以下、株式会社ベース(証券コード:4481)の企業分析レポートです。

1. 企業情報

  • 事業内容などのわかりやすい説明
    ベースは、主に企業向けのコンピュータソフトウェア開発と関連サービスを提供している企業です。受託開発を主力としており、顧客には富士通や野村総研といった大手企業が含まれます。ERP(Enterprise Resource Planning)ソリューションやICT(情報通信技術)ソリューションの提供にも力を入れています。中国にも2つの拠点を持ち、グローバルな事業展開を行っています。
  • 主力製品・サービスの特徴
    主力はシステム受託開発事業であり、顧客のニーズに応じたカスタマイズされたソフトウェア開発を提供しています。近年は、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進や、基幹システムであるSAPなどのERPシステム移行需要に対応するソリューションを強化しており、これらが事業の成長を牽引しています。高収益な事業構造が特徴です。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内での競争優位性や課題について
    ベースは情報・通信業に属し、ソフトウェア受託開発市場で事業を展開しています。競争優位性としては、長年の実績に裏打ちされた顧客基盤と、高い営業利益率および強固な財務体質が挙げられます。特に、自己資本比率の高さや流動比率の余裕は、外部環境の変化に強い経営基盤を示しています。課題としては、IT人材不足が深刻化する中で、優秀な人材の確保と育成が継続的な経営課題となります。
  • 市場動向と企業の対応状況
    国内IT投資は堅調に推移しており、総務省やIDC Japanのデータからも、企業のソフトウェア投資計画が前年比で大きく増加していることが示されています。特に、DXニーズやSAPなどのERPシステム移行需要が旺盛であり、ベースはこのトレンドを追い風と捉え、SAP移行に対応する人材育成を強化するなどで事業機会を積極的に捉えています。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営陣が掲げるビジョンや戦略
    経営陣は、当面の長期目標として「営業利益100億円」を掲げています。この目標達成に向け、人材確保と育成、および営業基盤の強化を重点戦略としています。
  • 中期経営計画の具体的な施策や重点分野
    具体的な施策としては、国内だけでなく中国での人材確保、Udemyのような外部教育プログラムの活用、SAPスキル育成、中堅社員を対象としたリーダー研修など、人材への投資を積極的に行っています。また、営業組織の部長クラスを主体とした提案力強化や営業支援システムの導入により、営業基盤の強化を図っています。
  • 新製品・新サービスの展開状況(決算短信参照)
    資料からは特定の「新製品・新サービス」の名称は確認できませんが、SAP移行需要に対応する人材を育成し、当該領域のソリューション提供を強化していることが特徴として挙げられます。これは既存の受託開発サービスを高付加価値化する取り組みと解釈できます。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデルや市場ニーズの変化への適応力
    ベースの収益モデルは、企業のIT投資ニーズに応じたソフトウェア受託開発が中心です。DX推進やSAP/ERPといった基幹システム移行は、企業の競争力維持・強化に不可欠な投資であり、市場ニーズとして今後も堅調に推移すると見られます。ベースは人材育成と組織強化を通じて、これらの変化に適応し、高付加価値サービスを提供することで持続的な成長を目指しています。
  • 売上計上時期の偏りとその影響
    売上計上時期の特定の偏りに関する具体的な記載はありませんが、第3四半期までの進捗が通期予想に対して概ね70%台と順調であり、大きな偏りはないと推測されます。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向や独自性
    具体的な技術革新に関する詳細な記載は少ないものの、SAPスキル育成に注力していることから、ERP関連技術への深い専門性と対応力を強化していることがうかがえます。これにより、顧客の複雑なシステム要件に応える能力を高め、競争力を維持しています。
  • 収益を牽引している製品やサービス
    収益はソフトウェア受託開発事業全体で牽引されており、特にSAPなどERPシステムの移行・導入支援といった高付加価値案件が利益率の向上に貢献していると考えられます。

6. 株価の評価

  • EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較
    • 現在の株価:3,245.0円
    • EPS(会社予想、連):233.78円
    • BPS(実績、連):755.21円
    • PER(会社予想、連):13.88倍
    • PBR(実績、連):4.30倍
  • 業界平均PER/PBRとの比較
    • 業界平均PER:23.2倍
    • 業界平均PBR:2.3倍
      現在のPERは業界平均と比較して約59%の水準であり、利益面では割安感があります。一方で、現在のPBRは業界平均の約1.87倍であり、純資産面では相対的に割高です。これはベースが高い収益性・効率性を有しているため、純資産に対して利益を多く生み出していることを示唆している可能性があります。

7. テクニカル分析

  • 直近の株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か
    直近10日間の株価は3,140円から3,270円のレンジで推移しており、現在の株価3,245円はこのレンジの中央やや上方に位置します。
  • 年初来高値・安値との位置関係
    年初来高値 3,820円、年初来安値 2,470円に対して、現在の株価3,245円は年初来レンジの中間地点(約3,145円)よりやや高めに位置しています。
  • 出来高・売買代金から見る市場関心度
    本日の出来高は42,700株、売買代金は138,064千円です。過去3ヶ月平均出来高40,030株、過去10日平均出来高36,530株と比較すると、平均よりやや多い水準ですが、特段の急増は見られず、市場の関心度は中程度と言えます。

8. 財務諸表分析

  • 売上、利益、ROE、ROAなどの指標を評価
    過去数年間において、売上高、粗利益、営業利益、純利益は一貫して増加傾向にあり、堅調な成長を示しています。
    • Total Revenue: 2021年 13,293百万円 → 2024年予想 20,230百万円 → 過去12ヶ月 21,581百万円。
    • Net Income Common Stockholders: 2021年 2,126百万円 → 2024年予想 3,871百万円 → 過去12ヶ月 4,257百万円。
      ROE(実績)30.50%、ROA(過去12か月)21.86%と、資本と資産の利用効率が非常に高く、収益性が優れていることを示しています。
  • 過去数年分の傾向を比較
    2021年から2024年の予想まで、売上高、営業利益、純利益ともに継続的な成長トレンドが明確です。売上高は年率で約15-20%の成長を見せており、利益もそれ以上に伸びています。
  • 四半期決算の進捗状況(通期予想との比較)
    2025年12月期第3四半期累計の進捗は、売上高71.5%、営業利益70.4%、親会社株主に帰属する純利益71.5%と、通期予想に対して順調なペースで推移しています。これは、通期予想達成の可能性が高いことを示唆しています。

9. 財務健全性分析

  • 自己資本比率、流動比率、負債比率の評価
    • 自己資本比率(実績):74.6%。2025年12月期第3四半期累計では78.5%とさらに上昇しており、極めて高い水準で、財務基盤が非常に安定しています。
    • 流動比率(直近四半期):4.62倍(462%)。決算短信でも「非常に余裕あり」と評価されており、短期的な支払い能力に全く問題ありません。
    • 負債比率:負債合計3,465,657千円 / 純資産合計14,223,211千円 = 約24.4% (第3四半期累計)。非常に低い負債水準であり、財務安全性は極めて優れています。
  • 財務安全性と資金繰りの状況
    高い自己資本比率と流動比率、低い負債比率から、財務安全性は非常に高く、資金繰りにも全く問題がない極めて良好な状況です。
  • 借入金の動向と金利負担
    損益計算書におけるInterest Expenseが過去数年で極めて低いか0であることから、借入金はほとんどないか非常に少なく、金利負担も軽微であると判断されます。

10. 収益性分析

  • ROE、ROA、各種利益率の評価
    • ROE(実績):30.50% (過去12ヶ月 32.34%)
    • ROA(過去12ヶ月):21.86%
    • 営業利益率(過去12ヶ月):27.40%
      これらの指標はすべて非常に高い水準にあり、資本や資産を非常に効率的に活用して利益を生み出していることを示しています。特に営業利益率の高さは、事業構造の優位性を裏付けています。
  • 一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%等)との比較
    ROE、ROAともに一般的な優良企業のベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%)を大幅に上回っており、極めて高い収益性であると評価できます。
  • 収益性の推移と改善余地
    過去数年の損益計算書を見ると、総売上原価の売上に対する比率は安定しており、売上増加に伴い利益が順調に伸びています。営業利益率も第3四半期累計で約26.8%と、前年同期の約25.7%から改善しており、今後も高付加価値案件の獲得や効率的なリソース配分により、更なる改善余地があると考えられます。

11. 市場リスク評価

  • ベータ値による市場感応度の評価
    ベータ値(5Y Monthly):0.51。これは市場全体が1%変動した際に、ベースの株価は約0.51%変動することを示すものです。したがって、市場全体の値動きに対する感応度は比較的低い傾向にあり、安定性が高いと言えます。
  • 52週高値・安値のレンジと現在位置
    52週高値:3,820円、52週安値:2,470円。現在の株価3,245円は、このレンジの中間よりやや高めの水準に位置しています。
  • 決算短信に記載のリスク要因(外部環境、為替、地政学等)
    決算短信には以下のリスク要因が記載されています。
    • マクロリスク:米国を中心とする国際的な関税政策などによる企業投資の抑制
    • IT人材不足:採用競争の激化による人材確保の困難さ
    • 中国事業の景況:現地経済の停滞による成長鈍化
    • 為替変動や大型案件の獲得動向

12. バリュエーション分析

  • 業種平均PER/PBRとの比較
    • PER(会社予想)13.88倍に対し、業種平均PER 23.2倍。PERでは約40%割安。
    • PBR(実績)4.30倍に対し、業種平均PBR 2.3倍。PBRでは約87%割高。
      PERとPBRで割安・割高の判断が異なります。PERは利益水準で見れば割安ですが、PBRは純資産に対しては割高です。これは、企業が純資産を効率的に活用して高い利益を生み出していることの裏返しとも言えます。
  • 目標株価レンジの算出(業界平均倍率適用)
    • EPS(会社予想)233.78円 × 業界平均PER 23.2倍 = 5,434円
    • BPS(実績)755.21円 × 業界平均PBR 2.3倍 = 1,737円
      目標株価には約3.1倍の開きがあり、どの指標を重視するかでレンジが大きく異なります。
  • 割安・割高の総合判断
    高い収益性(ROE、ROA)を背景に、純資産に対して株価が評価されPBRが割高になっていると解釈できます。一方で、利益成長に見合ったPERでは割安感があるため、成長性と収益性を考慮すると、PERを重視した場合に割安と判断される余地があります。総合的には、収益性から見れば妥当かやや割安、純資産から見れば割高という判断になります。

13. 市場センチメント分析

  • 信用取引の状況(信用買残、信用倍率、需給バランス)
    • 信用買残:162,600株
    • 信用売残:1,500株
    • 信用倍率:108.40倍
      信用買残が信用売残を大幅に上回っており、信用倍率も非常に高い水準です。これは、将来の株価上昇を期待する投資家が多く存在することを示唆しつつも、需給面では将来的な売圧力となる可能性があり、注意が必要です。
  • 株主構成(経営陣持株比率、安定株主の状況)
    筆頭株主の中山アセットが41.13%を保有しており、その他上位株主の伊藤商事、信託銀行を含め、比較的安定した株主構成です。経営陣および関連する大株主による保有比率が高いと考えられ、経営の安定性に寄与しています。
  • 大株主の動向
    データからは直近の大株主の具体的な動向は確認できません。

14. 株主還元と配当方針

  • 配当利回りや配当性向の分析
    • 配当利回り(会社予想):3.61% (Forward Annual Dividend Yield 3.72%)。高水準の配当利回りです。
    • 1株配当(会社予想):117.00円(前期比増額)。
    • 配当性向(Payout Ratio):47.92%。会社が目安とする配当性向50%に沿った水準であり、利益還元に積極的な姿勢がうかがえます。
  • 自社株買いなどの株主還元策
    決算短信にて、第3四半期累計期間中に「自己株式の増加(自社株買い)」があった旨の記載があり、配当だけでなく自社株買いも継続的に実施することで、株主還元への意欲が高いと評価できます。
  • 株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策
    データなし

15. 最近のトピックスと材料

  • 適時開示情報の分析(大型受注、新製品、拠点展開等)
    2025年11月14日に発表された2025年12月期第3四半期決算短信では、以下の点が注目されます。
    • 増収増益:売上高11.8%増、営業利益16.6%増、親会社株主帰属純利益17.7%増と好調。
    • 通期予想に対する順調な進捗:第3四半期累計の進捗率が計画に対して概ね70%台で推移しており、通期業績予想の修正はなし。
    • 成長戦略の進捗:人材確保・育成と営業基盤強化が業績向上に貢献。特にSAP移行需要への対応が進捗。
  • これらが業績に与える影響の評価
    第3四半期決算の好調な結果と通期予想の据え置きは、現在の成長戦略が順調に機能しており、今後の業績にポジティブな影響が持続する可能性が高いことを示唆しています。特に、SAP移行需要への継続的な対応力強化は、高付加価値な案件獲得に繋がり、収益性の維持・向上に貢献すると考えられます。

16. 総評

ベースは、安定成長を続けるソフトウェア受託開発市場において、高収益性と極めて強固な財務体質を誇る企業です。DX推進やSAP/ERP移行といった市場の大きなトレンドを的確に捉え、人材への積極的な投資と営業基盤の強化を通じて持続的な成長を実現しています。

  • 全体的な見解
    堅調な業績、高い収益性、健全な財務基盤は特筆すべき点です。配当性向50%目安の株主還元方針も魅力的であり、自社株買いも合わせて株主重視の姿勢がうかがえます。一方で、信用買残の水準には注意が必要で、需給の重しとなる可能性も秘めています。
    • 強み: 高い営業利益率・ROE・ROAに代表される収益性の高さ、自己資本比率70%超の強固な財務基盤、情報化投資意欲が旺盛な市場環境、積極的な株主還元策。
    • 弱み: 信用買残の高さによる需給の重し、IT人材獲得競争の激化リスク。
    • 機会: DX推進やSAP/ERP移行需要の継続的な拡大、中国市場での更なる事業展開の可能性。
    • 脅威: マクロ経済の不確実性、人材流出や確保の困難さ、競争激化。

17. 企業スコア

  • 成長性: A
    • 売上高は過去数年一貫して増加傾向にあり、直近四半期の売上成長率も7.70%と堅調。人材投資と営業強化により、今後も市場ニーズを取り込み成長が期待されるため。
  • 収益性: S
    • 営業利益率(約27.40%)、ROE(32.34%)、ROA(21.86%)がいずれも非常に高く、一般的なベンチマークを大幅に上回る。効率的な経営と高付加価値ビジネスモデルが確立されているため。
  • 財務健全性: S
    • 自己資本比率74.6%(直近四半期78.5%)と極めて高く、流動比率も462%と非常に余裕がある。有利子負債もほとんどなく、財務基盤は盤石であるため。
  • 株価バリュエーション: B
    • PERは業界平均より割安だが、PBRは業界平均より割高。高い収益性によるPBRの高さを考慮すると、一概に割安とは判断しづらく、中立的な評価とする。

企業情報

銘柄コード 4481
企業名 ベース
URL http://www.basenet.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 3,245円
EPS(1株利益) 233.78円
年間配当 3.61円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 11.1% 16.0倍 6,325円 14.4%
標準 8.6% 13.9倍 4,893円 8.7%
悲観 5.1% 11.8倍 3,543円 1.9%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 3,245円

目標年率 理論株価 現在株価との乖離 判定
15% 2,444円 +801円 (+33%) △ 割高
10% 3,053円 +192円 (+6%) △ 割高
5% 3,852円 -607円 (-16%) ○ 割安

【判定基準】○割安:現在株価≦理論株価 / △割高:現在株価>理論株価

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.5)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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