以下は、コンバム(6265)の企業分析レポートです。

1. 企業情報

  • 事業内容などのわかりやすい説明
    コンバムは、独立系の真空吸着搬送機器メーカーです。主に産業用ロボットの先端に取り付けられる「ロボットハンド」や、半導体製造装置などに使われる真空吸着パッド、真空発生器、各種センサーなどの製造・販売を手掛けています。自動車産業や電子産業向けの製品が主力で、国内だけでなく中国や韓国などの海外市場も強化しています。2022年1月に社名を「CONVUM(コンバム)」に変更しました。
  • 主力製品・サービスの特徴
    主力製品は、ワーク(対象物)を吸着して持ち運ぶ「真空吸着搬送機器」です。中でもロボットハンドは、多様な形状や素材の対象物を安全かつ高精度に搬送するための重要なコンポーネントであり、自動車部品の組み立てや電子部品のピック&プレイスなど、幅広い分野で自動化に貢献しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内での競争優位性や課題について
    コンバムは独立系メーカーとして、特定のグループに属さない自由な事業展開が可能です。長年にわたる真空技術とロボットハンドの開発技術に強みを持っています。決算短信によると、ロボット向け吸着ハンドのラインナップ拡充や新素材・新形状吸着パッドの開発に注力しており、技術的優位性を維持しようとしています。一方、韓国セグメントの営業利益が大幅に減少している点は課題であり、現地市場での競争激化やコスト上昇が影響している可能性があります。
  • 市場動向と企業の対応状況
    市場動向としては、半導体製造装置や電子部品の需要に回復の兆しが見られ、ロボット関連や自動化需要も継続的な回復基調にあります。同社はこれらの需要を捉えるべく、新製品開発や海外での拠点展開(タイでの現地Sierとの連携強化)を通じて対応を図っています。ただし、原材料・部材価格の高止まりが収益を圧迫するリスクも継続しています。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営陣が掲げるビジョンや戦略
    具体的なビジョンの記載はないものの、中期経営計画の具体的な施策として、決算短信にはロボット向け吸着ハンドのラインナップ拡充、新素材・新形状吸着パッドの開発に注力する方針が示されています。これにより、多様化する顧客ニーズへの対応と技術的競争力の維持を図る狙いです。
  • 中期経営計画の具体的な施策や重点分野
    重点分野としては、引き続き「ロボット用吸着ハンド等の産業用ハンド・ロボット関連部品」、「半導体製造装置関連機器」が挙げられます。特に海外戦略では、タイにおいて現地Sier(システムインテグレーター)との連携を強化し、導入拡大を推進しています。
  • 新製品・新サービスの展開状況(決算短信参照)
    新製品・新サービスとして、ロボット向け吸着ハンドのラインナップ拡充や新素材・新形状吸着パッドの開発に取り組んでいます。これにより、顧客の自動化ニーズに応える製品を提供しています。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデルや市場ニーズの変化への適応力
    コンバムの収益モデルは、真空機器・真空機器関連製品の製造・販売が100%を占めます。これは、産業の自動化・省力化に対する根強い需要に支えられるものです。半導体や自動車といった主要セクターの景気変動に影響を受けやすいものの、ロボットハンドや自動化機器市場の拡大は長期的に見て追い風であり、新製品開発と海外展開によって市場ニーズの変化への適応を図っています。
  • 売上計上時期の偏りとその影響
    第3四半期累計での売上高進捗率は73.6%であり、通期予想に対して比較的順調に進んでいます。特定の四半期に売上が集中するような大きな偏りは、提供データからは明確には読み取れませんが、年度末に向けて顧客の設備投資動向が影響する可能性があります。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向や独自性
    同社は、ロボット向け吸着ハンドや各種真空機器における技術開発に力を入れています。特に、新素材や新形状の吸着パッド開発は、多様なワークへの対応能力を高め、顧客の生産性向上に貢献する独自技術です。
  • 収益を牽引している製品やサービス
    収益を牽引しているのは、主に「真空機器・真空機器関連製品」です。中でも、自動車産業や電子産業向けのロボット用吸着ハンドや、半導体製造装置関連機器が中心となっています。

6. 株価の評価

  • EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較
    現在の株価(2,351.0円)、会社予想EPS(143.01円)、実績BPS(3,888.46円)に基づくと、
    • PER(会社予想): 2,351.0円 ÷ 143.01円 = 16.44倍
    • PBR(実績): 2,351.0円 ÷ 3,888.46円 = 0.60倍
      となります。
  • 業界平均PER/PBRとの比較
    • 業界平均PER 10.7倍に対し、コンバムのPERは16.44倍と割高水準です。
    • 業界平均PBR 0.7倍に対し、コンバムのPBRは0.60倍と割安水準です。

7. テクニカル分析

  • 直近の株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か
    現在の株価2,351.0円は、直近10日間の高値圏にあります(本日高値2,351円、直近10日間の最高値2,400円)。
  • 年初来高値・安値との位置関係
    年初来高値2,447円に対し、現在の株価2,351円は高値に近い水準です。年初来安値1,766円と比較すると、かなり上昇した位置にあります。52週レンジで見ても高値圏に位置しています。
  • 出来高・売買代金から見る市場関心度
    直近の出来高は500株、売買代金は1,175千円と非常に低水準です。これは市場の関心度が低いか、あるいは流動性が極めて低い銘柄であることを示唆します。このため、株価が急激に変動する可能性もあります。

8. 財務諸表分析

  • 売上、利益、ROE、ROAなどの指標を評価
    売上は、2021年12月期2,469百万円から2023年12月期1,924百万円、2024年12月期予想1,850百万円と減少傾向が続いています。営業利益も同様に、2022年12月期614百万円から2024年12月期予想303百万円と大きく減少しています。
    ROE(実績)は4.25%、ROA(過去12か月)は3.00%と、一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%)を下回っていますが、財務健全性が非常に高いため、効率性指標は低めに出る傾向があります。
  • 過去数年分の傾向を比較
    過去数年間の総収益は減少傾向にあり、それに伴い営業利益、純利益も減少しています。これは、主要顧客である半導体や自動車産業における調整局面や、外部環境の変化(原材料高など)が影響している可能性があります。
  • 四半期決算の進捗状況(通期予想との比較)
    2025年12月期第3四半期累計の進捗は、売上高73.6%、営業利益86.7%、純利益82.9%と、特に営業利益・純利益の進捗率が高いです。会社は通期予想を据え置いており、この進捗度合いから見ると通期目標達成の可能性は比較的高いと評価できます。

9. 財務健全性分析

  • 自己資本比率、流動比率、負債比率の評価
    • 自己資本比率(実績): 93.2%(決算短信では93.5%)と極めて高く、財務基盤が非常に安定しています。
    • 流動比率(直近四半期): 16.01倍(1595%)と非常に高く、短期的な支払い能力に全く問題ありません。
    • 負債比率(負債合計 ÷ 純資産): 約6.2%と非常に低く、借入金等に過度に依存していない堅実な経営が伺えます。
  • 財務安全性と資金繰りの状況
    自己資本比率の高さに加え、総現金および預金が約28.8億円(直近四半期)と潤沢であり、財務安全性は極めて良好です。資金繰りについても懸念事項は見当たりません。
  • 借入金の動向と金利負担
    提供されたデータからは、借入金に関する具体的な動向や金利負担に関する詳細は読み取れません。

10. 収益性分析

  • ROE、ROA、各種利益率の評価
    • ROE(実績): 4.25%
    • ROA(過去12か月): 3.00%
    • 営業利益率(Operating Margin 過去12か月): 15.13%
    • 売上総利益率(過去12か月): 約51.2%
      売上総利益率および営業利益率は比較的高い水準を維持していますが、ROEとROAは一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%)を下回っています。これは、高い自己資本比率によって分母である自己資本や総資産が大きいため、収益性指標が希薄化される傾向があるためと考えられます。
  • 一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%等)との比較
    ROE、ROAともにベンチマークには達していませんが、多額の現金と低い負債を抱える企業の場合、これらの指標は低めに出ることがあります。
  • 収益性の推移と改善余地
    前述の通り、売上・利益は減少傾向にあり、収益性は近年悪化しています。収益性の改善には、売上拡大と利益率向上(特に、韓国セグメントの利益率改善が目下の課題)が不可欠です。

11. 市場リスク評価

  • ベータ値による市場感応度の評価
    ベータ値(5Y Monthly)は0.39と非常に低いです。これは市場全体の変動に対して、同社の株価が反応しにくい(市場感応度が低い)ことを示しており、市場リスクの低いディフェンシブな特性を持つ可能性があります。
  • 52週高値・安値のレンジと現在位置
    52週高値2,447円、52週安値1,766円に対し、現在の株価2,351円は高値圏に位置しています。
  • 決算短信に記載のリスク要因(外部環境、為替、地政学等)
    決算短信には、原材料・部品価格の高騰、為替変動、主要顧客の需要動向、海外(特に韓国)での事業環境の変化、金融市場の変動等がリスク要因として挙げられています。特に韓国セグメントの利益率悪化は足元のリスクとして注目されます。

12. バリュエーション分析

  • 業種平均PER/PBRとの比較
    現在の株価は、PER(16.44倍)で業界平均(10.7倍)と比較して割高ですが、PBR(0.60倍)で業界平均(0.7倍)と比較して割安です。特にPBRは、自己資本比率の高さや現金の多さから、資産価値に対して株価が低く評価されている可能性があります。
  • 目標株価レンジの算出(業界平均倍率適用)
    • 業界平均PER基準の目標株価: 会社予想EPS 143.01円 × 業界平均PER 10.7倍 = 1,530円
    • 業界平均PBR基準の目標株価: 実績BPS 3,888.46円 × 業界平均PBR 0.7倍 = 2,722円
  • 割安・割高の総合判断
    PER基準では割高、PBR基準では割安と判断されます。非常に高い自己資本比率と潤沢な現金があるためPBRの割安感が目立ちますが、PERが割高なのは成長性への期待、もしくは市場の流動性低下が影響している可能性もあります。総合的には、資産価値から見れば割安感があるものの、直近の利益水準から見るとやや買われすぎの可能性があります。

13. 市場センチメント分析

  • 信用取引の状況(信用買残、信用倍率、需給バランス)
    信用買残は25,100株(前週比+7,500株)、信用売残は0株、信用倍率は0.00倍です。信用売残がゼロで信用買残のみが大きく積み上がっている状況は、需給が悪化しやすい要因になる可能性があります。ただし、売買出来高が非常に少ないため、少額の買い残でも相対的に多く見える可能性があります。
  • 株主構成(経営陣持株比率、安定株主の状況)
    「% Held by Insiders」が49.66%、「% Held by Institutions」が0.54%と、インサイダー(経営陣や大株主)による株式保有比率が非常に高いです。これは経営の安定性を示唆しますが、一方で市場流通量が少ないため流動性の低さに繋がります。伊勢興産、伊勢すが子、伊勢千雪といった個人や法人名が上位株主として挙げられており、安定株主が多く経営基盤はしっかりしています。光通信(株)も7.12%を保有しています。
  • 大株主の動向
    大株主の直近の明確な動向はデータからは読み取れませんが、自己株式の取得(2025/5/15に35,900株取得)は実施されています。

14. 株主還元と配当方針

  • 配当利回りや配当性向の分析
    会社予想1株配当50.00円に対し、配当利回り(会社予想)は2.13%です。配当性向は30.86%であり、利益の約3割が配当に充てられている計算で、安定株主が多い企業としては標準的な水準です。
  • 自社株買いなどの株主還元策
    2025年5月15日決議に基づき、自己株式35,900株を取得しており、株主還元への意識が見られます。自己株式の取得は自己資本の効率的な活用と、株式価値向上に繋がる施策です。
  • 株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策
    株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策に関する記載は提供データにはありません。

15. 最近のトピックスと材料

  • 適時開示情報の分析(大型受注、新製品、拠点展開等)
    2025年11月14日に発表された第3四半期決算短信では、通期業績予想の修正は行われず、据え置きとされました。また、自己株式取得を継続しており、2025年5月15日決議に基づき35,900株を取得しました。セグメント別では、日本国内の売上が回復(前年同期比+5.7%)したものの、韓国セグメントの営業利益が前年同期比で大幅減(67.2%)となった一方で、タイを含む「その他」セグメントが黒字化したことが注目されます。
  • これらが業績に与える影響の評価
    自己株式取得は、発行済株式数を減らすことで1株当たり利益を向上させ、株価をサポートする効果があります。韓国事業の不振は短期的な利益の重しとなりますが、タイにおける事業の黒字化は今後の海外展開において好材料となる可能性があります。

16. 総評

コンバムは、老舗の独立系真空吸着搬送機器メーカーとして、産業用自動化関連市場で独自の地位を築いています。極めて高い自己資本比率と潤沢な現金を背景に、非常に強固な財務体質を誇ります。しかしながら、近年は売上高と利益が減少傾向にあり、特に海外(韓国)事業の収益性悪化が課題となっています。

  • 強固な財務体質: 自己資本比率93.2%、流動比率16倍超、巨額の現金保有など、財務安全性は極めて高く、景気変動に対する耐性は非常に強いです。
  • 安定した株主構成と低流動性: インサイダー保有比率が高く安定した株主構成ですが、市場での流通量が少ないため、出来高が少なく株価変動が大きくなる可能性があります。
  • PBRの割安感: PBR0.60倍は業界平均を下回り、純資産に対して株価が割安に評価されている可能性があります。
  • 収益性の改善が課題: 過去数年の売上・利益は減少傾向にあり、特に海外事業の収益回復が今後の業績を左右するでしょう。
  • 株主還元への意識: 定期的な配当に加え、自己株式取得も行っており、株主還元には意欲的です。

強み・弱み・機会・脅威の整理

  • 強み (Strengths)
    • 極めて高い自己資本比率と潤沢な現金保有による盤石な財務基盤。
    • 独立系メーカーとしての高い技術力と専門性(ロボットハンド、真空技術)。
    • 安定した株主構成による経営の安定性。
    • 高い営業利益率。
  • 弱み (Weaknesses)
    • 近年、売上高と利益が減少傾向にあり、成長性に課題。
    • ROE、ROAが業界ベンチマークを下回る収益効率性。
    • 海外(韓国)セグメントの収益性悪化。
    • 出来高が少なく、市場での流動性が低い。
  • 機会 (Opportunities)
    • 産業の自動化・省力化需要の継続的な拡大。
    • 半導体製造装置や電子部品市場の回復。
    • 新素材・新形状吸着パッドなどの新製品開発による市場シェア拡大。
    • タイなど新興国市場での事業拡大(タイ事業の黒字化)。
  • 脅威 (Threats)
    • 原材料・部品価格の高止まりや高騰。
    • 為替変動リスク(特に韓国事業に影響)。
    • 主要顧客(自動車、電子産業、半導体)の設備投資サイクルの変動。
    • 競合他社との競争激化。

17. 企業スコア

  • 成長性:B
    売上成長率は直近で低調(過去12か月で1.50%)ですが、新製品開発への注力や一部セグメント(タイ)の事業黒字化など、今後の成長に向けた施策が見られます。
  • 収益性:B
    売上総利益率(約51%)、営業利益率(約15%)は比較的高い水準を維持していますが、ROE(4.16%)とROA(3.00%)は一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%)を下回っています。しかし、これは高い自己資本比率が要因である側面もあります。
  • 財務健全性:S
    自己資本比率が93.2%と非常に高く、流動比率も16.01倍と極めて良好です。負債比率も低く、潤沢な現金を保有しており、財務安全性は申し分ありません。
  • 株価バリュエーション:B
    PER(16.44倍)は業界平均(10.7倍)と比較して割高ですが、PBR(0.60倍)は業界平均(0.7倍)と比較して割安です。特に高い財務健全性と資産背景を考慮すると、PBRにおいては割安感があります。

企業情報

銘柄コード 6265
企業名 コンバム
URL https://convum.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 機械 – 機械

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 2,351円
EPS(1株利益) 143.01円
年間配当 2.13円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 17.9倍 2,562円 1.8%
標準 0.0% 15.6倍 2,228円 -1.0%
悲観 1.0% 13.2倍 1,990円 -3.2%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 2,351円

目標年率 理論株価 判定
15% 1,113円 △ 111%割高
10% 1,390円 △ 69%割高
5% 1,754円 △ 34%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.5)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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