2026年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)
エグゼクティブサマリー
- 決算サプライズ:通期業績予想を下方修正(売上収益:173,000百万円→166,000百万円、△4.0%)。営業利益・当期利益は据え置き。下方修正の主因は、提携先による米国での承認手続きに関するComplete Response Letter(CAP-1002、deramiocel)の受領による発売時期不確実性。
- 業績の方向性:増収減益。売上収益は前年同期比+1.1%(39,546百万円)で増収、一方で営業利益は△9.0%(10,081百万円)と減益、親会社帰属四半期利益は△19.6%(8,255百万円)と大幅減。
- 注目すべき変化:法人所得税費用の増加により純利益の落ち込みが営業利益の減少以上に拡大(税引前利益△7.9%に対して当期利益△19.6%)。研究開発費は前年同期比△17.4%と大幅減少、販売費及び一般管理費は+8.4%と増加。
- 今後の見通し:通期予想は売上を下方修正したものの営業利益・当期利益は据え置き(会社想定)。現時点で業績予想の再修正は通期ベースで行っておらず、主要リスクはCAP-1002の承認時期・販売機会の不透明化。
- 投資家への示唆:短期ではCAP-1002の米国手続き動向と税負担動向が業績の鍵。財務はキャッシュ・保有資産が厚く自己資本比率が高い(安定)ため、外部ショックへの耐性は高い。
基本情報
- 企業概要:
- 企業名:日本新薬株式会社
- 主要事業分野:医薬品事業(泌尿器系、血液がん、難病・希少疾患、婦人科系等の製造・販売)、機能食品事業(健康食品素材、プロテイン、サプリ等)
- 代表者名:代表取締役社長 中井 亨
- 報告概要:
- 提出日:2025年8月7日
- 対象会計期間:2026年3月期 第1四半期連結累計期間(2025年4月1日〜2025年6月30日)
- 決算説明会:有(機関投資家・証券アナリスト向けカンファレンスコール)
- セグメント:
- 医薬品事業:主力。薬価改定や後発品の影響はあるが、ウプトラビ、ビキセオス等が伸長。
- 機能食品事業:健康食品素材・サプリ等を中心。プロテイン製剤が減少。
- 発行済株式:
- 期末発行済株式数(普通株式、自己株式含む):70,251,484株(第1Q)
- 期中平均株式数(四半期累計):67,378,645株(第1Q)
- 自己株式数:2,872,839株
- 時価総額:–(資料に記載なし)
- 今後の予定:
- 次回決算発表:第2四半期(累計)発表時期は会社の通常スケジュールに準拠(具体日程は資料参照)
- 株主総会・IRイベント:通期決算時に開催予定、直近は第1Qでカンファレンスコールを実施済み
決算サプライズ分析
- 予想 vs 実績(会社予想は通期ベース。Q1は会社の四半期予想非開示のため進捗で比較)
- 売上高:39,546百万円。通期修正予想166,000百万円に対する進捗率 39,546/166,000 = 23.8%(やや偏在)。前年同期比 +1.1%(増収)。
- 営業利益:10,081百万円。通期予想30,000百万円に対する進捗率 = 33.6%(進捗良好)。前年同期比 △9.0%(減益)。
- 親会社帰属四半期利益:8,255百万円。通期予想24,000百万円に対する進捗率 = 34.4%。前年同期比 △19.6%(大幅減益)。
- サプライズの要因:
- 通期売上下方修正の要因は、提携先カプリコール社が米FDAからCAP-1002に対しComplete Response Letterを受領し、発売時期が未定になったこと(販売時期の遅延により通期売上が前回見込みを下回る見通し)。
- 四半期の純利益が大きく落ち込んだ主因は法人所得税費用の増加(前年1,141百万円→当期2,247百万円)。
- 販管費の増加と「その他の費用」増(204→794百万円)も営業利益を圧迫。
- 通期への影響:
- 売上予想は下方修正済(△7,000百万円、△4.0%)。営業利益・当期利益は現時点で据え置きだが、CAP-1002の今後の取り扱い次第で追加の修正リスクあり。
財務指標
- 財務諸表の要点(単位:百万円)
- 資産合計:289,625(前期末 283,637、増加59,87百万円)
- 流動資産:157,667(前期末 149,740、増加79,27百万円)
- 現金及び現金同等物:58,277(前期末 55,241、増加30,36百万円)
- 負債合計:37,791(前期末 36,297、増加14,93百万円)
- 親会社所有者帰属持分:251,521(前期末 247,028、増加44,93百万円)
- 収益性(第1四半期累計、前年同期比)
- 売上高:39,546百万円、前年同期比 +1.1%(+415百万円)
- 営業利益:10,081百万円、前年同期比 △9.0%(△997百万円)
- 税引前利益:10,504百万円、前年同期比 △7.9%(△907百万円)
- 親会社帰属当期利益:8,255百万円、前年同期比 △19.6%(△2,009百万円)
- EPS(基本):122.52円、前年同期152.40円(△19.6%)
- 営業利益率:10,081 / 39,546 = 25.5%(前年は11,078/39,131 = 28.3%、低下。目安:20%以上は高水準)
- 進捗率分析(第1四半期)
- 売上高進捗率(通期予想166,000に対して):23.8%(四半期での均等進捗25%にやや下回る)
- 営業利益進捗率:33.6%(通期見通しに対して進捗良)
- 純利益進捗率:34.4%(進捗良)
- 過去同期間との比較:売上はほぼ横ばい、利益面は悪化(営業・当期とも下振れ)
- 財務安全性
- 親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率に相当):86.8%(非常に高く安定水準)
- 負債比率(負債合計37,791 / 資本251,521)= 15.0%(低水準)
- 流動比率:流動資産157,667 / 流動負債31,964 = 4.93(493%)(良好・流動性高い)
- 効率性
- 総資産回転率(Q1年率換算は参考値):(Q1売上39,546 / 資産合計289,625)= 0.137(年率で割増要注意)。売上高営業利益率は上記参照(低下傾向)。
- セグメント別(第1四半期)
- 医薬品:売上 34,163百万円(前年同期比 +1.3%)、セグメント利益 9,938百万円(前年10,036→△0.98%)
- 機能食品:売上 5,382百万円(前年同期比 △0.2%)、セグメント利益 167百万円(前年479→大幅減)
- 医薬品が主力で収益の大半を占める(医薬品計 34,163/売上総計 39,546 → 約86%)
- 財務の解説:
- キャッシュポジションは強く、営業CFは6,798百万円の収入(税支払影響あり)。投資CFは投資売却等で9百万円の収入。配当支払等で財務CFは▲4,286百万円。R&D支出は四半期で6,189百万円(前年より減少)。
配当
- 配当実績と予想:
- 2026年3月期(予想):中間 62円、期末 62円、年間 124円(前期と同額)。直近の配当予想変更は無し。
- 配当利回り:–(株価情報が資料にないため算出不可)
- 配当性向:通期予想で24,000百万円の当期利益に対して年間配当総額(62×発行済株式ベース計算は省略)→資料に明示なし。現時点:配当方針は維持。
- 特別配当の有無:無し
- 自社株買い等:当四半期に自己株式の取得は無し(資料参照)。株主還元は基本的に配当中心。
セグメント別情報
- 売上・貢献度:
- 医薬品:34,163百万円(+1.3%)、医薬品セグメントが収益主力。工業所有権等収益(ロイヤリティ等)も11,511百万円で伸長(+6.8%)。
- 機能食品:5,382百万円(△0.2%)、収益性は低下(セグメント利益167百万円)。
- 前年同期比較:機能食品の利益悪化が顕著。医薬品は主要製品(ウプトラビ、ビキセオス等)が寄与し増収を確保。
- セグメント戦略:医薬品の希少疾患領域・オンコロジー製品の育成及び海外ライセンス収入が業績を支える。機能食品は製品ミックス改善が課題。
中長期計画との整合性
- 中期経営計画:資料内の中期計画進捗に関する明確な数値開示は無し。パイプラインの多数が臨床段階(PⅢ含む)であり、将来的な収益源として期待されるが、製品承認/販売時期に依存。
- KPI達成状況:特定KPIは資料に記載なし。注目KPIとしてはCAP-1002の承認状況、VILTEPSO等のグローバル展開、ロイヤリティ収入の成長が重要。
競合状況や市場動向
- 競合との比較:同業他社との比較データは資料に記載なし(–)。しかし、希少疾患・遺伝子治療領域は市場競争・規制対応が業績に直結する分野であり、提携先の開発状況が売上に直結する点が特徴。
- 市場動向:薬価改定やジェネリック競争の影響を受ける一方、希少疾患・バイオ製剤のロイヤリティ等で収益機会を確保している。
今後の見通し
- 業績予想:
- 通期予想の修正:売上収益を173,000百万円→166,000百万円に修正(△7,000百万円、△4.0%)。営業利益・税引前利益・親会社帰属当期利益は据え置き。修正理由は主にCAP-1002の発売時期未定化。
- 次期予想:–(資料に次期予想の記載なし)
- 会社予想の前提条件:主要リスクは製品承認・発売時期、為替等(具体為替前提は資料参照ページに記載)。
- 予想の信頼性:会社は通期で営業利益・当期利益を据え置いているが、売上下振れリスクは残存。過去の達成傾向は資料内にまとめなし(–)。
- リスク要因:
- CAP-1002の米FDA審査結果と承認時期の不確実性
- 米国での特許訴訟(サレプタ社との係争) — 第一審で陪審がサレプタ社有利の評決(賠償115.2百万ドル)としたが、当社は控訴等を検討、引当金は計上していない(会社は控訴審で特許無効と判断される可能性が高いと見ている)
- 為替・薬価改定・後発品競争・研究開発の臨床結果不確実性
- 法人税等の税負担増加が利益を圧迫する可能性
重要な注記
- 会計方針:IFRS適用による会計方針の変更はなし。会計上の見積り変更なし。
- 監査:有限責任監査法人トーマツによる第1四半期レビュー実施(期中レビューにおいて重要な不備は認められず)。
- 偶発負債:米国特許訴訟(サレプタ社)に関する陪審評決あり。賠償可能性について会社は低いと判断し引当金は計上していないが、控訴等の結果により影響があり得る。
上記の内容は、AIによる自動要約に基づいて作成されたものであり、正確性や網羅性について保証するものではありません。内容の解釈や利用に際しては、必ず公式の決算短信 をご参照ください。信頼性を確保するよう努めていますが、情報の完全性についてはご自身での確認をお願い致します。
企業情報
| 銘柄コード | 4516 |
| 企業名 | 日本新薬 |
| URL | http://www.nippon-shinyaku.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 医薬品 – 医薬品 |
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.4)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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