2026年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
エグゼクティブサマリー
- 決算サプライズ:会社発表ベースでは「計画どおり」だが、通期・中間の利益見通しは修正あり(営業利益・経常利益を大幅減額、親会社株主に帰属する当期純利益は特別益の増額で据え置き)。市場コンセンサスはここに含まれないため—。
- 業績の方向性:売上高は増収(+4.9%)だが営業利益は微減(△2.3%)、経常利益・親会社株主純利益は増加(経常+1.4%、純利益+10.1%)という混在型。
- 注目すべき変化:中間期に予定していた新たな技術導入契約に伴う一時金を研究開発費に計上することで、販売費及び一般管理費が10,000百万円増加(当初比)。これにより中間は営業損失(△7,700百万円)を見込む。一方で投資有価証券売却益を増額見込み(+10,000百万円)し、当期純利益見通しは据え置き。
- 今後の見通し:売上高見通しは据え置き(通期91,500百万円、+3.6%)。ただし営業利益・経常利益は通期で当初見通しから▲10,000百万円の下方修正。特別損益(有価証券売却益等)に依拠して純利益を確保する計画のため、利益の質(営業利益創出力)に注意が必要。
- 投資家への示唆:第1四半期は営業利益率がやや低下する一方で純利益が伸長しているが、その伸びは特別利益寄与が大きい。中間期に営業損失計上見込みである点、及び特別益頼みで通期純利益を維持する方針が今回の最大の注目点。
基本情報
- 企業概要:
- 企業名:キッセイ薬品工業株式会社
- 主要事業分野:医薬品事業(国内医薬品、輸出・海外ライセンス、ヘルスケア食品)および情報サービス、建設・施設メンテナンス、物品販売
- 代表者名:代表取締役会長 神澤 陸雄
- 決算説明資料:作成あり(決算説明会は無し)
- 報告概要:
- 提出日:2025年7月29日
- 対象会計期間:2026年3月期 第1四半期連結累計期間(2025年4月1日~2025年6月30日)
- セグメント:
- 医薬品事業:国内医薬品、輸出・海外ライセンス、ヘルスケア食品
- 情報サービス事業
- 建設・施設メンテナンス事業
- 物品販売事業
- 発行済株式:
- 期末発行済株式数:46,541,985株(2026年3月期1Q)
- 期末自己株式数:5,106,148株
- 期中平均株式数(四半期累計):41,892,237株
- 時価総額:–(資料に記載なし)
- 今後の予定:
- 決算発表:本決算は通期で別途予定(資料に具体日程なし)
- 株主総会 / IRイベント:–(資料に記載なし)
決算サプライズ分析
- 予想vs実績(会社予想との比較)
- 売上高:Q1 実績22,191百万円。通期見通し91,500百万円に対する進捗率 ≒24.2%(中間見通し44,300百万円に対する進捗 ≒50.1%) → 中間基準では順調。
- 営業利益:Q1 実績2,108百万円。通期見通しは△4,000百万円(営業損失)。通期・中間ともに予想が「損失」だったため単純な進捗率は算出不能。ポイントは中間・通期で営業利益を大幅に減額(▲10,000百万円)。
- 純利益:Q1 実績(親会社株主)4,519百万円。通期見通し12,300百万円に対する進捗 ≒36.7%(中間見通し6,200百万円に対する進捗 ≒72.9%) → 純利益は進捗が高い(特別益寄与によるもの)。
- サプライズの要因:
- 売上は主に医薬品(ベオーバ、タブネオス、コルスバ、タバリス等)の伸長と輸出売上増で増収。
- 営業利益は売上原価率上昇および販管費増で減益。中間・通期の利益下振れは「技術導入契約の一時金を研究開発費に計上」する施策(販管費+10,000百万円)を織り込んだため。
- 純利益は投資有価証券売却益などの特別利益計上で増加。
- 通期への影響:
- 売上見通しは据え置きだが、営業・経常利益は▲10,000百万円の下方修正(通期営業損失見込み)。当期純利益は特別益の想定増で据え置き。営業収益力低下の懸念が残る。
財務指標
- 要点(百万円)
- 売上高(Q1):22,191(+4.9% YoY)
- 営業利益(Q1):2,108(△2.3% YoY)
- 経常利益(Q1):2,915(+1.4% YoY)
- 親会社株主に帰属する四半期純利益(Q1):4,519(+10.1% YoY)
- 1株当たり四半期純利益(EPS):107.88円(前期92.89円、+16.1%)
- 財政状態(Q1末)
- 総資産:243,668
- 純資産:208,232
- 自己資本比率:85.0%(安定水準、良好)(前期末85.6%)
- 流動資産合計:105,146、流動負債:17,956 → 流動比率 ≒585%(高い流動性、良好)
- 負債合計:35,436(負債比率=負債/純資産 ≒17.0%:低リスク)
- 収益性(率・金額)
- 売上高:22,191百万円(+4.9%/前期比 +1,026百万円)
- 営業利益:2,108百万円(△2.3%/前期比 △50百万円)
- 営業利益率:≈9.5%(2,108/22,191) — 参考:前年同期間は≈10.2%(2,158/21,164)
- 経常利益:2,915百万円(+1.4%)
- 親会社株主純利益:4,519百万円(+10.1%)
- EPS(四半期):107.88円(前期92.89円)
- 進捗率分析(第1四半期→通期/中間)
- 通期売上進捗:24.2%(通常期で第1四半期としてはやや高めだが季節性確認要)
- 中間売上進捗:50.1%(中間想定に対して第1四半期が高め)
- 営業利益・経常利益は通期見通しがマイナスのため進捗率は非定義。純利益は通期で36.7%(高め)、中間で72.9%(非常に高い)→ 特別益依存の結果。
- 財務安全性:
- 自己資本比率85.0%(安定水準、良好)
- 流動比率 ≒585%(流動性高い、良好)
- 有利子負債:短期借入金1,280百万円のみ(低水準)
- 効率性:
- 総資産回転率(Q1想定年率換算等の詳細は資料にないため算出不可)→ 売上は緩やかに増加、資産効率は概ね安定。
- セグメント別(Q1)
- 医薬品事業:売上18,681百万円(+1.0% YoY)。内訳で希少疾病用薬剤+38.7%、腎・透析薬+10.4%、泌尿器科薬は△8.3%など差分あり。
- 情報サービス:2,280百万円(+16.8%)
- 建設・施設メンテナンス:992百万円(+104.4%)
- 物品販売:236百万円(+2.2%)
- 輸出・海外ライセンス(医薬品内):1,431百万円(△12.0%)
- 財務の解説:
- 流動資産構成では現金及び預金が増加(25,169 → 28,823)、有価証券は減少(23,485 → 19,931)だが投資有価証券(固定側)は増加(84,869 → 86,132)。自己株式の取得・消却影響で利益剰余金が減少。
配当
- 配当実績と予想:
- 2025年3月期:年間100.00円(中間45.00円、期末55.00円)
- 2026年3月期(予想):年間120.00円(中間60.00円、期末60.00円)→ 増配見込み
- 配当利回り:–(株価情報が資料にないため算出不可)
- 配当性向:–(通期純利益見通し12,300百万円を基にすると配当性向の目安は算出可能だが株数や政策考慮で変動)
- 特別配当:なし
- 自社株買い等:第1四半期に自己株式1,369,200株を取得(5,216百万円)し、1,369,200株(4,173百万円)を消却済み。株主還元の一環で実行済。
セグメント別情報
- 医薬品事業:Q1売上18,681百万円(+1.0%)。主力製剤では希少疾病領域と腎・透析系が伸長。輸出・海外ライセンスは前年同期比で減少(△12.0%)。
- 情報サービス:Q1売上2,280百万円(+16.8%)で堅調。
- 建設・施設メンテナンス:Q1売上992百万円(+104.4%)で大幅増(前期比では低基準からの回復/拡大)。
- 物品販売:236百万円(+2.2%)。
- セグメント戦略:医薬品の輸出拡大や導出品(リンザゴリクス等)の海外展開が成長ドライバー。研究開発投資は増額フェーズ(第III相等の進展多数)。
中長期計画との整合性
- 中期経営計画:資料に明示的な中期目標数値は記載なし。だが研究開発を加速・技術導入を強化しており、投資段階の拡大が当面の課題。
- KPI達成状況:特段のKPI記載なし。主要KPIとしては売上成長と研究開発の進捗(臨床フェーズアップ)が注目点。
競合状況や市場動向
- 市場動向:薬価改定等の医療費抑制策の影響を受け、全体として薬剤費の伸びは抑制傾向。円安・原材料高・関税政策等が事業環境の不確実性要因。
- 競合比較:同業他社との相対比較データは資料に記載なし。輸出・ライセンス収入の増減やパイプライン進展で差別化。
今後の見通し
- 業績予想:
- 中間(第2四半期累計):売上44,300百万円(+4.3%)、営業損失△7,700百万円(当初比▲10,000百万円)、親会社株主中間純利益6,200百万円(据え置き)
- 通期:売上91,500百万円(+3.6%)、営業損失△4,000百万円(当初比▲10,000百万円)、親会社株主当期純利益12,300百万円(+2.8%)
- 前提条件:中間の営業利益悪化は新たな技術導入契約一時金を研究開発費に計上するため。純利益は投資有価証券売却益の増額織込みで補填予定。
- 予想の信頼性:通期の純利益が特別益(有価証券売却等)に依存しているため、営業ベースの収益力が改善されない場合は安定性が低い点に注意。
- リスク要因:薬価制度の変更、為替(円安の影響は両面)、原材料費・物流費の上昇、関税政策、臨床開発の遅延・失敗等。
重要な注記
- 会計方針の変更:なし
- その他重要事項:
- 自己株式の取得・消却を実施(取得5,216百万円、消却4,173百万円)。
- 四半期連結キャッシュフロー計算書は作成していない(第1四半期)。
- 研究開発:複数の臨床試験参画・開始(CG0070、リンザゴリクスの効能追加試験、ロバチレリン第III相等)を継続。
上記の内容は、AIによる自動要約に基づいて作成されたものであり、正確性や網羅性について保証するものではありません。内容の解釈や利用に際しては、必ず公式の決算短信 をご参照ください。信頼性を確保するよう努めていますが、情報の完全性についてはご自身での確認をお願い致します。
企業情報
| 銘柄コード | 4547 |
| 企業名 | キッセイ薬品工業 |
| URL | http://www.kissei.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 医薬品 – 医薬品 |
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.4)」によって自動生成されました。
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