1. 企業情報
- 事業内容などのわかりやすい説明
株式会社ディ・アイ・システムは、情報・通信業に属する企業で、主に「システムインテグレーション(SI)事業」と「教育サービス・セキュリティソリューション事業」の2つの事業を展開しています。SI事業が売上高の大部分を占め、通信、金融、官公庁といった公共性の高い顧客向けにシステム開発・運用・保守を行っています。IT教育サービスでは新卒者向け研修なども提供し、セキュリティソリューションでは製品の開発・販売・導入・保守を手掛けています。 - 主力製品・サービスの特徴
- システムインテグレーション事業: 顧客の業務システム(販売管理、顧客管理、購買管理、生産管理など)の設計・開発、ネットワークやプラットフォームの構築、そしてこれらのシステムの運用保守までを一貫して提供しています。近年ではサーバーや基幹システムの置き換え、クラウド移行といった大規模案件が増加しています。
- 教育サービス・セキュリティソリューション事業: IT人材育成のための研修プログラム(自社教材含む)や、サーバー・データベースの操作ログを収集するセキュリティ製品「ためログ」、高度なセキュリティソリューション「WEEDS TRACE」などを提供しています。特に生成AI関連研修やMicrosoft 365 Copilot教材の開発・展開、公共・地方銀行向けのセキュリティ製品販売が好調です。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内での競争優位性や課題について
情報・通信業界、特にITサービス分野で事業を展開しています。通信、金融、官公庁といった特定の顧客層に強固な基盤を持つことが競争優位性の一つと考えられます。これらの分野は高度な技術力と信頼性が求められるため、長年の実績とノウハウが参入障壁となり得ます。一方で、IT業界全体で共通する技術変化の速さ、優秀なIT人材の確保と育成、そして大手ベンダーや新興企業との競争激化は常に課題となります。 - 市場動向と企業の対応状況
現在の市場は、企業や官公庁におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進、オンプレミス環境からクラウドへの移行、生成AIの活用機会の増加、サイバーセキュリティ対策の強化、IT人材のリスキリング需要の高まりといった大きなトレンドにあります。同社はこれらのトレンドに対応し、クラウド移行案件の増加、生成AI関連研修やMicrosoft 365 Copilot教材の展開、セキュリティ製品の強化、品質管理体制の向上やビジネスパートナー活用による案件拡大を進めています。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営陣が掲げるビジョンや戦略
中期経営計画「Vision2028」を掲げ、2028年9月末までに売上高100億円、営業利益10億円の達成を目指しています。この目標達成のため、以下の重点分野と戦略投資を推進しています。 - 中期経営計画の具体的な施策や重点分野
- 成長投資の継続: 本社移転、従業員待遇改善(人件費増)、社内IT投資、基幹システムリプレイス、研修制度の充実など、会社全体の基盤強化への投資を積極化しています。2026年9月期はこれらの「戦略投資継続の期」と位置づけられています。
- SI事業の強化: サーバ・基幹システムのリプレイスやクラウド移行案件への対応力強化、ログ管理製品「ためログ」などの販売促進。
- 教育サービス・セキュリティ事業の成長: 新入社員向け研修の堅調な受注に加え、生成AI関連研修やMicrosoft 365 Copilot教材の開発・提供。セキュリティ製品「WEEDS TRACE」の公共・地方銀行向け販売強化。
- 新製品・新サービスの展開状況(決算短信参照)
決算短信には、生成AI関連研修やMicrosoft 365 Copilot教材といった新しいIT教育サービスの展開、またログ管理製品「ためログ」やセキュリティ製品「WEEDS TRACE」の強化・販売好調が記載されており、市場ニーズに合わせた製品・サービスを投入しています。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデルや市場ニーズの変化への適応力
収益の柱であるSI事業は、顧客との長期的な関係構築とプロジェクト遂行力が重要です。DX推進、クラウド移行、AI活用といった市場の大きな流れに沿ったサービスを提供しており、安定した顧客基盤と成長市場の恩恵を受けやすい構造です。また、教育サービス・セキュリティソリューションは、人手不足やサイバー攻撃の高度化に対応するニーズが高まっており、今後の成長ドライバーとして期待されます。変化の速いIT業界において、生成AI関連のサービス・研修を早期に手掛けるなど、市場ニーズへの適応力を示しています。 - 売上計上時期の偏りとその影響
データなし。一般的にSI事業はプロジェクトの進捗度に応じて売上認識を行うため、期末に売上が集中する傾向が見られることがあります。しかし、決算短信にはその情報に特段の言及はありませんでした。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向や独自性
生成AI技術の進展に対応した研修プログラムや教材の開発を行っています。また、自社開発のセキュリティ製品「ためログ」や「WEEDS TRACE」は、特定の顧客層(公共、地方銀行)にフォーカスした独自性を持つ可能性があります。これらはITインフラの安定稼働と情報セキュリティ確保に対するニーズを満たすものです。 - 収益を牽引している製品やサービス
現在の収益は主にシステムインテグレーション事業全体が牽引しており、特にサーバー・基幹システムのリプレイスやクラウド移行といった大型の開発・構築案件が売上を支えています。教育サービス・セキュリティソリューション事業も高い成長率を示しており、今後の収益貢献が期待されています。
6. 株価の評価
- EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較
- 現在株価: 924.0円
- 会社予想EPS (連結): 88.01円
- 実績BPS (連結): 562.42円
- 会社予想PER: 924.0円 ÷ 88.01円 = 10.50倍
- 実績PBR: 924.0円 ÷ 562.42円 = 1.64倍
- 業界平均PER/PBRとの比較
- 業界平均PER: 17.6倍
- 業界平均PBR: 1.6倍
- 同社の予想PER 10.50倍は業界平均17.6倍と比較して低い水準であり、割安感があります。
- 同社の実績PBR 1.64倍は業界平均1.6倍にほぼ近い水準か、わずかに高い程度です。
7. テクニカル分析
- 直近の株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か
直近10日間の株価は905円から924円の範囲で推移しており、大きな変動は見られません。 - 年初来高値・安値との位置関係
- 年初来高値: 1,104円
- 年初来安値: 790円
- 現在株価924円は、年初来高値からは約16%低い水準であり、年初来安値からは約17%高い水準です。年初来のレンジで見ると、中間のやや安値寄りの位置にあります。
- 50日移動平均線 (961.20円) および200日移動平均線 (948.17円) を下回っており、短期的・中期的に株価は上値の重い状況が継続していると見られます。
- 出来高・売買代金から見る市場関心度
直近10日間の出来高は2,800株から7,300株と非常に少なく、平均出来高(3ヶ月: 6.84k株、10日: 3.84k株)と比較しても低調です。売買代金のデータは「—」ですが、出来高の少なさから市場の関心度は低い状態であると推測されます。
8. 財務諸表分析
- 売上、利益、ROE、ROAなどの指標を評価
- 売上高: 過去5年間で4,656百万円(2021年)から7,222百万円(2025年実績)へと順調に増加しており、年間成長率は約10%前後で推移しています。
- 営業利益: 204百万円(2021年)から356百万円(2025年実績)へと増益傾向ですが、2025年は売上高の伸び(+5.7%)に対して営業利益の伸び(+3.7%)が限定的でした。これは、成長投資(人件費、本社移転、IT投資など)による販売費及び一般管理費の増加が要因です。
- 純利益: 149百万円(2021年)から256百万円(2025年実績)へと堅調に増加しています。
- ROE (実績): 16.67% (過去12ヶ月)。非常に高い水準を維持しており、株主資本を効率的に活用して利益を上げていることを示します。
- ROA (実績): 7.44% (過去12ヶ月)。総資産を効率的に活用できていることを示しており、良好な水準です。
- 過去数年分の傾向を比較
売上高、営業利益、純利益ともに過去数年で増収増益のトレンドにあります。ただし、2025年9月期は成長投資費用の増加により、利益の伸びはやや鈍化しました。この傾向は翌期2026年9月期も継続すると会社は見込んでいます。 - 四半期決算の進捗状況(通期予想との比較)
今回は通期決算の開示であり、2026年9月期の通期予想が示されています。2026年9月期については、売上高+10.1%増収、営業利益+7.0%増益を見込む一方、戦略投資の継続により、親会社株主に帰属する当期純利益は横ばい(±0%)とされています。これは、投資フェーズであることを明確に示唆するものです。
9. 財務健全性分析
- 自己資本比率、流動比率、負債比率の評価
- 自己資本比率(実績): 52.6% (2025年9月期)。50%を超えており、財務基盤が非常に安定していることを示します。前期(49.7%)からも改善しています。
- 流動比率(直近四半期): 1.87倍(187%)。短期的な支払い能力に十分な余裕があり、財務健全性が高い状態です。
- 負債比率: 約90%(負債合計1,472百万円 / 純資産1,635百万円)。過度な負債を抱えておらず、健全な水準と言えます。
- 財務安全性と資金繰りの状況
自己資本比率が50%を超え、流動比率も高いことから、財務安全性は極めて良好です。期末現金及び現金同等物は1,023百万円あり、手元資金も十分です。営業活動によるキャッシュフローは299百万円と安定的にプラスを維持しており、事業からの資金創出力も高いです。 - 借入金の動向と金利負担
損益計算書上の「Net Non Operating Interest Income Expense」は微々たるプラスであり、実質的な金利負担は非常に小さいと見られます。総じて、安定した財務状態と資金繰りを維持しています。
10. 収益性分析
- ROE、ROA、各種利益率の評価
- ROE (実績): 16.67% (過去12ヶ月)。一般的なベンチマークである10%を大きく上回っており、株主資本効率が非常に優れていると評価できます。
- ROA (実績): 7.44% (過去12ヶ月)。一般的なベンチマークである5%を上回っており、総資産効率も良好です。
- 営業利益率: 4.9% (2025年9月期実績)。ITサービス業としては中程度の水準であり、特別に高いわけではありません。粗利率は約20.37%です。
- 一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%等)との比較
ROEおよびROAは共に業界標準や一般的なベンチマークを大きく上回っており、資本効率は極めて高いと言えます。 - 収益性の推移と改善余地
売上高は順調に伸びていますが、営業利益率は2024年の5.0%から2025年の4.9%へ微減しました。これは成長投資による販管費増が主因であり、会社も2026年9月期には利益率の一時的な低下を見込んでいます。中期計画では2028年に営業利益率10%を目指しており、現在の4.9%から大幅な改善が必要です。投資効果が顕在化し、高付加価値サービスの比率が高まれば、収益性の改善余地は十分にあります。
11. 市場リスク評価
- ベータ値による市場感応度の評価
ベータ値(5Y Monthly)は-0.05と非常に低い数値です。これは市場全体の変動に対して株価がほとんど連動せず、むしろ逆方向に動く傾向があるごく稀なケースを示します。通常、ベータ値は市場感応度を示しますが、この数値は実態と異なる可能性も考慮が必要です。 - 52週高値・安値のレンジと現在位置
- 52週高値: 1,104円
- 52週安値: 790円
- 現在株価924円は、52週高値からは約16%低い位置、52週安値からは約17%高い位置にあり、レンジの中央よりやや下方に位置しています。
- 決算短信に記載のリスク要因(外部環境、為替、地政学等)
決算短信には、地政学リスク、サプライチェーンの混乱、エネルギー価格や各国金融政策による景気変動の影響、DX投資の先行き不透明感、技術変化や競争激化、優秀なIT人材の確保難といった幅広いリスク要因が挙げられています。特にIT業界においては、技術変化への迅速な対応と人材確保が事業継続に不可欠なリスク要因となります。
12. バリュエーション分析
- 業種平均PER/PBRとの比較
- 同社の会社予想PERは10.50倍であり、業種平均PER 17.6倍と比較してかなり割安です。
- 同社の実績PBRは1.64倍であり、業種平均PBR 1.6倍にほぼ同水準です。
- 目標株価レンジの算出(業界平均倍率適用)
- 業種平均PER基準: 会社予想EPS 88.01円 × 業種平均PER 17.6倍 = 1,549円
- 業種平均PBR基準: 実績BPS 562.42円 × 業種平均PBR 1.6倍 = 899.87円(約900円)
- 割安・割高の総合判断
現在の株価924円は、業種平均PER基準で算出した目標株価1,549円と比較すると、大幅な割安感があります。一方、業種平均PBR基準の目標株価900円とはほぼ同水準であり、割安感は限定的です。総合的に見ると、PERベースでは割安感がありますが、PBRベースでは妥当な水準であり、成長投資段階で利益率が一時的に低いことを考慮すると、市場は将来性よりも現在の利益水準に基づいて評価している可能性があります。
13. 市場センチメント分析
- 信用取引の状況(信用買残、信用倍率、需給バランス)
- 信用買残: 22,900株(前週比 -3,500株)。
- 信用売残: 0株。
- 信用倍率: 0.00倍(信用売残が0株であるため、計算上0になります)。
信用売残がほぼゼロであるため、信用買い残が株価の重しとなる可能性は低いでしょう。信用買残は減少傾向にあり、需給は悪化していないものの、特別に引き締まっているわけでもありません。
- 株主構成(経営陣持株比率、安定株主の状況)
主要株主には、(株)NAM(創業者のファミリー会社と推測)、自社(自己株口)、代表者である長田光博氏、その他の関連個人株主、自社社員持株会が名を連ねています。インサイダー(経営陣関連)保有比率は58.28%と非常に高く、経営の安定性が確保されており、安定株主が多い構造です。一方、機関投資家の保有比率は0.00%となっており、市場での知名度や流動性は低い可能性があります。 - 大株主の動向
データなし。
14. 株主還元と配当方針
- 配当利回りや配当性向の分析
- 配当利回り(会社予想): 3.03% (年間予想配当28円 / 現在株価924円)。現在の低金利環境下では魅力的な水準です。
- 1株配当(会社予想): 28.00円。
- 配当性向(過去12ヶ月): 30.61%。実績としても2025年9月期が30.6%、2026年9月期予想が31.8%と、利益水準に対して安定した配当を継続する方針が見られます。
- 自社株買いなどの株主還元策
決算短信によると、期中の自己株式取得はわずかであり、大規模な自社株買いは実施していません。株主還元は主に安定的な配当によって行われています。 - 株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策
データなし。
15. 最近のトピックスと材料
- 適時開示情報の分析(大型受注、新製品、拠点展開等)
2025年11月14日に発表された2025年9月期決算短信(連結)が最新の主要な情報です。- 業績好調: 売上高、営業利益、純利益ともに増収増益を達成しました。特に教育サービス・セキュリティ分野が17.8%と高い伸びを示しました。
- 成長投資の積極化: 本社移転、社員待遇改善、社内IT投資、基幹システムリプレイスなど、将来の成長に向けた戦略投資を積極的に実施しています。
- 2026年9月期予想: 売上高は10.1%増の7,952百万円、営業利益は7.0%増の381百万円を見込むものの、戦略投資継続により純利益は横ばい(±0%)の256百万円と、投資先行の姿勢を明確にしています。
- 中期経営計画「Vision2028」への進捗: 2028年に売上高100億円、営業利益10億円を目指しており、2026年を投資継続の期と位置づけ、その達成に向けた基盤固めを進めています。
- これらが業績に与える影響の評価
短期的には、積極的な成長投資に伴う販管費の増加が利益の伸びを抑制し、営業利益率が横ばいまたは微減する可能性があります。会社も2026年9月期の純利益を横ばいと見込んでいることから、投資フェーズの期間は利益成長が限定されることが予想されます。しかし、これらの投資が成功すれば、中長期的には競争力強化と事業規模拡大に繋がり、Vision2028達成に向けた収益基盤となることが期待されます。
16. 総評
ディ・アイ・システムは、情報・通信業において、システムインテグレーションを主軸にIT教育・セキュリティソリューションを展開する企業です。通信、金融、官公庁といった特定の顧客基盤を持ち、DX推進やクラウド移行といった市場ニーズに合致したサービスを提供しています。
全体的な見解:
同社は過去数年にわたり堅調な増収増益を達成しており、特に教育サービス・セキュリティ分野は高い成長性を示しています。財務体質は極めて安定しており、自己資本比率50%超、高水準の流動比率、潤沢な現金を保持しています。ROEやROAも一般的なベンチマークを大きく上回る高水準で、資本効率も良好です。
しかし、中長期的な成長を重視し、本社移転、人材投資、IT基盤強化といった戦略的な投資を積極的に行っているため、短期的には売上増に対する利益の伸びが抑制され、営業利益率が一時的に低下する局面に入っています。会社自身も2026年9月期は純利益の横ばいを予想しており、投資先行型の事業フェーズであることを示唆しています。
株価については、会社予想PERが業界平均と比較して割安感がある一方、PBRは業界平均並みです。直近株価は年初来のレンジの中央近辺で推移し、出来高が少ないため市場の関心度は低いと見られます。
- ポジティブ:
- 安定的な売上成長と増益トレンド、高い自己資本比率と潤沢な手元資金に裏打ちされた盤石な財務基盤。
- ROE・ROAが優良水準で、資本効率が高い。
- DX、クラウド、AI活用、セキュリティといった成長市場のニーズに合致した事業を展開。
- 会社予想PERが業界平均と比較して割安感がある。
- 安定的な配当方針を継続。
- ネガティブ:
- 成長投資の継続により、短期的には売上成長ほどの利益成長が見込めず、営業利益率の一時的な低下が予想される。
- 市場の関心度が低く、出来高が少ない。
- 浮動株比率が低いため、株価の流動性に制約がある可能性。
強み・弱み・機会・脅威 (SWOT):
- 強み (Strengths):
- 強固な財務体質(高自己資本比率、高流動比率)。
- 高い資本効率(ROE、ROA)。
- 通信・金融・官公庁など特定分野における実績と顧客基盤。
- 中長期的な成長を見据えた積極的な投資戦略。
- 弱み (Weaknesses):
- 成長投資による短期的な利益率の圧縮。
- ITサービス業界内における営業利益率の伸び悩みが一時的に見られる。
- 市場における流動性の低さ(低い出来高、高いインサイダー保有比率)。
- 機会 (Opportunities):
- DX推進やクラウドシフト、生成AI・セキュリティ投資といった市場全体のIT投資需要の拡大。
- IT人材育成・リスキリングニーズの高まり。
- 新技術導入によるサービス高度化と高付加価値化。
- 脅威 (Threats):
- IT人材の獲得競争激化と人件費の高騰。
- 技術革新の速さへの対応と競争環境の変化。
- 景気変動や地政学リスクによる顧客のIT投資抑制。
17. 企業スコア
- 成長性: A
- 売上高は堅調に増加しており、2026年9月期も10%増収を見込み。教育サービス・セキュリティ分野が高成長を牽引。中期経営計画で野心的な目標を掲げ、積極的に先行投資を行っている点を評価。
- 収益性: B
- ROE 16.67%、ROA 7.44%と効率性指標は優良水準。しかし、営業利益率は4.9%(2025年実績)とITサービス業としては低中程度であり、成長投資による短期的な利益率低下が予想されている。長期的な改善期待はあるものの、現状の利益率を考慮するとB評価。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率52.6%、流動比率1.87倍(187%)、負債比率約90%と非常に高く安定している。潤沢な現金も保有しており、財務基盤は極めて良好。
- 株価バリュエーション: A
- 会社予想PER 10.50倍は業界平均17.6倍と比較して明らかに割安感がある。PBR 1.64倍は業界平均1.6倍と同水準で妥当。成長投資期で利益率が一時的に低下する中でも、将来の成長性や堅牢な財務と比べると現在のPERは魅力的。
企業情報
| 銘柄コード | 4421 |
| 企業名 | ディ・アイ・システム |
| URL | http://www.di-system.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
バリュー投資分析(5年予測・参考情報)
将来のEPS成長と配当を予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 924円 |
| EPS(1株利益) | 88.01円 |
| 年間配当 | 3.03円 |
予測の前提条件
| 予想EPS成長率 | 3.0% |
| 5年後の想定PER | 10.5倍 |
5年後の予測値
EPS成長率と想定PERを基に算出した5年後の理論株価と累計配当です。
| 予想EPS | 102.03円 |
| 理論株価 | 1,071円 |
| 累計配当 | 17円 |
| トータル価値 | 1,088円 |
現在価格での試算リターン
現在の株価で購入した場合に期待できる年率換算リターン(CAGR)の試算値です。
| 試算年率リターン(CAGR) | 3.32% (参考:低水準) |
目標年率ごとの理論株価(参考値)
目標とする年率リターンを達成するための理論上の買値と、さらに50%の安全域を確保した価格です。
| 目標年率 | 理論株価 | 安全域価格 | 現在株価との比較 |
|---|---|---|---|
| 15% | 541円 | 270円 | × 算出価格を上回る |
| 10% | 675円 | 338円 | × 算出価格を上回る |
| 5% | 852円 | 426円 | × 算出価格を上回る |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.5)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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