以下は、菊水化学工業(7953)の企業分析レポートです。
1. 企業情報
- 事業内容などのわかりやすい説明
菊水化学工業は、建築物の下地材から仕上げ材まで一貫して製造・販売する大手企業です。塗料・仕上塗材の開発・販売に加え、責任施工も手掛けています。特に、建物の改修改装工事に強みを持ち、この分野が同社の重要な収益源となっています。 - 主力製品・サービスの特徴
同社は、外装仕上塗材、内装仕上塗材、建築用塗料、土木建築用資材などを幅広く提供しています。主力は建築物の美観維持や機能向上に貢献する各種仕上材であり、下地から仕上げまで一貫した製品ラインナップと施工サービスが特徴です。特に改修改装工事は好採算性であり、事業の柱の一つとなっています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内での競争優位性や課題について
同社は建築仕上げ材の大手として、下地材から最終的な塗料仕上げまで一貫して提供できる体制が競争優位性となっています。しかし、国内市場においては、戸建て塗替え市場の低迷が販売・工事双方に影響を与えており、これが足元の課題となっています。 - 市場動向と企業の対応状況
国内市場は雇用・所得改善で緩やかに回復基調にあるものの、物価高、原材料費・エネルギー価格の上昇、円安、人手不足といった課題が不透明感を増しています。特に戸建て塗替え市場における消費者マインドの低下は同社の業績に直結しており、厳しい市場環境が続いています。対応としては、環境対策(アスベスト除去など)や省エネ塗料といった機能性製品、さらに社会インフラの機能回復・美観回復需要の開拓に注力していく方針を示しています。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営陣が掲げるビジョンや戦略
同社は「Repaint the future」(~2050)をビジョンとして掲げており、環境配慮製品の普及やSDGs推進を経営方針の重点としています。 - 中期経営計画の具体的な施策や重点分野
中期経営計画の具体的な数値目標や施策の進捗については、提供データからは詳細が確認できません。しかし、上記ビジョンに基づき、環境配慮型製品の開発・普及、省エネ塗料、アスベスト除去を含む社会インフラ関連需要への対応を重点分野としています。 - 新製品・新サービスの展開状況(決算短信参照)
決算短信には具体的な新製品・新サービスの展開状況に関する記載はありません。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデルや市場ニーズの変化への適応力
同社の収益モデルは、建築仕上材の「製品販売」とそれらを適用する「工事」の二本柱です。国内の建設・改修市場の動向に大きく影響されますが、環境配慮型製品や省エネ、老朽化インフラの改修といった現代のニーズを取り込むことで、市場ニーズの変化への適応を図っています。しかし、足元の戸建て塗替え市場の低迷は、市場ニーズの変化に追いつくための課題を示唆しています。 - 売上計上時期の偏りとその影響
データなし。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向や独自性
提供データからは、具体的な技術開発の動向や独自性に関する詳細な情報は確認できません。 - 収益を牽引している製品やサービス
事業セグメントが「製品販売・工事」の単一であるため、個別の製品やサービスの収益貢献度は特定できませんが、建築物の改修改装工事が好採算であり、同社の主要な収益を牽引しているとされます。
6. 株価の評価
- EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較
- 会社予想EPS(連)34.40円に、現在の株価380.0円を当てはめると、PERは約11.05倍となります。これは会社予想PERと一致しており、現在の株価は会社予想の利益水準に基づいた評価に沿っていると言えます。
- 実績BPS(連)779.99円に対して、現在の株価380.0円を当てはめると、PBRは約0.49倍となり、実績PBRと一致しています。
- 業界平均PER/PBRとの比較
- 業界平均PER10.0倍に対し、同社のPER(会社予想)11.05倍はやや割高です。
- 業界平均PBR0.5倍に対し、同社のPBR(実績)0.49倍はほぼ同水準、あるいはわずかに割安です。
7. テクニカル分析
- 直近の株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か
直近10日間の株価は380円から385円のレンジで推移しており、現在の株価380.0円は直近ではレンジの下限に近い水準であり、安値圏にあると言えます。 - 年初来高値・安値との位置関係
年初来高値409円、年初来安値339円に対して、現在の株価380.0円は、レンジの中央値(約374円)よりやや高値よりの位置にあります。 - 出来高・売買代金から見る市場関心度
本日の出来高は9,200株、売買代金は3,502千円と、非常に低い水準です。3ヶ月平均出来高10.13千株、10日平均出来高14.45千株と比較しても低く、市場の関心度は低い状態が続いています。
8. 財務諸表分析
- 売上、利益、ROE、ROAなどの指標を評価
- 売上高は過去5年間、約210億円~220億円台で推移しており、大きな成長は見られません。2025年3月期以降はやや減少傾向にあります。
- 営業利益は2024年3月期に5.5億円と回復しましたが、過去12か月では1.9億円、2025年3月期予想では2.6億円と大きく減少する見込みです。
- 純利益も同様に2024年3月期に3.7億円と回復したものの、過去12か月では0.86億円、2025年3月期予想では1.6億円と減少傾向にあります。
- ROE(過去12ヶ月):0.83%、ROA(過去12ヶ月):0.72%と、非常に低い水準にあります。
- 過去数年分の傾向を比較
売上高は横ばいから微減傾向、利益は特に過去12ヶ月と2025年3月期予想で大きく落ち込んでいます。収益性が悪化している傾向が見られます。 - 四半期決算の進捗状況(通期予想との比較)
2026年3月期第2四半期(中間期)の決算短信によると、通期予想(売上225億円、営業利益6.5億円、純利益4.33億円)に対し、中間期の売上高進捗率は46.9%と概ね半期相当です。しかし、営業利益の進捗率は27.4%、親会社株主に帰属する中間純利益の進捗率は21.8%と、大幅に低く、下期での大幅な利益回復が通期目標達成には不可欠となります。これは、戸建て塗替え市場の低迷やコスト増が要因とされています。
9. 財務健全性分析
- 自己資本比率、流動比率、負債比率の評価
- 自己資本比率:58.7%(実績)、中間期末59.3%と非常に高い水準を維持しており、財務基盤は極めて健全です。
- 流動比率:203%(直近四半期、中間期末)と200%を超えており、流動性は非常に良好で、短期的な債務返済能力には全く問題ありません。
- 負債比率:65.8%(中間期末の負債合計/純資産)と低く、負債依存度が低いことを示しています。
- 財務安全性と資金繰りの状況
自己資本比率の高さ、流動比率の良好さから、財務安全性は非常に高いと言えます。中間期の営業キャッシュフローも+405百万円と改善しており、資金繰りにも懸念は見られません。 - 借入金の動向と金利負担
総負債は1.72B、有利子負債は約1,637百万円(中間期末)。長期借入金は減少傾向にあり、総負債/自己資本比率も17.25%と低く抑えられています。過去12カ月でネット受取利息が-13,377千円と若干の金利負担があるものの、全体から見れば非常に小さいものであり、金利負担が財務を圧迫する状況ではありません。
10. 収益性分析
- ROE、ROA、各種利益率の評価
- ROE(過去12カ月):0.83%
- ROA(過去12カ月):0.72%
- 営業利益率(過去12カ月):1.53%
- 売上総利益率(過去12カ月):22.9%
いずれの指標も非常に低い水準にあり、特にROEとROAは資本や資産を効率的に活用して利益を生み出す力が著しく低いことを示しています。中間決算では営業利益率が1.69%と、前年中間期の2.31%からさらに低下しており、採算性の悪化が顕著です。
- 一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%等)との比較
ROE10%、ROA5%という一般的なベンチマークと比較すると、同社の収益性は大きく下回っています。 - 収益性の推移と改善余地
売上高営業利益率の低下が示唆するように、収益性は悪化傾向にあります。原材料費・エネルギー価格高騰などのコスト圧力がある中で、売上高を維持しつつ、コスト削減や高付加価値製品への転換、効率的な生産・施工体制の構築など、収益性改善に向けた取り組みが急務です。
11. 市場リスク評価
- ベータ値による市場感応度の評価
ベータ値(5Y Monthly)は0.12と非常に低く、市場全体の変動に対する感応度が極めて低いことを示しています。これは、市場全体の動きに比較的左右されにくい銘柄である可能性を示唆します。年間ボラティリティも16.20%と低めです。 - 52週高値・安値のレンジと現在位置
52週高値409.00円、52週安値339.00円に対し、現在の株価380.0円はレンジの中間よりやや高値寄りに位置しています。 - 決算短信に記載のリスク要因(外部環境、為替、地政学等)
決算短信に記載されている主なリスク要因は、原材料・エネルギー価格の高騰、為替変動(円安)、国内需要動向(特に戸建て塗替え市場の低迷)、人手不足の深刻化、国際情勢の不確実性などです。これらの外部環境要因が業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。
12. バリュエーション分析
- 業種平均PER/PBRとの比較
同社のPER(会社予想)11.05倍は、業種平均PER10.0倍と比較してやや割高です。
PBR(実績)0.49倍は、業種平均PBR0.5倍とほぼ同水準です。 - 目標株価レンジの算出(業界平均倍率適用)
提供データによる目標株価は以下の通りです。- 目標株価(業種平均PER基準): 69円
- 目標株価(業種平均PBR基準): 389円
PER基準の目標株価は現在の株価と大きく乖離していますが、PBR基準では現在の株価380円と近い389円です。
- 割安・割高の総合判断
現在の株価380円は、会社予想PERで見ると業界平均よりやや割高、PBRで見ると業界平均並みです。ただし、収益性が極めて低い(ROE 0.83%、ROA 0.72%)にもかかわらず、PERが業界平均を上回っている点は割高感を示唆します。PBRは業界平均並みですが、低い収益性を考慮すると、割安とは判断しにくい状況です。
13. 市場センチメント分析
- 信用取引の状況(信用買残、信用倍率、需給バランス)
信用買残は63,500株、信用売残は0株です。信用倍率は0.00倍となっており、信用買いが多い一方で、売りが全く入っていない状況です。これは、短期的な売り圧力が非常に低いことを意味しますが、同時に、投機的な関心が低い可能性も示唆します。 - 株主構成(経営陣持株比率、安定株主の状況)
大株主には自社関係者(取引先持株会、社員持株会、自己株口)、地元金融機関(名古屋銀行、あいち銀行、大垣共立銀行)、事業会社(長瀬産業)などが名を連ね、安定株主が多い構成です。インサイダー(経営陣)が33.67%、機関投資家が10.06%を保有しており、経営の安定性が伺えます。 - 大株主の動向
データなし。
14. 株主還元と配当方針
- 配当利回りや配当性向の分析
会社予想配当利回り4.47%と非常に高水準です。
配当性向は会社予想ベースで約49.4%と、利益の約半分を配当に回すやや高めの還元方針を示しています。2025年3月期も年間配当17.00円の実績があり、2026年3月期も同額を維持する計画です。 - 自社株買いなどの株主還元策
期中に自己株式取得(35,175千円)を実施しており、配当だけでなく自社株買いによる株主還元も行っています。 - 株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策
データなし。
15. 最近のトピックスと材料
- 適時開示情報の分析(大型受注、新製品、拠点展開等)
直近の決算短信において、大型受注や新製品の具体的な情報、拠点展開に関する特筆すべき適時開示情報はありませんでした。 - これらが業績に与える影響の評価
データなし。
16. 総評
菊水化学工業は、建築仕上げ材の製造・販売および責任施工を手掛ける企業で、改修改装工事を主要な事業の柱としています。
強み:
- 一貫した事業モデル: 建築物の下地材から仕上げ材まで一貫して製品提供および施工を行う独自の強みを持っています。
- 盤石な財務基盤: 自己資本比率59.3%、流動比率203%と財務健全性は極めて高く、安定した経営基盤を持っています。
- 安定的な株主構成: 安定株主が多く、経営は比較的安定していると見られます。
- 高水準の株主還元: 高い配当利回りと、自社株買いを行う株主還元策は魅力的です。
弱み:
- 低い収益性: ROE、ROA、各種利益率が一般的なベンチマークを大きく下回っており、資本効率・資産効率が悪く、収益力の改善が最大の課題です。
- 利益の伸び悩みと減益傾向: 売上高は横ばい圏で推移しているものの、利益は直近で減少傾向にあり、特に中間決算の利益進捗は通期予想に対し大幅に劣後しています。
- 市場低迷の影響: 戸建て塗替え市場の低迷が、販売・工事双方に悪影響を与えています。
機会:
- 社会インフラ需要: 環境対策(アスベスト除去など)、省エネ塗料、機能回復・美観回復といった社会インフラ関連の需要開拓。
- ニッチ市場での優位性: 一貫生産・施工体制を活かした高付加価値サービスの提供。
脅威:
- 外部環境要因: 原材料・エネルギー価格の高騰、為替変動(円安)、人手不足、地政学リスクなどがコスト増や供給制約につながる可能性。
- 国内市場の縮小: 国内の建設・住宅市場の長期的な縮小傾向。
- 消費者マインドの低下: 物価高などによる消費者のリフォーム意欲の減退。
同社は非常に高い財務健全性と安定的な株主構成を持つ一方で、収益性の低さと利益の伸び悩みが課題です。高配当利回りは魅力的ですが、中間決算の利益進捗が通期予想に比べて大幅に低く、下期の業績回復が鍵となります。ベータ値が低いため、市場全体の変動には比較的左右されにくい特性があります。しかし、収益性改善に向けた具体的な施策とその実行状況を注視し、下期の業績回復が実現するかどうかが今後の投資判断の重要なポイントとなるでしょう。
17. 企業スコア
- 成長性:C
売上高は横ばいから微減傾向、利益は現状減益予想であり、成長に勢いが見られません。新製品展開などの具体的な成長ドライバーの開示も乏しいです。 - 収益性:D
ROE 0.83%、ROA 0.72%と、一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%)を大幅に下回っています。営業利益率も低く、収益性は非常に低いと評価されます。 - 財務健全性:S
自己資本比率59.3%と非常に高く、流動比率203%、有利子負債比率も低く、潤沢な現金保有も確認できます。非常に優れた財務健全性を有しています。 - 株価バリュエーション:B
PERは業界平均よりやや割高ですが、PBRは業界平均並みです。財務健全性が高く、高配当である点を考慮すると、極端な割高感はないものの、低収益性を踏まえると割安とまでは言えません。
企業情報
| 銘柄コード | 7953 |
| 企業名 | 菊水化学工業 |
| URL | http://www.kikusui-chem.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
バリュー投資分析(5年予測・参考情報)
将来のEPS成長と配当を予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 380円 |
| EPS(1株利益) | 34.40円 |
| 年間配当 | 4.47円 |
予測の前提条件
| 予想EPS成長率 | 3.0% |
| 5年後の想定PER | 11.1倍 |
5年後の予測値
EPS成長率と想定PERを基に算出した5年後の理論株価と累計配当です。
| 予想EPS | 39.88円 |
| 理論株価 | 441円 |
| 累計配当 | 24円 |
| トータル価値 | 465円 |
現在価格での試算リターン
現在の株価で購入した場合に期待できる年率換算リターン(CAGR)の試算値です。
| 試算年率リターン(CAGR) | 4.12% (参考:低水準) |
目標年率ごとの理論株価(参考値)
目標とする年率リターンを達成するための理論上の買値と、さらに50%の安全域を確保した価格です。
| 目標年率 | 理論株価 | 安全域価格 | 現在株価との比較 |
|---|---|---|---|
| 15% | 231円 | 116円 | × 算出価格を上回る |
| 10% | 289円 | 144円 | × 算出価格を上回る |
| 5% | 364円 | 182円 | × 算出価格を上回る |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.5)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。