以下は、株式会社ドウシシャ(7483)の企業分析レポートです。
1. 企業情報
- 事業内容などのわかりやすい説明
ドウシシャは、雑貨、衣料品、家電製品など、幅広いライフスタイル関連商品の企画、開発、製造、販売を行う企業です。主に自社で企画・開発したプライベートブランド(PB)商品を主力とし、大手量販店を中心に供給しています。 - 主力製品・サービスの特徴
事業は主に2つのビジネスモデルに分かれています。- 開発型ビジネスモデル: 自社独自の企画・開発による商品(家電、家庭用品、食品PBなど)を特徴とし、高い収益性を追求しています。最近のヒット商品としては、健康家電「ゴリラのハイパワー」シリーズやその派生商品「ゴリラのひとつかみ」、米国ブランドCORELLEのフライパン、底を外して洗える水筒「SOKOMO」、ORIONスマートテレビ、CIRCULIGHTなどが挙げられます。
- 卸売型ビジネスモデル: 他社ブランド品(NB商品)の卸売や加工、ブランド品(時計、バッグなど)の取り扱いを行っています。百貨店ギフトや量販店向け販促・企画が中心です。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内での競争優位性や課題について
同社は卸売業に属しながらも、自社企画・開発による「開発型ビジネスモデル」を強みとしています。これにより、一般的な卸売業と比べて高付加価値化と収益性の向上が図られています。特にニッチ市場に特化した商品開発力と、PB商品の展開が競争優位性となっています。一方で、市場シェアに関する具体的なデータは提供されていません。 - 市場動向と企業の対応状況
消費者の節約志向や、原材料・物流コストの高騰、海外経済の動向、地政学リスクなどが市場に影響を与える可能性があります。同社は、このような環境下で、ヒット商品の創出やPB強化、仕入・販売効率化を推し進めることで、収益力向上に対応しています。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営陣が掲げるビジョンや戦略
中期経営計画において「100年経営」を掲げ、経常利益100億円の達成を目指しています。この目標達成のため、商品開発力の強化と収益構造改革を推進しています。 - 中期経営計画の具体的な施策や重点分野
- 「開発型ビジネスモデル」の強化を通じたニッチNo.1志向の商品開発とプライベートブランド(PB)商品の拡充。
- 仕入れ・販売効率の改善による売上総利益率の向上。
- 成長が期待されるヘルスケア・ビューティー、食品等の分野への注力。
- 新製品・新サービスの展開状況(決算短信参照)
決算短信によれば、2026年3月期第2四半期では、健康家電「ゴリラのハイパワー」シリーズ、派生商品「ゴリラのひとつかみ」、米国ブランドCORELLEのフライパン、底を外して洗える水筒「SOKOMO」、ORIONスマートテレビ、CIRCULIGHTなどが主力商品のラインアップとして挙げられ、これらの商品が開発型ビジネスの伸長に寄与しています。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデルや市場ニーズの変化への適応力
同社の事業モデルは、自社企画・開発による「開発型ビジネスモデル」が高い成長性と収益性を生み出しており、収益の柱として機能しています。市場の変化に対応したヒット商品を継続的に生み出すことで、多様な市場ニーズに対応し、収益モデルの持続性を図っています。 - 売上計上時期の偏りとその影響
データなし。決算短信からは売上計上時期の具体的な偏りに関する情報はありません。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向や独自性
特定の先端技術開発に関する具体的な記述は少ないものの、同社の強みは市場のニーズを捉えた商品企画力と、それを具体的なPB製品として実現する開発力にあります。「ゴリラのひとつかみ」のようなユニークなヒット商品の創出は、この独自性の表れと言えます。 - 収益を牽引している製品やサービス
決算短信によると、特に「開発型ビジネスモデル」において、家電製品や家庭用品におけるヒット商品が収益を大きく牽引しています。具体的には健康家電「ゴリラのハイパワー」シリーズとその派生商品、「CORELLE」のフライパン、「SOKOMO」の水筒、ORIONスマートテレビなどが挙げられます。
6. 株価の評価
- EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較
- 現在の株価: 3,300.0円
- 1株当たり当期純利益(EPS、会社予想): 215.42円
- 1株当たり純資産(BPS、実績): 2,573.45円
- PER(会社予想): 15.32倍 (3,300円 ÷ 215.42円)
- PBR(実績): 1.28倍 (3,300円 ÷ 2,573.45円)
- 業界平均PER/PBRとの比較
- 業界平均PER: 12.1倍
- 業界平均PBR: 1.0倍
同社のPER 15.32倍およびPBR 1.28倍は、それぞれ業界平均のPER 12.1倍、PBR 1.0倍と比較して高めの水準にあります。現在の株価は、業界平均から見ると割高感がある可能性があります。
7. テクニカル分析
- 直近の株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か
直近10日間の株価は3,200円台で推移しており、本日終値3,300円は本日高値と同水準です。
年初来高値が3,300円、年初来安値が1,957円であることから、現在の株価は年初来高値に位置しています。 - 年初来高値・安値との位置関係
年初来高値3,300円と同値であり、年初来安値1,957円からは大幅に上昇しています。現在の株価は、52週高値3,300.00円とほぼ同じ水準です。 - 出来高・売買代金から見る市場関心度
本日出来高は64,000株、売買代金は210,087千円です。3ヶ月平均出来高94.14k株、10日平均出来高63.76k株と比較すると、今日の出来高は10日平均と同水準ですが、3ヶ月平均よりは低く、市場の関心は平均的またはやや低下している可能性があります。
8. 財務諸表分析
- 売上、利益、ROE、ROAなどの指標を評価
- 過去数年間の売上高は増加傾向にあり、2022年3月期から2025年3月期(予想)にかけて順調に成長しています。
- 営業利益、純利益も同様に増加傾向で、特に直近の四半期決算(2026年3月期第2四半期)では大幅な増益を達成しており、収益性の改善が顕著です。
- ROE(実績)は7.55%、ROA(過去12か月)は6.66%であり、一定の収益性を確保しています。
- 過去数年分の傾向を比較
| 項目 | 2022/3 | 2023/3 | 2024/3 | 2025/3 (予想) | 過去12ヶ月 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 (百万) | 101,027 | 105,709 | 105,824 | 113,939 | 118,413 |
| 営業利益 (百万) | 7,109 | 8,053 | 7,926 | 8,996 | 10,957 |
| 純利益 (百万) | 5,132 | 5,621 | 5,784 | 6,409 | 7,834 |
売上、利益ともに着実な成長傾向がうかがえます。特に過去12ヶ月と2025年3月期予想を比較すると、さらに利益が伸長していることが分かります。
- 四半期決算の進捗状況(通期予想との比較)
2026年3月期第2四半期決算では、通期(修正後)予想に対する進捗率が、売上高49.2%、営業利益56.9%、親会社株主に帰属する中間純利益56.7%と、営業利益と純利益が既に通期の過半を達成しており、好調な進捗を見せています。これは、主に開発型セグメントの高収益化が牽引したものです。
9. 財務健全性分析
- 自己資本比率、流動比率、負債比率の評価
- 自己資本比率(実績): 85.8%
- 流動比率(直近四半期): 6.85 (685%)
自己資本比率85.8%は非常に高く、財務基盤が極めて安定していることを示しています。流動比率685%も、短期的な支払い能力に圧倒的な余裕があることを示しており、財務健全性は非常に高いと評価できます。負債比率の具体的な数値はありませんが、自己資本比率の高さから負債が極めて少ないことが推測されます。
- 財務安全性と資金繰りの状況
自己資本比率や流動比率の高さから、同社の財務安全性は極めて高い状態です。有利子負債はほぼ少額であり、資金繰りにも全く問題がないと判断できます。営業キャッシュフローもプラスを維持しており、本業で安定して現金を創出できています。 - 借入金の動向と金利負担
決算短信によると、有利子負債は「ほぼ少額」であり、長期借入金の新規計上もないことから、借入金は抑制されており金利負担も極めて小さいと考えられます。
10. 収益性分析
- ROE、ROA、各種利益率の評価
- ROE(実績): 7.55% (過去12ヶ月: 8.80%)
- ROA(過去12ヶ月): 6.66%
- 営業利益率(過去12ヶ月): 9.50% (当中間期: 10.4%)
- 粗利益率(過去12ヶ月): 34.27% (当中間期: 30.6%)
ROEはベンチマーク10%には届かないものの、過去12ヶ月では8.80%と改善傾向にあります。ROAは6.66%と一般的なベンチマーク5%を上回っており、資産を効率的に活用して収益を上げています。営業利益率は10%台に乗っており、特に開発型ビジネスの収益性向上が顕著です。
- 一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%等)との比較
ROAはベンチマークを上回り良好です。ROEはベンチマークにはわずかに届かないものの、高い自己資本比率を維持しながらも安定した収益性を確保しており、改善傾向にあります。 - 収益性の推移と改善余地
過去数年の利益成長と、直近四半期の営業利益率・純利益率の大幅改善は、収益体質の強化を示しています。特に開発型ビジネスのヒット商品による利益率向上は、今後の収益性改善の大きな余地となります。
11. 市場リスク評価
- ベータ値による市場感応度の評価
ベータ値は0.17と非常に低い値です。これは市場全体の動きに比べて株価の変動が小さく、市場全体のリスクに対して感応度が低いことを示しています。 - 52週高値・安値のレンジと現在位置
52週高値は3,300.00円、52週安値は1,957.00円です。現在の株価3,300.00円は52週高値圏に位置しており、株価は大きく上昇してきたことが分かります。 - 決算短信に記載のリスク要因(外部環境、為替、地政学等)
決算短信に記載されているリスク要因は以下の通りです。- 国内個人消費の伸び悩み
- 原材料・物流コストの上昇
- 為替変動(輸入製品・海外販売への影響)
- 中国経済の減速、および地政学的な不確実性
12. バリュエーション分析
- 業種平均PER/PBRとの比較
- PER(会社予想): 15.32倍 vs 業界平均PER: 12.1倍
- PBR(実績): 1.28倍 vs 業界平均PBR: 1.0倍
同社のPERおよびPBRは、ともに業種平均を上回る水準にあります。
- 目標株価レンジの算出(業界平均倍率適用)
提供データに基づく目標株価は以下の通りです。- 業種平均PER基準で算出した目標株価: 2,683円
- 業種平均PBR基準で算出した目標株価: 2,576円
- 割安・割高の総合判断
現在の株価3,300.0円は、業種平均PERおよびPBRに基づく目標株価レンジ(2,576円~2,683円)と比較して、割高と判断されます。
13. 市場センチメント分析
- 信用取引の状況(信用買残、信用倍率、需給バランス)
- 信用買残: 102,300株
- 信用売残: 2,900株
- 信用倍率: 35.28倍
信用買残が売残を大幅に上回っており、信用倍率も高いことから、需給バランスは売り方が有利な状態(買い圧力が弱い)である可能性があります。
- 株主構成(経営陣持株比率、安定株主の状況)
浮動株比率が不明ですが、インサイダー(経営陣)が38.73%を保有しており、安定株主が多いと見られます。筆頭株主はエムエス商事で34.01%を保有しており、経営への関与度が高いと考えられます。 - 大株主の動向
大株主構成を見ると、金融機関の信託銀行が上位に複数名を連ねており、機関投資家からの保有も一定数見られます。
14. 株主還元と配当方針
- 配当利回りや配当性向の分析
- 配当利回り(会社予想): 3.03%
- 配当性向(過去12ヶ月): 42.86%
年間の配当予想は100円(中間50円、期末50円)であり、前年度の年間85円から増配予想です。配当利回りは3%を超えており、安定した株主還元策と言えます。配当性向も40%台と、利益の一定割合を株主に還元する方針がうかがえます。
- 自社株買いなどの株主還元策
決算短信に自社株買いに関する明確な記載はありません。ストックオプションの行使による株式発行が行われています。 - 株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策
データなし。決算短信にはストックオプション行使による収入の記載があったため、インセンティブ施策として活用されている可能性があります。
15. 最近のトピックスと材料
- 適時開示情報の分析(大型受注、新製品、拠点展開等)
2026年3月期第2四半期決算において、売上高、営業利益、純利益が前年同期比で大幅な増収増益を達成しました。特に開発型ビジネスの売上は15.3%増、セグメント利益は175.9%増と大きく伸長しています。
また、通期業績予想を修正(詳細は別資料)しており、良好な中間期実績を背景に、上方修正が行われた可能性が高いと考えられます。 - これらが業績に与える影響の評価
中間期の好調な業績、特に開発型ビジネスの著しい成長は、同社の収益構造改革と商品企画戦略が奏功していることを示しており、通期予想の達成可能性を高めています。ヒット商品の継続的な投入や、高付加価値PBの開発が今後の業績を牽引すると期待されます。
16. 総評
ドウシシャは、多岐にわたるライフスタイル関連商品を企画・販売する卸売企業ですが、特に自社企画・開発のプライベートブランド(PB)を中心とした「開発型ビジネスモデル」の強化によって、高収益体質への転換を進めています。
- 全体的な見解
同社は極めて高い自己資本比率(85.8%)と流動比率(685%)を誇り、財務健全性は非常に安定しています。借入金も少なく、経営の安定性は特筆すべき点です。事業面では、開発型ビジネスが好調で、ヒット商品の創出により売上高・利益ともに着実に成長しています。直近の決算では大幅な増益を達成し、通期予想に対する進捗も良好です。株主還元にも積極的で、増配予想が発表されています。- 強み:
- 極めて高い財務健全性(自己資本比率、流動比率)。
- 自社企画・開発による「開発型ビジネスモデル」が生み出す高収益性。
- 市場ニーズを捉えた商品企画力とヒット商品の創出力。
- 安定した利益成長と堅実な株主還元方針(増配)。
- 低いベータ値による市場変動への抵抗力。
- 弱み:
- 卸売型ビジネスの成長鈍化傾向。
- 現在の株価は、業界平均PER/PBRと比較して割高感がある。
- 信用取引における信用買残の多さや信用倍率の高さは、需給面での重しとなる可能性。
- 機会:
- 開発型ビジネスにおけるニッチ市場のさらなる開拓とPB商品の拡充。
- 効率化による収益性改善(売上総利益率、営業利益率)。
- 国内だけでなく海外市場への展開余地。
- 脅威:
- 国内個人消費の低迷や物価上昇による購買意欲の低下。
- 原材料・物流コストの高騰継続と為替変動リスク。
- 中国経済の減速や地政学的な不確実性。
- 競合他社による類似商品の展開や価格競争激化。
17. 企業スコア
- 成長性: A
売上高は着実に増加傾向にあり、特に開発型ビジネスモデルが大きく伸長(売上15.3%増、セグメント利益175.9%増)。新製品展開も活発で、今後も成長が期待されます。 - 収益性: A
粗利率、営業利益率が改善傾向にあり、直近の営業利益率は10.4%と良好です。ROAは6.66%とベンチマークを上回り、収益力は高いと評価できます。ROEはベンチマークに僅かに届かないものの、大幅な営業利益増により改善しています。 - 財務健全性: S
自己資本比率85.8%は極めて高く、財務基盤は非常に安定しています。流動比率685%も支払い能力に余裕があることを示しており、有利子負債も少ないことから、財務健全性は最高レベルと評価されます。 - 株価バリュエーション: D
現在の株価は、業界平均PER(15.32倍 vs 12.1倍)およびPBR(1.28倍 vs 1.0倍)と比較して割高な水準にあります。業種平均に基づく目標株価レンジ(2,576円~2,683円)と比べても現在の株価3,300円は高い位置にあります。
企業情報
| 銘柄コード | 7483 |
| 企業名 | ドウシシャ |
| URL | https://www.doshisha.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 3,300円 |
| EPS(1株利益) | 215.42円 |
| 年間配当 | 3.03円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 5.0% | 17.1倍 | 4,698円 | 7.4% |
| 標準 | 3.9% | 14.8倍 | 3,865円 | 3.3% |
| 悲観 | 2.3% | 12.6倍 | 3,047円 | -1.5% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 3,300円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,930円 | △ 71%割高 |
| 10% | 2,410円 | △ 37%割高 |
| 5% | 3,041円 | △ 9%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.5)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。