1. 企業情報
- 事業内容などのわかりやすい説明
株式会社ユビキタスAIは、組み込みソフトウェアの開発および販売を手掛ける企業です。自社開発製品に加えて、海外のソフトウェア製品も取り扱い、技術サポートやカスタマイズ開発サービスを提供しています。特にIoT(モノのインターネット)関連のソリューションとデータアナリティクス分野に注力しています。 - 主力製品・サービスの特徴
同社は、組み込み機器向けのセキュリティソリューション(Ubiquitous Securus, Edge Trust)、高速起動ソリューション(Ubiquitous QuickBoot)、データ管理ソフトウェア(Ubiquitous DeviceSQL)、ネットワークミドルウェア(Ubiquitous Network Framework)など多岐にわたる製品を提供しています。最近では、データアナリティクス関連製品・サービスの販売も伸ばしています。これらの製品は、スマートフォン、車載機器、家電、産業機器など幅広い分野で活用されています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内での競争優位性や課題について
ユビキタスAIは、長年にわたり培ってきた組み込みソフトウェア開発の専門知識と、国内外の多様な製品ラインナップが強みです。特にIoTやセキュリティ分野でのソリューション提供は、今後の市場成長が見込まれる領域です。しかし、この分野は技術革新が激しく、多くの国内外企業が競合するため、常に最新技術への対応と差別化が求められます。直近の課題としては、利益率の改善と構造的なコスト削減が挙げられます。 - 市場動向と企業の対応状況
IoTデバイスの普及に伴い、組み込みソフトウェア市場は堅調に拡大しています。特に、デバイスのデータ活用ニーズの高まりから、データアナリティクス関連の需要が増加しています。同社は、この市場動向に合わせてデータアナリティクス事業を強化し、収益を伸ばす動きを見せています。また、中期経営計画において、ソフトウェア事業のセグメント統合を行い、より包括的な顧客支援体制を構築しています。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営陣が掲げるビジョンや戦略
2026年から2028年までの中期経営計画を公表しており、この計画に合わせたセグメント再編(ソフトウェア事業とアナリシスソフトウェア事業の2区分)を実施しました。これにより、顧客への全方位的な支援と、事業間のシナジー創出を目指しています。 - 中期経営計画の具体的な施策や重点分野
データアナリティクス事業は黒字化が進んでおり、今後も成長分野として強化していく方針です。ソフトウェア事業においては、引き続き既存製品の強化と新規技術への対応を進め、収益性の改善を重要な課題と認識しています。 - 新製品・新サービスの展開状況(決算短信参照)
決算短信には具体的な新製品・新サービス名に関する記述はありませんでしたが、ソフトウェアプロダクト領域では「Uni-Voice等のロイヤルティ増加」があり、データアナリティクス領域では「化学系DBや画像解析ソフトの販売増」が報告されており、これらの既存製品群の成長が伺えます。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデルや市場ニーズの変化への適応力
同社の収益モデルは、自社開発ソフトウェアのライセンス販売、海外製品のディストリビューション、受託開発、そしてデータアナリティクス関連サービスで構成されます。IoTやデータ活用といった成長市場のニーズに対応した事業展開を進めており、市場の変化への適応力は一定程度あると考えられます。アナリティクス事業の黒字化はポジティブな兆候です。 - 売上計上時期の偏りとその影響
過去の決算では、ライセンス売上の一部で前倒し計上があったことが示唆されており、これが四半期ごとの売上に影響を与える可能性があります。これにより、一時的な収益変動が生じることがあります。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向や独自性
組み込みシステムという専門領域において、セキュリティ、ネットワーク、データ管理、高速起動など多岐にわたる基盤技術を提供しています。特定の技術に特化するのではなく、幅広いニーズに応える技術ポートフォリオを持つ点が独自性です。決算短信からは、ソフトウェアプロダクト領域におけるUni-Voice等のロイヤルティ収入が安定的な収益源の一つとなっていることが示唆されています。 - 収益を牽引している製品やサービス
直近の中間期決算では、ソフトウェアプロダクト領域(主にUni-Voice等のロイヤルティ)が+6.0%と伸長し、データアナリティクス領域が+8.8%と大幅に成長し、黒字転換を果たしています。これらの領域が現在の収益成長を牽引している主力と言えます。
6. 株価の評価
- EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較
会社予想EPSが-2.20円と赤字予想のため、PERは算出できません。
BPS(実績)は212.45円です。現在の株価364.0円はBPSの約1.71倍となっています。 - 業界平均PER/PBRとの比較
PBR(実績)1.71倍に対し、業界平均PBRは1.6倍です。業界平均と比較すると、現在のPBRはわずかに高い水準にあります。PERは赤字のため比較対象となりません。
7. テクニカル分析
- 直近の株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か
直近10日間の株価は363円から422円のレンジで推移しており、364円はレンジの下限に近い水準です。全体としては緩やかな下落トレンドにあります。 - 年初来高値・安値との位置関係
年初来高値615円、年初来安値277円に対して、現在株価364円は安値圏に近い位置にあります。特に、ここ数ヶ月で株価は大きく下落しています。 - 出来高・売買代金から見る市場関心度
本日出来高は83,600株、売買代金は30,484千円でした。3ヶ月平均出来高18.7万株、10日平均出来高10.9万株と比較すると、本日の出来高は平均を下回っており、市場の関心度はやや低下している可能性があります。
8. 財務諸表分析
- 売上、利益、ROE、ROAなどの指標を評価
売上高は、2023年3月期を底に回復傾向にあり、2025年3月期予想も前年比で増収を見込んでいます。しかし、利益面では不安定さが目立ちます。2023年3月期、2022年3月期は純損失を計上し、2024年3月期に小幅な黒字転換を果たしたものの、過去12ヶ月および直近中間期は再度純損失を計上しています。ROE(実績)は-1.43%、ROA(実績)は0.78%と低く、収益効率には課題があります。 - 過去数年分の傾向を比較
過去数年の売上は変動が大きいものの、直近では成長軌道にあります。しかし、利益は安定せず、赤字と小幅黒字を繰り返しています。これは、事業構造の変化や一時的な費用発生によるものと考えられます。 - 四半期決算の進捗状況(通期予想との比較)
2026年3月期第2四半期(中間期)決算では、売上高が通期予想4,349百万円に対し41.0%と順調な進捗を示しました。一方で、営業利益は△155百万円、純利益は△191百万円と大幅な赤字を計上しており、通期予想(営業利益6百万円、純利益△23百万円)の達成は現時点では極めて困難な状況です。特に、社内調査関連の費用が利益を圧迫しました。
9. 財務健全性分析
- 自己資本比率、流動比率、負債比率の評価
自己資本比率は、実績で69.4%、直近中間期では74.1%と非常に高く、財務基盤は強固です。流動比率は4.29倍(429%)と極めて高く、短期的な支払い能力は極めて良好です。負債比率(直近四半期)もTotal Debt/Equityが2.12%と非常に低く、安全性は高い水準にあります。 - 財務安全性と資金繰りの状況
高い自己資本比率と潤沢な現金(直近四半期で13.6億円)により、財務安全性は非常に高く、資金繰りにも問題はありません。 - 借入金の動向と金利負担
総負債47百万円と借入金は非常に少なく、金利負担も限定的です。
10. 収益性分析
- ROE、ROA、各種利益率の評価
ROE(過去12か月)-1.43%、ROA(過去12か月)0.78%は、一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%)を大幅に下回っています。売上総利益率は比較的高く維持されていますが、営業利益率(過去12か月)-4.54%、最終的なプロフィットマージン-0.77%と、販売費及び一般管理費や営業外費用が利益を圧迫しており、全体的な収益性は低いと評価できます。 - 収益性の推移と改善余地
前年度は小幅黒字でしたが、直近の中間期で再び大幅な赤字に転落しており、収益性は依然として不安定です。データアナリティクス事業の黒字化は好材料ですが、主力のソフトウェア事業での損失拡大が全体の収益性を大きく押し下げています。固定費負担の軽減や不採算事業の見直しなど、抜本的な収益構造改革による改善余地が大きいと言えます。
11. 市場リスク評価
- ベータ値による市場感応度の評価
ベータ値は0.48と、市場全体の変動に対する感応度が低いことを示しています。これは、市場全体が大きく変動する場面でも、比較的株価が安定しやすい特性を持つことを意味します。 - 52週高値・安値のレンジと現在位置
52週高値615円、52週安値277円に対し、現在株価は364円です。レンジの中間から安値圏寄りの位置にあり、過去1年で株価は大きく調整しました。 - 決算短信に記載のリスク要因(外部環境、為替、地政学等)
決算短信には、社内調査関連費用の追加発生、受託契約の変動、主要顧客からのライセンス売上計上のタイミング、のれん償却等の固定費、マクロ経済変動(需給・為替等)が主なリスク要因として挙げられています。特に、直近では社内調査関連費用が利益を大きく圧迫しています。
12. バリュエーション分析
- 業種平均PER/PBRとの比較
会社予想EPSが赤字のためPERは比較できません。実績PBR1.71倍は、業種平均PBR1.6倍と比較して、わずかに割高水準にあります。 - 目標株価レンジの算出(業界平均倍率適用)
業界平均PBR(1.6倍)をBPS(212.45円)に適用した場合の目標株価は340円です。 - 割安・割高の総合判断
現在の株価364.0円は、目標株価340円と比較すると、やや割高感があります。また、利益が安定せず赤字予想であることから、バリュエーション評価は難しい状況です。PBRは業界平均をわずかに上回りますが、現在の収益力を考慮すると割安とは言えません。
13. 市場センチメント分析
- 信用取引の状況(信用買残、信用倍率、需給バランス)
信用買残が932,400株ある一方で、信用売残は0株となっており、信用倍率は0.00倍(計算上)です。信用買残は前週比で+65,000株増加しており、潜在的な売り圧力となる可能性があります。売残がないため、短期的な踏み上げ期待は薄い状況です。 - 株主構成(経営陣持株比率、安定株主の状況)
上位株主には、鈴木仁志氏、村田製作所、鈴木雅人氏、SBI証券などが名を連ねています。経営陣および安定株主の持株比率の具体的なデータはありませんが、個人や事業会社の名前が目立ちます。 - 大株主の動向
提示されたデータからは、特筆すべき大株主の売買動向は読み取れません。
14. 株主還元と配当方針
- 配当利回りや配当性向の分析
会社予想1株配当は0.00円であり、配当利回りは0.00%です。配当性向は算出できません。 - 自社株買いなどの株主還元策
現在のところ、自社株買いなどの具体的な株主還元策に関するデータはありません。 - 株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策
株式報酬型ストックオプションに関する情報はデータにありません。 - 株主還元方針
同社は、財務体質の強化と将来の事業展開に備えるため、内部留保の充実を優先する方針を掲げており、当面は無配を継続するとしています。
15. 最近のトピックスと材料
- 適時開示情報の分析(大型受注、新製品、拠点展開等)
2026年3月期第2四半期決算短信において、営業外費用として「社内調査委員会関連の支払手数料24,046千円」が計上されたことが報告されています。これが中間期の利益を大幅に圧迫しました。ポジティブな点としては、データアナリティクス事業が前年同期の損失から黒字に転換し、売上も堅調に伸びていることが挙げられます。 - これらが業績に与える影響の評価
社内調査関連費用は一時的な性質のものと見られますが、その影響は大きく、通期利益予想達成を困難にしています。データアナリティクス事業の成長は将来の収益を牽引する可能性がありますが、ソフトウェア事業全体の収益性改善が中期的な課題となります。
16. 総評
株式会社ユビキタスAIは、組み込みソフトウェアとIoT、データアナリティクスに特化した事業を展開する企業です。
強み
- 強固な財務基盤: 自己資本比率約74%、流動比率429%と極めて高く、豊富な現金保有もあり、財務健全性は非常に優れています。
- 成長分野への注力: IoT関連ソリューションやデータアナリティクスといった、需要拡大が見込まれる市場でビジネスを展開しています。
- 広範な技術ポートフォリオ: セキュリティ、高速起動、ネットワークなど、組み込みシステムの多様なニーズに対応できる技術力を持っています。
- データアナリティクス事業の好調: 直近の中間期で黒字転換を果たし、売上も堅調に伸びており、今後の成長ドライバーとなる可能性があります。
弱み
- 不安定な収益性: 営業利益と純利益は赤字と小幅黒字を繰り返しており、安定的な収益確保に課題があります。特に直近中間期は赤字幅が拡大しました。
- 固定費の負担: のれん償却などの固定費が利益を圧迫する構造にあります。
- 一時的な費用発生: 社内調査関連費用のような予期せぬ費用が利益を大きく変動させるリスクがあります。
- 無配継続: 株主還元は内部留保の充実を優先しており、配当は継続して行われていません。
機会
- IoT市場の拡大: 組み込みソフトウェアの需要増加は引き続き期待できます。
- データ活用ニーズの高まり: データアナリティクス事業の拡大余地は大きく、成長機会が豊富です。
- 中期経営計画の効果: セグメント再編による経営効率化やシナジー創出が進めば、収益性改善につながる可能性があります。
脅威
- 激しい競争環境: 組み込みソフトウェア市場は競争が激しく、技術革新への継続的な投資が求められます。
- 顧客の動向: 大口顧客からのライセンス売上のタイミングや、受託開発案件の変動が業績に影響を与える可能性があります。
- 景気変動: 受託事業は特に景気変動の影響を受けやすく、業績に不確実性をもたらします。
- 財務健全性は非常に高いものの、収益性の改善が最重要課題です。特に、社内調査関連費用が収束した後の収益動向と、中期経営計画で掲げたソフトウェア事業の採算性改善の具体策とその進捗に注目が必要です。
- データアナリティクス事業の成長はポジティブですが、全体の利益を牽引するまでには至っておらず、ソフトウェア事業全体の巻き返しが不可欠です。
- 株価は年初来安値圏に近く、ベータ値も低いですが、利益面の不確実性や無配継続の方針を考慮すると、慎重な検討が求められます。
17. 企業スコア
- 成長性: B(売上は成長しているものの、利益が不安定なため中立的な評価)
- 収益性: D(ROE、ROA、各種利益率が低く、直近は赤字幅が拡大しているため低い評価)
- 財務健全性: S(自己資本比率74.1%、流動比率428.6%、負債比率2.12%と極めて高く、非常に良好なため高い評価)
- 株価バリュエーション: C(PERは赤字のため評価不能。PBRは業界平均をわずかに上回り、利益の不確実性を考慮すると割安とは言えないため標準より低い評価)
企業情報
| 銘柄コード | 3858 |
| 企業名 | ユビキタスAI |
| URL | https://www.ubiquitous-ai.com/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.5)」によって自動生成されました。
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