2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
エグゼクティブサマリー
- 決算サプライズ:会社開示の個別業績見通し(2024年3月27日開示)と比べて差異あり(在庫評価の改善等により個別では好転)。連結では大きな予想修正開示はなし。ただし特別損益では精密加工事業の減損損失534百万円を計上し、特別利益(政策保有株等売却)387百万円を相殺して純額でマイナス要因となった点は注目(上振れ/下振れは項目により混在)。
- 業績の方向性:減収減益(売上高21,337百万円:△1.0%、営業利益1,263百万円:△2.6%、親会社株主に帰属する当期純利益974百万円:△12.9%)
- 注目すべき変化:特殊鋼事業は販売量減るも販売価格引上げと原価低減でセグメント利益は増加(セグメント利益169.69百万円、前年から約+8.2%)。一方、不動産賃貸は売上微増だが修繕費等増で利益減少(セグメント利益1,093.88百万円、前年から約△4.1%)。
- 今後の見通し:2025年3月期会社予想は売上22,600百万円(+5.9%)、営業利益1,380百万円(+9.2%)、当期純利益1,170百万円(+20.1%)。現金保有・自己資本比率は高水準で達成可能性は中立〜慎重(需給回復・原材料・エネルギーコスト次第)。通期予想の修正は現時点で開示なし。
- 投資家への示唆:営業活動によるキャッシュフローが改善し現預金7,323百万円と流動性は良好。だが精密加工事業での減損計上や自動車向け需要の上流回復遅延など構造的な収益性改善が課題。配当方針は連結配当性向20%以上が目安で次期予想は増配(2025予想:年間35円)。
基本情報
- 企業名:東北特殊鋼株式会社
- 主要事業分野:特殊鋼材の製造・販売(自動車関連向け耐熱鋼、磁性材料、機械加工・熱処理等)及び不動産賃貸
- 代表者名:代表取締役社長 成瀬 真司
- 問合せ:取締役経営企画部長 木村 利光(TEL 0224-82-1010)
- 報告概要:
- 提出日:2024年5月14日(決算短信公表日)
- 対象会計期間:2024年3月期(連結:2023年4月1日~2024年3月31日)
- 決算説明資料作成:無、決算説明会:無
- 有価証券報告書提出予定日:2024年6月25日
- 定時株主総会予定日:2024年6月25日、配当支払開始予定日:2024年6月26日
- セグメント:
- 特殊鋼事業:特殊鋼材の製造販売、機械加工、熱処理加工等(主需給先:自動車等)
- 不動産賃貸事業:大型商業施設や賃貸住宅の賃貸・メンテナンス
- 発行済株式:
- 期末発行済株式数:7,550,000株(自己株式含む)
- 期末自己株式数:21,141株
- 期中平均株式数:7,528,881株
- 時価総額:–(開示なし)
- 今後の予定:
- 定時株主総会:2024年6月25日
- 配当支払開始:2024年6月26日
- 有価証券報告書提出:2024年6月25日
- 決算説明会:無(補足資料作成なし)
決算サプライズ分析
- 予想 vs 実績(会社予想は一部の個別見通しと会社の来期予想を除き、通期の中間修正はなし)
- (注)個別業績は2024年3月27日開示の業績見込みと差異が生じた旨を会社が明記(在庫評価の改善等)。連結では特別損益(減損)計上により純利益が圧迫。
- サプライズの要因:
- ポジティブ:販売価格引上げ、原価低減、在庫評価の改善(個別)により営業面は比較的堅調。
- ネガティブ:精密加工事業で販売量減少・原価上昇に伴う減損損失534百万円、固定資産除却損等(営業外・特別項目の影響もあり)。
- その他:政策保有株式等の売却益387百万円を計上(特別利益)。
- 通期への影響:
- 2025年3月期の会社予想は増収増益(売上+1,262百万円、営業利益+116百万円、当期純利益+195百万円)。流動性・自己資本は良好であるものの、需要回復の遅れや原材料・電力コストの動向が達成リスク要因。現時点で予想修正の開示なし。
財務指標
- 損益の要点(連結・百万円、対前期増減率)
- 売上高:21,337(△1.0%/△220百万円)
- 営業利益:1,263(△2.6%/△33百万円)
- 経常利益:1,384(△2.8%/△39百万円)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:974(△12.9%/△143百万円)
- 1株当たり当期純利益(EPS):129.44円(前年148.53円、△12.9%)
- 営業利益率(営業利益/売上高):5.9%(前年6.0%) — 参考:5.9%はおおむね中程度(業界・製品構成による)
- 貸借対照表の要点(連結・百万円)
- 総資産:34,793(前期比 +2,085=+約6.4%)
- 純資産:27,569(前期比 +1,298)
- 自己資本比率:79.2%(前期80.3%→ほぼ高水準・安定。目安40%以上で安定。)
- 現金及び現金同等物(期末):7,323百万円(前期5,139→増加、流動性良好)
- 負債合計:7,224百万円
- 有利子負債に関する明示はなく、同社のキャッシュフロー指標では有利子負債は事実上小さい/管理下にある旨(キャッシュ・フロー対有利子負債比率 0.0)
- キャッシュ・フロー(連結・百万円)
- 営業CF:+2,846(前期 +665)→ 大幅改善(在庫減少、減価償却・減損加算等)
- 投資CF:△476(前期 △1,119)→ 投資有価証券売却等で投資支出減少
- 財務CF:△211(前期 △212)→ 配当支払等
- 収益性・効率性
- ROE(簡易計算):当期純利益974 / 自己資本27,569 ≒ 3.5%(やや低い水準)
- 総資産回転率:売上21,337 / 総資産34,793 ≒ 0.61回(参考値)
- 売上高営業利益率:5.9%(前年6.0%→わずか低下)
- セグメント別(連結、金額は千円表記を百万円換算)
- 特殊鋼事業:売上 18,983百万円(△230百万円、約△1.2%)、セグメント利益169.69百万円(前年156.84→約+8.2%)
- 不動産賃貸事業:売上 2,353.75百万円(+9.89百万円、約+0.4%)、セグメント利益1,093.88百万円(前年1,140.50→約△4.1%)
- 財務の解説:
- 現金余力の拡大と自己資本比率の高水準維持が強み。営業CFの改善は在庫圧縮と営業利益の基礎改善の結果。だが精密加工部門の収益性低下による減損は構造的な課題を示唆。
配当
- 2024年3月期(実績):中間配当 10円/期末配当 16円、年間合計 26円(前年33円→減配)
- 配当総額:195百万円、連結配当性向:20.1%
- 2025年3月期(会社予想):中間 15円、期末 20円、年間35円(配当性向予想 22.5%)
- 特別配当:なし
- 株主還元方針:連結配当性向20%以上を目安。自社株取得は期中少額(自己株式取得:△82千円など過去実績)。
- 配当利回り:–(株価情報の提示なしのため算出不可)
セグメント別情報
- 特殊鋼事業(主力)
- 売上 18,983百万円(△1.2%)、セグメント利益169.69百万円(+約8.2%)
- 販売量は部品メーカーの在庫調整で前年を下回ったが、販売価格の引上げと原価低減で利益改善
- 課題:精密加工事業の収益性悪化(販売減少・原価上昇)に起因する減損(534.7百万円)
- 戦略:高付加価値商品の拡販、価格転嫁、DX・企業風土改革で収益性向上
- 不動産賃貸事業
- 売上 2,353.75百万円(+0.4%)、セグメント利益1,093.88百万円(△4.1%)
- 商業施設の新規出店工事により売上は増加したが、修繕費等の増加で利益減少
- 戦略:施設の適切なメンテナンスと収益性管理
中長期計画との整合性
- 中期経営計画(2021~2023年度):「開発機能会社」への進化を掲げ、当期は売上目標は達成したが経常利益・ROSは未達
- 進捗状況:売上は目標達成だったが利益率改善が遅れているため、計画の収益性改善面において引き続き取り組みが必要
- KPI達成状況:ROSや経常利益は計画未達(具体数値は計画値の開示参照)
競合状況や市場動向
- 市場動向:自動車分野の生産は回復基調だが、部品メーカーの在庫調整が続き上流需要は完全回復していない。原材料・電力価格の高止まりが収益性圧迫要因。
- 競合比較:同業他社との定量比較データは提示なし。業界では価格転嫁や高付加価値化、設備更新・DXでの効率化が競争軸。
今後の見通し
- 2025年3月期(会社予想)
- 売上高:22,600百万円(+5.9%)
- 営業利益:1,380百万円(+9.2%)
- 経常利益:1,480百万円(+6.9%)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:1,170百万円(+20.1%)
- 予想の前提・信頼性:会社は原材料・電力等の外部要因、主要需要先の回復などを前提にしている模様(詳細は添付資料参照)。過去は売上は達成も利益率は未達だったため、予想は中立~慎重に見るのが適切。
- リスク要因:需給の回復遅延、原材料・エネルギーコストの上昇、為替変動、追加の資産評価(減損)リスク、地政学的リスク等
重要な注記
- 会計方針の変更:無し
- 特別損益:投資有価証券売却益387百万円(特別利益)、投資有価証券評価損40百万円、減損損失534.7百万円(特殊鋼内の精密加工事業)などを計上
- 監査:決算短信は監査対象外(注記あり)
- その他:本決算での個別見通しとの差異について会社が言及(在庫評価改善等)
(注記)
- 数字は決算短信の記載に基づく。市場コンセンサスや株価等の外部データが開示されていない項目は“–”と表記しています。
上記の内容は、AIによる自動要約に基づいて作成されたものであり、正確性や網羅性について保証するものではありません。内容の解釈や利用に際しては、必ず公式の決算短信 をご参照ください。信頼性を確保するよう努めていますが、情報の完全性についてはご自身での確認をお願い致します。
企業情報
| 銘柄コード | 5484 |
| 企業名 | 東北特殊鋼 |
| URL | http://www.tohokusteel.com/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 鉄鋼・非鉄 – 鉄鋼 |
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.4)」によって自動生成されました。
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