2025年12月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)
エグゼクティブサマリー
- 業績の方向性(第3四半期累計:1–9月):売上収益 382,589百万円(△0.8%)で微減、事業利益 20,062百万円(+43.8%)と大幅増、営業利益 19,578百万円(+10.8%)増益、親会社帰属四半期利益 10,892百万円(△5.3%)は減益。 → 増収増益ではなく「減収(微減)・増益(営業面)」だが最終利益は為替差損等で減少。
- 注目すべき変化:食品飲料事業の売上が構造改革や海外製造停止の影響で7.9%減(794億円)と大きく減収する一方、酒類事業は国内価格改定や販売好調で増収増益。不動産事業は賃貸収入増で増収増益。事業利益合計は前年同期比+43.8%(140→201億円)。
- 今後の見通し:通期は営業利益・当期利益を大幅に上方修正しており(営業利益+39%等)、第3四半期までの進捗(売上約73%、営業利益約70%、親会社利益約66%)から見ると達成は「実現可能だが為替や海外需要がリスク」。通期売上はやや保守的に見直し。
- 投資家への示唆:構造改革と価格改定による収益性改善が利益押上げに寄与している点は注目。ただし食品飲料の海外生産トラブル、中東情勢や為替の影響(為替差損計上で純利益下押し)など外部リスクに注意。株式分割(1→5、効力2026/1/1)と配当修正(通期予想 90円)も今回の重要事項。
基本情報
- 企業名:サッポロホールディングス株式会社(SAPPORO HOLDINGS)
- 主要事業分野:酒類事業(ビール等製造・販売、外食)、食品飲料事業(飲料・食品製造販売)、不動産事業(賃貸等)
- 代表者:代表取締役社長 時松 浩
- URL:https://www.sapporoholdings.jp
- 報告概要:
- 提出日:2025年11月12日
- 対象会計期間:2025年1月1日〜2025年9月30日(第3四半期累計、IFRS・連結)
- 決算説明会:有(機関投資家・アナリスト向け)
- 決算補足資料:有
- セグメント:
- 酒類事業:国内酒類・海外酒類・外食(ビール、RTD等)
- 食品飲料事業:国内食品飲料、海外飲料(ポッカ等)
- 不動産事業:オフィス等の賃貸運営
- その他:報告セグメント外事業
- 発行済株式:
- 期末発行済株式数(株式分割前) 78,794,298株(2025/9/30)
- 期中平均株式数(累計) 77,953,795株(2025年第3四半期累計)
- 株式分割:普通株式1株→5株(基準日 2025/12/31、効力発生日 2026/1/1)により分割後発行済株式数 393,971,490株に増加予定
- 時価総額:–(資料に株価記載なし)
- 今後の予定:
- 通期業績予想修正・期末配当修正公表:2025/11/12(実施済)
- 株主総会、IRイベント:–(個別日程は未記載)
決算サプライズ分析
- 予想 vs 実績(第3四半期累計:2025/1–9)
- 売上高:382,589百万円、前年同期比 △0.8%(ほぼ横ばい)
- 事業利益:20,062百万円、前年同期比 +43.8%(大幅上振れ)
- 営業利益:19,578百万円、前年同期比 +10.8%(上振れ)
- 親会社帰属四半期利益:10,892百万円、前年同期比 △5.3%(為替差損等で下振れ)
- 通期(会社予想)修正(2025/11/12公表):
- 前回(A)→今回(B):売上収益 532,000→523,000百万円(△1.7%)、事業利益 24,500→29,500百万円(+20.4%)、営業利益 20,000→27,800百万円(+39.0%)、親会社帰属当期利益 11,000→16,500百万円(+50.0%)。
- 要因:事業利益改善(国内酒類の価格改定効果、RTD等の伸長、不動産賃貸収入増)、ただし売上は構造改革や海外飲料の生産トラブル等で下方。金融費用や為替変動は純利益に影響。
- サプライズ要因:
- ポイントは「収益性改善(価格改定、コスト改革等)により事業利益拡大」だが、「売上面は構造改革・海外事情で弱含み」。営業利益・当期利益の上方修正はサプライズ。為替差損計上で四半期純利益は減少。
- 通期への影響:予想達成可能性については、第3四半期進捗(売上 73%、営業利益 70%、親会社利益 66%)を踏まえると「合理的に到達可能」と会社は判断。ただし為替、海外事業(北米クラフト市場、マレーシア工場の稼働)、中東情勢が上振れ・下振れの主要リスク。
財務指標
(単位明示:百万円は資料単位。必要に応じ億円表記併記)
- 要旨(2025/9/30 vs 2024/12/31)
- 資産合計:636,431百万円(6,364億円)、前期末比 △28,532百万円(△4.6%)
- 負債合計:428,073百万円(4,281億円)、前期末比 △39,732百万円(△8.5%)
- 親会社所有者帰属持分:207,269百万円(2,073億円)
- 親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率相当、親所有のみ):32.6%(前年同期 29.5% → 増加。目安:40%以上で安定水準のため「やや低めだが改善中」)
- 収益性(第3四半期累計:2025/1–9 vs 2024/1–9)
- 売上収益:382,589百万円(△0.8%、前年 385,587百万円)
- 事業利益:20,062百万円(+43.8%、前年 13,951百万円) → 事業利益率 5.2%(前年 3.6%)=改善(良い傾向)
- 営業利益:19,578百万円(+10.8%、前年 17,671百万円) → 営業利益率 約5.1%(前年約4.6%)=改善
- 税引前四半期利益:16,767百万円(△1.2% vs 16,974百万円)
- 四半期利益(当期利益):10,866百万円(△5.7%)/親会社帰属 10,892百万円(△5.3%)
- EPS(基本):139.72円(前年 147.66円、株式分割前表示)
- 進捗率分析(通期予想 2025年通期)
- 売上高進捗率:382,589 / 523,000 = 約73.2%(前年同期間比ほぼ同等)
- 営業利益進捗率:19,578 / 27,800 = 約70.4%
- 親会社帰属当期利益進捗率:10,892 / 16,500 = 約66.0%
- コメント:通年ベースで見ると売上・利益とも第3Qまでの進捗は概ね実行ペース(過去期と同水準)で、営業面の目標は到達可能。ただし第4Qは為替・季節要因・追加リスクに依存。
- 財務安全性・効率性
- 自己資本比率(親会社帰属持分比率):32.6%(改善、目安40%で安定→「やや低めだが良化」)
- ネット金融負債(コマーシャル・ペーパー含む、リース負債除く):1,638億円(前年 1,909億円、△14.2%)=負債減少(良い)
- ネットD/Eレシオ:0.8倍(前年 1.0倍→改善、目安:<1.0で比較的良)
- 流動資産 172,045百万円、流動負債 191,644百万円 → 流動比率:約89.8%(目安100%で健全→「やや低め」)
- キャッシュフロー(第3四半期累計)
- 営業CF:30,826百万円(前年 29,481)=増加(良)
- 投資CF:△5,799百万円(前年 △8,744)=投資支出は減少(キャッシュ負担減)
- フリーCF:25,027百万円(前年 20,737)=増加(良)
- 財務CF:△25,385百万円(前年 △14,827)=社債償還・借入返済等で支出増
- セグメント別(主な数値:第3四半期累計)
- 酒類事業:売上 283,823百万円(+0.8%)、事業利益 16,206百万円(162億円、+25.7%)、営業利益 18,069百万円(181億円、+31.6%)
- 食品飲料事業:売上 79,383百万円(△7.9%)、事業利益 3,308百万円(33億円、+53.6%)、営業利益 1,236百万円(12億円、△68.6%)※減損等の影響で営業利益は大幅減
- 不動産事業:売上 19,383百万円(+10.0%)、事業利益 6,086百万円(61億円、+21.3%)、営業利益 5,866百万円(59億円、+19.9%)
- 財務の解説:
- 事業利益率改善の主因は国内酒類の価格改定とRTD伸長、コスト構造改革。不動産の賃貸収入増も寄与。食品飲料は売上減だがコスト改革で事業利益は改善した一方、個別の減損(神州一味噌の処理)や前年の特別益反動で営業利益は圧迫。為替差損が純利益を下押し。
配当
- 中間配当:0.00円(2025年第2四半期末は無配)
- 期末配当(予想):通期予想 合計 90.00円(2025/11/12修正公表)※配当は株式分割前の株数を基準に算出
- 配当利回り:–(株価情報なし)
- 配当性向(会社開示、通期見通し):43.0%(目安:配当性向30–50%は中立〜積極的配当) → 現行方針では株主還元は維持・増強方向
- 特別配当:無し(当期は特別配当の記載なし)
- 株主還元方針:配当+株式分割(流動性向上目的)。自社株買いの記載は今回なし。
セグメント別情報(要点)
- 酒類事業:国内ビールが堅調(黒ラベル、ヱビスの缶製品売上数量は前年同期比106%)、RTD缶は115%と高成長。海外は北米クラフト市場の軟化で海外ブランド数量が減少だが、サッポロブランドは販路拡大で米国内で堅調。結果、酒類事業は増収増益(事業利益 +33億円)。
- 食品飲料事業:国内での事業譲渡等の構造改革、マレーシア工場の一時稼働停止で売上減(△7.9%)だが、コスト改革で事業利益は増(+11億円)。ただし、神州一味噌に関する譲渡契約に伴う減損計上等で営業利益は大幅減。海外飲料は地域によるバラつき(シンガポール・マレーシアで低調)。
- 不動産事業:恵比寿ガーデンプレイス等の高稼働・賃料上昇で増収増益(事業利益 +11億円)。
- セグメント戦略:酒類でビールへの取り組み強化とRTD成長、不動産で賃貸収入最大化、食品飲料は製造・販売体制の安定化と構造改革継続。
中長期計画との整合性
- 中期経営計画(2023–26年):3年目として構造改革と成長加速を継続。第3四半期は構造改革の効果(コスト削減、価格改定)が事業利益に反映されており、中計の収益性強化方針と整合。
- KPI進捗:事業利益・EBITDAの改善(事業利益 295億目標に対し第3Q累計で201億)やネットD/E低下(0.8倍)等で中計指標は改善傾向。ただし海外売上は前年割れで、一部KPIは不確実性あり。
競合状況や市場動向
- 競合比較:資料に他社の個別数値はなし。概況として、国内ビール需要は前年同期比約96–99%(弱含み)で推移。酒類市場ではRTDやプレミアムビールが成長分野。海外(北米)はクラフトの弱含みが影響。
- 市場動向:原材料・エネルギー価格、米国関税や地政学リスクが継続的な下振れリスク。国内は酒税改定(2026/10予定)を見据えた商品戦略強化を表明。
今後の見通し
- 業績予想:2025年通期(修正)
- 売上収益:523,000百万円(前期比 △1.5%)
- 事業利益:29,500百万円(+33.9%)
- 営業利益:27,800百万円(+166.9% vs 前期(※前期は低基点))
- 親会社帰属当期利益:16,500百万円(+113.9%)
- 基本EPS(株式分割前):211.62円
- 予想の信頼性:会社は第3四半期までの実績を踏まえ上方修正。過去の予想達成傾向までは資料で不明(レビュー無)。為替や海外事業が主要不確実性。
- リスク要因:為替変動(為替差損が既に影響)、原材料・エネルギー価格推移、海外事業(北米・マレーシア)の需要と生産リスク、地政学リスク(中東等)、規制・税制(酒税改定)。
重要な注記
- 連結範囲の変更:連結の重要な変更あり。除外 2社(サッポログループマネジメント株式会社、ANCHOR BREWING COMPANY, LLC)等の記載。業績比較に影響。
- 会計方針:変更なし。会計上の見積りの変更なし。
- 株式分割:取締役会決議で普通株式1→5分割(基準日 2025/12/31、効力 2026/1/1)。定款の変更を実施予定。配当は分割前株数で算出。
- 監査・レビュー:添付の四半期連結財務諸表に対する公認会計士または監査法人によるレビューは無。
上記の内容は、AIによる自動要約に基づいて作成されたものであり、正確性や網羅性について保証するものではありません。内容の解釈や利用に際しては、必ず公式の決算短信 をご参照ください。信頼性を確保するよう努めていますが、情報の完全性についてはご自身での確認をお願い致します。
企業情報
| 銘柄コード | 2501 |
| 企業名 | サッポロホールディングス |
| URL | http://www.sapporoholdings.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 食品 – 食料品 |
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.4)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。