1. 企業情報

  • 事業内容などのわかりやすい説明
    LITALICOは、障害のある方やその家族を支援する事業を多角的に展開しています。主な事業としては、大人向けの「就労支援」、子どもの「発達障害児支援(児童福祉)」があり、これらを通じて利用者一人ひとりの可能性を最大限に引き出し、社会参加をサポートしています。また、障害福祉施設向けのSaaSや情報サービスを提供する「プラットフォーム事業」、2024年に買収した米国企業を通じて「海外事業」も展開しています。
  • 主力製品・サービスの特徴
    • LITALICOワークス(就労支援): 障害のある方が一般企業で働くための職業訓練、就職活動のサポート、そして就職後の職場定着支援までを一貫して提供します。
    • LITALICOジュニア(児童福祉): 発達の気になるお子さんを対象に、社会性のトレーニングや学習支援を行い、将来の自立に向けた力を育む教室サービスです。
    • LITALICO発達ナビ・仕事ナビ・キャリア(プラットフォーム): 障害のある方やその家族、支援者向けのポータルサイトや求人情報サイト運営、さらには障害福祉施設向けのSaaS(クラウドサービス)を提供し、情報提供と業務効率化を支援します。
    • 海外事業: 2024年に買収した米国同業を通じて、現地のDevelopmental Disability Centerなどによる支援サービスを展開し、海外市場での成長を目指しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内での競争優位性や課題について
    LITALICOは、障害者支援サービス業界において、全国に多数の拠点を持つ主要プレーヤーの一つです。就労支援と発達障害児支援の両面でライフステージに応じたサービスを提供する総合力、およびプラットフォーム事業によるSaaS展開が競争優位性となっています。特に、国策として障害者雇用が推進される中、高い社会的ニーズに応える事業モデルは強みです。
    一方で課題としては、成長のための先行投資(特に就労支援事業におけるマーケティングや人材採用・育成など)が足元の利益を圧迫する可能性や、支援員確保・育成の難しさ、公的制度変更のリスクが挙げられます。また、海外事業は成長が著しいものの、文化・法規制の違いやM&A後の統合といった運営リスクも内在します。
  • 市場動向と企業の対応状況
    • 市場動向: 障害者雇用率の引き上げ(法定雇用率達成企業は約46%)、発達障害の認知拡大、ITを活用した支援のニーズ増加といった追い風があります。特に、人材需要の高まりは就労支援事業にとって好材料です。
    • 企業の対応状況:
    • 就労支援: 施設開設計画の一時的なペース調整と、内部強化(サービスの質向上、人材採用・育成への投資)に注力しています。
    • 児童福祉: 高い需要に応え、積極的な施設開設を進めており、直近では黒字化も達成しています。
    • プラットフォーム: SaaS契約数増加による収益性向上を目指し、人員強化への投資も継続しています。
    • 海外事業: 米国でのM&Aによる事業拡大を推進し、新たな成長エンジンとして期待されています。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営陣が掲げるビジョンや戦略
    具体的なビジョンは明示されていませんが、決算短信からは「障害者向け支援サービスのリーディングカンパニーとして、国内での事業拡大と海外市場への積極展開を通じて持続的な成長を実現する」という戦略方向が見受けられます。成長投資と並行して配当維持や自社株買いを行うなど、成長性と株主還元のバランスを重視する姿勢が伺えます。
  • 中期経営計画の具体的な施策や重点分野
    明確な数値目標を伴う中期経営計画の開示はありません。しかし、報告されている今後の施策と重点分野は以下の通りです。
    • 就労支援事業におけるサービスの質向上と内部強化(人材採用・育成)。
    • 児童福祉事業での施設網の積極的な拡大。
    • プラットフォーム事業におけるSaaS契約数の増加と収益性の向上。
    • 海外事業でのM&A後の追加投資と、安定的な成長基盤の構築。
    • 2027年3月期には就労支援で約20施設の開設を予定しており、引き続き事業拡大を志向しています。
  • 新製品・新サービスの展開状況(決算短信参照)
    決算短信には具体的な新製品・新サービスの名称は記載されていませんが、プラットフォーム事業においてSaaS契約数が順調に増加していることから、既存サービスの機能強化や利用者拡大に注力していると推察されます。また、「その他」セグメントに含まれるLITALICOワンダー(IT・ものづくり教室)やLITALICOライフ(ライフプラン支援)といった新規事業も展開しています。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデルや市場ニーズの変化への適応力
    LITALICOの収益モデルは、国や自治体からの給付金に支えられる障害福祉サービス(就労支援、児童福祉)と、SaaS型のプラットフォーム事業、そして近年加わった海外事業が柱です。これらの事業は、景気変動に左右されにくい社会インフラ的な側面を持ち、安定した収益基盤を構築しています。
    市場ニーズの変化に対しては、障害者雇用率の引き上げや発達障害の認知拡大といった社会的潮流を捉え、事業拡大を図っています。また、ITを活用したプラットフォーム事業の展開は、支援の効率化や質の向上といったニーズに適合しており、高い適応力を持つと言えます。多角的な事業ポートフォリオを持つことで、特定分野の変動リスクを分散しています。
  • 売上計上時期の偏りとその影響
    中間期の売上進捗率が51.7%であることから、特段の売上計上時期に大きな偏りがあるとは考えにくいです。年間を通して比較的に安定して収益が計上される事業特性であると判断されます。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向や独自性
    具体的な技術開発の詳細については決算短信に記載はありませんが、プラットフォーム事業においてSaaSを展開しており、IT技術を活用したサービス提供に注力しています。施設向けの運営支援ツールや情報提供サイトは、データに基づいた支援や運営効率化に寄与すると考えられます。LITALICOワンダーでのIT教育提供も、テクノロジーへの知見を有することを示唆しています。この分野での独自性は、長年の支援活動で培った個別支援のノウハウとIT技術の融合にあると見られます。
  • 収益を牽引している製品やサービス
    現在の収益を最も牽引しているのは、売上構成比で最大の就労支援事業(38%)です。次いで児童福祉事業(28%)も堅調に成長し、全体の売上増加に貢献しています。利益面では、高成長のプラットフォーム事業(14%)が高い利益率で全体の利益を支え、急速に拡大している海外事業(9%)も新たな収益ドライバーとして注目されます。

6. 株価の評価

  • EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較
    現在の株価は1,251.0円です。
    • 会社予想EPS: 70.34円より、PERは17.79倍(1,251円 ÷ 70.34円)。
    • 実績BPS: 369.79円より、PBRは3.38倍(1,251円 ÷ 369.79円)。
      現在の株価は、会社予想の利益水準からPER17.79倍、資産価値からPBR3.38倍で評価されています。
  • 業界平均PER/PBRとの比較
    • 業界平均PER: 17.0倍に対し、LITALICOのPER17.79倍はやや高めです。
    • 業界平均PBR: 1.8倍に対し、LITALICOのPBR3.38倍は大幅に高めです。
      PBRが業界平均を大きく上回る水準であることから、市場はLITALICOの資産価値以上に、その高い収益性や将来の成長期待を株価に織り込んでいると判断されます。

7. テクニカル分析

  • 直近の株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か
    現在の株価は1,251.0円です。直近10日間の株価は1,236円から1,309円のレンジで推移している中で、本日はこの短期レンジの下限に近い水準で引けています。50日移動平均線(1,267.80円)および200日移動平均線(1,263.83円)をいずれも下回っており、短期的には弱含みの傾向が見られます。
  • 年初来高値・安値との位置関係
    年初来高値1,504円、年初来安値807円に対して、現在の株価1,251円は、高値からは約16.8%低い水準、安値からは約55.0%高い水準にあります。年初来のレンジで見ると、中間のやや高めの位置にあると言えますが、直近の下落により高値圏からは離れています。
  • 出来高・売買代金から見る市場関心度
    本日の出来高は115,200株、売買代金は144,968千円でした。3ヶ月平均出来高128,000株を下回り、10日平均出来高96,980株を上回る水準です。極端な過熱感や無関心は見られず、平均的な市場関心度で推移していると判断されます。

8. 財務諸表分析

  • 売上、利益、ROE、ROAなどの指標を評価
    • 売上高: 過去数年間一貫して二桁成長を続けており、過去12ヶ月では36,565百万円と顕著な伸びを見せています。
    • 営業利益: 安定的に成長してきましたが、2025年3月期予想では横ばいを見込んでいます(事業投資の影響)。しかし、過去12ヶ月では4,557百万円と増加しています。
    • 純利益: 2024年3月期に大幅に増加しましたが、これは非営業収益(利息収入)の影響が大きく、2025年3月期は減益予想です。
    • ROE: 直近の実績20.98%(過去12か月23.92%)と非常に高く、株主資本を効率的に活用できています。
    • ROA: 直近の実績7.50%と良好な水準であり、総資産の有効活用が伺えます。
    • 各種利益率: 営業利益率(過去12か月11.72%)、純利益率(過去12か月8.49%)ともに良好な水準です。
  • 過去数年分の傾向を比較
    売上高は継続的な成長トレンドにあり、本業は拡大を続けています。営業利益も概ね増益基調ですが、積極的に成長投資を行うフェーズに入っているため、一時的に利益成長が鈍化する可能性もあります。ROE/ROAは高水準を維持しており、資本効率の高さが特徴です。
  • 四半期決算の進捗状況(通期予想との比較)
    2026年3月期第2四半期(中間期)の実績は、売上収益18,864百万円、営業利益2,080百万円、親会社帰属中間利益1,236百万円でした。
    これは、会社が発表している通期予想(売上収益36,500百万円、営業利益4,000百万円、親会社帰属当期利益2,500百万円)に対して、それぞれ売上高進捗率51.7%、営業利益進捗率52.0%、当期利益進捗率49.4%と、概ね50%前後の順調な進捗を示しています。会社予想の修正もありませんが、下半期の積極的な投資継続による費用増には留意が必要です。

9. 財務健全性分析

  • 自己資本比率、流動比率、負債比率の評価
    • 自己資本比率: 直近中間期末で32.8%(前期末38.1%)。前期比で低下しており、目安とされる40%を下回っています。成長のための投資(特に米国投資)に伴う借入増加が主な要因です。
    • 流動比率: 直近中間期末で1.26倍(126.1%)。100%を上回っており、短期的な支払い能力は確保されています。
    • 負債比率(Total Debt/Equity): 直近中間期末で146.84%(決算短信からは約204.6%)。自己資本と比較して負債が多い水準であり、これは積極的な借入による成長投資の姿勢を示しています。
  • 財務安全性と資金繰りの状況
    自己資本比率の低下と高めの負債比率は、財務の安全性がやや低下していることを示唆しますが、流動比率から短期的な資金繰りに大きな懸念はないと判断されます。現金及び現金同等物も増加しており、運用に必要な資金は確保されています。
  • 借入金の動向と金利負担
    借入金合計は、直近中間期末で15,884百万円と前期末から約5,662百万円増加しています。これは「米国投資等の借入増」が主因です。Interest Expense(支払利息)も過去12か月で400百万円と増加しており、今後の金利動向によっては、金利負担が収益を圧迫するリスクがあります。

10. 収益性分析

  • ROE、ROA、各種利益率の評価
    • ROE (過去12ヶ月): 23.92% (優良)
    • ROA (過去12ヶ月): 7.50% (良好)
    • 粗利率 (過去12ヶ月): 38.0%
    • 営業利益率 (過去12ヶ月): 11.72%
    • 純利益率 (過去12ヶ月): 8.49%
      どの指標も高い水準を維持しており、特にROE、ROAは一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%)を大きく上回っています。高い収益力を有している企業であると言えます。
  • 収益性の推移と改善余地
    売上は力強い成長を継続しており、事業規模の拡大が進んでいます。セグメント別では、就労支援事業は先行投資により利益率が一時的に低下していますが、児童福祉事業の黒字化やプラットフォーム事業、海外事業の高成長が全体の収益性を支えています。
    今後の改善余地としては、就労支援事業における先行投資の効果発現、児童福祉事業のさらなる稼働率向上と収益拡大、プラットフォーム事業のSaaS拡大による規模の経済効果、海外事業のPMI(経営統合)推進によるシナジー創出が挙げられます。これらの施策が成果を上げれば、一層の収益性向上が期待されます。

11. 市場リスク評価

  • ベータ値による市場感応度の評価
    ベータ値(5Y Monthly)は0.42と1.0を下回っており、LITALICOの株価は市場全体の動きに比べて変動が小さい(市場感応度が低い)傾向にあると評価されます。これは障害者支援という事業特性上、景気変動の影響を受けにくいディフェンシブな性質を持つことと整合しています。
  • 52週高値・安値のレンジと現在位置
    52週高値は1,504.00円、52週安値は807.00円です。現在の株価1,251.0円は、52週レンジの中央値(約1,155円)よりやや上に位置しており、高値圏からは離れ、中間のやや高めの水準と言えます。
  • 決算短信に記載のリスク要因(外部環境、為替、地政学等)
    • 借入増加による金利上昇リスク・財務負担: 成長投資に伴う借入金増加が、金利上昇局面において財務負担として顕在化する可能性があります。
    • 人材採用・育成の遅れによる施設開設計画の遅延: 事業の中核をなす人材の確保と育成が計画通りに進まない場合、事業拡大に影響を及ぼす可能性があります。
    • 規制変更や公的制度(障害者雇用関連)による需要変動: 障害福祉サービス報酬制度や障害者雇用促進法の変更が、収益性や事業環境に直接的な影響を与える可能性があります。
    • 海外事業に伴う為替・現地運営リスク: 米国事業展開に伴う為替変動リスクや、現地の文化・法規制への対応、M&A後のPMI遅延などがリスク要因となります。

12. バリュエーション分析

  • 業種平均PER/PBRとの比較
    • PER(会社予想)17.79倍は業界平均PER17.0倍と比較してやや割高です。
    • PBR(実績)3.38倍は業界平均PBR1.8倍と比較して大幅に割高です。
      PERは業界平均に近い水準ですが、PBRが著しく高いことから、市場はLITALICOの資産価値よりも、その高い収益性や将来の成長性を重視して評価していることが伺えます。
  • 目標株価レンジの算出(業界平均倍率適用)
    • 業界平均PER基準: EPS70.34円 × 17.0倍 = 1,195.78円(約1,196円)
    • 業界平均PBR基準: BPS369.79円 × 1.8倍 = 665.62円(約666円)
      目標株価レンジは、業界平均PER基準で約1,196円、業界平均PBR基準で約666円となります。
  • 割安・割高の総合判断
    現在の株価1,251.0円は、業界平均PER基準の目標株価である約1,196円と比較するとやや割高感があります。業界平均PBR基準では大幅に割高となります。しかし、LITALICOの高い成長性(売上成長率、海外事業の急成長)や優れた収益性(ROE、ROA)を考慮すると、それらが株価に織り込まれている可能性があり、一概に割高とは言い切れない側面もあります。投資家の成長性評価に左右されると判断されます。

13. 市場センチメント分析

  • 信用取引の状況(信用買残、信用倍率、需給バランス)
    • 信用買残: 225,300株(前週比-5,400株)
    • 信用売残: 91,200株(前週比-5,600株)
    • 信用倍率: 2.47倍
      信用買残は売残の2倍強であり、信用買いが信用売りを上回る状況です。需給バランスは信用買い残がやや重い傾向にありますが、信用売り残も減少しており、現状は極端な偏りはないと言えます。ただし、信用買い残が急増した場合は上値の重しとなる可能性があります。
  • 株主構成(経営陣持株比率、安定株主の状況)
    • 経営陣持株比率: 代表者名の長谷川敦弥氏が27.47%を保有しており、経営陣による高い持株比率は、経営の安定性や株主との利害一致を意味します。
    • 機関投資家の保有割合(日本カストディ銀行、日本マスタートラスト信託銀行など信託口分)が合計で約19%程度あり、機関投資家からの一定の支持があると考えられます。
    • 大株主については特定個人や金融機関が上位に名を連ねており、安定株主は一定数いると言えます。
  • 大株主の動向
    提供データからは、直近の大株主の具体的な売買動向は読み取れません。

14. 株主還元と配当方針

  • 配当利回りや配当性向の分析
    • 配当利回り(会社予想): 0.88% (株価1,251円、1株配当11.00円より)
    • 1株配当(会社予想): 11.00円
    • 配当性向(会社予想): 約15.6% (11円 ÷ 予想EPS70.34円)
      配当利回りは1%を下回っており、配当性向も15.6%と控えめな水準です。これは、成長企業として利益を内部留保し、成長投資に再配分する方針を優先していることを示唆しています。
  • 自社株買いなどの株主還元策
    当中間期に50百万円の自社株取得を実行済みと記載されています。また、2025年10月28日~2025年12月31日の期間で、上限3億円、上限30万株の追加の自社株取得を決定しており、株主還元への意識は保持していると評価できます。「成長投資と安定増配の両立、利益水準・財務状況に応じて自己株式取得」が株主還元方針です。
  • 株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策
    提供された決算短信やデータからは、株式報酬型ストックオプション等の具体的なインセンティブ施策に関する記載は確認できません。

15. 最近のトピックスと材料

  • 適時開示情報の分析(大型受注、新製品、拠点展開等)
    2026年3月期第2四半期決算短信では、以下の点がトピックスとして挙げられます。
    • M&A/海外展開: 2024年に米同業を買収し、海外事業が88.9%の売上成長と83.3%の利益成長を達成。これは将来の大きな成長ドライバーとなる材料です。
    • 施設開設の拡大: 児童福祉事業で新規11施設の開設、就労支援で新規2施設の開設を進めており、事業規模の拡大継続を示しています。
    • 自社株買い: 期中における自社株取得の実行と、追加での自社株取得計画を公表しており、株主還元への姿勢を示しています。
  • これらが業績に与える影響の評価
    • 海外事業の急速な成長は、今後の業績全体を押し上げる主要な要因となるでしょう。ただし、米国投資に伴う借入増加は金利負担増のリスクも同時に孕んでいます。
    • 児童福祉事業の施設開設と黒字化は、安定的な収益基盤の強化に繋がります。
    • 自社株買いは、発行済み株式数の減少を通じてEPS(1株当たり利益)の向上に寄与し、株価の下支え要因となる可能性があります。
      全体として、積極的な成長戦略が着実に進捗しており、中長期的な業績拡大に寄与する材料が多いと考えられます。

16. 総評

LITALICOは、障害者支援という社会貢献性の高い分野で事業を展開し、高い成長性と収益性を両立している企業です。就労支援、児童福祉、プラットフォーム、海外と多角的な事業構成で、特定の領域に依存しない安定感を持ちます。特に、プラットフォーム事業によるIT活用や、米国でのM&Aによる海外展開は、今後の成長を牽引する重要な要素です。

  • 成長性: 売上高は継続的な二桁成長を維持し、特に児童福祉事業と海外事業が急成長しています。今後も積極的な施設開設や海外展開により、事業規模の拡大が見込まれます。
  • 収益性: ROE 23.92%、ROA 7.50%と非常に高い水準を誇り、資本効率の良い事業運営ができています。プラットフォーム事業は高い利益率で全体を牽引しています。
  • 財務健全性: 成長投資のための積極的な借入により自己資本比率は低下傾向にあり、負債比率も高めですが、流動比率は確保されており、短期的な資金繰りは問題ありません。ただし、金利負担増のリスクは存在します。
  • バリュエーション: PERは業界平均とほぼ同水準ですが、PBRは大幅に割高です。これは高い成長性や無形資産価値が評価されていることを示唆します。
  • 市場リスク: ベータ値が低く、市場全体の変動の影響を受けにくい特性を持ちます。一方で、公的制度変更や海外事業に伴うリスクは考慮が必要です。

強み・弱み・機会・脅威の整理 (SWOT):

  • 強み (Strengths):
    • 障害者支援市場における全国的な広範な事業展開とブランド力
    • 就労支援、児童福祉、プラットフォーム、海外と多角的な事業ポートフォリオ
    • 高い収益性(ROE、ROA)と持続的な売上成長
    • ITを活用したプラットフォーム事業の展開
    • 経営陣の高い持株比率による経営の安定性
  • 弱み (Weaknesses):
    • 成長投資に伴う利益圧縮(特に就労支援事業)
    • 積極的な借入による自己資本比率の低下と金利負担増
    • 専門人材の採用・育成が事業拡大のボトルネックとなる可能性
  • 機会 (Opportunities):
    • 障害者雇用率の引き上げや発達障害の認知拡大による市場ニーズの増加
    • SaaSモデルによるプラットフォーム事業のさらなる成長
    • 米国市場をはじめとした海外事業の大きな成長余地
    • テクノロジーを活用した新たな支援サービスの開発
  • 脅威 (Threats):
    • 障害福祉サービス報酬制度や関連法規の変更
    • 競合他社の台頭と競争激化
    • 米国金利の変動など海外事業に伴う為替・金利リスク
    • 人材確保競争の激化

17. 企業スコア

  • 成長性: A
    • 売上成長率が高く、受注動向(施設開設ペース、SaaS契約増、海外事業急成長)も良好。中長期でのさらなる事業拡大が期待されます。
  • 収益性: S
    • 粗利率、営業利益率が安定しており、ROE23.92%、ROA7.50%と一般的なベンチマークを大きく上回る極めて高い水準を維持しています。
  • 財務健全性: B
    • 自己資本比率は32.8%と40%を下回っていますが、流動比率は1.26倍で短期の支払い能力は確保されています。成長のための積極的な借入は評価次第であり、中立と判断します。
  • 株価バリュエーション: B
    • PERは業界平均と近い水準ですが、PBRは業界平均を大幅に上回っています。成長期待が織り込まれていると考えられるため、割安とは言えないものの、一概に割高とも判断しにくい中立的な評価とします。

企業情報

銘柄コード 7366
企業名 LITALICO
URL https://litalico.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – サービス業

バリュー投資分析(5年予測・参考情報)

将来のEPS成長と配当を予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,251円
EPS(1株利益) 70.34円
年間配当 0.88円

予測の前提条件

予想EPS成長率 5.0%
5年後の想定PER 15.0倍

5年後の予測値

EPS成長率と想定PERを基に算出した5年後の理論株価と累計配当です。

予想EPS 89.77円
理論株価 1,347円
累計配当 5円
トータル価値 1,352円

現在価格での試算リターン

現在の株価で購入した場合に期待できる年率換算リターン(CAGR)の試算値です。

試算年率リターン(CAGR) 1.56% (参考:低水準)

目標年率ごとの理論株価(参考値)

目標とする年率リターンを達成するための理論上の買値と、さらに50%の安全域を確保した価格です。

目標年率 理論株価 安全域価格 現在株価との比較
15% 672円 336円 × 算出価格を上回る
10% 839円 420円 × 算出価格を上回る
5% 1,059円 530円 × 算出価格を上回る

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.5)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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