題となっています。 - 市場動向と企業の対応状況
モバイルゲーム市場は成熟期を迎え、既存タイトルの寿命延長が経営課題となる一方、広告宣伝費や外注費の最適化が収益性に直結しています。同社は、既存タイトルのエンゲージメント維持に努めつつ、将来性のあるVR/Web3といった新分野への投資を進めることで、変化する市場環境への適応を図っています。また、投資育成事業を通じて、新たな収益源の確保も行っています。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営陣が掲げるビジョンや戦略
同社のMissionは「Entertainment in Real Life」と掲げており、実生活とエンターテインメントを融合させた体験の提供を目指しています。 - 中期経営計画の具体的な施策や重点分野
決算短信において、具体的な中期経営計画の数値目標やKPIの開示はありません。しかし、事業セグメントごとの戦略としては、エンターテインメント事業においては、既存タイトルのユーザーエンゲージメント強化と新規タイトル開発を重点に置いています。投資育成事業では、積極的な投資と保有株式の売却を通じて価値実現を図る方針です。 - 新製品・新サービスの展開状況
決算短信には、具体的な新製品・新サービスの詳細な展開状況は記載されていませんが、Web3などの新分野を育成する方針が示されています。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデルや市場ニーズの変化への適応力
同社の収益モデルは、主にスマートフォン向けゲームアプリの課金収入と広告収入、そして投資育成事業からの投資有価証券売却益です。モバイルゲーム市場の成熟化と新作ヒットの不確実性という課題に対し、VR/Web3などの新技術領域への投資や事業展開を進めることで、将来の市場ニーズの変化への適応を図っています。 - 売上計上時期の偏りとその影響
投資育成事業における株式売却益は、売却時期によって業績が大きく変動する一過性の収益となる可能性があります。このため、通期の業績予想が困難になる要因の一つとなりえます。エンターテインメント事業については、既存タイトルからの継続収入が期待されるものの、新作のリリース時期やヒット状況によって売上が変動する可能性があります。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向や独自性
データなし。 - 収益を牽引している製品やサービス
主力はスマートフォン向けゲームアプリで、「ドラゴンクエストウォーク」などが収益を牽引しています。近年では投資育成事業における投資有価証券の売却益が、セグメント全体の収益に大きく貢献しています。
6. 株価の評価
- EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較
現在の株価は436.0円です。
実績のBPS(1株当たり純資産)は536.66円です。現在の株価はBPSを下回っており、純資産価値から見れば割安な水準にあります。
直近12か月の実績EPSは-2.39円、2025年9月期実績EPSは-2.39円と損失計上であるため、PERは算出できません。 - 業界平均PER/PBRとの比較
実績PBRは0.81倍であり、業界平均PBR2.3倍と比較すると大幅に割安な水準です。
7. テクニカル分析
- 直近の株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か
直近10日間の株価は420円から449円の間で推移し、終値は436円となりました。
年初来高値545円、年初来安値407円に対して、現在の株価436円は年初来安値から比較的近い位置にあり、安値圏に近い水準にあると言えます。 - 年初来高値・安値との位置関係
現在の株価436.0円は、年初来安値407円の約7.1%上に位置し、年初来高値545円の約20.0%下に位置しています。 - 出来高・売買代金から見る市場関心度
出来高および売買代金に関する詳細なデータは提供されていません。直近の取引量を見る限り、極端な盛り上がりは見られません。
8. 財務諸表分析
- 売上、利益、ROE、ROAなどの指標を評価
- 売上高: 2021年9月期371億円から、2024年9月期259億円(予想)へ減少傾向が続いています。直近12か月では273億円。
- 営業利益: 2021年9月期63億円から減少傾向にあり、2024年9月期には約-12億円の営業損失を計上しています。2025年9月期は10億円の営業利益を確保し黒字転換しました。
- 経常利益: 同様に2025年9月期は18億円で黒字転換しています。
- 純利益: 2021年9月期30億円から減少し、2024年9月期には-18億円の純損失を計上。2025年9月期は-3億円と損失が縮小しました。
- ROE: 直近12か月で-0.44%、2025年9月期実績も-0.44%とマイナスであり、収益性が低い状況です。
- ROA: 直近12か月で0.81%、2025年9月期実績も0.81%と低い水準です。
- 過去数年分の傾向を比較
過去数年間の損益計算書を見ると、2021年9月期をピークに売上高、営業利益、純利益ともに下降傾向にありました。2025年9月期には営業利益と経常利益が黒字転換し、純損失も縮小しましたが、これは投資育成事業の収益に大きく牽引された側面が強いです。エンターテインメント事業は減収が続いています。 - 四半期決算の進捗状況
会社は2026年9月期の通期業績予想を開示していないため、四半期決算の進捗状況を比較することはできません。
9. 財務健全性分析
- 自己資本比率、流動比率、負債比率の評価
- 自己資本比率: (連)91.0%と極めて高水準であり、財務基盤が非常に安定していることを示します。
- 流動比率: (直近四半期)11.39倍(1,139%)と非常に高く、短期的な支払い能力に優れています。
- 負債比率: Total Debt/Equityは(直近四半期)0.48%と非常に低く、借入金に対する自己資本の比率が高く、負債負担が小さいことを示します。
- 財務安全性と資金繰りの状況
自己資本比率や流動比率から見て、財務安全性は極めて高く、資金繰りに懸念はないと判断されます。豊富な現金及び現金同等物もこれを裏付けています。 - 借入金の動向と金利負担
長期借入金は前期の999百万円から333百万円に減少しており、負債が抑制されていることがうかがえます。Total Debtも333百万円と非常に少なく、金利負担はほとんどないと推測されます。
10. 収益性分析
- ROE、ROA、各種利益率の評価
- ROE(実績): (連)-0.44%
- ROA(実績): (連)0.81%
- 営業利益率(過去12か月): 5.68%。2025年9月期は3.9%。
- 売上高純利益率(Profit Margin): -1.18%
ROE、ROAともにマイナスもしくは低水準であり、資本効率や総資産を活用した収益力には課題があります。2025年9月期の営業利益率3.9%は前年のマイナスから改善しましたが、モバイルゲーム業界における一般的な水準と比較すると依然として低い可能性があります。 - 一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%等)との比較
ROE -0.44%はベンチマークの10%を大きく下回り、ROA 0.81%もベンチマークの5%に達していません。収益性については改善の余地が大きいと言えます。 - 収益性の推移と改善余地
エンターテインメント事業の売上減少が収益性を圧迫してきましたが、2025年9月期は投資育成事業の収益寄与により全体の損失が縮小・黒字転換しました。しかし、エンタメ事業の収益力回復が今後の改善に不可欠です。新作の成功や既存タイトルの長期的な収益維持が改善の鍵となります。
11. 市場リスク評価
- ベータ値による市場感応度の評価
ベータ値(5Y Monthly)は0.22と非常に低く、市場全体の変動に対する株価の感応度が低いことを示しています。これは、市場全体の動きに左右されにくい特性を持つ可能性があります。 - 52週高値・安値のレンジと現在位置
52週高値は545.00円、52週安値は407.00円です。現在の株価436.0円は、52週高値からは約20%低い水準にあり、52週安値からは約7%高い水準に位置しており、低位で推移しています。 - 決算短信に記載のリスク要因
- 新作タイトルのヒット不確実性:エンタメ事業の収益は新作の成否に大きく依存します。
- 投資有価証券評価損・売却タイミング:投資育成事業の業績は、投資先の評価変動や売却タイミングにより大きく変動します。
- 市場環境の変化:消費者行動、広告単価、課金動向など、外部環境の変化が業績に影響を与える可能性があります。
- 2026年9月期第1四半期に「キャリア転進支援制度」 related fees of approximately 210 million yen were recorded as extraordinary losses. It is expected to be recorded in the first quarter of the fiscal year ending September 2026.
12. バリュエーション分析
- 業種平均PER/PBRとの比較
実績PBRは0.81倍であり、業界平均PBR2.3倍と比較して大幅に割安な水準にあります。
EPSが損失であるため、PERは計算できません。 - 目標株価レンジの算出(業界平均倍率適用)
BPS(実績)536.66円に業界平均PBR2.3倍を適用した場合の目標株価は、約1,234円となります。 - 割安・割高の総合判断
PBRに基づく評価では、現在の株価は業界平均と比較して割安であると言えます。しかし、EPSがマイナスであるため、収益性に対する懸念が株価を押し下げている可能性があります。
13. 市場センチメント分析
- 信用取引の状況(信用買残、信用倍率、需給バランス)
信用買残1,043,200株、信用売残157,500株、信用倍率6.62倍です。信用買残が多い状況であり、需給はやや重い(株価上昇の足かせになりやすい)傾向にあると言えます。 - 株主構成(経営陣持株比率、安定株主の状況)
創業者の馬場功淳氏が47.44%を保有しており、経営陣が強い支配力を持っています。日本カストディ銀行(信託口)、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)などの大手信託銀行も大口株主となっており、安定株主が多い構造です。機関投資家による保有比率も16.69%あります。 - 大株主の動向
データなし。
14. 株主還元と配当方針
- 配当利回りや配当性向の分析
Forward Annual Dividend Yieldは9.52%(予想年間配当40円)、Trailing Annual Dividend Yieldは4.76%(実績年間配当20円)です。
2025年9月期の年間配当は20.00円(期末配当)で、総額2,569百万円が支払われました。
損益がマイナスであるため、配当性向は連結で-837.9%(前期は-137.5%)と計算されます。これは、配当が当期純利益を大きく上回っている(損失を計上しながら配当を実施している)ことを示唆します。 - 自社株買いなどの株主還元策
自社株買いについては、データに大きな変化は記載されておらず、積極的な実施は確認できません。 - 株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策
データなし。
15. 最近のトピックスと材料
- 適時開示情報の分析(大型受注、新製品、拠点展開等)
2025年11月5日の取締役会において、「キャリア転進支援制度」の実施が決議されました。これは26歳以上の正社員等を対象としたもので、約70名の募集を予定しており、関連費用約210百万円を2026年9月期第1四半期に特別損失として計上する予定です。これは人員体制の見直しに伴うもので、短期的に利益を圧迫する要因となります。 - これらが業績に与える影響の評価
キャリア転進支援制度による特別損失は、2026年9月期第1四半期の業績に一時的な悪影響を及ぼしますが、将来的には組織のスリム化やコスト構造の改善につながる可能性があります。また、2025年9月期においては、投資育成事業における株式会社タイミーや株式会社BitStarなどの保有株式売却による収益計上が、全体の業績改善に大きく寄与しました。
16. 総評
コロプラは、スマートフォンゲーム開発・運営を主軸としつつ、VRやWeb3といった新技術領域への挑戦、そして投資育成事業を通じて多角的な成長を目指す企業です。
強み:
- 極めて高い財務健全性: 自己資本比率91.0%、流動比率1,139%、負債も非常に少なく、盤石な財務基盤と潤沢な現金を保有しています。
- 高いPBR割安度: 業界平均PBRと比較して、現在の株価は純資産価値に対して大幅に割安な水準にあります。
- 安定した大株主構成: 創業者が大半の株式を保有し、安定した経営基盤があります。
- 投資育成事業の収益貢献: 適切なタイミングでの投資有価証券売却が、一時的とはいえ業績を押し上げる力を持っています。
弱み:
- 収益性の低迷: ROE、ROAともに低く、資本効率と総資産の活用による収益創出力に課題があります。特にエンターテインメント事業での既存タイトル収益逓減が響いています。
- 業績予想の不確実性: 次期業績予想を「算出困難」として開示しないなど、将来の収益見通しに不透明感があります。投資育成事業の売却益は一過性の要素が強く、継続的な利益成長にはエンタメ事業の立て直しが不可欠です。
- 新作ヒットへの依存: モバイルゲーム市場の競争が激化する中で、新作タイトルの成功が業績を大きく左右します。
機会:
- 新規事業領域への挑戦: VR/XR、Web3といった成長分野への先行投資が、将来的な新たな収益源となる可能性があります。
- 豊富な手元資金の活用: 潤沢な現金をM&Aや新規事業開発、あるいは株主還元に活用する余地があります。
脅威:
- モバイルゲーム市場の競争激化: 既存タイトルの競争激化による収益逓減や、獲得競争の激化による広告費高騰リスクがあります。
- 投資事業の変動リスク: 投資先の評価損発生や売却タイミングの不確実性が、四半期ごとの業績に大きな影響を与える可能性があります。
- 一時的な特別損失: 人員体制見直しによる特別損失が、短期的には利益を圧迫します。
同社は非常に強固な財務基盤を持つ一方で、本業であるエンターテインメント事業の収益性が課題となっています。足元では投資育成事業が業績を支えましたが、これは一過性の要素が大きいため、エンタメ事業の構造改革や新規タイトルの成功が中期的な成長のカギを握ります。現在の株価水準はPBRで見ると割安感が強いですが、PERが算出不能なほどの収益性に鑑みると、今後の事業戦略の進捗とそれが収益にどう反映されるかを見極めることが重要です。
17. 企業スコア
- 成長性: C
- 売上高は減少傾向にあるものの、投資育成事業の売上は大幅に増加しました。しかし、主力エンタメ事業は減収であり、次期業績予想も開示されておらず不透明感が残ります。
- 収益性: D
- ROE -0.44%、ROA 0.81%と一般的なベンチマークを大きく下回り、依然として収益性には課題があります。直近で営業利益は黒字転換しましたが、純損失は継続しています。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率91.0%、流動比率11.39倍、負債比率0.48%と全ての指標において極めて高い水準であり、財務の安全性は非常に優れています。
- 株価バリュエーション: S
- PBR実績0.81倍に対し、業界平均PBRが2.3倍であることから、PBR基準では大幅に割安と評価されます。EPSがマイナスのためPER評価はできませんが、純資産価値に対する割安感が際立っています。
企業情報
| 銘柄コード | 3668 |
| 企業名 | コロプラ |
| URL | http://colopl.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.5)」によって自動生成されました。
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