決算説明：タウンズ（197A）

2025年6月期決算説明資料

エグゼクティブサマリー

• 経営陣のメッセージ: 流行規模は前期比で縮小したが、在庫を十分確保し供給安定化と販売提携（ロシュ、塩野義）等でシェア拡大を実現。新工場（三島）投資により生産体制を強化し成長基盤を整備する。
• 業績ハイライト: 2025年6月期は売上高18,627百万円（前期比+1.0%）、営業利益8,265百万円（前期比+2.9%）、当期利益6,315百万円（前期比+9.4%）。売上構成で利益率の高い「新型コロナ単品」「コンボ」が増加し総利益率・営業利益率が改善。
• 戦略の方向性: 新工場（三島）の稼働（2025年12月体制構築、2026年2月本格稼働予定）によるFA化・内製化で生産キャパ増強・原価低減・BCP強化。塩野義製薬とのコ・プロ、ロシュとの販売提携による販売力強化とシェア拡大。戦略的出資（KINS、Craif、アイリス等）で慢性疾患／AI診断等の新領域を育成。
• 注目材料: 三島工場投資（投資額112.9億円、自社負担72.9億円・減価償却増＋約4億円/年）、ロシュとの販売提携の効果、26年6月期に見込む新工場に係る補助金の計上（特別利益想定）、中期経営計画（8/20開示予定）と累進配当方針（28円起点）。
• 一言評価: 季節性・流行リスクは残るが高シェア製品群と生産基盤強化で収益基盤を安定化させつつあり、設備投資フェーズが成長の分岐点。

基本情報

• 企業概要: 株式会社タウンズ（TAUNS Laboratories, Inc.）／体外診断用医薬品・研究用試薬の開発・製造・販売（主力：感染症用抗原検査キット「イムノエース」）。
• 代表者: 代表取締役社長 野中 雅貴
• 本社所在地: 静岡県伊豆の国市神島761番1
• 資本金（2025/6/30）: 289百万円
• 従業員数（2025/6/30）: 360名
• 総資産（2025/6/30）: 36,515百万円
• 説明会情報: 開催日 2025年8月13日、形式 –（資料は開示資料）／参加対象: 投資家向け（資料冒頭に注記あり）
• 説明者: 発表資料全体にて経営陣（代表取締役社長ほか）による説明。発言要旨は資料記載内容（業績総括、工場投資、販売提携、投資案件等）。
• セグメント: 事業セグメントは単一（体外診断用医薬品等）。製品群ベースでの内訳は下記参照（主要製品別）。

業績サマリー

• 主要指標（2025年6月期実績、前期比）
  • 売上高: 18,627百万円、+1.0%（前期18,434百万円）。（数値は良い：増収）
  • 営業利益: 8,265百万円、+2.9%、営業利益率44.4%（改善、前期43.6%）。（数値は良い：高水準）
  • 経常利益: 8,219百万円、+4.8%（前期7,840百万円）。
  • 当期純利益: 6,315百万円、+9.4%（前期5,774百万円）。
  • 1株当たり利益（EPS）: –（資料未記載）
  • EBITDA: 8,980百万円、+3.1%（前期8,706百万円）。
• 予想との比較
  • 直近会社予想（2025年6月期予想=19,273百万円）に対する達成率（売上）: 18,627 / 19,273 ≒ 96.6%（未達）。営業利益は予想8,308に対して実績8,265で達成率 ≒ 99.5%。
  • サプライズ: 大きなポジティブサプライズはないが、コンボ検査キットの販売好調・シェア拡大により増収増益。期末に在庫評価損を計上した点が留意点。
• 進捗状況
  • 通期予想に対する進捗率（売上・営業利益・純利益）: 当期確定値のため最終100%。
  • 中期経営計画に対する達成率: 中期計画は2026年度から開始（詳細は8/20発表予定）につき、現時点での進捗評価は資料に明示なし（→ –）。
  • 過去同時期との進捗比較: 24年6月期と比べ売上は微増、利益率は改善。四半期推移では第2・第3四半期に好調（在庫確保による供給対応）、第4四半期は流行期ズレと市中在庫消化で減収減益。
• セグメント別状況（主要製品別：2025年6月期）
  • 新型コロナ単品検査キット: 4,854百万円（構成比26.1%）／前期4,712（増）
  • 新型コロナ/インフルエンザ コンボ検査キット: 7,921百万円（構成比42.5%）／前期6,375（大幅増）
  • インフルエンザ検査キット: 3,314百万円（構成比17.8%）／前期4,087（減）
  • その他（アデノ・溶連菌・RS等）: 2,537百万円（構成比13.6%）／前期3,259（減）
  • 収益寄与はコンボの増加が主導。商品別で利益率の高いCOVID単品とコンボ比率上昇が総利益改善に寄与。

業績の背景分析

• 業績概要・トピックス
  • 市場全体の流行規模は前期（24年）に比べ縮小（新型コロナは定点ベースで通期約4割減、インフルは約5割減）したが、同社は在庫確保と販売体制強化によりシェア拡大を実現し増収増益を確保。
  • コンボ検査キットの浸透とロシュとの販売提携が寄与。
• 増減要因
  • 増収主要因: コンボ検査キットの販売数量増（+2,366百万円寄与、資料の増減要因図）。新型コロナ単品もシェア拡大で増収。
  • 減収主要因: インフルエンザの流行規模縮小および全製品単価の下落（期初想定範囲内）。
  • 増益主要因: 高利益率製品構成比の上昇、販管費は前年水準で推移。原価面ではウサギ抗体導入等の原価低減により在庫評価損の影響を吸収。
  • 一時的要因: 期末の在庫評価損計上、在庫の市中在庫消化フェーズによる第4四半期の落ち込み。
• 競争環境
  • 市場シェア（JPM期間自社集計）: インフルエンザ 46%（1位／15社）、アデノウイルス 31%（1位／10社）、新型コロナ 41%（1位／19社）、新型コロナ/インフルコンボ 21%（2位／18社）。
  • 競争優位性: 抗体・白金－金コロイド等の独自技術、高い検査精度、強固な開発チーム（研究員51名、開発歴30年以上）、卸・医療機関との強い商流（スズケン等）による販売力。
• リスク要因
  • 流行の季節性・規模変動（売上が流行タイミング・規模に左右される）
  • 販売単価の下落圧力（市場競争）
  • 新工場関連の投資・減価償却負担、借入金増加（長期借入金8,809百万円）と財務負担
  • 補助金・特別利益の計上可否（計画に含むが確度は外部要因依存）
  • サプライチェーン・薬事規制等（一般リスク）。

戦略と施策

• 現在の戦略
  • 生産基盤強化（三島工場設立：投資112.9億円、自己負担72.9億円）による生産能力拡大（約130万→約390万テスト/月想定）、FA化・内製化で原価削減と品質安定、BCP強化。
  • 販売戦略: 塩野義製薬とのコ・プロ、ロシュとの販売提携で「予防→検査→治療」一気通貫のソリューション強化と販路拡大。
  • 成長領域投資: マイクロバイオーム（KINS）、尿中miRNA（Craif）、画像診断AI（アイリス）等への戦略出資で新検査・予防プロダクト創出。
• 進行中の施策
  • 三島工場の最終局面（2025年12月体制構築完了、2026年2月本格稼働予定）。FA導入・倉庫内製化による物流費低減を実施予定。
  • コンボ検査キットの改良品投入計画（期中投入を想定するが保守的に営業計画には織り込まず）。
  • 戦略出資によるPoC・製品共同開発の開始（短期・中長期の取り組み記載あり）。
• セグメント別施策
  • 抗原検査（感染症領域）: 製品感度・特異度の維持・向上、検査時間・保存期間の最適化、コンボ製品シェア拡大施策。
  • 新プラットフォーム製品（D-IA等）: 三島工場での生産対応。
• 新たな取り組み: 中期経営計画（8/20開示）にて累進配当方針導入（28円起点）、AI/マイクロバイオーム等ヘルスケア領域への事業拡大。

将来予測と見通し

• 業績予想（2026年6月期、会社予想）
  • 売上高: 20,769百万円（対2025年比 +11.5%）
  • 営業利益: 8,323百万円（+0.7%）営業利益率 ≒ 40.1%（資料表の表示）
  • 経常利益: 8,143百万円（-0.9%）
  • 当期利益: 8,613百万円（+36.4%）—主に新工場に係る補助金等の特別利益見込みによる増益。
• 予想の前提条件
  • 市場規模は2025/6期以上に回復すると想定（卸業者関係強化、塩野義・ロシュ提携でシェア小幅改善）。
  • 販売単価は過去トレンドを踏まえ小幅下落を想定。
  • コストは新工場費用や成長戦略実行に向け増加を織り込む。特別利益として新工場補助金を計上。コンボ改良品の期中投入は保守的に計算に織り込まず。
• 予想修正
  • 2025年分は会社予想に対し実績は売上で約96.6%の達成率（未達）。2026年予想は計画ベースで開示（現時点での修正はなし）。
• 中長期計画
  • 26年6月期より開始する中期経営計画の詳細は8/20公表予定。生産能力拡大・新領域投資を通じた中期成長を目指す。
• 予想の信頼性
  • 経営側は保守的前提（コンボ改良品は計画に織り込まない等）を明示。補助金計上など一部収益要素は外部要因に影響されるため注意。
• マクロ経済の影響
  • 流行規模の変動（金利・為替の直接影響は資料に明示なし）、医療制度の保険点数や薬事規制の変更、サプライチェーンコスト変動が業績に影響。

配当と株主還元

• 配当方針: 2026年6月期から開始する中期計画期間において「28円を起点とする累進配当」を導入予定（方針の全体像は中期計画で説明予定）。
• 配当実績・予想
  • 2024/6期: 中間 6.00円、期末 21.75円（うち上場記念配当11.10円）、年間 27.75円（特別配当含む）。
  • 2025/6期: 中間 6.00円、期末 22.00円（うち法人設立10周年記念配当10.00円）、年間 28.00円。
  • 2026/6期（予想）: 中間 6.00円、期末 22.00円、年間 28.00円（28円起点の累進配当導入）。
• 配当利回り、配当性向: –（資料に配当性向・発行済株式数等の情報なしのため算出不可）
• 特別配当: 2024年・2025年に記念的な特別配当あり（上場記念 / 設立10周年）。
• その他株主還元: 自社株買いや株式分割に関する記載は資料上なし（→ –）。

製品やサービス

• 主要製品: 抗原定性検査キット「イムノエース」シリーズ（新型コロナ単品、インフルエンザ、コンボ、アデノウイルス、RS、溶連菌、マイコプラズマ、ヒトメタニューモウイルス等）。
• 新製品・技術: コンボ検査キット改良品の投入計画、新プラットフォーム（D-IA等）製品の三島工場での生産予定。コア技術は自社抗体・白金－金コロイド等。
• サービス・提供エリア: 医療機関向け（病院・クリニック）中心、卸を通じた全国展開。塩野義製薬とのコ・プロでクリニック領域への浸透強化。
• 協業・提携: 塩野義製薬（コ・プロ）、ロシュ（販売提携／コ・マーケ）、投資先との共同開発（KINS、Craif、アイリス等）。
• 成長ドライバー: コンボ検査キット普及、新工場による生産拡大とコスト低減、提携による販路拡大、新事業領域（マイクロバイオーム、尿中miRNA、AI画像診断等）。

Q&Aハイライト

• 説明会資料にQ&Aの詳細は記載なし → 重要なやり取りは資料に未掲載（→ 未回答事項は多い）。
• 投資家向け質疑で注目されそうな点（想定）: 新工場補助金の確度、三島工場の稼働スケジュールと減価償却影響、コンボの改良品投入時期・効果、配当方針の詳細（累進ルール）、戦略出資のROI。これらは中期経営計画（8/20）等で追加説明が期待される。
• ポジティブ要因
  • 国内主要感染症検査で高い市場シェア（複数領域で1位）。
  • 高利益率製品（COVID単品、コンボ）比率上昇で利益率改善。
  • 三島工場による生産キャパ・原価改善・BCP強化（長期的競争力向上）。
  • 塩野義・ロシュとの提携で販路拡大・シェア伸長余地。
  • 技術力（抗体開発、独自標識技術）と強固なR&D体制。
• ネガティブ要因
  • 流行規模に強く依存するビジネス（季節性・変動リスク）。
  • 新工場投資に伴う財務負担（借入金増加、減価償却費増）。
  • 補助金等の特別利益が実現しないリスク。
  • 販売単価下落圧力（市場競争）。
• 不確実性
  • 今後の感染症流行の規模・タイミング、保険点数や医療制度の変化。
  • 新製品（コンボ改良品）や提携効果の市場反映時期と効果度合い。
• 注目すべきカタリスト
  • 三島工場の体制構築完了（2025/12）および本格稼働（2026/2）関連の進捗・効果。
  • 2025年8月20日の中期経営計画（配当方針・成長シナリオの詳細）。
  • コンボ改良品の市場投入・ロシュ／塩野義との提携の拡大動向。
  • 四半期業績や在庫評価・補助金の実際計上状況。

重要な注記

• 会計方針: 資料に特段の会計方針変更の記載なし。投資その他の資産の増加は投資有価証券増額による（貸借対照表注記）。
• その他: 中期経営計画は8/20に詳細開示予定。四半期ごとの流行期ズレ・在庫循環により業績のピーク時期が前後することに留意。

（注）本要約は提供資料に基づく情報整理であり、投資助言を目的とするものではありません。資料に記載のない項目は「–」としています。

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.4)」によって自動生成されました。

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