2026年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
エグゼクティブサマリー
- 決算サプライズ:会社公表の連結業績予想に対して「ほぼ計画どおり進捗」との説明(上振れ/下振れの修正なし)。市場予想との比較は記載なし。
- 業績の方向性:第1四半期は増収だが赤字拡大(増収減益)。売上高9,266百万円(前年同期比+9.1%)、営業損失△1,796百万円(前年同期△1,634百万円)。
- 注目すべき変化:子会社化したCurio Bioscience, Inc.の連結範囲追加に伴い、のれん(約6,973百万円)・技術資産(約11,755百万円)を計上。これが販管費増(買収関連費用・のれん償却)と固定負債の増加(条件付対価の認識)を招いている。包括利益は為替差の悪化もあり大幅マイナス(△4,366百万円)。
- 今後の見通し:通期予想(売上52,500百万円、営業利益2,500百万円)は据え置き。会社は第1四半期実績を「概ね予定通り」と評価。第1〜第3四半期は損失見込みで、下期で挽回して通期黒字を目指す計画。
- 投資家への示唆:成長分野(空間解析など)強化のためのM&A投資が進む一方、短期的には買収関連費用・為替影響で純損失拡大。通期見込み達成は下期の回復(受注/採算改善)とマイルストーン支払見通しの管理次第。
基本情報
- 企業名:タカラバイオ株式会社(Takara Bio, Inc.)
- 主要事業分野:研究用試薬・機器の開発・製造・販売、受託(CDMO)および遺伝子医療関連事業(単一セグメント扱い)
- 代表者:代表取締役社長 宮村 毅
- 決算発表日:2025年8月8日(決算短信提出日)
- 対象会計期間:2026年3月期 第1四半期連結累計(2025年4月1日〜2025年6月30日)
- セグメント:単一セグメント(業務上の区分は記載省略)。補足でカテゴリ別売上を開示(試薬、機器、受託、遺伝子医療)。
- 発行済株式:期末発行済株式数 120,415,600株(自己株式113株)
- 時価総額:–(資料に株価記載なし)
- 今後の予定:決算説明会は「無」(補足資料は作成)。株主総会/IRイベント等の記載は今回短信に特記事項なし。
決算サプライズ分析
- 予想 vs 実績(会社予想からの修正なし/達成率は会社評価)
- 売上高:9,266百万円(通期予想52,500百万円に対する進捗率 17.6%) — ほぼ計画どおり。
- 営業利益:△1,796百万円(通期予想2,500百万円に対する進捗はマイナスで評価困難) — 第1〜第3四半期は営業損失見込みのため通期回復が鍵。
- 親会社株主に帰属する四半期純利益:△1,511百万円(通期予想1,300百万円に対する進捗マイナス)
- サプライズの要因:主にCurio社買収に伴う取得原価の配分(のれん・技術資産計上)および買収関連費用やのれん償却の計上、さらに為替差損(円高)が包括利益を大きく悪化させた点。
- 通期への影響:会社は通期予想を据え置き。第1四半期は計画内とするが、下期での回復(売上の季節性・採算改善)と、条件付対価(マイルストーン)や為替動向が通期達成に影響を与えるリスク。
財務指標(要点)
- 損益(第1四半期累計)
- 売上高:9,266百万円(前年同期比+9.1%/増収)
- 売上原価:4,262百万円(前年同期比+3.0%)
- 売上総利益:5,003百万円(同+14.9%)→ 粗利率 54.0%(良好)
- 販売費及び一般管理費:6,800百万円(同+13.6%)
- 営業利益:△1,796百万円(前年同期△1,634)→ 営業利益率 △19.4%(悪化)
- 経常損失:△1,838百万円(前年同期△1,498)
- 親会社株主に帰属する四半期純損失:△1,511百万円(前年同期△1,047)
- 1株当たり四半期純利益:△12.55円(前年同期△8.70円)
- 財政状態(2025/6/30)
- 総資産:129,943百万円(前期末125,334百万円、増加)
- 純資産:109,436百万円(前期末115,849百万円、減少)
- 自己資本比率:84.0%(安定水準:40%以上が目安→良好)
- 流動資産合計:46,938百万円、流動負債:9,522百万円 → 流動比率 ≒ 493%(流動比率=46,938/9,522、非常に良好)
- 負債合計:20,506百万円、負債/自己資本比 ≒ 18.7%(低水準、良好)
- キャッシュ・フロー(第1Q)
- 営業CF:+1,912百万円(前年同期4,534百万円→減少)
- 投資CF:△6,880百万円(主にCurio株式取得支出6,524百万円)
- 財務CF:△2,030百万円(配当支払等)
- 現金及び現金同等物期末:19,596百万円(前期末27,036百万円→減少)
- 進捗率分析(通期予想に対する第1Q進捗)
- 売上高進捗率:9,266/52,500 = 17.6%(通常ペース)
- 営業利益進捗率:△1,796/2,500 = ―(第1Qは赤字のため単純比較は不適当)
- 純利益進捗率:△1,511/1,300 = ―(赤字のため単純比較は不適当)
- 備考:会社は第1〜第3四半期は営業損失、通期で黒字化する見込み(下期での回復に依存)。
- 効率性:総資産回転率(売上/総資産)=9,266/129,943 ≒ 0.071(年率換算で低め、成長投資・無形資産増で一時的に低下)。
- セグメント別(カテゴリ別)売上:試薬6,986百万円(+5.7%)、機器173百万円(△21.6%)、受託1,178百万円(+15.8%)、遺伝子医療927百万円(+43.3%)。遺伝子医療・受託が伸長。
配当
- 今回発表の修正:なし(直近公表予想から変更なし)
- 期中配当(第1四半期末/第2四半期末等):中間 0.00円、期末 17.00円、年間合計 17.00円(予想)
- 配当利回り:–(株価情報が資料にないため算出不可)
- 配当性向(通期予想ベース):予想EPS 10.08円に対し年間配当17円 → 配当性向 ≒ 168.7%(予想ベースでは100%超で高い/異例)。注:配当は安定株主還元方針に基づく継続配当の姿勢。
- 自社株買い/特別配当:記載なし。
セグメント別情報
- 開示は単一セグメント扱い。ただし製品カテゴリ別売上を開示:
- 試薬:6,986百万円(+5.7%) — 主力セグメント、売上の大半を占める。
- 機器:173百万円(△21.6%) — 減少。
- 受託(CDMO等):1,178百万円(+15.8%) — 成長。
- 遺伝子医療:927百万円(+43.3%) — 高成長、投資領域。
- 戦略:Curio社買収により空間解析用試薬を取り込み、NGS/シングルセル/空間解析領域で製品ラインと受託サービスの拡充を図る。シナジー狙いは、汎用試薬開発、製品組合せによる差別化、受託サービス強化。
中長期計画との整合性
- 中期経営計画2025/長期経営構想2025に沿い、試薬・機器とCDMOを通じたバイオ創薬基盤技術の強化を継続。
- 進捗:買収により技術基盤(空間解析)を獲得し、中長期の事業拡大を目指すが、短期的には買収関連費用と償却が業績を圧迫。KPI(売上成長・受託拡大等)は一部順調(遺伝子医療・受託の伸長)。
競合状況や市場動向
- 市場環境:ライフサイエンス業界全体で研究予算縮小(物価高、金利、米国の研究助成金削減等)により不透明感が高い。
- 競合比較:個別競合他社との直接比較データは資料に記載なし。一般論として、NGS・シングルセル・空間解析は競争激化かつ技術進化が速いため、M&Aや技術提携での差別化が重要。
- 影響評価:外部環境(研究費、為替、地政学リスク)が短中期の需要に影響を与えるリスク要因。
今後の見通し
- 通期業績予想(修正なし、前回公表:2025/5/13)
- 通期売上高:52,500百万円(前期比+16.6%)
- 通期営業利益:2,500百万円(前期比+10.5%)
- 通期親会社株主に帰属する当期純利益:1,300百万円(前期比+24.8%)
- 前提・留意点:第1〜第3四半期は営業損失、第4四半期で黒字化を見込む。為替・研究投資動向やCurio社のマイルストーン達成見通しが想定に影響。
- 予想の信頼性:過去の予想達成傾向の記載は限定的。会社は慎重姿勢で「概ね予想どおり」と表明しているが、外部環境とM&A関連の不確実性が高い。
- 主なリスク要因:為替変動、研究費縮小、マイルストーン連動の条件付対価(最大150百万米ドル)に伴う将来支払義務、買収連携の想定効果が出るかどうか。
重要な注記
- 連結範囲の重要な変更:有(新規 1社:Curio Bioscience, Inc. を子会社化)→ 買収に伴うのれん・技術資産計上、条件付対価の認識等。
- のれんの償却:18年の均等償却(のれん6,973百万円(暫定))。
- 条件付対価(マイルストーン型):総額上限150百万米ドル、現時点で66.4百万米ドルを未払取得対価として認識。時間的価値の変動は支払利息計上、その他変動は販管費計上の取扱い。
- 会計方針の変更:該当なし。四半期連結財務諸表は期中レビュー済(監査法人の結論:重要な点で問題なし)。
- その他:包括利益の大幅悪化は主に為替換算差額の悪化(円高)による。
(注)資料はタカラバイオ株式会社の「2026年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」を要約したものです。投資判断を促す助言は行っていません。不明項目は「–」と表記しました。
上記の内容は、AIによる自動要約に基づいて作成されたものであり、正確性や網羅性について保証するものではありません。内容の解釈や利用に際しては、必ず公式の決算短信 をご参照ください。信頼性を確保するよう努めていますが、情報の完全性についてはご自身での確認をお願い致します。
企業情報
| 銘柄コード | 4974 |
| 企業名 | タカラバイオ |
| URL | http://www.takara-bio.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.4)」によって自動生成されました。
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