セグエグループ (3968) 企業分析レポート
東京証券取引所プライム市場に上場するセグエグループ(証券コード:3968)について、個人投資家向けに企業分析レポートを作成しました。
1. 企業情報
- 事業内容などのわかりやすい説明
セグエグループは、ITインフラとネットワークセキュリティ製品に関する設計、構築、運用、保守サービスを日本国内で提供しています。具体的には、サイバーセキュリティ製品やITインフラ製品の輸入・販売、SE派遣サービス、そして自社開発品の提供に注力しています。事業の二つの柱は、セキュリティ品の輸入販売を含むソリューションプロダクト事業と、ITインフラ構築・運用・保守などのソリューションサービス事業です。 - 主力製品・サービスの特徴
主力製品・サービスは、ファイアウォール/VPN、UTM、次世代ファイアウォール、WAF、マルウェア対策といったセキュリティ製品、サイバー攻撃検知・分析、脆弱性診断ソリューション、IPアドレス・ネットワーク管理ソリューション、さらに仮想ブラウザ、リモートワークソリューションなどを提供します。ITインフラ製品としては、無線LAN製品、ルーター、LANスイッチ、サーバー、ストレージなどを取り扱っています。SE派遣に強みがあり、自社開発品も成長分野としています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内での競争優位性や課題について
セグエグループは、サイバーセキュリティとITインフラの分野で、製品の輸入販売からソリューション提供、保守まで一貫したサービスを提供している点が強みと考えられます。特に、中央省庁や大手企業向けの大型案件受注実績は、その技術力と信頼性を示唆しています。SE派遣に強みを持つことも、サービス提供能力の高さにつながっています。課題としては、競合他社が多い中で、いかに独自性を強化し、市場シェアを拡大していくかが挙げられます。 - 市場動向と企業の対応状況
DX投資の拡大、サイバーセキュリティの重要性向上、デジタルガバメント推進といった市場トレンドが、同社にとって追い風となっています。特に官公庁向けの案件増加は、同社の受注拡大に寄与しています。同社はこれらの市場ニーズに応える形で、ソリューションプロダクト事業とソリューションサービス事業の両面で事業を展開しています。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営陣が掲げるビジョンや戦略
データなし - 中期経営計画の具体的な施策や重点分野
データなし - 新製品・新サービスの展開状況(決算短信参照)
決算短信には具体的な新製品・サービス名に関する記述はありませんでしたが、連結子会社First One Systemsのグループ入りにより、海外案件の拡大を見込んでいるとされており、事業拡大への取り組みが見られます。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデルや市場ニーズの変化への適応力
同社の収益モデルは、サイバーセキュリティ製品・ITインフラ製品の販売(ソリューションプロダクト)と、それらの設計・構築・運用・保守サービス(ソリューションサービス)の組み合わせです。DXやセキュリティ投資の拡大という市場ニーズに合致しており、持続性が高いと考えられます。また、SE派遣という人材サービスも提供しているため、多様な収益源を持っています。 - 売上計上時期の偏りとその影響
決算短信では、大規模な案件に依存した売上の「タイミングリスク」が言及されています。これは大型案件の受注・売上計上のタイミングによって、四半期ごとの業績が変動する可能性を示しており、収益の予測可能性に影響を及ぼす可能性があります。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向や独自性
「自社開発品も注力」との記述はありますが、具体的な技術開発の動向や独自性に関する詳細なデータは提供されていません。 - 収益を牽引している製品やサービス
直近の決算短信によると、ソリューションプロダクト事業が前年同期比+41.9%と大きく伸長しており、中央省庁向け大型案件や製品販売が収益を牽引していることが示唆されます。
6. 株価の評価
- EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較
現在の株価は696.0円です。
会社予想EPS(連結)は24.62円であり、PER(会社予想)は28.27倍です。
実績BPS(連結)は122.38円であり、PBR(実績)は5.69倍です。 - 業界平均PER/PBRとの比較
業界平均PERが23.2倍、業界平均PBRが2.3倍であることと比較すると、同社のPER(28.27倍)およびPBR(5.69倍)は業界平均を上回っており、現在の株価は業界平均の水準から見ると割高な水準にあると評価できます。
7. テクニカル分析
- 直近の株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か
直近10日間の株価は700円前後で推移しており、本日の株価696.0円は直近のレンジ内にあります。50日移動平均線(701.86円)に近く、200日移動平均線(583.57円)は上回っています。 - 年初来高値・安値との位置関係
年初来高値が809円、年初来安値が402円であるのに対し、現在の株価696.0円は年初来高値にやや近い位置にあります。 - 出来高・売買代金から見る市場関心度
本日の出来高は634,900株、売買代金は443,029千円でした。過去3ヶ月平均出来高(215.06千株)および過去10日平均出来高(244.69千株)と比較して、本日の出来高は大幅に増加しており、市場の関心が高い状態であったことが伺えます。
8. 財務諸表分析
- 売上、利益、ROE、ROAなどの指標を評価
過去数年間で、売上高は着実に増加傾向にあります。2021年12月期から2024年12月期(予想)にかけて、売上高は12,038百万円から18,717百万円、そして過去12ヶ月では20,307百万円へと増加しています。
営業利益は年度によって変動が見られますが、過去12ヶ月では1,058百万円、直近四半期累計では1,435百万円と、通期予想(1,512百万円)に迫る高い進捗を示しています。
ROE(過去12か月)は22.95%、ROA(過去12か月)は5.49%と、いずれも高い水準にあり、資本効率および総資産の活用 efficientlyにおいて優れています。 - 過去数年分の傾向を比較
売上高は一貫して成長しており、事業規模の拡大が進んでいます。営業利益は2023年12月期に一時的に減少したものの、その後は回復基調にあり、特に直近四半期では大幅な増益を達成しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、2022年12月期が最も高く、2023年12月期は減少しましたが、直近Q3累計では既に通期予想を上回るなど、回復・成長傾向にあります。 - 四半期決算の進捗状況(通期予想との比較)
2025年12月期第3四半期累計の決算は、売上高が通期予想の72.0%、営業利益が94.9%の進捗率です。特に、親会社株主に帰属する当期純利益は、既に通期予想の121.5%に達しており、会社が業績予想を修正していないものの、通期では上振れする可能性が高いと判断できます。
9. 財務健全性分析
- 自己資本比率、流動比率、負債比率の評価
自己資本比率は実績で21.8%、直近四半期では18.4%と提示されており、一般的な安定基準(40%以上)と比較すると低い水準にあります。
流動比率は直近四半期で1.17(117%)であり、短期的な支払い能力は確保されていますが、余裕は大きくありません。
負債比率(Total Debt/Equity)は78.96%と比較的高い水準です。 - 財務安全性と資金繰りの状況
自己資本比率の低さや負債比率の高さは、財務安全性における懸念点と言えます。流動比率は100%を超えていますが、大きな余裕がないため、資金繰りには継続的な注意が必要です。 - 借入金の動向と金利負担
直近四半期の有利子負債は概算で3,260百万円と増加傾向にあります。損益計算書のInterest Expenseも過去12か月で36,757千円と増加しており、企業規模拡大に伴う資金調達や運転資金増加が背景にあると考えられます。金利上昇局面では、今後の金利負担増が収益に影響を与える可能性があります。
10. 収益性分析
- ROE、ROA、各種利益率の評価
ROE(実績)は14.67%、ROE(過去12か月)は22.95%と、一般的なベンチマークである10%を大幅に上回っており、株主資本を効率的に活用して利益を生み出していると言えます。
ROA(過去12か月)は5.49%と、一般的なベンチマークである5%を上回っており、総資産を効率的に利用して利益を得ています。
直近12ヶ月の売上総利益率は約24.7%(Gross Profit 5.02B / Total Revenue 20.3B)、営業利益率は9.55%であり、適切な収益性を確保しています。 - 一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%等)との比較
ROE、ROAともに一般的なベンチマークを大きく上回っており、収益性は優れていると評価できます。 - 収益性の推移と改善余地
売上高の成長に伴い収益性も向上傾向にあり、特に直近の大型案件寄与により営業利益率が改善しています。しかし、事業モデルにおける売上計上のタイミングリスクや、サプライチェーンの変動、人件費等のコスト上昇リスクも存在するため、これらのリスク管理が今後の収益性維持・改善の鍵となります。
11. 市場リスク評価
- ベータ値による市場感応度の評価
ベータ値(5年月次)は0.31と低く、市場全体の変動に対する株価の感応度が低いことを示しています。これは、市場全体が大きく変動しても、同社の株価は比較的安定している傾向にあることを示唆します。 - 52週高値・安値のレンジと現在位置
52週高値は809.00円、52週安値は402.00円です。現在の株価696.0円は、このレンジの中央よりやや高値圏に位置しています。 - 決算短信に記載のリスク要因(外部環境、為替、地政学等)
決算短信では、以下をリスク要因として挙げています。- 大型案件に依存した売上の「タイミングリスク」:案件の遅延や計上タイミングによって業績が変動する可能性。
- 自己資本比率が低く負債比率が高い点:財務安全性の観点で留意が必要。
- 為替・国内外の景気動向、政府のIT投資動向:外部環境や政策依存による影響を受ける可能性。
- 在庫・売掛金増加に伴う運転資金圧迫リスク:事業拡大に伴う運転資金の捻出に注意が必要。
12. バリュエーション分析
- 業種平均PER/PBRとの比較
同社のPER(会社予想28.27倍)は業界平均PER(23.2倍)と比較して割高です。
同社のPBR(実績5.69倍)は業界平均PBR(2.3倍)と比較して割高です。 - 目標株価レンジの算出(業界平均倍率適用)
業種平均PER基準で算出した目標株価は349円です。
業種平均PBR基準で算出した目標株価は287円です。 - 割安・割高の総合判断
現在の株価696.0円は、業界平均PERおよびPBRを基準とした目標株価を大きく上回っており、バリュエーションの観点からは割高であると判断されます。
13. 市場センチメント分析
- 信用取引の状況(信用買残、信用倍率、需給バランス)
信用買残が820,600株、信用売残が230,400株であり、信用倍率は3.56倍です。信用買残が信用売残を大きく上回っているため、今後の株価上昇局面では信用買い残が潜在的な売り圧力となる可能性があります。 - 株主構成(経営陣持株比率、安定株主の状況)
愛須康之氏が大株主筆頭であり、経営陣の持株比率が高い構造です(愛須康之氏31.56%、インサイダー合計47.81%)。これは経営の安定性や株主と経営陣の利害一致に繋がると考えられます。 - 大株主の動向
データなし
14. 株主還元と配当方針
- 配当利回りや配当性向の分析
会社予想1株配当は13.00円であり、配当利回り(会社予想)は1.87%です。
会社予想のEPS(24.62円)に基づくと、配当性向は約52.8%となり、利益の半分以上を配当として株主に還元する方針であり、やや高めの還元性向と言えます。 - 自社株買いなどの株主還元策
自社株買いに関する明確な記述は提供されたデータにはありませんでした。 - 株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策
データなし
15. 最近のトピックスと材料
- 適時開示情報の分析(大型受注、新製品、拠点展開等)
2025年12月期第3四半期決算において、中央省庁向けの超大型案件(GSS)の受注・売上計上が最も注目すべきトピックスです。これにより受注高が前年同期比+84.1%、受注残高が同+110.3%と大幅に増加しました。
また、VADビジネスや大手企業・官公庁案件も堅調に推移しているほか、連結子会社First One Systemsのグループ入りによる海外案件の拡大も見込まれています。 - これらが業績に与える影響の評価
超大型案件の受注は、直近の第3四半期の業績を大きく押し上げ、通期予想に対する純利益の進捗率が既に121.5%と超過している主な要因です。これは通期業績の上方修正につながる「サプライズ」材料となる可能性が高いと評価できます。受注残高の増加は、今後の安定した売上成長を支える基盤となります。
16. 総評
全体的な見解
セグエグループは、サイバーセキュリティとITインフラという成長分野を事業基盤とし、持続的な売上成長を達成している企業です。特に、中央省庁向け大型案件の獲得など、高収益案件の受注実績は高く評価できます。収益性はROE、ROAともにベンチマークを大きく上回り、資本効率も良好です。
一方で、自己資本比率の低さや負債比率の高さといった財務健全性には注意が必要です。また、大型案件の売上計上時期による業績変動リスクも認識しておくべき点です。現在の株価は、業界平均と比較してPER、PBRともに割高な水準にあり、バリュエーション面での慎重な評価が求められます。
- ポジティブな要因:
- サイバーセキュリティ・DX関連という成長市場の恩恵を享受している。
- 中央省庁向け大型案件の受注・売上計上による業績の急伸。
- 受注残高の大幅な増加が今後の業績を支える。
- ROE、ROAともに高い水準で、収益効率が良い。
- 配当性向はやや高めで、株主還元意識が見られる。
- 注意すべき要因:
- 自己資本比率が低く、財務体質が盤石とは言えない点。
- 大型案件に依存する売上構成が、業績の変動リスクとなる可能性がある。
- 株価は業界平均と比較して割高感がある。
- 信用買残が多く、需給面での潜在的な売り圧力が存在。
強み・弱み・機会・脅威 (SWOT分析)
- 強み (Strengths)
- サイバーセキュリティとITインフラ分野における専門性と一貫したサービス提供能力。
- 中央省庁や大手企業向けの大型案件受注実績。
- SE派遣に強みを持つことによる人材リソースの確保。
- 高い資本効率を示すROE、ROA。
- 着実な売上成長と利益改善傾向。
- 弱み (Weaknesses)
- 自己資本比率が低く、財務健全性に懸念。
- 棚卸資産や売掛金の増加に伴う運転資金圧迫リスク。
- 大型案件のタイミングに依存しやすい収益構造。
- 機会 (Opportunities)
- DX投資、サイバーセキュリティ投資の活発化。
- デジタルガバメント推進による官公庁向け案件の増加。
- 連結子会社による海外案件など、事業領域の拡大。
- 脅威 (Threats)
- 景気変動や設備投資抑制による顧客企業のIT投資削減。
- 為替変動や法規制の変更。
- 競合の激化による価格競争や収益性悪化。
- 人材獲得競争の激化。
17. 企業スコア
- 成長性: A
- 売上高は順調に成長しており、直近四半期での前年同期比42.7%増という高い成長率を示しています。中央省庁向け大型案件の受注と受注残高の大幅な増加は、今後の力強い成長を裏付けるものです。
- 収益性: A
- ROE(22.95%)とROA(5.49%)はいずれも一般的なベンチマークを大幅に上回っており、非常に高い収益効率を誇ります。営業利益率も改善傾向にあります。
- 財務健全性: C
- 自己資本比率が18.4%~21.8%と低水準であり、一般的な目安(40%以上)を下回ります。流動比率も余裕が大きくなく、総負債に対する自己資本の比率も高いため、財務基盤の強化が課題です。
- 株価バリュエーション: D
- PER(28.27倍)およびPBR(5.69倍)は、業界平均PER(23.2倍)とPBR(2.3倍)と比較して割高な水準にあります。業界平均倍率を適用した目標株価レンジと比較しても、現在の株価は大きく乖離しており、割高と判断されます。
企業情報
| 銘柄コード | 3968 |
| 企業名 | セグエグループ |
| URL | http://segue-g.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 696円 |
| EPS(1株利益) | 24.62円 |
| 年間配当 | 1.87円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 20.7% | 31.6倍 | 1,996円 | 23.7% |
| 標準 | 15.9% | 27.5倍 | 1,418円 | 15.5% |
| 悲観 | 9.6% | 23.4倍 | 909円 | 5.8% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 696円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 712円 | ○ 2%割安 |
| 10% | 890円 | ○ 22%割安 |
| 5% | 1,123円 | ○ 38%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.5)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。