2025年9月期 決算説明資料(事業計画及び成長可能性に関する事項)
エグゼクティブサマリー
- 経営陣のメッセージ: 上場維持基準(時価総額)を視野に「既存事業の線形成長では到達困難→非連続成長へ転換」。事業領域拡張とM&AでIT業界の人材不足解決カンパニーへの早期転換を目指す(代表取締役社長 伊藤一彦ほか)。
- 業績ハイライト: 2025年9月期 売上高1,467百万円(前年+5.9%)で増収。ただし営業利益は△98百万円(前年△17百万円、悪化)・当期純利益△73百万円(前年△5百万円、悪化)。投資有価証券の評価損計上(約9百万円)で当期純利益が下振れ。
- 戦略の方向性: 新中期経営計画(2026/9〜2030/9、5年間)で最終年度(30/9)売上6,000百万円/当期純利益600百万円を目標。①支援領域の拡張(SIer/SES等)、②支援対象の拡大(SIer/リセラー等)、③解決手段の拡充(人材供給以外のサービス化)、並びにM&A・事業承継を積極活用。組織は2025/10よりカンパニー制へ移行。
- 注目材料: 2025年度に複数のM&A/事業譲受(グッドデジタル株取得、シソーラス事業譲受、ロボタスネット取得、DXOのSES事業譲受等)を実施中。26/9期はM&A等の貢献を織り込んだ増収計画(売上1,850百万円、YoY+26.1%)だが、先行投資で赤字拡大見込み。
- 一言評価: 「成長に向けた転換フェーズ — 増収基調だが採用・投資負担で短期採算は悪化、中長期はM&Aとリスキリング活用で成長を目指す」。
基本情報
- 企業概要: 商号 BCC株式会社。主要事業分野:IT営業アウトソーシング(営業派遣/業務請負/代理店ソリューション)、ヘルスケアビジネス(介護レクリエーション、ヘルスケア支援)等。代表者 代表取締役社長 伊藤 一彦。
- 説明会情報: 開催日 2025年11月14日(決算説明資料の日付)。説明会形式:決算説明資料提出/説明会実施(資料にて公表)。参加対象:投資家・アナリスト等(詳細は資料内記載)。
- 説明者:
- 伊藤 一彦(代表取締役社長): コーポレートメッセージと新中期計画(非連続成長、M&A方針、リスキリング強化)を説明。
- 松村 健太(IT営業アウトソーシング カンパニー長): カンパニー制による現場主導での迅速な意思決定と「ヒトが活きる環境」整備を強調。
- 狭間 希代美(ヘルスケアビジネス カンパニー長): ヘルスケア分野(介護DX、ネットワーク活用)での取り組みを説明。
- IR/経営企画担当: IR強化、個人投資家向け説明会やnote/X活用について紹介。
- セグメント:
- IT営業アウトソーシング事業(営業アウトソーシング:ITO、ソリューション:ITS)— 大手IT企業向けの営業派遣・業務請負、代理店販売等。
- ヘルスケアビジネス事業 — 介護レクリエーション、ヘルスケア支援、自治体向け受託等。
- その他事業 — 中小企業支援(ビズクリ)等。
業績サマリー(2025年9月期)
- 主要指標(百万円/円、YoY)
- 売上高: 1,467 百万円(+5.9%) — 増収(良)
- 営業利益: △98 百万円(前年 △17 → 変動率 約△476%(悪化))/営業利益率 △6.7% — 減益(悪)
- 経常利益: △92 百万円(前年 5 → 変動率 大幅悪化) — 減益(悪)
- 当期純利益: △73 百万円(前年 △5 → 変動率 約△1,360%(悪化)) — 減益(悪)
- 1株当たり利益(EPS): △66.23 円(前年 △5.24 円 → 大幅悪化)
- 売上総利益: 544 百万円(+2.1%)、売上総利益率 37.1%(△1.4pp)
- 会社予想との比較
- 売上高は修正計画1,469百万円に対し達成率 99.9%(ほぼ計画どおり)。
- 営業利益・経常利益・当期純利益は修正計画比で下振れ(特に当期純利益は投資有価証券評価損計上の影響)。
- サプライズ: 投資有価証券評価損(約9百万)で当期純利益が想定より下振れ。
- 進捗状況(参考:25/9実績を26/9計画に対する進捗率として)
- 通期(26/9計画)に対する進捗率(売上): 1,467 / 1,850 = 79.3%(良)
- 営業利益の進捗(損失比で参照): △98 / △194 = 50.5%(計画どおり先行投資で赤字拡大を織り込む形)
- 当期純利益の進捗: △73 / △135 = 54.1%
- 中期経営計画(30/9目標 売上6,000百円/当期純600百円)に対する達成率:売上 24.4%(1,467/6,000)、当期純負のため評価不能(概算で未達)。
- 過去同時期比較: 売上は増加トレンドだが利益面は投資負担で悪化。
- セグメント別状況(25/9期実績)
- IT営業アウトソーシング事業 合計売上: 1,294 百万円(+5.5%)
- 営業アウトソーシング(ITO): 1,082 百万円(△0.0%) — 主力。派遣業務請負人数は166名(期末、+9.9% YoY)。派遣単価は新規ディスカウントの影響で低下(558千円/月、YoY△7.2%)。
- ソリューション(ITS): 211 百万円(+48.0%) — BM X等の拡大で高伸長。
- セグメント利益(IT営業アウトソーシング): 190 百万円(黒字)。
- ヘルスケア・その他事業: 売上 173 百万円(+8.9%)、セグメント利益 △71 百万円(赤字)。介護ネットワーク会員(約11万人)等を基盤に拡大中。
- 売上構成比(25/9): ITO合計 73.8%、ITS 14.4%、ヘルスケア 9.5%、その他 0.6%。
業績の背景分析
- 業績概要: 売上増は派遣人数増とソリューション(ITS)拡大による。一方、利益面は採用・教育強化、IR関連費用、M&A関連費用、労務費高騰により販管費・原価が増加。4Qは採用→新規配属が進んだため低単価人員比率上昇で粗利率低下(4Q売上総利益率 35.4%)。
- 増減要因:
- 増収要因: 派遣業務請負人数の増加(期末166名、YoY+9.9%)、ITSの商材販売/BM Xのアップセル増。
- 減益要因: 新規配属者の初期ディスカウントによる平均単価低下、採用費・人件費の増加、IR費用計上、投資有価証券評価損(約9百万円)。
- 競争環境: 同社は「IT営業派遣」に特化したポジションを主張し、明確な直接競合は少ないと説明。ソリューション領域では競合が存在するため、仕入先・顧客との関係強化で差別化を図る。
- リスク要因:
- 人材確保競争(採用コスト上昇、退職リスク)、派遣単価の下落圧力
- 主要顧客依存(25/9時点 主要顧客依存率約73%、中期で50%以下へ低減目標)
- 法規制(労働者派遣法違反リスク)、情報セキュリティ、M&AのPMI失敗リスク、投資有価証券の評価損等。
戦略と施策
- 現在の戦略(中期経営計画 2026/9〜2030/9):
- 支援領域の拡張:IT営業以外に開発支援(SIer)、SES、事務管理支援等をカバー。
- 支援対象の拡大:メーカー/ベンダーだけでなくSIer・リセラーへ取引拡大。
- 解決手段の拡充:人材供給に加え人材紹介、BPO/RPO、教育・生産性改善サービスの提供。
- M&A/事業承継:短期で時間を買うM&Aを積極実行。
- 進行中の施策:
- M&A・事業譲受(2025年に複数実施:グッドデジタル株取得、シソーラス事業譲受、ロボタスネット株取得、DXOのSES事業譲受(処理一部未了→2026年1月完了見込み))。PMI推進中。
- リスキリング(eラーニング「ラプトレ」、転職支援「Merry Mew」)の外部展開と将来的な人材紹介化。
- カンパニー制(25/10移行)で権限委譲・迅速な意思決定を実現。
- BM X(ネットワーク・マネジメント)の導入社数増加(YoY+41件、+41.2%)。
- セグメント別施策:
- ITO: 採用強化、主要顧客以外(中堅・中小)へのアプローチ、リスキリングとの連携で派遣量拡大(25/9末166名→30/9目標350名)。
- ITS/エンジニアリング: M&Aで取得したシステム開発・SESの早期軌道化、未経験者教育プログラムと統合して「BCC流エンジニアリング」を構築。
- ヘルスケア: 介護ネットワーク(11万人超)を活用した介護DX提案・機器販売等の拡大。
- 新たな取り組み: リスキリング事業の転職支援→人材紹介ビジネス化(将来的な収益化)、HD体制への移行検討。
将来予測と見通し(会社計画 2026年9月期)
- 次期業績予想(26/9計画)
- 売上高: 1,850 百万円(YoY+26.1%) — 増収(良)
- 売上総利益: 619 百万円(+13.9%)、売上総利益率 33.5%(△3.6pp)
- 営業利益: △194 百万円(前年 △98) — 赤字拡大(先行投資反映)
- 当期純利益: △135 百万円(前年 △73) — 赤字(先行投資反映)
- EPS: △122.18 円
- 予想の前提条件:
- 予想の根拠と経営陣の自信度: 売上拡大(採用・M&A効果)を織り込む一方、営業利益は意図的に先行投資で悪化させる計画。経営は中長期で営業利益率10%超を目標にしているが、短期的には投資優先を明確化。
- 予想修正: 25/9期の修正計画(2025/8/12修正)に対し売上はほぼ計画達成、当期純利益は投資有価証券評価損で下振れ。26/9計画は新たに公表(修正なし)。
- 中長期計画: 30/9最終年度の目標 売上6,000百万円/当期純利益600百万円。現状は初期フェーズで、達成にはM&Aの成功・採用・商品化等の実行が必要。
- 予想の信頼性: 過去に中期計画(BCC INNOVATION PLAN 2026)を取り下げた経緯があるため、計画は成長シナリオに対する前提依存度が高い。開示では短期KPI一部取り下げ(投資判断歪み防止のため)している。
- マクロ経済の影響: 為替・金利等の直接注記なし。人材市場の需給・賃金動向が主要な外部要因。
配当と株主還元
- 配当実績(25/9期):
- 中間配当: 0 円、期末配当: 0 円、年間配当: 0 円(前年も0 円) — 無配(現状は投資重視、株主還元は未実施)。
- 配当利回り: 0%(–)、配当性向: -(対象外)。
- 特別配当: なし。
- その他株主還元: 自社株買いの開示なし。株式分割なし。
製品やサービス
- 主要製品/サービス:
- IT営業アウトソーシング(営業派遣・業務請負)、BM X(ネットワーク・マネジメント)、ソリューション(クラウド/ネットワーク/ハード/ソフト販売)、
- リスキリング関連:eラーニング「ラプトレ」、転職支援「Merry Mew」、
- ヘルスケア関連:介護レク広場(会員7万人超)、レクリエーション介護士資格(認定者約39千人)、介護DX導入支援、ロボット等のソリューション提供。
- 提供エリア・顧客層: 大手ITメーカー、通信キャリア、SIer、官公庁、中小企業等。累計取引社1,300社超。
- 協業・提携: 多数のベンダー・パートナー連携、ベンチャー出資によるソリューション取得(出資先/買収先多数を列挙)。
- 成長ドライバー: リスキリング→人材供給チェーン、ITS(製品販売・BM X)の拡大、M&AでのSES/エンジニアリング取り込み、ヘルスケアDXの市場拡大。
Q&Aハイライト
- 経営陣の姿勢(資料から読み取れる点): 短期の利益よりも時価総額100億円(2030年目標)達成へ向けた成長投資(M&A・採用・組織改革)を優先する姿勢が一貫して表明されている。
- 未回答事項: M&A案件の個別影響額やPMI完了時点での具体的な収益インパクト等の詳細は開示が限定されており、個別案件の見通しは今後に依存。
- ポジティブ要因:
- 売上は増収基調(ITOの堅調、ITSの高成長)。
- リスキリング資産(教育プログラム、累計1,300社の取引データ、介護ネットワーク11万人)を軸にしたクロスセルと新収益化の可能性。
- 財務的余力(自己資本比率は高水準だったが25/9で55.8%に低下、ネットキャッシュ387百万円)でM&A投資が可能。
- ネガティブ要因:
- 短期的な採用・教育費用とM&A費用による利益圧迫(営業利益率低下)。
- 派遣単価低下(新規ディスカウント)と人件費高騰でマージン圧迫。
- 主要顧客への依存度(25/9約73%)が高く、顧客集中リスク。
- M&AのPMIや買収先の業績統合リスク。
- 不確実性:
- M&Aの選定・実行とPMIの成否、採用・定着の進捗、リスキリング事業の人材紹介化の収益化時期。
- マクロ的に人材需給・賃金動向の変化。
- 注目すべきカタリスト:
- M&Aの追加開示/PMI完了とその収益寄与の開示。
- 派遣業務請負人数の増加(四半期ごとの推移)と平均単価の改善。
- リスキリング事業の転職支援による人材紹介収益化の実績開示。
- 30/9中期目標に向けた四半期ごとの進捗とKPI(派遣人数/主要顧客依存率等)。
重要な注記
- 会計方針: 26/9期より連結決算に移行(資料注記)。従って26/9期以降の数値は連結ベース表示。
- 重要イベント: DXOのSES事業譲受は一部未了(公表:2025/11/4)、2026年1月完了予定の旨を公表。
- リスク要因: 有価証券評価損など一時的損益、労働者派遣法等の法令遵守リスク、情報セキュリティリスク、顧客の経営環境変化等。
- 補足: 資料のアップデートは次回 2026年11月予定。短期KPIの一部は公表を取り下げ(短期KPIが投資判断を歪める懸念のため)。
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企業情報
| 銘柄コード | 7376 |
| 企業名 | BCC |
| URL | https://www.e-bcc.jp/ |
| 市場区分 | グロース市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.4)」によって自動生成されました。
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