2023年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
エグゼクティブサマリー
- 決算サプライズ:会社予想(当期通期前提はあり)や市場予想との比較は開示資料に市場予想の記載なしのため明示不可。ただし、親会社株主帰属当期純利益が385百万円(前期比△53.3%)と大幅減で、配当性向が104.6%となっており「利益減少だが配当は維持(高配当性向)」が特徴。
- 業績の方向性:売上高は増収(12,601百万円、前期比+1.6%)だが、営業利益・経常利益・当期純利益は減少(営業利益1,035百万円、△21.0%)。増収減益。
- 注目すべき変化:製品改修関連損失引当金繰入(特別損失)を577,162千円計上したこと等により当期純利益が大幅減少(前期826,571千円→当期385,907千円、△53.3%)。製品保証引当金も増加(315,712千円、前期比+163.2%)。
- 今後の見通し:2024年12月期予想は売上高12,790百万円(+1.5%)、営業利益907百万円(△12.3%)、当期純利益508百万円(+31.7%)。特別損失の反動で当期純利益は回復見込み。予想は公表されている前提の下での数値。
- 投資家への示唆:品質問題への対応(製品改修費用・引当計上)とそれに伴う短期的な利益圧迫が最大のポイント。財務基盤(自己資本比率66.5%、現金6,819百万円)は堅固で、営業CFは改善しているため(1,114百万円)、中期的には投資継続と品質改善が企業価値回復の鍵。
基本情報
- 企業概要:
- 企業名:日本フェンオール株式会社
- 主要事業分野:火災・防災関連機器(SSP部門)、サーマル(半導体製造装置用熱板・センサー等)、メディカル(人工腎臓透析装置)、PWBA(プリント基板実装組立)、消防ポンプ(消防ポンプ・消防車等)
- 代表者名:代表取締役社長 中野 誉将
- 上場:東証
- コード:6870
- URL:https://www.fenwal.co.jp/
- 報告概要:
- 提出日:2024年2月9日(決算短信)
- 対象会計期間:2023年12月期(2023年1月1日〜2023年12月31日、連結)
- 決算補足資料:有(決算説明会資料は2024/2/21掲載予定)
- 決算説明会:有(アナリスト向け)
- セグメント(報告セグメント):
- SSP部門:火災報知設備、消火システム、保守点検等
- サーマル部門:熱板、温度センサー等(半導体向け)
- メディカル部門:人工腎臓透析装置
- PWBA部門:プリント基板実装組立
- 消防ポンプ部門:消防ポンプ、消防車、保安ポンプ等
- 発行済株式:
- 発行済株式数:5,893,000株(期末、自己株式含む)
- 期末自己株式数:285,522株
- 期中平均株式数:5,606,860株
- 時価総額:–(開示なし)
- 今後の予定:
- 定時株主総会:2024年3月28日
- 配当支払開始予定日:2024年3月29日
- 有価証券報告書提出予定日:2024年3月29日
決算サプライズ分析
- 予想vs実績(会社開示の当期実績と次期会社予想)
- 売上高:12,601百万円(前期比+1.6%)/2024予想12,790百万円 → 2023実績は2024予想の約98.5%に相当
- 営業利益:1,035百万円(前期比△21.0%)/2024予想907百万円
- 経常利益:1,159百万円(前期比△21.6%)/2024予想944百万円
- 親会社株主に帰属する当期純利益:385百万円(前期比△53.3%)/2024予想508百万円
- サプライズの要因:
- 主因は品質対応関連(製品改修関連損失引当金)の増大(577,162千円の繰入)と製品保証引当金の増加が特別損失を押し上げ、利益を大幅に圧迫。
- 一方で消防ポンプ部門の販売拡大により売上は増加。
- 通期への影響:
- 2024予想では特別損失の繰入が落ち着く前提で当期純利益は回復見込み(508百万円)。会社は品質改善・再発防止を継続しており、特別損失の動向が予想達成の鍵。
財務指標
- 財務諸表の要点(連結、単位:百万円)
- 売上高:12,601(+1.6%)
- 売上総利益:4,011(△0.9%)
- 営業利益:1,035(△21.0%)
- 経常利益:1,159(△21.6%)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:385(△53.3%)
- 総資産:19,075(+1.4%)
- 純資産:12,680(+3.0%)
- 現金及び現金同等物:6,819(期末、+1,432)
- 収益性(前年同期比必須)
- 売上高:12,601百万円(前期比+1.6%/+200百万円)
- 営業利益:1,035百万円(前期比△21.0%/△275百万円)、営業利益率 8.2%(前期10.6%、低下は悪材料)
- 経常利益:1,159百万円(前期比△21.6%)
- 純利益:385百万円(前期比△53.3%)
- 1株当たり当期純利益(EPS):68.83円(前期147.62円、△53.3%)
- 進捗率分析(注:通期決算のため四半期進捗率該当なし)
- (参考)2024年通期予想に対する2023実績:売上高進捗率 約98.5%、営業利益は実績が予想を上回る水準だが特別損失の影響で純利益は下回る見込み。
- 財務安全性
- 自己資本比率:66.5%(安定水準、目安40%以上と比較して良好)
- 負債合計:6,395百万円(総資産に対する比率約33.5%)
- 長期借入金:640百万円(前年936→640、返済により減少)
- 流動比率:流動資産14,826 / 流動負債4,717 ≒ 314%(良好)
- インタレスト・カバレッジ・レシオ:96.1倍(利払い能力は高い)
- 効率性
- 売上高営業利益率の低下(10.6%→8.2%)が示すとおり採算面は悪化(主因:保証費用等の増加)。
- セグメント別(主要)
- SSP部門:売上4,841.8百万円(△9.2%)、受注増(受注5,261百万円、+5.4%)だが売上減と利益減
- サーマル部門:受注1,573百万円(△43.9)、売上2,555百万円(+14.2)、セグメント利益増
- メディカル部門:受注1,331百万円(+15.7)、売上1,291百万円(+11.4)、利益増
- PWBA部門:売上912百万円(△25.9)、受注862百万円(△29.3)、利益減
- 消防ポンプ部門:売上3,001百万円(+22.8)、受注2,830百万円(+3.1)、利益増
- 財務の解説:
- 営業CFは改善(1,114百万円、前期401百万円)で資金創出力は回復。投資CFは定期預金の純増で940百万円の収入。財務CFは配当支払・借入返済等で▲646百万円。
配当
- 当期配当(2023年12月期):期末72円、年間合計72円、配当総額407百万円、配当性向(連結)104.6%(高い:100%超)
- 次期予想(2024年12月期):中間37円・期末37円、年間74円(会社予想)、DOE目安3.5%
- 配当利回り:株価情報の開示なしのため算出不可(→–)
- 株主還元方針:株主資本配当率(DOE)を採用し、DOE約3.5%を配当総額の目安。自己株式取得は期中小口あり(僅少)。
セグメント別情報(要点)
- SSP部門:検知器等は好調だが容器弁関連等が減収。受注は改修・メンテ・特定顧客向けの伸長で増加。売上4,841.8百万円(△9.2%)、セグメント利益744百万円(減少)。
- サーマル部門:半導体投資の停滞で受注減(△43.9%)も、既存受注の売上化で売上は増加(+14.2%)、セグメント利益増。
- メディカル部門:海外含め出荷増・関連製品好調で売上・受注とも増加(売上1,291百万円、+11.4%)。
- PWBA部門:部品入手難や在庫調整の影響で受注・売上とも大幅減(売上912百万円、△25.9%)。
- 消防ポンプ部門:国内外で販売伸張、売上大幅増(3,001百万円、+22.8%)。セグメント利益改善。
- 各セグメントの戦略:SSPは改修・メンテと新規顧客獲得、サーマルは前半低調→後半回復想定、メディカルは国内堅調・海外は在庫調整の逆風、PWBAは部品調達対策で付加価値製品へ、消防ポンプは自治体需要回復期待。
中長期計画との整合性
- 中期経営計画の詳細は今回決算短信には明示されていないが、会社コメントでは「中長期的な企業価値向上に重点を置き、経営基盤への積極的投資を継続」しており、品質改善投資や企業体質強化と整合。
- KPI達成状況:明示KPIなし → 詳細は別資料(決算説明資料)参照が必要(掲載予定2024/2/21)。
競合状況や市場動向
- 市場動向:
- 半導体市況の停滞がサーマル部門の受注に影響(受注大幅減)。
- 自治体・総務省向けの消防予算回復が消防ポンプ部門を牽引。
- 部品調達難がPWBA・海外出荷に影響。
- 競合比較:本資料では同業他社比較の開示なし → 相対評価は別途調査が必要。
- 競争優位性:複数分野を持つポートフォリオ(防災・半導体・医療・製造受託・消防車)により需給変動をある程度平準化している点が強み。
今後の見通し
- 業績予想(2024年12月期・会社予想)
- 売上高:12,790百万円(+1.5%)
- 営業利益:907百万円(△12.3%)
- 経常利益:944百万円(△18.5%)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:508百万円(+31.7%)
- 1株当たり当期純利益(予想):90.66円
- 予想の前提:為替や原材料等の具体前提は決算説明資料参照(P.4「今後の見通し」)だが、業界先行き不透明(金融引締め、円安、資源価格等)を織り込んでいる旨記載あり。
- 予想の信頼性:2023年度は特別損失が結果に大きく影響したため、2024予想は特別要因の落ち着き前提。特別損失の有無・規模が予想達成に大きく影響する点は留意。
- リスク要因:
- 半導体投資の停滞による受注低迷(サーマル)
- 部品調達難・サプライチェーンリスク(PWBA、メディカル)
- 製品品質問題による追加費用・損害賠償リスク
- マクロ要因(為替、資源価格、国際情勢)
- 国内自治体予算動向(消防ポンプ)
重要な注記
- 会計方針:会計方針の変更・見積り変更・修正再表示なし。
- 重要な後発事象:海外連結子会社(日本芬翁(香港)有限公司、深圳芬翁信息咨詢有限公司)を解散決議(2024/1/26取締役会)。解散・清算の損益影響は「軽微」と開示。
- 監査:決算短信は公認会計士又は監査法人の監査対象外である旨明記。
(注)
- 不明項目は“–”で省略している箇所があります(例:時価総額、株価ベースの数値など)。
上記の内容は、AIによる自動要約に基づいて作成されたものであり、正確性や網羅性について保証するものではありません。内容の解釈や利用に際しては、必ず公式の決算短信 をご参照ください。信頼性を確保するよう努めていますが、情報の完全性についてはご自身での確認をお願い致します。
企業情報
| 銘柄コード | 6870 |
| 企業名 | 日本フェンオール |
| URL | http://www.fenwal.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 電気機器 |
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.4)」によって自動生成されました。
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