1. 企業情報
- 事業内容などのわかりやすい説明
株式会社パシフィックネットは、法人向けにIT機器のレンタル・保守・運用サービスを提供する「ITサブスクリプション事業」、使用済みIT機器のデータ消去・リユース・リサイクルを行う「ITAD事業」、そして旅行用ガイドレシーバー「イヤホンガイド®」の製造・販売・レンタル・保守を行う「コミュニケーション・デバイス事業」を展開しています。特にテレワーク需要増を背景にPCレンタルやサポートを強化しており、中古IT機器の取り扱いにおいても自社でデータ消去や修理を行うことで、企業のIT資産のライフサイクルマネジメントを包括的に支援しています。 - 主力製品・サービスの特徴
- ITサブスクリプション事業: PCなどのIT機器を中長期でレンタルし、運用保守サービスと合わせて提供。ストック型収益が中心で、企業のIT投資コスト削減や運用負荷軽減に貢献します。
- ITAD事業: 使用済みIT機器(PCなど)を安全に回収し、国際規格に準拠したデータ消去を行い、可能な限りリユース・リサイクルするサービス。環境負荷低減と情報セキュリティ確保を両立させます。
- コミュニケーション・デバイス事業: 国内旅行関連で90%以上のシェアを持つとされる「イヤホンガイド®」が主力。製造販売だけでなく、レンタルや保守も行い、旅行業界を支援しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内での競争優位性や課題について
同社は「イヤホンガイド®」において国内旅行関連で90%以上のシェアを持つなど、ニッチ市場では高い競争優位性を確立しています。ITサブスクリプションおよびITAD事業においては、Windows 10サポート終了に伴うPC入替需要という大きな市場変化を捉え、企業のIT資産ライフサイクル全体をカバーするサービス提供を強みとしています。自社でデータ消去・修理まで一貫して行う体制は、信頼性と効率性の面で競争優位につながると考えられます。 - 市場動向と企業の対応状況
市場では、Windows 10のサポート終了に伴う企業PCの更新需要、DX推進による企業IT投資の活発化、IT部門の人材不足に伴う運用代行(BPO)ニーズ、そして環境意識の高まりによるIT機器のリユース・リサイクル需要が増加しています。同社はこれらのトレンドを捉え、ITサブスクリプションによる安定的なストック収益の拡大と、ITAD事業における高付加価値リユースの強化で、市場のニーズに積極的に対応しています。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営陣が掲げるビジョンや戦略
中期経営計画では、ストック収益源であるITサブスクリプション事業の拡大を核とし、IT資産のライフサイクルマネジメント(LCM)サービスの推進、資産効率の向上、人的資本経営の強化、およびDX(デジタルトランスフォーメーション)推進(AI・RPA等の活用)を重点分野としています。これにより、顧客への提供価値向上と企業価値向上を目指しています。 - 中期経営計画の具体的な施策や重点分野
- ストック収益拡大: ITサブスクリプション事業において中長期の契約を増やし、継続的な収益基盤を強化。
- LCM推進: IT機器の導入から運用、データ消去、リユース・リサイクルまで一貫したサービスを提供し、顧客のIT資産管理を支援。クロスセルによる収益向上も図ります。
- 資産効率向上: レンタル資産の回転率向上や適切な資産管理により、資本効率を高めます。
- 人的資本経営: 従業員の育成・定着を促進し、サービス品質と生産性の向上を目指します。
- DX推進: AIやRPAなどの技術を活用し、業務効率化や新規サービス開発を加速。
- 新製品・新サービスの展開状況(決算短信参照)
決算短信には、Windows 10サポート終了に伴うPC入替需要への対応や、ITADにおける高付加価値品の確保によるリユース収益性改善についての言及はありますが、具体的な新製品・新サービスの名称や事業展開に関する記述は確認できませんでした。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデルや市場ニーズの変化への適応力
同社の事業モデルは、安定的なストック収益(ITサブスクリプション)と、市場変化に合わせたフロー収益(ITAD、コミュニケーション・デバイス)を組み合わせることで持続可能性を高めています。特に、ITサブスクリプション事業とITAD事業は、PCリプレイスサイクルや環境意識の高まり、BPOニーズといった構造的な市場ニーズの変化に対応しており、持続的な成長が見込まれます。Windows 10サポート終了といった一時的な追い風に加えて、今後のOS更新サイクルや企業のDX投資が続く限り、安定した事業機会が見込めるモデルと言えます。 - 売上計上時期の偏りとその影響
決算短信では売上計上時期の具体的な偏りについての記載はありませんが、OS更新需要などの「需要ピーク」という表現から、特定の時期に大型案件が集中し、売上や利益が偏る可能性は示唆されます。これにより四半期ごとの業績変動が生じる可能性がありますが、ITサブスクリプションのストック収益が変動を緩和する役割も持ちます。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向や独自性
中期経営計画においてDX推進(AI・RPA等)が重点分野として挙げられており、業務効率化やサービス品質向上に向けた技術活用への意欲が見られます。ITAD事業におけるデータ消去技術は情報セキュリティの根幹をなし、その信頼性が独自性・強みとなっています。「イヤホンガイド®」の国内での高シェアは、長年の経験と技術蓄積に裏打ちされた独自性を示唆しています。 - 収益を牽引している製品やサービス
現在の収益を牽引しているのは、Windows 10サポート終了に伴う需要増加を背景に成長している「ITサブスクリプション事業」と「ITAD事業」です。特にITAD事業は、第1四半期で売上高が前年同期比46.9%増、セグメント利益が100.8%増と大きく伸長しており、利益貢献度が高い主力サービスとなっています。
6. 株価の評価
現在の株価:2,030.0円
- EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較
- 会社予想EPS: 115.89円
- 株価2,030円に基づくPER: 2,030円 ÷ 115.89円 = 17.52倍 (会社予想PERとほぼ一致)
- 実績BPS: 633.66円
- 株価2,030円に基づくPBR: 2,030円 ÷ 633.66円 = 3.20倍 (実績PBRとほぼ一致)
- 業界平均PER/PBRとの比較
- 業界平均PER: 15.0倍
- 業界平均PBR: 1.2倍
- 同社のPER(17.52倍)は業界平均(15.0倍)を上回っています。
- 同社のPBR(3.20倍)は業界平均(1.2倍)を大きく上回っています。
- これらの指標から見て、現在の株価は業界平均と比較して割高な水準にあると判断できます。
7. テクニカル分析
現在の株価: 2,030.0円
- 直近の株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か
直近10日間の株価履歴では1,679円から2,030円へ上昇しています。年初来高値が2,100円、年初来安値が1,000円であるため、現在の株価2,030円は年初来高値に近い、高値圏にあると判断できます。 - 年初来高値・安値との位置関係
年初来高値2,100円に対し約93.6%の水準(高値圏)に位置しています。 - 出来高・売買代金から見る市場関心度
直近10日間の出来高は平均で約6.5万株(本日12.1万株)、売買代金は本日約2.45億円です。Avg Vol (3 month) 25.38k株と比較すると、直近10日間のAvg Vol (10 day) 64.96k株は大幅に増加しており、市場の関心が高まっていることを示唆しています。特に本日(2025-12-26)は出来高・売買代金ともに急増しており、強い買いが入っている可能性があります。 - 長期トレンド分析
- 1ヶ月リターン: -7.34%
- 3ヶ月リターン: -2.00%
- 6ヶ月リターン: -17.07%
- 1年リターン: -23.50%
提示されたリターンデータは、現在の株価2030円とは整合しない可能性のある「現在株価: 1,224.00円」を前提としているように見えます。もしこのリターンが現在の株価に適用されるのであれば、長期的に株価は下落傾向にあったが、直近では急騰している状況と考えられます。(ただし、提示された直近1ヶ月、3ヶ月などのリターン数値は現在の株価2030円の状況と矛盾しています。正確なリターンの計算には、過去の株価情報との整合性が必要です。) - 日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス: データなし(特定のベンチマークとの比較データは提供されていません)
- 移動平均線(5日、25日、75日、200日)との位置関係(上回り/下回り)
提示された移動平均線の基準株価が1,224.00円であるため、現在の株価2,030.0円との比較を行います。 - 5日移動平均線: 1,311.40円(現在の株価は上回っている)
- 25日移動平均線: 1,362.80円(現在の株価は上回っている)
- 75日移動平均線: 1,303.80円(現在の株価は上回っている)
- 200日移動平均線: 1,366.21円(現在の株価は上回っている)
これらの移動平均線が現在の株価2,030円よりも低い位置にあることから、短期・中期・長期的に上昇トレンドにあることが示唆されます。 - サポート・レジスタンスレベルと現在株価の位置
- 1ヶ月レンジ: 1,213.00円 – 1,452.00円
- 3ヶ月レンジ: 1,210.00円 – 1,452.00円
上記レンジもデータ提供の「現在株価: 1,224.00円」を前提としている可能性が高く、現在の株価2,030円はこれらのレンジを大きく上回っています。年初来高値2,100円が直近のレジスタンスレベルとなり得ます。 - ゴールデンクロス/デッドクロスのシグナル確認
データなし
8. 財務諸表分析
- 売上、利益、ROE、ROAなどの指標を評価
- 売上高: 過去数年で連続的に増加しており、2022年5月期5,507百万円から2025年5月期8,099百万円と堅調な成長を続けています。
- 営業利益: 同様に増加傾向にあり、2022年5月期342百万円から2025年5月期842百万円と大幅に改善しています。
- 純利益: 2022年5月期209百万円から2025年5月期529百万円と、売上・営業利益と連動して増加しています。
- ROE: 直近12か月で20.72%、実績で16.43%と、高い水準を維持しており、株主資本の効率的な活用が伺えます。
- ROA: 直近12か月で5.37%と、総資産の活用も効率的に行われていることを示しています。
- 過去数年分の傾向を比較
売上、粗利益、営業利益、経常利益、純利益のいずれも過去数年にわたり増加傾向にあり、持続的な成長を示しています。特に営業利益率は2022年5月期の6.2%から2025年5月期の10.4%(過去12か月では13.52%)へと改善しており、企業活動の収益性が向上していることが見て取れます。 - 四半期決算の進捗状況(通期予想との比較)
2026年5月期第1四半期(2025年6月1日~8月31日)は、売上高2,382百万円(通期予想比24.6%進捗)、営業利益322百万円(通期予想比32.2%進捗)、親会社株主に帰属する四半期純利益205百万円(通期予想比33.6%進捗)と、売上・利益ともに通期予想に対し順調な進捗を示しています。特に利益の進捗率が売上高を上回っており、収益性の改善が継続していることが示唆されます。会社は第1四半期の好調を受けて通期業績予想を上方修正しています。
9. 財務健全性分析
- 自己資本比率、流動比率、負債比率の評価
- 自己資本比率: 実績で27.3%、直近四半期で24.5%です。一般的に安定水準とされる40%を大きく下回っており、財務基盤の弱さが懸念されます。
- 流動比率: 直近四半期で0.51(51%)です。短期的な支払能力を示す指標であり、一般的に100%を下回ると短期的な流動性リスクがあるとされます。現時点では流動性には注意が必要です。
- 負債比率(Total Debt/Equity): 直近四半期で265.49%(または負債/純資産が約308%)と非常に高水準です。借入への依存度が高いことを示しています。
- 財務安全性と資金繰りの状況
自己資本比率、流動比率、負債比率のいずれも一般的な安全水準を下回るか、上回っており、財務安全性には懸念があります。特にITサブスクリプション事業でレンタル資産(固定資産)が増加しているため、その取得資金を借入に依存している状況です。 - 借入金の動向と金利負担
決算短信によると、サブスクリプション資産取得に伴い、短期借入金および長期借入金が増加しています。総負債も8.84B(直近四半期)と高水準です。金利負担は53,844千円(過去12か月)と増加傾向にあり、将来的な金利上昇は収益を圧迫するリスクがあります。
10. 収益性分析
- ROE、ROA、各種利益率の評価
- ROE: 直近12か月で20.72%、実績で16.43%と、一般的なベンチマーク(10%)を大きく上回る優良な水準です。
- ROA: 直近12か月で5.37%と、一般的なベンチマーク(5%)を上回っており、総資産を効率的に活用して利益を生み出しています。
- 営業利益率: 過去12か月で13.52%、直近第1四半期で約13.5%と、前年同期の約7.8%から大幅に改善しており、収益力の向上が顕著です。
- 純利益率: 過去12か月で7.49%と、着実に利益を確保しています。
- 収益性の推移と改善余地
売上高の成長に加え、営業利益率が継続的に改善していることから、収益性は向上していると言えます。セグメント別ではITAD事業の利益率改善が顕著であり、事業構造改革や効率化が進んでいることが示唆されます。今後の成長ドライバーであるITサブスクリプションの規模拡大に伴う効率化やITAD事業の高収益性維持により、さらなる改善余地があると考えられます。 - 利益の質分析
- 営業キャッシュフローと純利益の比較(OCF/純利益比率): データなし
- アクルーアルズ比率による利益の質評価: データなし
- キャッシュフローが利益を上回るか: データなし
11. 市場リスク評価
- ベータ値による市場感応度の評価
ベータ値(5Y Monthly)は0.63です。これは市場全体の値動きに対し、同社の株価が比較的穏やかに変動することを示しており、市場感応度は低いと評価できます。 - 52週高値・安値のレンジと現在位置
52週高値が2,100.00円、52週安値が1,000.00円です。現在の株価2,030.0円は52週高値に非常に近い(約93.6%水準)位置にあります。 - 決算短信に記載のリスク要因(外部環境、為替、地政学等)
- 需要ピーク後の減速リスク: Windows 10サポート終了後のPC更新需要の反動減が懸念されます。
- 資金調達コストや金利上昇: サブスクリプション事業の拡大に伴い借入金が増加しており、金利上昇は財務費用を増加させるリスクがあります。
- 原価上昇: IT機器の調達コストや運用コストの上昇が収益を圧迫する可能性があります。
- 景気後退: 景気変動が企業のIT投資意欲や旅行需要に影響を与える可能性があります。
- 法規制・環境規制の変化: ITAD事業を中心に、関連する法規制や環境規制の変更が事業に影響を及ぼす可能性があります。
- 流動性・借入依存度の高さ: 自己資本比率が低く、借入金に依存した財務体質であるため、突発的な資金需要への対応や金融環境の変化に対する脆弱性が懸念されます。
12. バリュエーション分析
- 業種平均PER/PBRとの比較
- 同社のPER(会社予想)17.52倍に対し、業種平均PERは15.0倍であり、同社は業種平均より割高に評価されています。
- 同社のPBR(実績)3.20倍に対し、業種平均PBRは1.2倍であり、同社は業種平均より大幅に割高に評価されています。
- 目標株価レンジの算出(業界平均倍率適用)
- EPS(会社予想)115.89円 × 業種平均PER 15.0倍 = 1,738.35円
- BPS(実績)633.66円 × 業種平均PBR 1.2倍 = 760.39円
- 提供された目標株価(業種平均PER基準): 1510円
- 提供された目標株価(業種平均PBR基準): 760円
※データとしては1510円と760円が提供されていますが、上記の計算値は参考として記載します。 - 割安・割高の総合判断
現在の株価(2,030円)は、業種平均PERおよびPBRを基準とした目標株価レンジを大きく上回っており、バリュエーションの観点からは割高であると判断されます。ただし、高い成長性と収益性、ROEなどを考慮すると、市場は将来の成長を織り込んでいる可能性も考えられます。
13. 市場センチメント分析
- 信用取引の状況(信用買残、信用倍率、需給バランス)
信用買残が178,800株と増加傾向にありますが、信用売残は0株となっており、信用倍率は「データなし」です。信用買残が大きいことは、将来の売り圧力となる可能性を秘めています。 - 株主構成(経営陣持株比率、安定株主の状況)
筆頭株主であるリッチモンド(38.9%)と、代表者である上田雄太氏およびその関連と見られる株主(上田満弘氏8.64%、上田トモ子氏5.56%、上田修平氏5.56%)の保有割合を合わせると、経営陣および関連株主による安定的な支配体制が築かれていると考えられます。インサイダー保有比率も63.16%と高いです。 - 大株主の動向
特定の動向を示すデータはありません。
14. 株主還元と配当方針
- 配当利回りや配当性向の分析
会社予想配当利回りは2.56%です。1株配当(会社予想)は52.00円。配当性向は47.69%と、利益の約半分を配当に回す方針であり、株主還元への意識は高いと言えます。 - 自社株買いなどの株主還元策
自社株買いに関する具体的な記載は決算短信にはありません。 - 株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策
株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策に関する記載は確認できませんでした。
15. 最近のトピックスと材料
- 適時開示情報の分析(大型受注、新製品、拠点展開等)
2026年5月期第1四半期決算が好調に推移し、これを受けて2025年10月15日に通期業績予想が上方修正されました。特に、Windows 10サポート終了に伴うPC入替需要の拡大がITサブスクリプションおよびITAD事業の受注増につながっています。ITAD事業では使用済みPCの入荷増と高付加価値品の再販により収益性が改善しました。また、旅行関連需要の回復によりコミュニケーション・デバイス事業も堅調に推移しています。 - これらが業績に与える影響の評価
これらのポジティブな材料は直接的に売上・利益の増加に貢献しており、Q1の好調な業績と通期業績の上方修正につながっています。特にITAD事業の利益率改善は全体の収益性向上に大きく寄与しています。市場トレンドを捉えた事業展開が奏功しており、当面はこれらの需要が業績を牽引すると考えられます。
16. 総評
パシフィックネットは、ITサブスクリプションとITAD(IT資産処分)を中心に、市場ニーズを捉えた事業展開で近年高い成長性を示しています。Windows 10サポート終了に伴うPC入替需要という追い風を最大限に活用し、第1四半期決算は大幅な増収増益となり、通期業績予想も上方修正されるなど、足元の業績は非常に好調です。ROE、ROAといった収益性指標もベンチマークを上回る優良な水準で、効率的な経営が行われています。
一方で、財務健全性には課題が見られます。自己資本比率は24.5%と低く、流動比率も0.51と短期的な流動性リスクを示唆しています。サブスクリプション事業の拡大に伴うレンタル資産への投資が借入金増加の主要因となっており、負債比率も高水準です。これは成長投資の裏返しでもあるものの、金利上昇局面においては財務負担増のリスクとなります。
株価バリュエーションは、現在のPER(17.52倍)とPBR(3.20倍)が業種平均を大きく上回っており、市場は現状の高成長を既に織り込んでいると評価できます。年初来高値に迫る水準にあり、テクニカル的には高値圏に位置します。
投資判断の参考となるポイントの整理:
- 強み:
- IT資産のライフサイクルを一貫して支援する独自のビジネスモデル。
- OS更新需要など市場の大きなトレンドを捉えた事業展開。
- 「イヤホンガイド®」における高い市場シェア。
- ROE、ROAが高く、収益性が優れている。
- 直近の業績が非常に好調で、通期見通しも上方修正済み。
- 弱み:
- 自己資本比率、流動比率が低く、借入金への依存度が高いなど、財務健全性に課題。
- レンタル資産投資に伴う負債増加と金利上昇リスク。
- 機会:
- 法人・官公庁のIT投資、DX推進、BPOニーズのさらなる拡大。
- 環境意識の高まりによるITAD(リユース・リサイクル)需要の増加。
- DX推進(AI・RPA等)による事業効率化と新たな価値創出。
- 脅威:
- Windows 10サポート終了後のPC更新需要の反動減。
- 金利上昇や景気後退が企業のIT投資、旅行需要に与える影響。
- 競合の激化や技術革新への対応遅れ。
- 借入依存度の高さに起因する資金調達環境悪化リスク。
17. 企業スコア
- 成長性: S
- 売上高が過去数年にわたり連続増加、直近四半期の売上高成長率は31.50%と非常に高く、OS更新需要を背景に受注も好調。
- 収益性: S
- 過去12か月のROE 20.72%、ROA 5.37%はベンチマークを大きく上回り、営業利益率も継続的に改善。利益率は非常に優れている。
- 財務健全性: D
- 自己資本比率が24.5%と低い水準にあり、流動比率も0.51と短期的な安全性に懸念がある。総負債も高く、借入金への依存度が高い。
- 株価バリュエーション: D
- PER 17.52倍、PBR 3.20倍がともに業界平均(PER 15.0倍、PBR 1.2倍)を大きく上回っており、現在の株価は割高と判断される。
企業情報
| 銘柄コード | 3021 |
| 企業名 | パシフィックネット |
| URL | http://www.prins.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 2,030円 |
| EPS(1株利益) | 115.89円 |
| 年間配当 | 2.56円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 17.0% | 19.7倍 | 5,013円 | 19.9% |
| 標準 | 13.1% | 17.1倍 | 3,675円 | 12.7% |
| 悲観 | 7.9% | 14.6倍 | 2,465円 | 4.1% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 2,030円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,837円 | △ 11%割高 |
| 10% | 2,294円 | ○ 11%割安 |
| 5% | 2,894円 | ○ 30%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.6)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。