2026年7月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
エグゼクティブサマリー
- 決算サプライズ:会社予想からの修正は無し。市場予想は提示無しのため比較不可だが、通期予想の前提に対して第1四半期は概ね想定内(ほぼ予想通り)。特別利益として孫会社吸収合併に伴う抱合せ株式消滅差益68.9百万円を計上し、四半期純利益を押し上げた点が特徴。
- 業績の方向性:増収増益(売上高+1.7%、営業利益+4.5%、親会社株主に帰属する四半期純利益+28.9%)。
- 注目すべき変化:鋼製物置事業は売上・利益とも減少(売上▲2.5%、セグメント利益▲23.3%)で弱含み。一方、オフィス家具事業は需要堅調で売上+11.5%、セグメント利益は前年の損失から113百万円の黒字化。加えて吸収合併に伴う一時利益が純利益を押し上げ。
- 今後の見通し:2026年7月期(通期)業績予想に変更なし(公表値のまま)。第1四半期時点の進捗は売上23.7%、営業利益14.2%、当期純利益18.6%で、営業利益進捗がやや遅れ。通期達成には下期での利益回復が必要。
- 投資家への示唆:高い自己資本比率・潤沢な現預金など財務は良好。鋼製物置は市場環境の弱さが継続しており、オフィス家具の好調が業績底支えしている点と、吸収合併による効率化効果の進捗に着目すべき(ただし一時利益の影響を勘案する必要あり)。
基本情報
- 企業概要:
- 企業名:株式会社稲葉製作所
- 主要事業分野:鋼製物置およびオフィス家具の製造・販売(鋼製物置事業、オフィス家具事業)
- 代表者名:代表取締役社長 稲葉 裕次郎
- URL:https://www.inaba-ss.co.jp
- 報告概要:
- 提出日:2025年12月12日
- 対象会計期間:2026年7月期 第1四半期連結累計期間(2025年8月1日~2025年10月31日)
- セグメント:
- 鋼製物置:住宅向け等の鋼製物置の製造販売(大量生産・サイズバリエーションを強み)
- オフィス家具:オフィス向け家具の販売(移転・改装需要に対応)
- 発行済株式:
- 期末発行済株式数(普通株式、自己株式含む):17,022,429株
- 期末自己株式数:1,143,113株
- 期中平均株式数(四半期累計):15,879,316株
- 時価総額:–(資料に記載無し)
- 今後の予定:
- 次回決算発表:通期予想は2025年9月12日公表分から修正無し(次回具体日程は資料に記載無し)
- IRイベント:決算説明会の開催は無し(今回:なし)
決算サプライズ分析
- 予想vs実績(会社予想に対する達成状況/通期に対する進捗)
- 売上高:当第1四半期 10,162百万円。通期予想42,850百万円に対する進捗率 23.7%(やや高い = 25%の季節均等ラインに近い)。会社予想からの下方修正は無し。
- 営業利益:当第1四半期 350百万円。通期予想2,460百万円に対する進捗率 14.2%(進捗遅め)。
- 純利益(親会社株主帰属):当第1四半期 348百万円。通期予想1,870百万円に対する進捗率 18.6%。
- サプライズの要因:
- 一時利益:連結子会社による孫会社吸収合併に伴う抱合せ株式消滅差益 68.9百万円が特別利益に計上され、当期純利益を押し上げた(非継続的要因)。
- 事業別ではオフィス家具の受注増が営業寄与。一方、鋼製物置は需要減で利益率低下。
- 通期への影響:
- 現時点で業績予想の修正は無し。だが営業利益の進捗が低いため、鋼製物置事業の需給回復やオフィス家具の下期継続が重要。特別利益は一過性のため、通期達成は基礎的収益力の回復が鍵。
財務指標
- 財務諸表の要点(第1四半期末、単位:百万円)
- 総資産:58,917(前期末 59,467、△549)
- 純資産:44,022(前期末 44,020、+2)
- 自己資本比率:74.7%(前期末 74.0%)→ 安定水準(目安40%以上)
- 流動資産:30,138(△1,152)、固定資産:28,779(+602)
- 流動負債:12,367(△564)、固定負債:2,527(+11)
- 現金及び預金:13,481(前期末13,748、△266)→ 流動性高い
- 収益性(当第1四半期:2025/8/1~10/31、単位:百万円、前年同期比%)
- 売上高:10,162(+1.7%/前年10,0 0 0 )
- 営業利益:350(+4.5%)、営業利益率=350/10,162 = 3.44%(低め〜中程度)
- 経常利益:440(+5.7%)
- 親会社株主に帰属する四半期純利益:348(+28.9%)
- 1株当たり四半期純利益(EPS):21.94円(前年16.78円、+30.8%)
- 進捗率分析(通期予想に対する第1四半期進捗)
- 売上高進捗率:23.7%(通常ペースに近い)
- 営業利益進捗率:14.2%(進捗遅め)
- 純利益進捗率:18.6%(一時利益があるため参考値)
- 過去同期間との比較:売上・営業利益とも前年同四半期比は増加。ただし営業利益率は依然低水準で、前年の特殊要因などの違いを考慮する必要あり。
- 財務の安全性:
- 自己資本比率 74.7%(安定水準)
- 負債比率(負債合計/純資産)=14,895 / 44,022 ≒ 33.8%(低い=安全)
- 流動比率=流動資産30,138 / 流動負債12,367 ≒ 243.9%(高い流動性)
- 効率性:
- 売上高営業利益率は第1四半期で約3.4%とやや低め。前年同期比で改善しているが、鋼製物置の利益低下が効率を圧迫。
- セグメント別(当第1四半期、単位:百万円、前年同期比%)
- 鋼製物置:売上 6,886(▲2.5%)、セグメント利益 482(▲23.3%) — 需要減で利益圧迫
- オフィス家具:売上 3,276(+11.5%)、セグメント利益 113(前年は▲40) — 受注拡大で黒字化
- 財務の解説:
- 資産面では流動資産減(受取債権・現金・在庫の減少)が主因。固定資産は社員寮建替等で増加。負債は主に電子記録債務の減少で総負債が減少。純資産は四半期純利益計上で微増。
配当
- 配当実績・予想:
- 2025年7月期(実績):年間 42.00円(中間21.00円、期末21.00円)
- 2026年7月期(予想):年間 44.00円(中間22.00円、期末22.00円)※変更無し
- 配当利回り:–(株価情報無し)
- 配当性向(通期予想ベース):配当44.00円 / 予想EPS117.76円 = 約37.4%(中程度〜やや高めの株主還元水準)
- 特別配当:無し
- 株主還元方針:自社株買い等の記載無し(特記事項なし)
セグメント別情報
- 鋼製物置事業:
- 売上高 6,886百万円(前年同期比▲2.5%)、セグメント利益 482百万円(▲23.3%)。住宅着工の不安定化や個人消費の伸び悩みで需要は弱含み。ただし指定建築材料を使用した製品(FORTA等)は堅調。大量生産・短納期対応を強みとして需要確保に努める。
- オフィス家具事業:
- 売上高 3,276百万円(+11.5%)、セグメント利益 113百万円(前年は40百万円の損失)。オフィス移転・改装需要が旺盛で、提案営業が受注積上げに寄与。
- セグメント戦略:鋼製物置は供給力とサイズバリエーションを活かした短納期対応、オフィス家具は積極的な提案営業で拡販。吸収合併(共進×カトウ産業)による営業・物流の合理化を進める。
中長期計画との整合性
- 中期経営計画:資料上、特段の修正無し。吸収合併は事業運営の合理化・営業力強化の一環であり、中期目標の効率化施策と整合。
- KPI達成状況:明示的KPIの記載無し。セグメントごとの収益改善(特に鋼製物置の利益改善)が中期目標達成の鍵。
競合状況や市場動向
- 市場動向:鋼製物置市場は住宅着工や物価上昇の影響で弱含み。オフィス家具市場はリニューアル・移転需要で堅調。
- 競合比較:同業他社との定量比較データは資料に無し。競争優位は大量生産・短納期、サイズ展開、地域配送ネットワーク(子会社・配送センター)にあると示唆される。
今後の見通し
- 業績予想:
- 通期(2026年7月期)予想は修正無し:売上 42,850百万円(+2.3%)、営業利益 2,460百万円(+31.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益 1,870百万円(+20.9%)。前提条件の詳細は添付資料参照。
- 予想の信頼性:会社は当該予想を変更せず。第1四半期は一時利益が寄与しているため、通期ベースでは基礎収益力(営業利益)の回復が予想達成に重要。
- リスク要因:原材料・物流コストの高騰、住宅着工の低迷、地政学リスク(ウクライナ・中東等)、中国景気の停滞、為替等の外的要因。また、吸収合併の統合効果が想定通りに出るかも留意点。
重要な注記
- 会計方針:会計方針の変更、見積り変更、修正再表示は無し。四半期財務諸表の作成に特有の会計処理の適用無し。監査(レビュー):四半期の監査(レビュー)は無し。
- 企業結合:2025年8月1日付で連結子会社(共進)による孫会社(カトウ産業)の吸収合併を実施。共通支配下の取引として会計処理。これに伴う抱合せ株式消滅差益(特別利益68.9百万円)を計上。
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企業情報
| 銘柄コード | 3421 |
| 企業名 | 稲葉製作所 |
| URL | http://www.inaba-ss.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 金属製品 |
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.4)」によって自動生成されました。
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