2023年10月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
エグゼクティブサマリー
- 決算サプライズ:会社側の期中開示による通期予想(当該期向け)は提示されておらず、外部市場予想との比較情報も本資料にないため「予想との差異」は算定不可。ただし実績は「売上ほぼ横ばいだが利益は大幅下振れ」の内容(市場の想定より業績低下を示唆する可能性あり)。
- 業績の方向性:減収減益(売上高 20,164 百万円 △1.4%、営業利益 1,253 百万円 △26.9%、親会社株主帰属当期純利益 951 百万円 △37.2%)。
- 注目すべき変化:営業利益・純利益が前年同期比で大幅に悪化(営業利益率 6.2% → 前年 8.4%、EPS 126.01 円 ← 200.70 円)。要因は原材料・エネルギー高騰、物流費上昇、ファインケミカル分野の需要減など。
- 今後の見通し:2024年10月期予想は増収増益見込み(売上高 21,500 百万円 +6.6%、営業利益 1,450 百万円 +15.7%、親会社株主帰属当期純利益 1,000 百万円 +5.1%)で、為替前提は1CNY=20.00円、1USD=145.00円。会社は回復を想定しているが、景況・原材料・為替次第で変動するリスクあり。
- 投資家への示唆:売上はほぼ横這いだが利益率が低下しており、コスト転嫁(販売価格改定等)や製品ミックス改善、ファインケミカルの需要回復が業績回復の鍵。キャッシュは潤沢で自己資本比率高水準のため財務余力はあるが、短期的には収益性回復に注目。
基本情報
- 企業概要:
- 企業名:ナトコ株式会社
- 主要事業分野:塗料(合成樹脂塗料等)製造販売、ファインケミカル(高機能性コーティング剤等)、蒸留事業(再生溶剤等)
- 代表者名:代表取締役社長 粕谷太一
- URL: https://www.natoco.co.jp/
- 報告概要:
- 提出日:2023年12月14日(決算短信)
- 対象会計期間:2023年11月1日~2023年10月31日(通期、連結)
- 決算説明会:無、決算補足説明資料:無
- セグメント:
- 塗料事業:金属用・建材用等の合成樹脂塗料等の製造販売
- ファインケミカル事業:高機能性樹脂・樹脂素材用コート剤など
- 蒸留事業:廃溶剤の再生・蒸留、再生溶剤等の製造販売
- 発行済株式:
- 期末発行済株式数(自己株含む):8,144,400 株
- 期末自己株式数:595,055 株
- 期中平均株式数:7,548,398 株
- 時価総額:–(決算短信に記載なし)
- 今後の予定:
- 定時株主総会開催予定日:2024年1月25日
- 配当支払開始予定日:2024年1月26日
- 有価証券報告書提出予定日:2024年1月26日
- 決算説明会:無(補足資料作成なし)
決算サプライズ分析
- 予想 vs 実績:
- 会社予想との比較:本決算短信内に当該期(2023年10月期)の期初予想は提示されておらず比較不可(△)。
- 売上高:20,164 百万円(前年同期比 △1.4%)
- 営業利益:1,253 百万円(前年同期比 △26.9%)
- 純利益(親会社株主帰属):951 百万円(前年同期比 △37.2%)
- (注)会社は次期(2024年10月期)予想を開示しているが、本期業績と事前公表予想の差異情報は提供されていない。
- サプライズの要因(主な理由):
- 原材料価格・エネルギー価格の高騰、物流費上昇がコスト面で影響。
- セグメント別ではファインケミカル事業でディスプレイ関連需要の回復遅れにより売上・利益が大幅減。
- 建材用塗料など一部顧客の需要低迷(住宅着工の減少)も影響。
- 表示方法の変更(廃溶剤容器売却収入を営業外→売上原価へ組替)の会計処理変更は比較数値に影響(遡及修正済)。
- 通期への影響:
- 2024年10月期は増収増益予想を提示(会社想定では達成見込み)。ただし外部環境(原材料・為替・地政学リスク等)が不確実要素。予想修正は現時点で無し。
財務指標
- 財務諸表(要点)
- 総資産:28,840 百万円(前期比 +617 百万円)
- 純資産:22,753 百万円(前期比 +667 百万円)
- 流動資産:20,126 百万円(前期比 +746 百万円)
- 流動負債:5,508 百万円(前期比 △40 百万円)
- 現金及び現金同等物(期末):6,103 百万円(前期比 △1,027 百万円)
- 営業CF:1,688 百万円(前年 2,027 百万円)(減少)
- 投資CF:△2,324 百万円(前年 △2,125 百万円)
- 財務CF:△383 百万円(前年 △414 百万円)
- 収益性(金額・前年同期比)
- 売上高:20,164 百万円(△1.4%、△281 百万円)【ほぼ横ばい】
- 営業利益:1,253 百万円(△26.9%、△461 百万円)【利益悪化】
- 営業利益率:6.2%(前年 8.4%)【低下】
- 経常利益:1,361 百万円(△35.3%)【大幅減】
- 親会社株主に帰属する当期純利益:951 百万円(△37.2%)【大幅減】
- 1株当たり当期純利益(EPS):126.01 円(前年 200.70 円、△37.2%)【低下】
- 進捗率分析(四半期決算の場合)
- 本報告は通期決算のため「四半期進捗率」の直接適用はなし。ただし会社は次期(2024)で第2四半期累計の目安を示しており、同社の次期会社計画における第2四半期累計は売上高 10,300 百万円(通期比約47.9%)、営業利益 540 百万円(通期比約37.2%)という想定を開示している(あくまで会社予想)。
- 財務安全性
- 自己資本比率:78.9%(前期 78.3%)(安定水準)
- 負債合計:6,088 百万円(前期 6,138 百万円、ほぼ横ばい)
- キャッシュ・フロー対有利子負債比率:11.5%(注:有利子負債が小さいため数値変動の解釈に注意)
- 流動比率:流動資産 20,126 / 流動負債 5,508 ≒ 365%(高水準、短期支払い能力は良好)
- 効率性
- 総資産回転率や売上高営業利益率は低下傾向(営業利益率 6.2% ← 8.4%)。
- セグメント別(利益貢献度等)
- 塗料事業:売上高 12,360 百万円(+1.3%)、セグメント利益 809 百万円(△18.6%) — 建材用低調・金属用は堅調だがコスト上昇で利益率低下
- ファインケミカル事業:売上高 2,532 百万円(△22.7%)、セグメント利益 795 百万円(△32.1%) — ディスプレイ関連の需要回復遅れで売上・利益大幅減
- 蒸留事業:売上高 5,271 百万円(+6.2%)、セグメント利益 380 百万円(+38.0%) — 新規ユーザー獲得・提案強化が奏功
配当
- 配当実績と予想:
- 2023年10月期(実績):中間 20 円、期末 30 円、年間 50 円(配当金総額 377 百万円、連結配当性向 39.7%)
- 2024年10月期(会社予想):中間 25 円、期末 25 円、年間 50 円(予想配当性向 37.7%)
- 特別配当:無し
- 株主還元方針:継続的に配当を行う旨。自己株式取得は当期中ほぼ無し(期末自己株数は微減)。
セグメント別情報
- 塗料事業(主力)
- 売上高 12,360 百万円(+1.3%)、利益 809 百万円(△18.6%)
- 金属用塗料は堅調、屋根用遮熱塗料の採用拡大。建材用は住宅市況の悪化で需要減。
- ファインケミカル事業
- 売上高 2,532 百万円(△22.7%)、利益 795 百万円(△32.1%)
- 自動車向けは堅調だが、ディスプレイ・スマホ関連の需要低迷が響く。
- 蒸留事業
- 売上高 5,271 百万円(+6.2%)、利益 380 百万円(+38.0%)
- 新規顧客獲得・既存顧客への提案で伸長。環境対応(循環型)ビジネスとして成長が期待される。
- 全体として:蒸留事業が利益面でプラス貢献、ファインケミカルの回復が業績改善の重要ポイント。
中長期計画との整合性
- 中期経営計画:2030ビジョン「表面のリノベーション&イノベーションカンパニーへ」を掲げ、環境対応・高機能製品で事業拡大を目指す。
- KPI達成状況:開示KPIは限定的だが、蒸留事業の伸長は中期方針(環境・循環型ビジネス)と整合的。ファインケミカルの需要回復が中期目標達成の鍵。
競合状況や市場動向
- 競合比較:本資料に同業他社比較はなし。だが原材料高や住宅着工の動向、ディスプレイ市場の回復遅れは業界共通の課題。
- 市場動向:世界経済は不確実(金融引締め、地政学リスク等)。国内ではコロナ後の正常化進むが原材料・エネルギー高が重荷。環境技術需要(循環材、軽量化対応塗料等)は中長期で追い風。
今後の見通し
- 業績予想(2024年10月期、会社予想)
- 売上高:21,500 百万円(+6.6%)
- 営業利益:1,450 百万円(+15.7%)
- 経常利益:1,460 百万円(+7.3%)
- 親会社株主帰属当期純利益:1,000 百万円(+5.1%)
- 為替前提:1CNY=20.00円、1USD=145.00円
- 予想の信頼性:過去の変動を踏まえると、為替・原材料・需要動向に左右されるため達成には外部環境の好転と社内のコスト転嫁・製品ミックス改善が必要。
- リスク要因:
- 原材料、エネルギー価格の上昇
- 主要顧客の需要動向(特に建材、ディスプレイ関連)
- 為替変動
- 地政学的リスクやサプライチェーンの混乱
重要な注記
- 会計方針の変更:時価算定基準の適用指針を期首から適用(連結財務諸表への影響は無しとしている)。
- 表示方法の変更:廃溶剤回収容器の売却収入を「営業外収益」から「売上原価」へ表示変更。前期数値は遡及修正済(比較時に影響)。
- その他:決算短信は監査対象外の旨明記。
(注記)
- 不明な項目は「–」で示しました(例:時価総額等)。
- 本資料は提供された決算短信に基づく整理であり、投資助言や特定の売買推奨は行っていません。
上記の内容は、AIによる自動要約に基づいて作成されたものであり、正確性や網羅性について保証するものではありません。内容の解釈や利用に際しては、必ず公式の決算短信 をご参照ください。信頼性を確保するよう努めていますが、情報の完全性についてはご自身での確認をお願い致します。
企業情報
| 銘柄コード | 4627 |
| 企業名 | ナトコ |
| URL | http://www.natoco.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.4)」によって自動生成されました。
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