2025年5月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
エグゼクティブサマリー
- 決算サプライズ:会社予想との直接比較は本短信に期初予想の記載がないため不明(会社予想・市場予想との差異:–)。ただし通期実績は売上高が大幅上振れ(前年比+23.3%)した一方で親会社株主に帰属する当期純利益は大幅減(△28.5%)と「増収・減益」となった点が注目点。
- 業績の方向性:増収減益(売上高14,598百万円、前期比+23.3%;親会社株主に帰属する当期純利益828百万円、前期比△28.5%)。
- 注目すべき変化:版権事業・商品販売の伸長が売上を牽引(版権売上+31.7%、商品販売は前期の27百万円→870百万円へ急拡大)。一方、映像制作事業は売上増も制作コスト・受注損失引当等で営業損失が拡大(営業損失1,101百万円、前期比悪化)。
- 今後の見通し:2026年5月期予想は売上15,772百万円(+8.0%)、営業利益1,792百万円(+25.7%)、当期純利益1,358百万円(+64.1%)と増収増益見込み。会社は次期配当を期末17円(年間17円)と予定。
- 投資家への示唆:売上成長は版権収入と商品販売の拡大が主因で構造的に良化しているが、制作コスト高・制作期間長期化による受注損失引当や売上債権の増加で営業キャッシュフローが悪化し、短期的には収益性・キャッシュ管理に注意が必要。サンリオとの資本業務提携(第三者割当)によりIP強化・商品化拡大が期待されるが、希薄化・既存株主の売出し等の資本関連事項も発生している。
基本情報
- 企業概要:
- 企業名:株式会社IGポート
- 主要事業分野:映像制作事業(TV/配信/劇場等のアニメ制作)、出版事業(コミック誌・単行本・電子書籍)、版権事業(出資に基づく印税・収益分配・ライセンス)、商品販売事業(キャラクター商品企画・卸・店舗販売)
- 代表者名:代表取締役社長 石川光久
- 連結子会社例:株式会社プロダクション・アイジー、株式会社マッグガーデン、株式会社ウィットスタジオ 等
- 報告概要:
- 提出日:2025年7月11日
- 対象会計期間:2024年6月1日~2025年5月31日(2025年5月期:通期・連結)
- 決算説明会:補足資料作成あり、決算説明会は無
- セグメント:
- 映像制作事業:アニメーションの企画・制作(TV・配信・劇場・ゲーム等)
- 出版事業:コミック誌・単行本・電子書籍の企画・製造・販売
- 版権事業:製作委員会出資等による二次利用収益、ライセンス収入
- 商品販売事業:キャラクター商品の企画・製造・販売、店舗運営
- 発行済株式:
- 期末発行済株式数(普通株式、自己株式を含む):20,221,600株
- 期末自己株式数:1,091,641株
- 期中平均株式数:19,130,014株
- 時価総額:–(報告書内に記載なし。株価で変動)
- 今後の予定:
- 定時株主総会開催予定日:2025年8月28日
- 配当支払開始予定日:2025年8月29日
- 有価証券報告書提出予定日:2025年8月27日
- IRイベント:決算補足資料あり。その他IRは適宜公表。
決算サプライズ分析
- 予想vs実績:
- 市場予想:–(本資料に市場コンセンサス情報なし)
- サプライズの要因(増収・減益の主な理由):
- 増収要因:版権事業のライセンス収入増(大型タイトル中心)、商品販売事業の店舗展開(上海店開設)と自社商品強化により売上が拡大。
- 減益要因:映像制作事業での人件費・CG制作費等のコスト高騰、制作期間長期化による受注損失引当金の計上、減価償却費の増加、法人税等の増加(税金等合計596,463千円、前期408,676千円)。
- キャッシュ面:売上債権・契約資産の大幅増加により営業CFが大幅マイナス化。
- 通期への影響:
- 会社は2026年5月期予想で増収増益を見込む(売上15,772百万円、営業利益1,792百万円、当期純利益1,358百万円)。ただし、クリエイター人件費高騰や制作リスク等が継続するため、予想の実現性は制作工程管理と債権回収状況に依存。
財務指標(連結)
- 損益の要点(百万円、対前期増減率)
- 売上高:14,598百万円(+23.3%:前期11,841百万円)
- 営業利益:1,426百万円(+16.4%:前期1,226百万円)
- 経常利益:1,420百万円(+2.9%:前期1,380百万円)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:828百万円(△28.5%:前期1,158百万円)
- EPS(1株当たり当期純利益):43.28円(△28.6%)
- 営業利益率:9.8%(前期10.4%) — 減少(やや悪化)
- 財政状態(期末、百万円)
- 総資産:13,092百万円(△6.5%)
- 純資産:7,829百万円(+7.0%)
- 自己資本比率:59.8%(安定水準。目安40%以上で安定)
- 参考:自己資本(百万円)7,829(安定)
- キャッシュ・フロー(百万円)
- 営業活動によるCF:△1,859百万円(前期 +3,056百万円) ← 大幅悪化(主因:売上債権・契約資産の増加 +3,125百万円等)
- 投資活動によるCF:△723百万円(前期 △1,285百万円)
- 財務活動によるCF:△515百万円(前期 △147百万円)
- 現金および現金同等物期末残高:4,640百万円(前期7,747百万円、△3,107百万円)
- 収益性
- 売上高(額・増減):14,598百万円(+2,757百万円、+23.3%)
- 営業利益(額・増減・営業利益率):1,426百万円(+201百万円、+16.4%)、営業利益率9.8%(前期10.4%:やや悪化)
- 経常利益:1,420百万円(+40百万円、+2.9%)
- 純利益:828百万円(△330百万円、△28.5%)
- EPS:43.28円(前期60.68円、△28.6%)
- 進捗率分析(四半期決算向けの指標のため本決算は通期実績。四半期進捗は該当外)
- 財務の安全性
- 自己資本比率59.8%(安定水準)
- 有利子負債:期末長期借入金は0(1年内返済予定の長期借入金200百万円は返済済)。負債合計5,263百万円(前期6,684百万円、減少)。
- 流動比率:流動資産10,643 / 流動負債4,887 ≒ 217.8%(流動性は良好)
- 効率性
- 総資産回転率(売上/総資産):14,598 / 13,092 ≒ 1.12回
- 売上高営業利益率の微減(10.4%→9.8%)はコスト増と一部低採算案件の影響
- セグメント別(売上高・営業利益、前期比)
- 映像制作事業:売上 7,318.8百万円(+17.9%)、営業損失 △1,101.6百万円(損失拡大、前期△940.1百万円) ← 人件費・外注費・受注損失引当増
- 出版事業:売上 2,224.8百万円(△4.8%)、営業利益 348.6百万円(△27.7%) ← 紙媒体の減少等
- 版権事業:売上 3,956.2百万円(+31.7%)、営業利益 1,934.1百万円(+6.1%) ← 大型タイトルの二次利用が寄与(ライセンス一括計上等)
- 商品販売事業:売上 870.4百万円(前期27.3百万円→大幅拡大)、営業利益 377.9百万円(前期損失→黒字化) ← 上海店舗開店などで拡大
- その他:売上 228.0百万円(△14.8%)、営業損失 0.9百万円(損益悪化)
- 財務諸表の注目点(会計上)
- 会計方針の変更(法人税等の会計基準改正)ありだが連結財務諸表への影響はない旨
- コンテンツ資産の大幅減(前期無形資産:1,067,670千円 → 27,822千円)等表示方法・分類に関する注記あり
(注)金額は有価証券報告書の単位に合わせ百万円表示。一部は千円ベースの注記原数値あり。
配当
- 2025年5月期(実績):期末配当 11.00円、年間配当 11.00円
- 配当総額:212百万円
- 連結配当性向:25.4%(会社目安25%程度)(良:目安どおり安定配当方針)
- 純資産配当率(DOE):2.7%
- 2026年5月期(予想):期末配当 17.00円、年間17.00円(期中配なし)
- 会社は連結配当性向25%程度を基本方針としている(目安)
- 特別配当:無し
- 自社株買い:当期は実施無し(ただし株式給付信託(J-ESOP)の保有株あり)
- 株主還元方針:連結配当性向25%程度を目安に安定配当を継続。内部留保は制作体制・版権取得・グローバル戦略投資に充当。
セグメント別情報(詳細)
- 映像制作事業
- 売上高:7,318.8百万円(+17.9%)
- 営業損失:△1,101.6百万円(損失拡大、前期△940.1百万円) — 製作費・人件費高騰、制作期間長期化に伴う受注損失引当金の計上が主因
- 戦略・見通し:大型タイトル(SPY×FAMILY、怪獣8号、YAIBA、THE ONE PIECE 等)を継続制作。クリエイター確保と制作コスト管理が鍵
- 出版事業
- 売上高:2,224.8百万円(△4.8%)
- 営業利益:348.6百万円(△27.7%)
- 備考:電子書籍の売上比率79.6%(前期80.9%)で高いデジタル比率。紙の単行本は減少傾向
- 版権事業
- 売上高:3,956.2百万円(+31.7%)
- 営業利益:1,934.1百万円(+6.1%)
- 備考:「君に届け」「ハイキュー!!」「進撃の巨人」「SPY×FAMILY」等の二次利用収益が寄与。大口のライセンス一括収益計上あり
- 商品販売事業
- 売上高:870.4百万円(前期27.3百万円→大幅増)
- 営業利益:377.9百万円(前期25.1百万円の損失→黒字転換)
- 備考:上海店舗開設が奏功。今後国内外販路拡大を成長ドライバーと位置付け
- セグメント戦略総括:版権の収益化と商品販売の拡大で収益基盤の多角化が進む一方、映像制作の採算改善が中長期の課題
中長期計画との整合性
- 中期経営計画:本短信にて明示的な中期数値目標の記載はなし。ただし事業方針として「制作体制強化・版権取得強化・グローバル展開」を掲げている
- KPI達成状況:特定KPIは開示なし(売上高・営業利益等は会社の年度目標に準拠。配当性向25%目安の継続を確認)
- 整合性コメント:版権事業と商品販売により収益源の多角化を進めている点は中長期方針と整合。ただし映像制作の採算性改善とキャッシュ回収が課題で、投資の実行は資金繰りを見ながら行う方針。
競合状況や市場動向
- 市場動向:
- アニメ産業は成長基調(「アニメ産業レポート2024」では2023年市場は前年比114.3%の3兆3,465億円で過去最高)。
- 出版市場は縮小傾向(出版市場は前年比△1.5%)。コミックは紙減少・電子増加の構図。
- 競合状況:制作委託・配信権をめぐる競合が激化。グローバル配信プラットフォーム(Netflix等)向けの受注獲得競争、およびキャラクターIPの商業化競争が主戦場。
- 当社の相対的強み:強力な人気タイトル群(ハイキュー!!、進撃の巨人、SPY×FAMILY 等)と、それを活かす版権収益力・商品販売チャネル。サンリオとの提携でIP面の相乗効果が期待される。
今後の見通し
- 業績予想(2026年5月期・会社予想)
- 売上高:15,772百万円(前期比+8.0%)
- 営業利益:1,792百万円(前期比+25.7%)
- 経常利益:1,659百万円(前期比+16.9%)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:1,358百万円(前期比+64.1%)
- 前提条件:主要作品の制作・配給スケジュール、為替等は特段明示なし。市場動向や制作コストはリスク要因として明記。
- 予想の信頼性:会社は「入手可能な情報に基づく」と明示しており、制作スケジュール・配信ライセンス収入の確定タイミング等により変動する可能性を警告。
- リスク要因:
- クリエイター確保コスト・人件費の上昇
- 制作期間延長による採算悪化および受注損失発生
- 売上債権・契約資産の回収遅延(営業CFの大幅悪化要因)
- 電子書籍市場のジャンル需給変化(一部ジャンルの販売伸び悩み)
- 国際情勢・配信事業者の方針変化など外部要因
重要な注記
- 会計方針:法人税等に関する会計基準改正を期首から適用(連結財務諸表への影響は無し)。
- 表示方法の変更:一部営業外費用内訳の独立掲記(前期比較組替え済み)。
- 株式分割:2024年6月1日付で普通株式1株→4株の分割を実施(1株当たり指標は分割後換算で算定)。
- 企業・資本関連の重要な後発事象:
- 株式会社サンリオとの資本業務提携(取締役会決議:2025年6月17日)
- 第三者割当(自己株式の処分)によりサンリオへ普通株式を割当(処分自己株式数:929,100株、処分価格1,750円/株、調達額約1,625.9百万円)
- 既存株主(代表取締役社長 石川光久 氏および資産管理会社)による売出(78,900株、売出価格1,750円/株)
- これによりサンリオとの業務提携(映像化・商品化・新規IPの共同開発等)を推進
- 連結子会社間の再編:連結子会社プロダクション・アイジーとシグナル・エムディの合併(2025年6月1日効力)を実施予定(グループの収益性改善狙い)
- 会計上の引当金等:受注損失引当金増加(511,792千円、前期379,456千円)等、制作リスクに対応した引当計上あり
(補足)
- 本まとめは提供された決算短信資料に基づく要約・整理であり、投資助言ではありません。情報の出典は株式会社IGポート「2025年5月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」。不明な項目は“–”で表示しています。
上記の内容は、AIによる自動要約に基づいて作成されたものであり、正確性や網羅性について保証するものではありません。内容の解釈や利用に際しては、必ず公式の決算短信 をご参照ください。信頼性を確保するよう努めていますが、情報の完全性についてはご自身での確認をお願い致します。
企業情報
| 銘柄コード | 3791 |
| 企業名 | IGポート |
| URL | http://www.production-ig.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.4)」によって自動生成されました。
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