決算説明：クルーズ（2138）

2026年3月期（第25期）1Q決算説明資料

エグゼクティブサマリー

• 経営陣のメッセージ: 複数の重点戦略をやめ、ITアウトソーシング事業をメインに絞って集中投資・拡大する方針を明確化。
• 業績ハイライト: 継続事業の1Q売上高は前期1,571百万円→今期2,526百万円で前年同Q比160.7%増（良）。ITアウトソーシング事業の1Q売上は1,019百万円→1,579百万円で前年同Q比154.9%増（良）。連結営業損失は前期1Qの▲413百万円→今期1Qの▲90百万円へ赤字縮小（改善＝良だが依然赤字＝注意）。
• 戦略の方向性: 経営資源をITアウトソーシング（SES中心）に集中し、稼働エンジニア数の増加と単価維持で売上拡大→下期にかけて利益化を図る。
• 注目材料: ・継続事業中心で見ると高成長（売却事業含めた比較では前年同Q比77.2%）。・介護福祉人材サービスの会計処理を純額から総額計上へ変更（比較可能性調整）。・採用施策のテストで採用数が1Q比1.4倍程度が期待される初期結果が出ている点。
• 一言評価: 事業集中と採用・定着施策で着実に成長の「形」を示しつつ、通期ガイダンス非開示のため実行に依存する不確実性は依然大きい。

基本情報

• 説明者: 発表者（役職）：–、発言概要：ITアウトソーシング事業への集中、新たな重点戦略、採用・定着施策、業績の四半期推移と中期計画進捗を説明
• セグメント:
  • ITアウトソーシング事業：SES事業を中心とした人材×IT領域（介護福祉人材サービス含む、会計処理を総額計上へ変更）
  • Ada.事業（EC事業）：オリジナルブランド・セレクトショップの企画・運営・販売

業績サマリー

• 主要指標:
  • 営業収益（継続事業合計）：2,526百万円（前期1,571百万円）、前年同期比 +160.7%（良い目安）
  • 営業利益（連結）：▲90百万円（前期▲413百万円）、前年同期比（改善）赤字縮小。営業利益率：–（営業利益が赤字のため正確な比率提示なし）
• 予想との比較:
  • 会社予想に対する達成率：会社は通期業績予想を非開示（FY2015/3以降非開示）のため算出不可（–）
  • サプライズの有無とその内容：四半期として売上・損失縮小はポジティブサプライズと言えるが、会社からの数値予想がないため「公式なサプライズ率」は評価不可
• 進捗状況:
  • 通期予想に対する進捗率（売上、営業利益、純利益）：通期開示無しのため進捗率は算出不可（–）
  • 中期経営計画や年度目標に対する達成率：ITアウトソーシング中期目標（売上目標68億円）に対し、売上実績15.7億円（1Q）で進捗率 23.2%（良）。稼働エンジニア数目標830人に対し実績623人で進捗率 75.0%（1Q時点、概ね予定通りだが増員余地あり）。
  • 過去同時期との進捗率比較：前年同Q比売上+160.7%（継続事業ベース）、ITアウトソーシング単独は+154.9%（いずれも良）。
• セグメント別状況:
  • ITアウトソーシング事業：売上 1,579百万円（前期1,019百万円）、前年同Q比 +154.9%（良）。営業利益は▲14百万円（前期▲47百万円）で赤字縮小（改善）。
  • Ada.事業：売上 947百万円（前期552百万円）、前年同Q比 +171.6%（良）。営業利益 29百万円（前期▲10百万円）で黒字化（良）。
  • 継続事業合計（上記2セグメント）：売上 2,526百万円、営業利益は赤字（▲90百万円）、ただし赤字幅大幅改善。

業績の背景分析

• 業績概要: 主要因は事業ポートフォリオ整理（不採算事業売却）とITアウトソーシング事業の成長（稼働エンジニア増・単価維持）、Ada.事業の回復で売上伸長と損失縮小を実現。
• 増減要因:
  • 増収の主要因：SES稼働エンジニア数の増加（623人、前年同Q比 +151.2%）、採用施策の強化、Ada.事業の売上回復、売却済み事業を除く継続事業の純増によるベースアップ。
  • 増益/減益の主要因：不採算事業の売却で固定費負担圧縮、売上拡大に伴う粗利増。ただし新規採用・新卒の費用先行や季節性で利益は下期偏重。
• 競争環境: SES市場の競争は継続して強いが、同社はグループ内の求人広告代理店ノウハウを採用強化に活用し採用効率を高める点を競争優位性として主張。定量的な市場シェアは資料に記載なし（–）。
• リスク要因: 採用・定着が計画通り進まないリスク、売上・利益が下期偏重で季節性に依存、需給環境の変化（IT投資減速）、会計処理変更による比較性、主要顧客の集中リスク（記載なしだが一般的リスク）、通期見通し非開示による予測困難性。

戦略と施策

• 現在の戦略: 「ITアウトソーシング事業をメインに一本化」して投資・人材獲得・顧客拡大に集中。中期目標（売上目標68億円、稼働エンジニア目標830人）に向けて推進。
• 進行中の施策: 採用広告の運用最適化（グループ内求人広告代理店のノウハウ活用）、応募対応のリードタイム短縮（目安5分以内）、エンジニア定着のためのヒアリングチーム設置、採用手法のテスト（7月のテストで採用数が1.4倍見込み）。
• セグメント別施策:
  • ITアウトソーシング：稼働エンジニア純増施策、新規採用強化、離職率改善（専門ヒアリングチーム）、介護福祉人材サービスの処理見直しで売上管理強化。
  • Ada.事業：商品企画・販売の強化（詳細データは資料に限定的）。
• 新たな取り組み: 経営リソースを一点集中させる「重点戦略の一本化」、採用手法のテスト導入、離職防止のための組織的対応開始。

将来予測と見通し

• 業績予想:
  • 次期業績予想（売上高、営業利益、純利益など）：会社は通期の業績予想を非開示の方針（FY2015/3以降）であるため提示なし（–）。
  • 予想の前提条件：–（非開示）
  • 予想の根拠と経営陣の自信度：経営陣は中期目標や施策の有効性を示すが、公式数値予想は開示していないため自信度の定量的表明はなし。
• 予想修正:
  • 通期予想の修正有無：通期予想自体が非開示のため該当なし。
• 中長期計画:
  • 中期経営計画の進捗状況：売上目標68億に対し1Q実績15.7億で進捗率23.2%（1Q時点）。稼働エンジニア目標830人に対し623人で進捗約75.0%（1Q時点）。中期目標達成には採用加速と定着継続が鍵。
  • 新たな目標や計画の発表：重点戦略の一本化以外の新目標は資料に記載なし。
• 予想の信頼性: 過去から通期予想を非開示としており、外部からの予測可能性は低い（保守的とも評価可）。
• マクロ経済の影響: IT投資需要、労働市場状況（採用難易度）、景気・為替等が業績に影響する可能性（資料で直接の為替前提等は無し）。

配当と株主還元

• 配当方針: 資料上の明示的な配当方針の記載なし（–）
• 配当実績:
• 特別配当: 無し（明記なしのため–）
• その他株主還元: 自社株買いや株式分割の記載なし（–）

製品やサービス

• 製品: Ada.事業ではオリジナルブランド・セレクトショップ商品を企画・販売。詳細な新製品情報は資料に限定的（–）。
• サービス: ITアウトソーシング（SES）サービスが中核。介護福祉人材サービスも内包し、クライアント向けの人材提供・開発支援等を展開。
• 協業・提携: 資料上の新規提携情報は特になし（–）。
• 成長ドライバー: 稼働エンジニア数の増加、採用効率向上、エンジニア単価維持（現在概ね58～59万円）、Ada.事業の収益化。

Q&Aハイライト

• 注目の質問と回答：Q&Aの詳細記載なし（–）
• 経営陣の姿勢: ITアウトソーシング事業への集中と採用・定着改善に積極的に取り組む姿勢が一貫して示された。
• 未回答事項: 通期業績予想や具体的な数値目標の四半期毎のブレイクダウン、主要顧客構成などは資料で未提示（–）。
• ポジティブ要因:
  • 継続事業ベースでの売上大幅増（+160.7%）と赤字幅の大幅縮小（▲413→▲90百万円）は業績改善トレンドを示す（良）。
  • ITアウトソーシングの稼働エンジニア数が大幅増（623人、前年同Q比 +151.2%）で成長ドライバーが明確。
  • Ada.事業は黒字化（1Q：営業利益29百万円）しており、二本柱での収益化が進展。
  • 採用面でノウハウ（グループ内求人広告代理店）を持ち、採用効率改善の初期効果（テストで1.4倍見込み）。
• ネガティブ要因:
  • 依然として連結ベースで営業損失（▲90百万円）が存在（悪）。利益化は下期偏重で季節リスクあり。
  • 通期業績予想を開示していないため外部からの業績予測が困難（情報リスク）。
  • 稼働エンジニア純増目標（242人）に対する1Q実績は35人（進捗14.5%）で、採用・定着の継続的達成が必須（課題）。
  • 事業を売却・撤退した履歴があり、ポートフォリオ変更の影響や実行リスクが残る。
• 不確実性:
  • 採用施策のスケール効果（1Qのテストが継続的に再現されるか）。
  • 景気やIT投資需要の変動により下期の想定回復が鈍る可能性。
  • 顧客依存度や契約更新リスク（詳細未提示）。
• 注目すべきカタリスト:
  • 2Q以降の採用数増加（テスト成果の反映）が稼働エンジニア純増に寄与するか。
  • 4Qに向けた売上・利益の下期偏重の実現度合い（四半期ごとの利益改善）。
  • 追加の事業売却やM&A、あるいは資本政策の変更があれば株価材料となる。

重要な注記

• 会計方針: 介護福祉人材サービス事業の売上計上を2025年3月期4Qから純額計上→総額計上へ変更。比較可能性確保のため2025年1Q～3Qの数値も総額計上に修正している点に注意。
• リスク要因: 通期予想非開示による見通し不透明性、採用／離職率次第の業績変動、下期偏重の季節性。
• その他: 2025期以降にSHOPLIST事業、GameFi事業、ランク王事業などの売却が実施済み。過去の売却を含めた連結数値は決算短信・データブックで確認が必要。

（不明な項目は「–」で表示しています。投資判断の助言は行っていません。）

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