2026年3月期第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)
エグゼクティブサマリー
- 決算サプライズ:通期業績予想を修正(減益)。中間実績自体は会社の中間予想の公表無しのため「会社予想との乖離」は–。市場予想との比較は開示無し(市場予想との差異は–)。
- 業績の方向性:増収減益ではなく「減収(売上高△5.3%)・増益(営業利益+115.6%)」。ただし親会社帰属当期利益は微減(△5.0%)。
- 注目すべき変化:在庫評価影響(総平均法等)を除いた調整後営業利益が大幅に改善(中間:2,735億円、前年同期比+1,340億円)。在庫影響を受けた会計上の損失は継続しているが、事業ベースの収益力は改善。
- 今後の見通し:通期予想は修正済(売上高11.4兆円、営業利益2,900億円、親会社帰属当期利益1,350億円)。想定前提を引き下げ(原油:期平均67ドル→前回75ドル、円/ドル148円→前回140円)しており、上振れ余地は限定的。なお、在庫影響除く通期営業利益相当額目標は4,200億円。
- 投資家への示唆:短期的には市況(原油価格、為替)と在庫評価の影響に注目。事業ベース(在庫影響除く)は中間で通期目標に対して進捗良好(約65%達成:273.5億円/420.0億円ではなく、単位注意—中間で2,735億円、通期想定4,200億円→進捗約65%)。配当は中間で増配(17円→中間)し通期予想34円へ修正。
基本情報
- 企業名:ENEOSホールディングス株式会社(証券コード 5020)
- 主要事業分野:石油製品(精製・販売)、石油・天然ガス開発、機能材(合成ゴム等)、電気(発電・小売等)、再生可能エネルギー、その他(建設・金属事業の持分法収益等)
- 代表者:代表取締役 社長執行役員 宮田 知秀
- 報告概要:
- 提出日:2025年11月12日
- 対象会計期間:2026年3月期 第2四半期(中間期)連結、期間:2025年4月1日~2025年9月30日
- 決算説明会:有(機関投資家・アナリスト向け、2025年11月12日)
- セグメント(報告区分):
- 石油製品ほか:石油精製販売、基礎化学品、潤滑油、ガス、水素 等
- 石油・天然ガス開発:探鉱・開発・販売、CO2回収等
- 機能材:合成ゴム、二次電池材料 等
- 電気:発電、電力・都市ガス小売、VPP 等
- 再生可能エネルギー:風力、太陽光、バイオマス 等
- その他:建設、非鉄金属製品、金属リサイクル、不動産 等(JX金属は持分法適用会社へ移行)
- 発行済株式等:
- 期末発行済株式数(自己株式含む):2,706,766,549株(2025/9/30)
- 期末自己株式数:16,847,603株
- 期中平均株式数(中間):2,690,017,162株
- 時価総額:–(本資料に記載なし)
- 今後の予定:
- 半期報告書提出予定日:2025年11月13日
- 配当支払開始予定日(中間):2025年12月5日
- 決算説明会資料:同日ウェブ掲載
決算サプライズ分析
- 予想 vs 実績(中間実績と通期会社予想の関係含む)
- 中間(実績)
- 売上高:5,691,922百万円(前年同期比△5.3%)
- 営業利益:166,738百万円(前年同期比+115.6%)
- 親会社の所有者に帰属する中間利益:64,754百万円(前年同期比△5.0%)
- 通期(会社予想・修正後)
- 売上高:11,400,000百万円(前回予想11,700,000→修正)
- 営業利益:290,000百万円(前回比△700億円)
- 親会社帰属当期利益:135,000百万円(前回比△500億円)
- 決算サプライズ:通期予想の修正(下方修正)が最も大きな開示事項。中間実績は事業ベースで改善しているが、想定原油価格・為替の下振れを反映。
- サプライズの要因:
- 在庫評価(総平均法および簿価切下げ)による会計上の損益変動が大きい(中間で在庫影響により損失が発生しているが、在庫影響を除く営業利益は大幅改善)。
- 石油製品ほか:海運事業一部売却による売却益計上。精製関連の販売数量は概ね横ばいだが、製品市況・在庫評価が収益を左右。
- 石油・天然ガス開発:販売価格下落により売上高・営業利益は減少。
- 再生可能エネルギー:一部プロジェクトの開発中止に伴う減損計上で利益が圧迫。
- JX金属の子会社→持分法適用への移行に伴う会計取扱いの変更(非継続事業の整理)。
- 通期への影響:
- 会社は通期予想を前提(原油67ドル、為替148円)で下方修正済み。中間の在庫影響除く利益が通期見通しに対して進捗良好なため、事業ベースでは通期目標達成の可能性は高いが、在庫評価や原油・為替の変動次第で数値は変動。
財務指標(要点)
- 主要数値(中間:2025/4/1–2025/9/30、単位:百万円)
- 売上高:5,691,922(前期中間 6,012,030、△5.3%)
- 売上総利益:488,687
- 販売費及び一般管理費:424,780
- 営業利益:166,738(前期中間 77,336、+115.6%)
- 税引前利益:157,896(+143.4%)
- 親会社帰属中間利益:64,754(△5.0%)
- 基本的1株当たり中間利益(EPS):24.07円(前期 23.40円)
- 収益性指標
- 営業利益率(中間):約2.93%(166,738 / 5,691,922)→前年中間:約1.29%(改善:良い傾向)
- 在庫影響除く営業利益(中間):2,735億円(前年同期比+1,340億円)→事業ベースでの改善(良い)
- 進捗率分析(通期予想に対する当中間実績)
- 売上高進捗率:5,691,922 / 11,400,000 = 約49.9%(概ね半分、通常の進捗)
- 営業利益進捗率:166,738 / 290,000 = 約57.5%(通期予想に対して進捗良)
- 親会社当期利益進捗率:64,754 / 135,000 = 約48.0%(ほぼ標準的)
- 在庫影響除く通期目標(4,200億円)に対する中間進捗:2,735億円 / 4,200億円 ≒ 65%(良好な進捗)
- 財政状態(貸借対照表)
- 総資産:8,707,103百万円(前期末 8,789,377、△823億円)
- 資本合計:3,467,671百万円(前期末比△29億円)
- 親会社所有者帰属持分:3,117,056百万円
- 親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率に相当):35.8%(目安40%未満→やや低めだが安定域に近い)
- 財務安全性・負債
- 有利子負債残高:2兆6,486億円(=2,648,600百万円、前期末比△274億円、改善)
- ネット有利子負債:1兆7,602億円(=1,760,200百万円、前期末比△272億円、改善)
- ネットD/Eレシオ(※ハイブリッド調整前):0.56倍(前期末比0.02pt改善)→中長期的には許容範囲
- 流動比率:流動資産4,048,500 / 流動負債2,598,604 ≒ 155.7%(良好)
- キャッシュ・フロー(中間)
- 営業CF:+334,279百万円(前年同期 +127,663)→改善(良い)
- 投資CF:△122,962百万円(前年同期 △157,711)
- 財務CF:△215,745百万円(前年同期 △333,431)
- 現金及び現金同等物期末:847,223百万円(期首比 +7百万円、ほぼ横ばい)
- セグメント別の注目点(中間・対前年)
- 石油製品ほか:売上 5,025,187百万円(前年同期比△6.4%)、営業利益 71,281百万円(前年は75億の損失→大幅改善)。ただし在庫評価損が大きい(中間で約1,068億円の在庫影響損)。
- 石油・天然ガス開発:売上 103,400百万円(△15.5%)、営業利益 27,336百万円(△194億円の減益要因がある)。
- 機能材:売上 165,117百万円(△3.7%)、営業利益 9,355百万円(小幅増益)
- 電気:売上 177,532百万円(+22.5%)、営業利益 18,662百万円(増益)
- 再生可能エネルギー:売上 24,783百万円(+10.7%)、営業利益 1,149百万円(減益:一部開発中止による減損計上)
- その他:売上 245,860百万円(+5.4%)、営業利益 127,783百万円(+208億円、JX金属の持分法益含む)
- 財務の解説(短評)
- 事業収益は在庫影響を除くと大きく改善しており、営業CFも強化されている。一方、自己資本比率は35.8%とやや低めで、商品在庫評価の変動(市況敏感性)により会計上の利益が大きく変動する点は留意が必要。
配当
- 中間配当:17円(2026年3月期中間、前期は13円 → 増配)
- 期末配当(予想):17円
- 年間配当予想:34円(前回公表から修正あり)
- 配当利回り:–(株価・時価総額の記載なしのため算出不可)
- 配当性向(会社予想ベース):基本的1株当たり当期利益(通期予想)50.19円に対する配当34円 → 配当性向(予想)約67.8%(高め/還元重視)
- 特別配当:無し(今回発表での特別配当は記載なし)
- 株主還元方針:配当増(中間増配)を反映。自社株買いについては当中間に大規模な消却・自己株式処分等の動きあり(期中に自己株式消却等の変動が見られる)。
セグメント別情報(詳細)
- 石油製品ほか
- 売上高:5,025,187百万円(前年同期比△6.4%)
- 営業利益:71,281百万円(前年は75億の損失→改善)
- 背景:国内需要構造の低下(自動車の低燃費化等)・石化マージン低下、輸出増加など。海運事業の一部売却で売却益計上。
- 在庫評価影響:会計上の在庫影響損が1,068億円含まれる(在庫除く調整後は大幅増益)。
- 石油・天然ガス開発
- 売上高:103,400百万円(△15.5%)
- 営業利益:27,336百万円(減益)
- 背景:販売価格下落を反映。生産量は増加も市況下落が影響。
- 機能材
- 売上高:165,117百万円(△3.7%)、営業利益:9,355百万円(増益)
- 背景:原料市況下落やコスト増があるも高付加価値製品の増販で増益。
- 電気
- 売上高:177,532百万円(+22.5%)、営業利益:18,662百万円(増益)
- 背景:小売販売量増、火力発電所のフル稼働等が寄与。ただし前年計上の一過性利益の反動もある。
- 再生可能エネルギー
- 売上高:24,783百万円(+10.7%)、営業利益:1,149百万円(減益)
- 背景:発電量増加も一部プロジェクトの開発中止による減損で利益は圧迫。
- その他
- 売上高:245,860百万円(+5.4%)、営業利益:127,783百万円(+208億円)
- 背景:建設・金属等で持分法利益(JX金属の持分法収益40,450百万円等)が大きく寄与。
中長期計画との整合性
- 中期経営計画:在庫影響を除いた利益相当額の通期目標を示しており、2026年3月期の目標は4,200億円(前年実績163,670百万円)。
- KPI進捗:中間の在庫影響除く営業利益は2,735億円で、通期目標4,200億円に対する進捗は約65%と良好(中期目標達成に向け順調)。
- 留意点:短期的な在庫評価や商品市況で会計上の業績が大きく変動するため、中長期のKPI(在庫除く利益等)を重視する必要あり。
競合状況や市場動向
- 市場動向:期中のドバイ原油は期平均69ドル(前年同期比13ドル安)。期末付近は70ドル前後で推移。為替は期平均146円(前年同期比7円円高)。
- 競合比較:同業の市況感(原油・石化市況、電力小売競争、再エネ案件の採算)に左右される事業構成。ENEOSは精製・販売の規模と開発・再エネ等の事業多角化で相対的に分散されているが、在庫評価感応度は高い。
- 競争優位性:下流(精製・販売)と上流(開発)、機能材・電気・再エネ等の事業ポートフォリオにより需要変動や市況変動の影響分散を図っている点が強み。ただし再エネプロジェクトの開発リスクや金属事業の持分法移行等、構造変化に注意。
今後の見通し
- 業績予想:
- 通期(修正後):売上高 11,400,000百万円、営業利益 290,000百万円、税引前利益 275,000百万円、親会社帰属当期利益 135,000百万円、基本EPS 50.19円
- 在庫影響を除く営業利益相当額(通期予想):4,200億円(前回比 +100億円)
- 予想の信頼性:原油価格・為替の前提を引き下げるなど保守的に修正している。過去の予想達成傾向は状況依存(市況に左右されやすい)であり、短期の変動要因が大きい。
- リスク要因:
- 原油・製品市況、石化市況の変動
- 為替変動(特に円/米ドル)
- 在庫評価(総平均法・簿価切下げ)による会計上の影響
- 再生可能・開発プロジェクトの減損・開発リスク
- 規制・政策変更(例:エネルギー政策、関税)
- 前提条件(会社公表):
- 通期前提:ドバイ原油 67ドル/バレル(10月以降65ドル想定)、円/ドル 148円(10月以降150円想定)
重要な注記
- 会計方針:当中間期における会計方針の重要な変更なし(IFRS対応の変更等なし)。
- 連結範囲の変動:JX金属の上場に伴い、JX金属は子会社→持分法適用会社へ移行。これにより金属事業は非継続事業の扱い等、前期比較表示に影響あり。
- 審査状況:第2四半期決算短信は公認会計士・監査法人のレビュー対象外。
(注)
- 開示数値は決算短信(IFRS、連結)より引用。単位は特記なき場合百万円。
- 不明な項目・開示が無い項目は「–」で記載しています(例:時価総額、市場予想との比較詳細等)。
- 本資料は情報整理を目的とする要約であり、投資勧誘・助言を行うものではありません。
上記の内容は、AIによる自動要約に基づいて作成されたものであり、正確性や網羅性について保証するものではありません。内容の解釈や利用に際しては、必ず公式の決算短信 をご参照ください。信頼性を確保するよう努めていますが、情報の完全性についてはご自身での確認をお願い致します。
企業情報
| 銘柄コード | 5020 |
| 企業名 | ENEOSホールディングス |
| URL | https://www.hd.eneos.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | エネルギー資源 – 石油・石炭製品 |
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.4)」によって自動生成されました。
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