決算短信：コスモス薬品（3349）

2026年５月期　第１四半期決算短信〔日本基準〕（連結）

エグゼクティブサマリー

• 決算サプライズ：会社は通期予想の修正を行っておらず、四半期決算は会社公表の見通しと概ね整合（市場コンセンサスは資料に未記載のため–）。総じて「ほぼ予想どおり」。
• 業績の方向性：増収微増益。売上高は272,394百万円（前年同期比＋4.0%）、営業利益は11,645百万円（同＋0.6%）、親会社株主に帰属する四半期純利益は8,171百万円（同＋0.3%）。
• 注目すべき変化：積極的な出店により店舗数が1,620店（前期末比＋11店）へ拡大。売上構成では「一般食品」が売上構成比で最大（62.8%）となっている点が継続的特徴。キャッシュ（現金及び預金）が前期末比で約7,500百万円減少、一方で有形固定資産は約5,716百万円増加。
• 今後の見通し：2026年5月期通期予想は維持（通期売上1,057,000百万円、営業利益40,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益31,000百万円）。第1四半期の進捗は通期に対し売上約25.8%、営業利益約28.8%、純利益約26.4%とおおむね均衡しており、現時点で通期予想達成の可否に関する修正はなし。
• 投資家への示唆：ローコストオペレーションと出店による成長戦略を継続している一方、短期では自社競合や消費マインド低迷の影響で利益率に上振れ余地は限定的。配当は増配予想（年間75.00円：前期70.00円）で株主還元を継続。

基本情報

• 企業概要:
  • 企業名：株式会社コスモス薬品
  • 主要事業分野：医薬品・化粧品等の小売（ドラッグストアチェーンの運営。単一セグメント）
  • 代表者名：代表取締役社長 横山 英昭
  • URL：https://www.cosmospc.co.jp
• 報告概要:
  • 提出日：2025年10月14日
  • 対象会計期間：2026年5月期 第1四半期（連結、2025年6月1日～2025年8月31日）
• セグメント:
  • 単一セグメント：医薬品・化粧品等の小売業（セグメント別開示は省略）
• 発行済株式:
  • 期末発行済株式数（普通株式、自己株式含む）：80,001,600株（期中平均株式数：79,257,274株（四半期累計））
  • 自己株式数：744,335株
  • 時価総額：–（資料に記載なし）
• 今後の予定:
  • IRイベント：決算説明会の有無は資料に明記なし（補足資料参照）

決算サプライズ分析

• 予想vs実績（会社予想との比較は会社が通期見通しを維持しているため通期ベースでの進捗を算出）
  • 売上高：272,394百万円。通期予想1,057,000百万円に対する進捗率＝約25.8%（通期ペースの四半期比ではおおむね順当）。
  • 営業利益：11,645百万円。通期予想40,500百万円に対する進捗率＝約28.8%（やや良好）。
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益：8,171百万円。通期予想31,000百万円に対する進捗率＝約26.4%。
• サプライズの要因：
  • 売上は出店効果と地域での好調（関東・中部での伸びが顕著）により増収。営業利益はほぼ横ばいで、販管費増（出店関連費用や人件費等）が営業利益の伸びを抑制。
  • キャッシュ残高の減少は投下キャッシュ（有形固定資産増加：出店・設備投資）によるもの。
• 通期への影響：
  • 会社は7月11日公表の通期見通しを据え置き。第1四半期の進捗は通期見通し達成の前提に大きな矛盾は示しておらず、現時点で予想修正はなし。

財務指標

• 財務諸表 要点（単位：百万円）
  • 売上高（第1Q累計）：272,394（前年261,841、増加額＋10,553、＋4.0%）
  • 売上原価：215,219（前年207,278、＋3.8%）
  • 売上総利益：57,174（前年54,562、＋4.8%）
  • 販管費：45,529（前年42,982、＋5.9%）
  • 営業利益：11,645（前年11,580、＋0.6%）
  • 経常利益：12,188（前年12,293、△0.9%）
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益：8,171（前年8,143、＋0.3%）
  • 1株当たり四半期純利益（調整後）：103.10円（前年102.74円、株式分割想定後）
• 収益性指標
  • 営業利益率：11,645 / 272,394 = 約4.28%（前年：約4.42% → わずかに低下）
  • 経常利益率：約4.48%（前年約4.70%）
  • 純利益率：8,171 / 272,394 = 約3.00%（前年約3.11%）
• 進捗率分析（通期予想比）
  • 通期売上進捗率：約25.8%（第1Qで四半期ベースの約4分の1、通常ペース）
  • 通期営業利益進捗率：約28.8%（やや上振れ）
  • 通期純利益進捗率：約26.4%（ほぼ均衡）
  • 半期（第2四半期累計）目標に対する進捗（第2四半期累計目標の半期比）
  • 売上：272,394 / 525,000 = 約51.9%
  • 営業利益：11,645 / 20,420 = 約57.0%
  • 純利益：8,171 / 14,650 = 約55.8%
• 財務安全性（期末、百万円）
  • 総資産：524,305（前期末524,755、ほぼ横ばい）
  • 純資産：262,658（前期末257,463、増加）
  • 自己資本比率：50.1%（前期49.1%）（安定水準、目安40%以上で安定）
  • 流動負債・固定負債：負債合計261,647（前期267,292、減少）。流動比率は流動資産159,219 / 流動負債216,036 = 約73.7%（短期支払い余裕はやや低めだが業界慣行や運転資金構成を考慮する必要あり）。
• 効率性
  • 総資産回転率：売上高/総資産 = 272,394 / 524,305 ≈ 0.52回（前年約0.50回、やや改善）
  • 減価償却費（第1Q）：5,748百万円（前年5,186百万円、増加）
• セグメント別：単一セグメントのため詳細は省略
• 財務の解説：
  • 現金繰りの減少は主に設備投資（有形固定資産増）と仕入在庫の調整。自己資本比率は50%程度で安定。販管費の伸びが営業利益率を抑制している点に注意。

配当

• 配当実績と予想：
  • 2025年5月期 実績：年間70.00円（中間32.50円、期末37.50円）
  • 2026年5月期（予想）：年間75.00円（中間37.50円、期末37.50円）→ 増配見込み
• 配当利回り：–（株価情報なしのため算出不可）
• 配当性向：通期予想EPS 391.13円に対して年間配当75.00円 → 配当性向＝約19.2%（計算：75 / 391.13）
• 特別配当の有無：なし
• 株主還元方針：自社株買いの記載なし。増配による還元継続。

セグメント別情報

• セグメント状況（商品区分別 第1Q）
  • 医薬品：37,207百万円（構成比13.6%、前年比微減）
  • 化粧品：24,290百万円（構成比8.9%）
  • 雑貨：37,794百万円（構成比13.9%）
  • 一般食品：171,024百万円（構成比62.8%） ← 主要収益源
  • その他：2,077百万円（構成比0.8%）
• 前年同期比較：一般食品が最大の伸び寄与。医薬品・化粧品の構成比はやや低下。
• セグメント戦略：低価格・ローコスト運営と出店拡大を継続。短期的に自社競合を容認しての出店を行っている。

中長期計画との整合性

• 中期経営計画：資料上の具体的中期数値は記載なし。だが出店戦略継続とローコスト運営の方針は一貫している。
• KPI達成状況：店舗数は1,620店（前期末比＋11店）と拡大基調。売上構成や利益率の動きは計画と整合している旨の記載（通期予想据え置き）。

競合状況や市場動向

• 市場動向：国内消費マインドは弱い状況（賃金上昇が物価追随せず）。同社は低価格戦略で需要に対応。
• 競合比較：同業他社との定量比較は資料に記載なし（–）。関東・中部での高成長が確認され、地域ごとの強さに差がある（九州は売上規模最大）。

今後の見通し

• 業績予想：
  • 通期予想（変更なし）：売上1,057,000百万円（＋4.5%）、営業利益40,500百万円（＋0.2%）、親会社株主に帰属する当期純利益31,000百万円（＋0.1%）。
  • 次期予想：–（未記載）
  • 会社予想の前提：特段の為替前提等の記載なし。出店計画・ローコスト運営継続が前提。
• 予想の信頼性：過去の予想修正状況や達成率の記載は本資料では限定的。現時点では保守的な面もあるが、出店・コスト管理により安定的な成長を目指す姿勢。
• リスク要因：国内消費の弱さ、自社競合による短期的利益圧迫、原価・人件費の上昇、出店投資回収リスク等。

重要な注記

• 会計方針：会計基準等の改正に伴う変更は記載あり（詳細は注記参照）。その他大きな会計方針変更や修正再表示は特になし。
• 連結範囲の変更：当該四半期における連結範囲の重要な変更は特記なし（新規・除外の記載なし）。
• その他重要事項：四半期連結キャッシュ・フロー計算書は添付していない。減価償却費は増加（第1Q：5,748百万円）。

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