2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信日本基準
エグゼクティブサマリー
- 決算サプライズ:通期・会社予想に対して概ね予想通り(中間期ベースの会社公表予想比:売上高102.9%上振れ、営業利益95.3%下振れ、経常利益100.6%ほぼ予想通り、親会社株主に帰属する中間純利益90.6%未達)。特記事項として税務上の効果により中間純利益が大幅に増加(税務効果で上振れ)。
- 業績の方向性:減収減益(営業利益は小幅減少、経常利益は微増)だが、税務要因で当期純利益は大幅増。
- 注目すべき変化:売上高は637.79億円(前年同期比△17.2%)、主因は高吸水性樹脂事業からの撤退および中国などの安価品の競争激化。生活・健康セグメントが大幅減(売上△59.2%)で営業損失に転換。
- 今後の見通し:通期予想は据え置き(売上130,000百万円、営業利益10,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益16,000百万円)。中間期実績の進捗は売上49.1%、営業利益42.9%、経常利益45.7%、当期純利益65.1%で、通期達成に向け概ね整合。ただし営業面は下期の回復が必要。
- 投資家への示唆:当期純利益の大幅改善は税務的要因(繰越欠損や税効果)による一時要因が主で、事業の「稼ぐ力」を示す営業利益は前年同期比でわずかに悪化。中核事業の競争力や高付加価値化の進捗を注視すべき。
基本情報
- 企業概要:
- 企業名:三洋化成工業株式会社
- 主要事業分野:化学製品(高吸水性樹脂、潤滑油添加剤、ウレタン原料、電子材料、機能性薬剤等)をセグメント別に提供(生活・健康/石油・輸送機/プラスチック・繊維/情報・電気電子/環境・住設 他)
- 代表者名:代表取締役社長 樋口 章憲
- URL:https://www.sanyo-chemical.co.jp/
- 報告概要:
- 提出日:2025年11月5日
- 対象会計期間:2026年3月期 第2四半期(中間期:2025年4月1日〜2025年9月30日)
- 決算説明資料:作成・開催あり(アナリスト向け)
- セグメント:
- 生活・健康産業関連分野:高吸水性樹脂等(撤退影響で大幅減)
- 石油・輸送機産業関連分野:潤滑油添加剤、輸送機向け原料等
- プラスチック・繊維産業関連分野:帯電防止剤、ウレタン樹脂等
- 情報・電気電子産業関連分野:トナー材料、電解液、半導体関連材料等
- 環境・住設産業関連分野他:凝集剤、断熱材用原料等
- 発行済株式:
- 期末発行済株式数(普通株式):23,534,752株
- 期末自己株式数:1,413,064株
- 期中平均株式数(中間期):22,121,965株
- 時価総額:–(未記載)
- 今後の予定:
- 半期報告書提出予定日:2025年11月13日
- 配当支払開始予定日:2025年12月8日
- 株主総会/IRイベント:直近の開催予定は資料に記載なし(決算説明会は実施)
決算サプライズ分析
- 予想 vs 実績(会社発表の中間期見通し=2025年8月1日公表に対する達成率)
- 売上高:実績63,779百万円 対 予想62,000百万円 → 達成率102.9%(上振れ)
- 営業利益:実績4,290百万円 対 予想4,500百万円 → 達成率95.3%(下振れ)
- 経常利益:実績5,030百万円 対 予想5,000百万円 → 達成率100.6%(ほぼ同等)
- 親会社株主に帰属する中間純利益:実績10,417百万円 対 予想11,500百万円 → 達成率90.6%(未達)
- サプライズの要因:
- 売上は高吸水性樹脂事業撤退の影響で大幅減少したが、想定より若干持ち直したため中間見通しを上回る。
- 営業利益は主に減収影響でやや未達。
- 中間純利益の大幅改善(前年940百万円→10,417百万円)は、連結子会社(SDPグローバル)の吸収合併に伴う繰越欠損金等を踏まえた税金費用(益)の計上が主因(法人税等が△6,795百万円=税効果で利益押上)。
- 通期への影響:
- 会社は通期予想を据え置き。中間期の進捗で見ると売上・経常は通期見通しに対しおおむね平常の進捗(売上49.1%、経常45.7%)だが、営業利益はやや遅れ(42.9%)。下期での収益改善が必要。
財務指標
- 連結主要数値(当中間:2025/9/30、単位:百万円)
- 売上高:63,779(前年同期77,030、△17.2%)
- 営業利益:4,290(前年同期4,453、△3.7%)→ 営業利益率 約6.7%(4,290/63,779)
- 経常利益:5,030(前年同期4,991、+0.8%)
- 親会社株主に帰属する中間純利益:10,417(前年同期940、+1,007%)
- 1株当たり中間純利益(EPS):470.92円(前年同期42.55円)
- 財政状態(当中間)
- 総資産:186,158百万円(前期末176,366百万円、+97,920百円増)
- 純資産:151,222百万円(前期末138,302百万円、+12,919百万円増)
- 自己資本比率:79.6%(安定水準、前期76.8%)
- 現金及び現金同等物:28,399百万円(前期24,010百万円、+4,389百万円)
- 流動資産合計:87,993百万円、流動負債合計:30,976百万円 → 流動比率 ≈ 284%(健全)
- 有利子負債は少額(短期借入391、長期借入2,070 百万円)→ ネットキャッシュの状況
- キャッシュ・フロー(当中間)
- 営業CF:+9,191百万円(前年同期+4,905百万円)→ キャッシュ創出は増加(好印象)
- 投資CF:△2,902百万円(固定資産取得等)
- 財務CF:△2,394百万円(配当支払等)
- 収益性・効率性
- ROA(年換算):5.6%(前年中間5.1%)
- ROE(年換算):9.2%(前年中間1.4%、税効果等で改善)
- ROIC(年換算):9.9%(前年中間4.8%)
- 総資産回転率や売上高営業利益率は売上減でやや圧迫、だが営業利益率は約6.7%と一定水準を維持
- セグメント別(当中間:売上高/営業利益、前年同期比)
- 生活・健康:8,462百万円(△59.2%)、営業損失129百万円(前年営業利益252)
- 石油・輸送機:24,702百万円(△1.6%)、営業利益2,890百万円(+36.7%)
- プラスチック・繊維:12,978百万円(△3.0%)、営業利益1,023百万円(△28.3%)
- 情報・電気電子:11,166百万円(+6.5%)、営業利益1,365百万円(+13.2%)
- 環境・住設:6,468百万円(△11.6%)、営業損失181百万円(前年は小幅損失)
- 財務の解説:
- 高吸水性樹脂事業撤退により売上は大きく圧縮されたが、資産整理・撤退処理に伴う減損や構造改革費用は一巡。税務上の繰越欠損等を反映した税効果で当期純利益は増大したため、営業ベースと当期純利益の要因が乖離。
配当
- 中間配当:85円(実施済)
- 期末配当(予想):85円
- 年間配当予想:170円(据え置き、修正なし)
- 配当利回り:–(株価未記載のため算出不可)
- 配当性向:–(通期見通しベースで計算可:会社予想の当期純利益16,000百万円・発行済株式数基準での参考値だが、資料上具体割合明示なし)→ 中間配当は維持されており株主還元は継続。
- 特別配当:無
- 自社株買い:記載なし
セグメント別情報(要点)
- 生活・健康:高吸水性樹脂事業撤退に伴い売上・利益とも大幅悪化。撤退関連の減損・構造改革費用の影響が過去期に発生。
- 石油・輸送機:潤滑油添加剤は堅調だが、輸送機向け原料は海外安価品で低調。全体として利益増(コスト管理や製品ミックス改善が寄与)。
- プラスチック・繊維:一部製品は回復も、塗料・コーティング薬剤や一部用途の低調で減収・減益。
- 情報・電気電子:半導体関連材料が堅調でセグメント貢献度上昇。
- 環境・住設:需要低迷・安価品競争により低調、営業損失継続。
中長期計画との整合性
- 中期経営計画(新中期経営計画2025):高付加価値事業への転換、事業ポートフォリオ改革、ものづくり改革、生産設備改革を継続推進中。
- 進捗状況:事業撤退によるポートフォリオ整理は進行中。営業利益の改善は事業再編効果と一部セグメントの回復に依存。税務面の利益改善は中期事業力強化とは別要因のため、継続的KPI(営業利益率、売上規模、海外展開の構成比等)での評価が必要。
競合状況や市場動向
- 市場動向:中国の供給過剰と低価格競争が継続し、石油化学系の事業環境は構造変化。EV市場回復の遅れが電気電子関連(電解液など)に影響。
- 競合他社比較:資料上の他社比較データは無し。概観として海外安価品との競争が主要リスク。
今後の見通し
- 通期予想の修正有無:無(据え置き)
- 通期(会社予想、2026年3月期通期)
- 売上高:130,000百万円(前期比△8.6%)
- 営業利益:10,000百万円(+18.5%)
- 経常利益:11,000百万円(+13.8%)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:16,000百万円(+285.4%)※税務効果を含む
- 予想の前提:為替やナフサ価格等の前提は添付資料参照(資料では為替変動、ナフサ価格の変動を注記)。
- 予想の信頼性:中間期の営業利益進捗はやや遅れ。特に下期での売上回復/収益改善が必要。過去の構造改革費用等の特別要因を踏まえ、営業利益ベースでの継続性を重視するべき。
- リスク要因:中国等の低価格競争、主要顧客(自動車等)業績の影響、為替変動、原材料価格(ナフサ)変動、規制・地政学リスク。
重要な注記
- 会計方針の変更:特段の会計方針変更は無(ただし連結範囲に重要な変更あり。SDPグローバル株式会社は吸収合併により当中間期より連結範囲から除外)。
- 中間連結財務諸表作成に特有の会計処理:適用あり(税金費用の計算方法について注記)。
- 第2四半期決算は公認会計士・監査法人のレビュー対象外。
(注)本資料は提供された決算短信に基づく要約であり、個別銘柄への投資助言を行うものではありません。各投資判断はご自身での確認をお願いします。
上記の内容は、AIによる自動要約に基づいて作成されたものであり、正確性や網羅性について保証するものではありません。内容の解釈や利用に際しては、必ず公式の決算短信 をご参照ください。信頼性を確保するよう努めていますが、情報の完全性についてはご自身での確認をお願い致します。
企業情報
| 銘柄コード | 4471 |
| 企業名 | 三洋化成工業 |
| URL | http://www.sanyo-chemical.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.4)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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