1. 企業情報

  • 事業内容などのわかりやすい説明
    株式会社ROBOT PAYMENTは、インターネット上での決済サービスと、企業向けの請求・債権管理業務の自動化サービスを提供する企業です。特にサブスクリプション型のビジネスモデルに特化したソリューションに強みを持っています。
  • 主力製品・サービスの特徴
  • ペイメント事業 (売上構成比約61%): サブスクリプションビジネスに特化した決済代行サービス「サブスクペイ」や、後払い決済サービス「1click後払い」などを提供しています。多様な決済手段に対応し、事業者側の決済処理を効率化します。
  • フィナンシャルクラウド事業 (売上構成比約38%): 請求書発行から集金、消込、督促までの一連の請求関連業務を一元管理・自動化するクラウドサービス「請求管理ロボ」などを提供し、企業のバックオフィス業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内での競争優位性や課題について
    ROBOT PAYMENTは、サブスクリプションモデルに特化した決済・請求管理サービスというニッチ市場において専門性を確立しています。これにより、特定の顧客層(SaaS企業など)からの高い支持を得ており、リカーリング(継続課金)型の安定的な収益基盤を構築していることが強みです。課題としては、競合他社の参入状況や価格競争、金融・決済サービスに関する法規制の変化などが挙げられます。
  • 市場動向と企業の対応状況
    インボイス制度の導入、企業のバックオフィスDX需要の高まり、EC市場の拡大といった市場トレンドが、同社の事業成長を後押ししています。企業はこれらのニーズに対応するため、「請求管理ロボ」等のサービスを通じて効率化と自動化を提案しており、新しい後払いサービス「1click後払い」の投入や7月からの価格改定も市場動向への積極的な対応と言えます。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営陣が掲げるビジョンや戦略
    決算短信からは、リカーリング収益基盤の拡大、新規顧客獲得、既存顧客の取扱高増加を通じた収益成長が主要な戦略であることが読み取れます。特に、新サービス「1click後払い」の展開やマーケティング強化、そして提供価値に見合った価格改定が重点施策として挙げられています。
  • 中期経営計画の具体的な施策や重点分野
    具体的な中期経営計画の数値目標は資料に明記されていませんが、リカーリング収益の積上げを重視し、ペイメント事業およびフィナンシャルクラウド事業の両輪で契約件数と取扱高を増やすことに注力していることが示されています。
  • 新製品・新サービスの展開状況(決算短信参照)
    「1click後払い」が新たなサービスとして寄与し始めており、事業成長に貢献しています。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデルや市場ニーズの変化への適応力
    サブスクリプション型サービスが主体のリカーリング収益モデルであり、安定した収益基盤を有しています。これは、一度顧客を獲得すれば継続的に収益が発生するため、事業の持続可能性が高いと言えます。また、バックオフィスDXやインボイス制度への対応など、変化する市場ニーズに合わせたサービス展開を行っており、高い適応力を示しています。
  • 売上計上時期の偏りとその影響
    データなし。ただし、サブスクリプションサービスが中心であるため、一過性の大規模な売上偏重は少なく、月次または四半期ごとの比較的安定した売上計上がされていると推測されます。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向や独自性
    具体的な技術開発の内容については詳細な記載がありませんが、クラウド技術を活用した決済・請求管理サービスの提供自体が、企業のDXを推進する技術革新と言えます。サブスクリプションに特化した機能や「1click後払い」のような新たな決済手段の提供が独自性を示す要素と考えられます。
  • 収益を牽引している製品やサービス
    ペイメント事業の「サブスクペイ」とフィナンシャルクラウド事業の「請求管理ロボ」が二大主力であり、これらが収益成長を牽引しています。特にペイメント事業はセグメント利益に大きく貢献しています。

6. 株価の評価

  • EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較
  • 株価: 3,015.0円
  • EPS(会社予想): 129.07円
  • PER(会社予想): 23.36倍 (3015.0円 / 129.07円)
  • BPS(実績): 319.71円
  • PBR(実績): 9.43倍 (3015.0円 / 319.71円)
  • 業界平均PER/PBRとの比較
  • 業界平均PER: 66.2倍
  • 業界平均PBR: 3.5倍
    同社のPER(23.36倍)は業界平均(66.2倍)と比較して割安感があります。一方、PBR(9.43倍)は業界平均(3.5倍)と比較して割高です。これは、無形資産や将来の成長期待がBPSに十分に反映されていない可能性があることを示唆しています。

7. テクニカル分析

  • 直近の株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か
    現在の株価3,015.0円は、直近10日間の高値が3,165円、安値が2,954円のレンジ内にあります。やや下落基調にありますが、比較的安定した動きと言えます。
  • 年初来高値・安値との位置関係
    年初来高値が3,540円、年初来安値が1,598円であり、現在の株価3,015.0円は年初来高値に近く、高値圏に位置しています。
  • 出来高・売買代金から見る市場関心度
    本日出来高は5,200株、売買代金は15,622千円と、グロース市場上場銘柄としては出来高が少なく、市場の関心度は現時点では限定的である可能性があります。Avg Vol (3 month) 3: 19.8k、Avg Vol (10 day) 3: 7.87k と減少傾向にあります。

8. 財務諸表分析

  • 売上、利益、ROE、ROAなどの指標を評価
  • 売上高: 過去12か月で3,018,205千円を計上し、成長を続けています。
  • 営業利益: 過去12か月で631,907千円と大幅に増加しており、収益性の改善が顕著です。
  • ROE(実績): 33.60% (過去12ヶ月 42.74%) と非常に高く、効率的な資本活用ができています。
  • ROA(過去12ヶ月): 6.51% と良好な水準です。
  • 過去数年分の傾向を比較
  • Total Revenue: 2021年の1,394,951千円から、2024年予想の2,762,014千円まで継続的な増収トレンドにあります。
  • Operating Income: 2022年に赤字でしたが、2023年に229,063千円と黒字転換し、2024年予想では479,696千円と大幅な回復・成長を示しています。特に過去12か月では631,907千円とさらなる利益拡大が見られます。
  • Net Income Common Stockholders: 同様に、2022年の赤字から黒字転換し、大幅な利益成長トレンドが継続しています。
  • 四半期決算の進捗状況(通期予想との比較)
    2025年12月期第3四半期累計の決算は、売上高進捗率74.1%、営業利益進捗率86.1%、純利益進捗率89.3%と、通期予想に対して非常に高い進捗を示しています。これにより、会社は業績予想を再度上方修正しており、達成見通しは高いと判断されます。営業利益率も前年同期の約18.8%から第3四半期累計で約25.2%に改善しており、収益性が向上しています。

9. 財務健全性分析

  • 自己資本比率、流動比率、負債比率の評価
  • 自己資本比率(実績): 17.2% (第3Q末では15.0%) と、一般的に安定とされる40%以上の水準と比較して低く、財務健全性には懸念があります。
  • 流動比率(直近四半期): 0.97 (第3Q末では約97.3%) と100%を下回っており、短期的な支払能力に注意が必要です。
  • 負債比率(負債合計/純資産): 第3Q末で約5.59倍と高く、負債依存度が高い状況です。
  • 財務安全性と資金繰りの状況
    自己資本比率が低く、流動比率も100%未満であるため、全体的な財務安全性は高いとは言えません。ただし、現金及び預金が増加しており、運用余剰資金も計上されている点は資金繰り面でのポジティブ要素です。預り金の増加が流動負債の増加に大きく影響しており、決済事業特有の資金回転サイクルが財務バランスに影響を与えています。
  • 借入金の動向と金利負担
    損益計算書上のInterest Expenseは大きく減少しており、表面的な金利負担は小さいと考えられます。貸借対照表上の借入金の具体的な動向は提供データにはありませんが、負債合計が高い水準にあります。

10. 収益性分析

  • ROE、ROA、各種利益率の評価
  • ROE(過去12か月): 42.74%
  • ROA(過去12か月): 6.51%
  • 粗利率(過去12か月): 90.47% (Gross Profit / Total Revenue = 2,730,060 / 3,018,205)
  • 営業利益率(過去12か月): 26.14%
    これらの指標はすべて非常に良好な水準を示しており、特にROEは資本を効率的に活用して高い利益を生み出していることを示しています。
  • 一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%等)との比較
    ROE(42.74%)はベンチマークの10%を大きく上回り、ROA(6.51%)もベンチマークの5%を上回っています。これは、同社の収益性が極めて高いことを示しています。
  • 収益性の推移と改善余地
    過去数年間の損益計算書を見ると、売上高の成長に伴い営業利益率・純利益率も改善傾向にあります。特に、2025年12月期第3四半期における営業利益率の顕著な改善は、リカーリング収益の積上げと費用管理の結果であり、今後もこのトレンドが継続する可能性があります。DX支援や新サービスでの高付加価値化により、さらなる収益性向上が期待されますが、人件費や販促費の増加は利益率を圧縮する要因にもなり得ます。

11. 市場リスク評価

  • ベータ値による市場感応度の評価
    ベータ値は0.66であり、市場全体の変動と比較して株価の変動が小さいことを示しています。これは市場リスクに対する感応度が比較的低いことを意味します。
  • 52週高値・安値のレンジと現在位置
    52週高値は3,540円、52週安値は1,598円です。現在の株価3,015.0円は、このレンジの上限に近い位置にあり、過去1年間の動きの中では高値圏にあると言えます。
  • 決算短信に記載のリスク要因(外部環境、為替、地政学等)
  • 決済事業特有の資金回転: 預り金増加による流動負債の増加など、事業規模拡大に伴う資金繰り管理のリスク。
  • 価格改定による解約リスクや競合の価格競争: サービス価格改定が顧客離れを招く可能性や、競合他社との競争激化による価格下落圧力。
  • 法制度・規制変化: 決済関連規制、税制(例: インボイス制度後の追加的規制)など、事業を取り巻く法制度の変化が業績に影響を与える可能性。
  • 外部環境(物価・為替)の影響: 提供データには具体的に言及されていませんが、一般的なビジネスリスクとして考慮されます。為替に関してはペイメント事業の国際取引に関連するリスクが考えられますが、決算短信には具体的な記述はありません。

12. バリュエーション分析

  • 業種平均PER/PBRとの比較
  • PER: 会社予想23.36倍に対し業界平均66.2倍。業界平均と比較して割安。
  • PBR: 実績9.43倍に対し業界平均3.5倍。業界平均と比較して割高。
  • 目標株価レンジの算出(業界平均倍率適用)
  • 目標株価(業種平均PER基準): 7,365円 (EPS 129.07円 × 業界平均PER 66.2倍 / 発行済株式数調整は不要と判断)
  • 目標株価(業種平均PBR基準): 1,130円 (BPS 319.71円 × 業界平均PBR 3.5倍)
  • 割安・割高の総合判断
    PER基準では大幅に割安感がありますが、PBR基準では割高です。これは、同社が高い成長性と収益性を誇る一方で、自己資本比率が低いことや、無形資産の価値がPBRに十分に反映されにくいIT・ソフトウェア企業特有の傾向を示しています。高成長企業にはPBRが高く評価される傾向がありますが、業界平均PBRと比較すると現在の水準は高めです。しかし、ストック型ビジネスモデルによる継続的な利益成長と高いROEを考慮すると、現在のPERは魅力的に映る可能性が高いです。総合的には、成長性と収益性を加味すればPERベースでの割安感が強く、現在の株価はPER基準において割安と判断できます。

13. 市場センチメント分析

  • 信用取引の状況(信用買残、信用倍率、需給バランス)
    信用買残が79,600株あり、信用売残は0株のため、信用倍率は0.00倍です。信用買い残が比較的多く、需給バランスは売り圧力が少ないものの、将来的な買い圧力の低下や投げ売りへの警戒は必要です。
  • 株主構成(経営陣持株比率、安定株主の状況)
    筆頭株主はKKキャピタル(株)で40.1%、代表者の清久健也氏が10.22%保有しており、経営陣と主要株主による安定した株式保有比率が高い(Insiders 57.33%)です。これにより、経営の安定性が確保されています。
  • 大株主の動向
    データなし。

14. 株主還元と配当方針

  • 配当利回りや配当性向の分析
    配当利回り(会社予想)は0.80%、1株配当(会社予想)は24.00円です。配当性向は13.48%と比較的低く、利益を成長投資に回す方針であると推測されます。
  • 自社株買いなどの株主還元策
    2025年2月13日に自己株式121,800株を取得しており、株主還元策として自社株買いも実施しています。
  • 株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策
    データなし。

15. 最近のトピックスと材料

  • 適時開示情報の分析(大型受注、新製品、拠点展開等)
  • 2025年11月12日に「業績予想及び配当予想の上方修正に関するお知らせ」を開示しました。第3四半期までの好調な業績進捗を受け、通期業績予想と配当予想を上方修正しました。
  • 2025年2月13日に自己株式の取得(ToSTNeT-3による買付け)を実施しました。
  • これらが業績に与える影響の評価
    業績予想と配当予想の上方修正は、会社が事業の成長トレンドを確信し、今後の収益見通しが明るいことを示すポジティブな材料です。リカーリング収益の着実な積み上げ、新サービスや価格改定の寄与が要因となっており、持続的な成長への期待が高まります。自社株買いも資本効率の改善や株価の下支えに貢献する株主還元策として評価されます。

16. 総評

ROBOT PAYMENT(4374)は、成長著しいサブスクリプション決済およびバックオフィスDX市場において、独自の専門性と強固なビジネスモデルを確立している企業です。ペイメント事業とフィナンシャルクラウド事業の二本柱で安定的なリカーリング収益を積み上げており、特に直近の業績は、売上・利益ともに高い成長率を達成し、収益性が大幅に改善しています。

投資判断の参考となるポイント:

  • 強み: DX・インボイス制度対応・EC化といった追い風を受ける成長市場で事業を展開。サブスクリプション特化型というニッチ市場での優位性。ストック型のリカーリング収益モデルによる安定した収益基盤。高いROE・ROAおよび利益率の改善傾向。
  • 弱み: 自己資本比率が低く、流動比率も100%未満と財務健全性には懸念がある。預り金の増加による流動負債の増加が特徴的であり、資金回転リスクは注視が必要。
  • 機会: 企業のDX推進需要の高まり、新サービス(1click後払い)の更なる浸透、価格改定による収益力強化。
  • 脅威: 決済市場における競合激化、法規制の変更リスク、価格改定に伴う顧客離れの可能性、地政学リスクや為替変動(関連事業がある場合)。
  • 株価: PERは業界平均と比較して割安感がありますが、PBRは割高感があります。しかしながら、高い成長性と収益性を考慮すると、PERベースでは魅力的な水準にあると言えます。直近で業績・配当予想の上方修正が行われており、今後も安定的な成長が期待されます。

17. 企業スコア

  • 成長性: A
  • 過去数年の売上高は着実に成長しており、直近の四半期売上高成長率も16.80%と高い水準です。リカーリング収益の積み上がりや新製品「1click後払い」の貢献、価格改定が進行中のため、今後の成長が期待されます。
  • 収益性: S
  • 粗利率は90%超、営業利益率も過去12か月で26.14%と非常に高く、ROEは42.74%、ROAは6.51%と、一般的なベンチマークを大幅に上回る優れた収益性を示しています。利益率の改善傾向も顕著です。
  • 財務健全性: D
  • 自己資本比率が17.2%(第3Q末15.0%)と低く、40%以上の目安を大きく下回ります。流動比率も0.97と1を割り込んでおり、短期的な資金繰りに注意が必要です。負債比率も高水準です。
  • 株価バリュエーション: B
  • PER(会社予想23.36倍)は業界平均(66.2倍)と比較すると割安感があります。一方、PBR(実績9.43倍)は業界平均(3.5倍)と比較して割高です。高成長企業であることを考慮するとPERの割安感は魅力的ですが、財務健全性の低さを踏まえると中立的な評価としました。

企業情報

銘柄コード 4374
企業名 ROBOT PAYMENT
URL https://www.robotpayment.co.jp/
市場区分 グロース市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 3,015円
EPS(1株利益) 129.07円
年間配当 0.80円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 21.5% 34.3倍 11,684円 31.1%
標準 16.5% 29.8倍 8,251円 22.3%
悲観 9.9% 25.3倍 5,239円 11.7%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 3,015円

目標年率 理論株価 判定
15% 4,106円 ○ 27%割安
10% 5,127円 ○ 41%割安
5% 6,470円 ○ 53%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.5)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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