決算短信：FCホールディングス（6542）

2026年６月期第１四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

エグゼクティブサマリー

• 業績の方向性：増収増益（売上高2,056百万円、前年同期比+12.8%／営業利益253百万円、同+47.5%）。
• 注目すべき変化：期中受注高が2,372百万円（前年同期比+41.0%）と大幅増加。海外受注が大きく回復（受注高：346百万円、前年46百万円）。繰越業務量（受注残）は5,433百万円で前期とほぼ同水準（+0.0%）。
• 今後の見通し：会社は2026年6月期の通期業績予想を提示していない（TCB-14による公開買付け→上場廃止予定のため）。そのため通期達成可能性の評価は不可（–）。
• 投資家への示唆：四半期は受注・売上とも堅調で収益性改善が見られる一方、公開買付けによる上場廃止プロセスが進行中であり業績予想・配当見通しが提示されていない点が最重要。会社の事業基盤自体は安定的だが、資本市場での流動性や株主還元に関する不確実性が高い。

基本情報

• 企業概要:
  • 企業名：株式会社ＦＣホールディングス
  • 主要事業分野：建設コンサルタント（モビリティ形成、環境・都市地域創生、社会インフラ・防災等のコンサルティング）※単一セグメント
  • 代表者名：代表取締役社長 福島 宏治
  • 上場取引所／コード：東（東証）／6542
  • URL：https://www.fchd.jp
• 報告概要:
  • 提出日：2025年11月14日
  • 対象会計期間：2026年6月期 第1四半期（2025年7月1日～2025年9月30日）
  • 決算説明資料：無、決算説明会：無
• セグメント:
  • 単一セグメント：建設コンサルタント事業（上記の3分野等）
• 発行済株式:
  • 期末発行済株式数（自己株式含む）：6,769,483株
  • 期末自己株式数：252,833株
  • 四半期累計期間中平均株式数：6,516,768株
  • 時価総額：–（記載なし）
• 今後の予定:
  • 決算発表（今回）：2025年11月14日（本資料）
  • 株主総会／IRイベント：–（記載なし）
  • その他：2025年10月15日公表の「TCB-14による公開買付けの結果および親会社・主要株主の異動」により上場廃止予定（今後の手続き進行中）

決算サプライズ分析

• 予想vs実績:
  • 会社予想との比較：通期・四半期とも会社からの業績予想は開示していないため比較不能（–）。
  • 市場予想との比較：–（市場予想データなし）
• サプライズの要因:
  • 売上・利益上振れの背景：国内公共事業の受注堅調、稼働率の持続、多様な生産性向上施策の寄与。海外受注の回復が総受注高を押し上げた。
  • 一方で、公開買付関連費用（営業外費用20,615千円）が計上されている点は特殊要因。
• 通期への影響:
  • 会社は通期予想を提示していないため、進捗率等による達成可能性評価は不可（–）。ただし、受注残（繰越業務量）5,433百万円は前期水準を維持しており、下期の売上基盤は確保されている。

財務指標

• 財務諸表ハイライト（第1四半期累計、単位：百万円）
  • 売上高：2,056（前年同期1,823、+12.8%）
  • 売上総利益：660（前年552、+19.5%）
  • 営業利益：253（前年172、+47.5）→ 営業利益率 12.3%（改善傾向）
  • 経常利益：235（前年173、+35.8%）
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益：165（前年107、+54.3%）
  • 1株当たり四半期純利益（EPS）：25.28円（前年16.57円）
• 進捗率分析（通期予想は未提示のため進捗率算出不可）
  • 通期予想に対する進捗率：–（予想未開示）
• 貸借対照表（2025/9/30）
  • 総資産：10,347百万円（前期末9,774百万円、+573百万円）
  • 純資産：8,075百万円（前期末8,213百万円、-138百万円）
  • 自己資本比率：78.0%（前期末84.0%）→ 78.0%（安定水準：40%以上で安定）
  • 流動資産：5,134百万円、流動負債：2,009百万円 → 流動比率 ≒ 256%（良好、100%以上が目安）
  • 総負債比率（負債/資産）：2,273 / 10,348 ≒ 22.0%（低水準、財務余力あり）
  • 現金及び預金：1,437百万円（前期末2,111百万円 減少：-674百万円）※運転資金・納税支出等の影響
  • 短期借入金：700百万円（期中調達）→ 流動負債に計上
• キャッシュフロー：四半期連結キャッシュ・フロー計算書は未作成（注記あり）
• 効率性／収益性指標
  • 売上総利益率：660/2,056 ≒ 32.1%（改善）
  • 営業利益率：12.3%（改善、収益性向上のサイン）
  • ROA（概算）：純利益164.7 / 総資産10,347 ≒ 1.6%（目安としては控えめ）
• セグメント別：単一セグメントのためセグメント別開示は省略。ただし事業分野別販売実績は示されている（下記参照）。

配当

• 配当実績と予想:
  • 2025年6月期：期末配当45.00円（内訳：普通配当35.00円＋記念配当10.00円）、年間合計45.00円
  • 2026年6月期：配当予想は記載なし（上場廃止手続きに伴うため）→ 配当利回り・配当性向は提示なし（–）
• 特別配当の有無：2025年6月期に記念配当10円あり（既払）。
• 株主還元方針：当期は公開買付け・上場廃止予定により今後の配当方針は未提示。自社株買い等の記載なし。

セグメント別情報

• 売上高（事業分野別、第1Q、単位：千円）
  • モビリティ形成事業：766,308（前年614,844、+24.6%）
  • 環境・都市・地域創生事業：362,714（前年324,150、+11.9%）
  • 社会インフラ・防災事業：927,536（前年883,885、+4.9%）
  • 合計（グループ計）：2,056,560（前年1,822,880、+12.8%）
• 地域別販売実績
  • 国内：1,945,135（前年1,702,714、+14.2%）
  • 海外：111,424（前年120,166、-7.2%）
• 受注実績（期中受注高、単位：千円）
  • 合計受注高：2,372,734（前年1,683,265、+41.0%）
  • 繰越残高（受注残）：5,433,084（前年5,432,937、+0.0%）
  • 地域別受注高：国内2,026,587（前年1,636,693）、海外346,147（前年46,572：大幅増）
• セグメント戦略：中期計画「Re-Creation」に基づき、インフラメンテナンス、ソリューション、水道インフラ、環境創生等の5分野へ集中的投資・共創推進。受注増を背景に事業拡大を図る方針。

中長期計画との整合性

• 中期経営計画：2022年7月開始の中期経営計画（「Re-Creation：再創造」）の後半3年間の初年度。重点分野5領域で成長を図る方針を継続中。
• KPI達成状況：主要KPIである受注高・受注残は良好（受注高+41%、受注残ほぼ横ばい）。売上・営業利益も増加しており計画の初期段階としては整合的。ただし、上場廃止手続きに伴う資本市場面の変化が中長期実行に与える影響は留意が必要。

競合状況や市場動向

• 市場動向：国内は「第1次国土強靱化実施中期計画」等により公共投資が安定的に確保されており、建設コンサル業界は堅調な需給環境が続いている旨を会社は説明。海外は地政学リスクが落ち着きつつあるとして受注回復がみられる。
• 競合他社との比較：同業他社との相対比較データは提示がないため–。ただし受注・収益性の改善は業界内での競争力維持に寄与する可能性あり。

今後の見通し

• 業績予想：
  • 通期予想の修正有無：会社は通期の連結業績予想を開示していない（TCB-14の公開買付け→上場廃止予定のため）。
  • 会社予想の前提条件：–（予想未提示のため）
• 予想の信頼性：過去の予想達成傾向に関する記載：–（当四半期資料内の記載なし）
• リスク要因：
  • 公開買付けおよび上場廃止手続きに係る不確実性（株式流動性・株主構成・配当政策への影響）
  • 公共投資の政策変化や財政環境の変動
  • 海外事業での為替・地政学リスク（ただし受注回復が確認されている）
  • 短期借入金増加等の資金調達動向

重要な注記

• 会計方針の変更：なし
• 四半期連結財務諸表の作成に特有の会計処理：なし
• 監査（レビュー）：四半期財務諸表に対する監査法人のレビューは実施されていない
• その他：公開買付けに関する開示（2025/10/15公表）に伴い、当社株式は上場廃止となる予定であり、これを理由に2026年6月期の連結業績予想及び配当予想は開示されていない。

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