1. 企業情報

  • 事業内容などのわかりやすい説明
    中央魚類は、日本の水産物卸売大手企業です。食品スーパーや外食産業向けに鮮魚や加工水産物などを供給する「水産物卸売事業」を中核とし、水産物の保管・荷役を行う「冷蔵倉庫事業」、不動産を賃貸する「不動産賃貸事業」、物流を担う「荷役事業」を展開しています。特に豊洲市場での取扱金額はトップクラスであり、日本の食卓に欠かせない水産物流通を支える重要な役割を担っています。
  • 主力製品・サービスの特徴
    • 水産物卸売事業: 豊洲市場を拠点に、マグロ、エビ、カニなどの生鮮・冷凍水産物や、加工水産物を全国の食品スーパーや外食チェーンに供給しています。仕入れから販売までの一貫した流通網と品質管理が強みです。独自の商品開発も行っています。
    • 冷蔵倉庫事業: 水産物の鮮度を保つための冷蔵・冷凍保管サービスを提供しており、物流の安定供給に寄与しています。
    • 不動産賃貸事業: 豊洲市場に隣接する立地などの不動産賃貸を行っています。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内での競争優位性や課題について
    中央魚類は「水産荷受け大手」であり、「豊洲の取扱金額トップ級」であることから、国内水産物流通市場において非常に強力な競争優位性を持っていると推測されます。規模の経済と長年の実績に基づく仕入れ・販売ネットワークが主要な強みと考えられます。また、ニッスイと親密な関係にあることも安定的な事業基盤に寄与している可能性があります。
    課題としては、水産資源の変動、漁獲高の不安定性、国際的な水産物価格の高騰、消費者の節約志向の強まり、冷蔵倉庫事業における電力料や人件費の上昇といった外部環境の変化に左右されやすい点が挙げられます。特に決算短信では原料相場高騰や電力・人件費増が利益を圧迫していることが示されています。
  • 市場動向と企業の対応状況
    決算短信によると、国内消費は緩やかな回復基調にあるものの、食品物価上昇が節約志向を強め、海外通商や原料相場の変動リスクが存在すると認識しています。
    企業としては、水産物卸売事業で販売が好調であることから、引き続き需要に応える供給体制を維持しつつ、冷蔵倉庫事業では保管・荷役料の値上げを実施するなど、コスト増への対応も進めています。しかし、値上げ効果は入庫数量減によって相殺されており、市場環境への適応は継続的な課題と考えられます。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営陣が掲げるビジョンや戦略
    データなし(決算短信に中期経営計画や具体的なビジョンの詳細な記載なし)。
  • 中期経営計画の具体的な施策や重点分野
    データなし(決算短信に中期経営計画の具体的な施策やKPIの提示なし)。
  • 新製品・新サービスの展開状況(決算短信参照)
    決算短信には具体的な新製品・新サービスの展開状況に関する記述はありませんが、企業概要には「独自の商品開発も」と記載されており、競争力強化のため商品開発には注力していると推測されます。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデルや市場ニーズの変化への適応力
    中央魚類の収益モデルは、水産物の国内外からの調達・卸売を中核とし、冷蔵倉庫、不動産賃貸、荷役といった関連事業で多角化されています。これにより、水産物卸売事業が不調な場合でも、他の事業で補完できる可能性があります。
    市場ニーズの変化、特に健康志向や簡便調理ニーズ、サステイナブルな水産物への関心に対応するためには、独自の加工品開発や新商材の取り扱いが重要となると考えられます。
  • 売上計上時期の偏りとその影響
    データなし(決算短信に売上計上時期の偏りについての言及なし)。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向や独自性
    水産物卸売業において一般的な意味での「技術革新」は限定的かもしれませんが、鮮度保持技術、品質管理システム、効率的な物流システムの構築などが重要と考えられます。企業概要にある「独自の商品開発」は、消費者のニーズを捉えた新しい水産加工品の開発などを指すと考えられます。
  • 収益を牽引している製品やサービス
    「水産物卸売事業」が連結売上高の94%を占めており、最も収益を牽引している主力事業です。特にさんまや冷凍加工品の販売が好調で、売上増加に貢献しています。

6. 株価の評価

  • EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較
    • 現在株価: 3,480.0円
    • 会社予想EPS (連): 625.90円
    • PER(会社予想): 5.56倍 (3,480円 ÷ 625.90円)
    • 実績BPS (連): 8,574.32円
    • PBR(実績): 0.41倍 (3,480円 ÷ 8,574.32円)
      現在の株価は、EPS(約626円)の約5.6倍、BPS(約8,574円)の約0.41倍で取引されており、PBRが1倍を大きく下回っていることから、純資産価値と比較して割安に評価されていると言えます。
  • 業界平均PER/PBRとの比較
    • 会社PER(会社予想): 5.56倍
    • 業界平均PER: 10.1倍
    • 会社PBR(実績): 0.41倍
    • 業界平均PBR: 0.7倍
      会社のPER(5.56倍)は業界平均PER(10.1倍)と比較して低く、PBR(0.41倍)も業界平均PBR(0.7倍)と比較して低い水準にあります。このことから、業界平均と比較しても割安感が強いと判断できます。

7. テクニカル分析

  • 直近の株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か
    直近10日間の株価は3,420円~3,480円のレンジで推移しており、本日の終値は3,480円と、直近のレンジの上限近くで引けています。
  • 年初来高値・安値との位置関係
    • 年初来高値: 4,180円
    • 年初来安値: 2,720円
      現在の株価3,480円は、年初来高値から約16.8%低い水準であり、年初来安値からは約28%高い水準にあります。レンジの中央よりやや上ですが、高値圏にあるとは言えません。
  • 出来高・売買代金から見る市場関心度
    直近10日間の出来高は900株~4,100株、本日の出来高は1,500株、売買代金は5,201千円と非常に少ない状況です。これは市場からの関心が限定的であり、流動性が低いことを示唆しています。少ない出来高で株価が変動しやすい特性がある可能性があります。

8. 財務諸表分析

  • 売上、利益、ROE、ROAなどの指標を評価
    • 売上高: 過去数年間で堅調に増加トレンドにあります。2022年3月期121,842百万円から2025年3月期予想149,902百万円、直近12か月実績153,886百万円と成長を続けています。
    • 営業利益: 2022年3月期1,982百万円から2025年3月期予想3,229百万円と増加傾向にありますが、直近12か月実績は2,988百万円、2026年3月期中間期決算では前年同期比△11.6%の減益となっており、利益率の改善が課題です。
    • ROE(実績): 9.46% (過去12か月: 8.30%) – 会社が株主資本を効率的に活用して利益を生み出しているかを示す指標。
    • ROA(実績): 2.34% (過去12か月: 2.34%) – 会社が総資産を効率的に活用して利益を生み出しているかを示す指標。
  • 過去数年分の傾向を比較
    売上は順調に伸びているものの、利益は近年伸び悩む、あるいは減少傾向が見られます。特に中間期の減益要因として原料相場高騰とコスト増が挙げられており、収益性の維持・向上が重要なテーマとなっています。
  • 四半期決算の進捗状況(通期予想との比較)
    2026年3月期第2四半期(中間期)の進捗状況は以下の通りです。
    • 売上高: 76,996百万円 (通期予想150,000百万円に対し51.3%進捗)
    • 営業利益: 1,837百万円 (通期予想3,300百万円に対し55.7%進捗)
    • 親会社株主に帰属する中間純利益: 1,214百万円 (通期予想2,500百万円に対し48.6%進捗)
      売上高は概ね順調な進捗ですが、純利益の進捗はやや遅れています。営業利益の進捗は最も高いですが、前年同期比では減益であり、下期での利益確保が注目されます。会社は通期予想を据え置いていますが、原料相場やコスト動向によっては達成にリスクが残ると考えられます。

9. 財務健全性分析

  • 自己資本比率、流動比率、負債比率の評価
    • 自己資本比率(実績): 42.9% (直近四半期: 42.4%) – 安定性の基準とされる40%を上回っており、財務基盤は比較的強固です。
    • 流動比率(直近四半期): 134.3% – 短期的な債務返済能力を示す指標で、一般的に100%を超えていれば安全とされます。この水準は流動性が確保されており、企業の短期的な支払い能力に問題はないと考えられます。
    • 負債比率 (Total Debt/Equity, 直近四半期): 62.86% – 自己資本に対する負債の割合で、適度な水準と言えます。
  • 財務安全性と資金繰りの状況
    自己資本比率が高く、流動比率も健全な水準にあることから、財務安全性は良好であると評価できます。
    ただし、中間決算では短期借入金が前期末の3,525百万円から8,025百万円に増加しており、運転資金需要の増加が見られます。現預金も増加しているため、資金繰り自体は問題ありませんが、借入金の増加は今後の財務費用に影響を与える可能性があります。
  • 借入金の動向と金利負担
    • 総負債(直近四半期):22.64B
    • 短期借入金(中間期):8,025百万円(前期末比+4,500百万円)
      短信で確認された短期借入金の増加は注目すべき点です。金利が上昇傾向にある場合、借入金が収益を圧迫する可能性があります。現在のインタレスト・イベントが-156百万円であることから、一定の金利負担はありますが、EBITDAと比較しても十分にカバーできる水準です。

10. 収益性分析

  • ROE、ROA、各種利益率の評価
    • ROE (過去12か月): 8.30%
    • ROA (過去12か月): 2.34%
    • 粗利益率 (Gross Profit / Total Revenue, 過去12か月): 14,763 / 153,886 = 9.59%
    • 営業利益率 (Operating Income / Total Revenue, 過去12か月): 2,988 / 153,886 = 1.94% (報告データのOperating Marginは2.28%)
    • 純利益率 (Net Income Common Stockholders / Total Revenue, 過去12か月): 2,677 / 153,886 = 1.74%
      売上に対して粗利益率は約9.6%、営業利益率は約1.9%~2.3%、純利益率は約1.7%と、特に営業・純利益率が低い水準にあります。これは卸売業の特性上、薄利多売のビジネスモデルであることが示唆されます。
  • 一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%等)との比較
    • ROE 8.30% は一般的なベンチマーク10%には届かないものの、比較的健闘しています。
    • ROA 2.34% は一般的なベンチマーク5%と比べると低い水準です。これは総資産に対する利益創出能力に改善の余地があることを示唆しています。
  • 収益性の推移と改善余地
    過去の損益計算書を見ると、売上総利益率はほぼ横ばいで推移していますが、販管費の増加により営業利益率は低下傾向にあります。原料相場高騰や電力・人件費の増加が収益性を圧迫しており、これらコストコントロールと、付加価値の高い商品開発やサービス提供による粗利率向上が、今後の収益性改善の主要な課題となるでしょう。

11. 市場リスク評価

  • ベータ値による市場感応度の評価
    • ベータ値 (5Y Monthly): -0.06
      非常に低い、かつ負のベータ値を示しており、市場全体の動きに対してほとんど影響を受けない、または逆の動きをする傾向があることを示唆しています。これは市場の変動に対する感応度が極めて低い、ディフェンシブな特性を持つ銘柄である可能性を示唆しています。ただし、出来高が少ないことも考慮する必要があります。
  • 52週高値・安値のレンジと現在位置
    • 52週高値: 4,180.00円
    • 52週安値: 2,720.00円
    • 現在株価: 3,480.0円
      現在の株価は52週レンジの中央よりやや上の位置にあり、ボラティリティは25.25%と、中程度の変動性を示しています。
  • 決算短信に記載のリスク要因(外部環境、為替、地政学等)
    • 原材料(魚介)価格の高騰・変動: 水産物卸売事業の主要なリスク要因です。
    • 冷蔵倉庫での電力コスト上昇、人件費上昇: 冷蔵倉庫事業およびその他事業の収益を圧迫する要因です。
    • 入庫数量(需要)動向: 冷蔵倉庫事業の売上・利益に直結します。
    • 為替や国際通商政策による需給変動: 海外からの仕入れが多い水産物卸売事業に影響を与える可能性があります。
    • 国内消費の節約志向: 食品物価上昇による消費者の購買意欲減退が売上に影響を与える可能性があります。

12. バリュエーション分析

  • 業種平均PER/PBRとの比較
    • 会社PER(予想): 5.56倍 (業界平均: 10.1倍)
    • 会社PBR(実績): 0.41倍 (業界平均: 0.7倍)
      会社のPER、PBRともに業界平均と比較して低い水準にあり、割安感があります。
  • 目標株価レンジの算出(業界平均倍率適用)
    • EPS基準目標株価: 会社予想EPS 625.90円 × 業界平均PER 10.1倍 = 6,321.59円
    • BPS基準目標株価: 実績BPS 8,574.32円 × 業界平均PBR 0.7倍 = 6,002.02円
      現在株価3,480円と比較すると、業界平均を機械的に適用した場合、6,000円~6,300円程度の目標株価レンジとなり、大幅な上昇余地があるように見えます。
  • 割安・割高の総合判断
    現在の株価はPER、PBRともに業界平均と比較して割安であり、バリュエーション指標からは割安であると判断できます。ただし、これは市場の低い評価が潜在的な成長性や収益性の懸念を反映している可能性も考慮する必要があります。低い流動性もバリュエーションに影響を与える一因かもしれません。

13. 市場センチメント分析

  • 信用取引の状況(信用買残、信用倍率、需給バランス)
    • 信用買残: 72,400株
    • 信用売残: 300株
    • 信用倍率: 241.33倍
      信用買残が信用売残を大きく上回り、信用倍率が241.33倍と非常に高いです。これは将来の株価上昇に期待する買い方が圧倒的に多い状況を示しており、需給バランスは売り方に傾いています。買残が多いと、将来的に投げ売りが発生し、株価の重しとなる可能性があります。
  • 株主構成(経営陣持株比率、安定株主の状況)
    • % Held by Insiders: 34.74%
    • % Held by Institutions: 11.88%
      経営陣による持株比率は34.74%と高く、経営の安定性が期待できます。また、主要な大株主にはニッスイ、極洋、東洋水産といった同業・関連企業が名を連ねており、安定株主が多く、長期的な視点での経営がなされやすい環境にあると考えられます。
  • 大株主の動向
    具体的な大株主の売買動向については本データからは不明です。

14. 株主還元と配当方針

  • 配当利回りや配当性向の分析
    • 配当利回り(会社予想): 3.45% (現在株価3,480円、1株配当120円より)
    • 1株配当(会社予想): 120.00円
    • 配当性向(会社予想EPS基準): 120円 ÷ 625.90円 = 19.17% (提供データではPayout Ratio 17.90%)
      配当利回り3.45%は高い水準であり、比較的安定したインカムゲインを求める投資家には魅力的である可能性があります。配当性向は約19%と低めに抑えられており、成長への再投資余地を確保しつつ、株主還元も行っている姿勢がうかがえます。
  • 自社株買いなどの株主還元策
    決算短信には自社株買いに関する記載はありませんでした。
  • 株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策
    データなし。

15. 最近のトピックスと材料

  • 適時開示情報の分析(大型受注、新製品、拠点展開等)
    2026年3月期第2四半期決算短信によると、以下の点が主要なトピックスです。
    • 増収減益: 売上高は増加したが、営業利益、純利益は前年同期比で減少しました。
    • 原料相場高騰とコスト増: 水産物卸売事業では原料相場高騰が、冷蔵倉庫事業では電力料・人件費の増加が利益を圧迫しています。
    • 主力事業での減益: 水産物卸売事業でセグメント利益が13.2%減少、冷蔵倉庫事業で21.1%減少しました。水産物卸売事業では9百万円の減損損失も計上されています。
    • 不動産賃貸・荷役事業の好調: 不動産賃貸事業は増収増益、荷役事業も取扱数量増で利益改善となりました。
    • 短期借入金の増加: 運転資金需要の増加に伴い、短期借入金が大幅に増加しました。
  • これらが業績に与える影響の評価
    増収ながら減益となったのは、世界的なインフレと資源価格高騰という外部環境の変化に起因するものです。主力の水産物卸売事業と冷蔵倉庫事業の利益率圧迫は、通期業績達成へのリスク要因となります。不動産や荷役といったサブ事業の貢献があったものの、中核事業の収益性改善が今後の鍵となります。短期借入金の増加は金利負担増につながる可能性があり、監視が必要です。

16. 総評

中央魚類は、日本の水産物流通において確固たる地位を築く老舗企業です。豊洲市場でのトップクラスの取扱量を誇り、安定的な事業基盤と多角的な事業展開が強みです。

強み:

  • 国内水産物卸売市場における圧倒的な地位と市場シェア。
  • ニッスイなど大手との親密な関係による安定的な事業基盤。
  • 冷蔵倉庫、不動産賃貸など、収益源の多角化。
  • 堅調な売上高の成長トレンド。
  • 健全な自己資本比率と流動比率。
  • 高い配当利回りによる株主還元姿勢。
  • 負のベータ値が示す市場変動に対する低い感応度(ディフェンシブ性)。

弱み:

  • 原料相場高騰や電力・人件費の上昇による利益率の圧迫。
  • 主力事業である水産物卸売事業および冷蔵倉庫事業の利益が減少傾向にあること。
  • 総資産に対する利益創出能力(ROA)がベンチマークを下回る。
  • 信用買残が非常に多く、需給に偏りがあり、将来的な株価の重しとなる可能性。
  • 出来高が少なく、流動性に欠ける点。

機会:

  • 独自のノウハウを活かした商品開発による高付加価値化。
  • 食品ロス削減やサステイナブルな漁業支援といった社会的ニーズへの対応による企業価値向上。
  • 冷蔵倉庫事業におけるコスト削減や効率化による利益改善。

脅威:

  • 原材料となる魚介類の漁獲量変動、資源枯渇リスク。
  • 国際的な魚価の高騰や為替変動リスク。
  • 国内消費者の節約志向の継続。
  • 競争激化による価格競争。
  • 倉庫事業におけるエネルギー価格高騰の長期化。

中央魚類はPBR0.41倍、PER5.56倍と業界平均と比較して割安に評価されており、配当利回りも3.45%と高い点が魅力的です。財務健全性も高く、ディフェンシブな特性も持ち合わせています。しかし、直近の決算では増収減益となっており、原料高やコスト増による利益率の圧迫が課題として顕在化しています。今後の株価は、これらのコストを吸収し、いかに収益性を改善できるかが鍵となるでしょう。特に、水産物卸売事業と冷蔵倉庫事業の利益率改善の動向、そして短期借入金の継続的な動向に注目する必要があります。流動性の低さから、短期的な値動きよりも中長期的な視点での投資が適していると考えられます。

17. 企業スコア

  • 成長性:B
    売上高は過去数年で堅調に成長しており、直近四半期も増収を記録しています。しかし、中核事業の利益はコスト高により減少しており、不安定性が見られます。新しい製品展開に関する具体的な情報が少ないため、B評価とします。
  • 収益性:C
    粗利率は約9.6%ですが、営業利益率が約1.9%~2.3%、純利益率も約1.7%と低い水準にあります。ROE(8.30%)は健闘していますが、ROA(2.34%)は一般的なベンチマーク5%に届かず、総資産に対する利益創出能力に課題があります。直近中間期も減益であり、C評価とします。
  • 財務健全性:A
    自己資本比率は42.4%と40%を上回っており、財務基盤は強固です。流動比率も134.3%と良好で、D/E比率も健全な水準です。短期借入金増加は留意点ですが、現預金も増加しており資金繰りに問題はないため、A評価とします。
  • 株価バリュエーション:S
    PER(5.56倍)とPBR(0.41倍)がともに業界平均(PER 10.1倍、PBR 0.7倍)を大きく下回っており、現在の株価は純資産価値と比較して大幅に割安であると判断できるため、S評価とします。

企業情報

銘柄コード 8030
企業名 中央魚類
URL https://www.chuogyorui.com/
市場区分 スタンダード市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 3,480円
EPS(1株利益) 625.90円
年間配当 3.45円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 15.4% 6.4倍 8,181円 18.7%
標準 11.8% 5.6倍 6,085円 11.9%
悲観 7.1% 4.7倍 4,167円 3.8%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 3,480円

目標年率 理論株価 現在株価との乖離 判定
15% 3,038円 +442円 (+15%) △ 割高
10% 3,794円 -314円 (-8%) ○ 割安
5% 4,787円 -1,307円 (-27%) ○ 割安

【判定基準】○割安:現在株価≦理論株価 / △割高:現在株価>理論株価

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.5)」によって自動生成されました。

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