以下は株式会社朝日ネット(証券コード:3834)の企業分析レポートです。

1. 企業情報

  • 事業内容などのわかりやすい説明
    株式会社朝日ネットは、独立系のインターネット接続プロバイダー(ISP)大手です。「ASAHIネット」のブランドで個人および法人向けのインターネット接続サービスを提供しています。また、大学向けのクラウド型教育支援サービス「manaba」や、電気通信事業者向けのIPv6接続サービス「v6 Connect」なども展開しており、単一事業としてインターネット接続サービスが売上の約90%、インターネット関連サービスが10%を占めます(2025年3月期計画)。
  • 主力製品・サービスの特徴
  • ASAHIネット(ISP事業): 高品質で安定したインターネット接続を提供。FTTH(光ファイバー)契約数が増加基調にあり、特にマンションプランの強化やNTT東西との協業でシェア拡大を目指しています。
  • v6 Connect(VNE事業): NTT東西のフレッツ光回線を利用した次世代インターネット接続サービス「IPoE(IPv6)」を、他のISP事業者などに卸提供しています。インターネットトラフィックの増加を背景に、売上が著しく成長しています。
  • manaba(教育支援サービス): 大学向けの学習管理システム(LMS)で、オンライン授業の支援、課題管理、成績評価など多岐にわたる機能を提供しています。近年は契約ID数、導入校数が減少傾向ですが、大規模なサービス開発を進めており、機能強化による競争力向上を目指しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内での競争優位性や課題について
    朝日ネットは独立系ISPとして、安定した顧客基盤と高い財務健全性(自己資本比率88.5%)を強みとしています。特にv6 Connect事業ではインターネットトラフィックの増加という市場トレンドを捉え、安定した収益源を確保しています。一方、ISP業界は競争が激しく、価格競争や光回線事業者との連携強化が常に求められます。教育支援サービスmanabaも、国内の大学数減少や他社LMSとの競争に直面しており、サービス差別化と新規獲得が課題です。
  • 市場動向と企業の対応状況
    国内のインターネット市場では、FTTH契約数とトラフィックの増加が続いています。朝日ネットは、FTTH契約数の拡大施策やv6 Connectのトラフィック増加を取り込むことで、このトレンドに対応しています。また、ADSLサービスは2026年1月に終了予定であり、FTTHへの移行を積極的に推進しています。manabaについては、契約ID・校数減少に直面しつつも、2025~2027年にかけて大規模なサービス開発による機能強化を進め、市場ニーズへの適応を図っています。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営陣が掲げるビジョンや戦略
    決算短信からは具体的な中期経営計画の数値目標は確認できませんが、manaba事業の大規模開発や基幹システムの更改といった投資を通じて、中長期的なサービス競争力強化と効率化を目指す方針が示唆されています。ISP事業ではFTTHの顧客基盤拡大とv6 Connectのトラフィック増への対応を重視しています。
  • 中期経営計画の具体的な施策や重点分野
  • インターネット接続サービス: FTTH契約数の拡大、NTT東西との協業強化、マンションプランの強化推進。
  • v6 Connect: インターネットトラフィックの増加を取り込み、提携事業者との連携強化。
  • manaba: 2025年から2027年にかけて大規模なサービス開発を実施し、機能強化と競争力向上を図る。
  • 基幹システム更改: 業務効率化およびサービス品質向上に向けた基幹システムへの投資を継続。
  • 新製品・新サービスの展開状況(決算短信参照)
    決算短信には具体的な新製品・新サービスの名称は記載されていませんが、manabaの大規模開発による機能強化、基幹システム更改によるサービス品質向上は今後のサービス展開を支える重要な投資と位置付けられています。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデルや市場ニーズの変化への適応力
    同社の収益は、ASAHIネットのISP事業、v6 ConnectのVNE事業、manabaの教育支援サービスといったサブスクリプション型の安定収入が中心です。これは景気変動に比較的強く、持続可能性の高い事業モデルと言えます。v6 Connectはデータ通信量に応じた課金も含まれるため、トラフィック増加の恩恵を受けやすい構造です。教育市場のニーズ変化に対しては、manabaの継続的な機能強化で対応を図っています。
  • 売上計上時期の偏りとその影響
    決算短信からは、特定の時期に売上が大きく偏るような記述は見当たりません。基本的に月額課金サービスが中心であり、売上は比較的安定的に計上されるものと推測されます。ただし、manabaの大学向け商材は年度更新などの影響を受ける可能性があり、その動向は注視が必要です。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向や独自性
    「v6 Connect」は、IPv6接続サービスを提供する技術基盤であり、インターネットトラフィックの増加に対応する高パフォーマンスなネットワーク技術が求められます。また、「manaba」では、大学教育現場のニーズに応えるべく、大規模開発を通じて新機能の追加や使いやすさの向上に取り組んでおり、クラウド技術を基盤としたシステム構築が中心です。基幹システム更改は、業務効率化だけでなく、今後のサービス展開の基盤となる重要な技術投資です。
  • 収益を牽引している製品やサービス
    現状ではインターネット接続サービス全体が収益の大部分を占めており、特に「ASAHIネット」のFTTHサービスと「v6 Connect」がその中でも最も重要な収益牽引役です。v6 Connectは前年同期比で12.4%の増収と高い成長率を示しています。

6. 株価の評価

  • EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較
  • 現在の株価: 703.0円
  • EPS(会社予想): 63.41円
  • PER(会社予想): 11.09倍 (703.0円 ÷ 63.41円)
  • BPS(実績): 496.78円
  • PBR(実績): 1.42倍 (703.0円 ÷ 496.78円)
    これらは会社が提示しているPER/PBRとほぼ一致します。
  • 業界平均PER/PBRとの比較
  • PER(会社予想): 11.09倍
  • 業界平均PER: 23.2倍
  • PBR(実績): 1.42倍
  • 業界平均PBR: 2.3倍
    朝日ネットのPERおよびPBRは、業界平均と比較して大幅に割安な水準にあります。

7. テクニカル分析

  • 直近の株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か
    現在の株価703.0円は、直近1ヶ月間のレンジ(617.00円~658.00円)と比較すると高値圏に位置しています。年初来高値726円、安値622円に対して、現在の株価は高値から約3%安、安値から約13%高の水準であり、52週レンジで見ると約77.8%と高値圏にあります。
  • 年初来高値・安値との位置関係
    年初来高値726円に近く、安値622円からは上昇しています。
  • 出来高・売買代金から見る市場関心度
    直近の出来高は48,500株、売買代金は34,066千円であり、平均出来高(3ヶ月平均30.67千株、10日平均31.54千株)と比較するとやや増加していますが、急激な動きを示すほどではありません。市場の関心度は中程度と見られます。
  • 長期トレンド分析
  • 1ヶ月リターン: -0.16%
  • 3ヶ月リターン: -5.15%
  • 6ヶ月リターン: -2.49%
  • 1年リターン: +0.64%
    長期的に見ると、1年リターンはプラスですが、直近1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月はマイナスであり、やや軟調な推移が続いています。
  • 日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス(上回る/下回る)

    直近1ヶ月で日経平均、TOPIXともに下回るパフォーマンスとなっています。
    
  • 移動平均線(5日、25日、75日、200日)との位置関係(上回り/下回り)

    現在の株価703.0円は、5日移動平均線(631.20円)、25日移動平均線(633.40円)、75日移動平均線(644.03円)、200日移動平均線(645.35円)のいずれも上回っています。これは短期・中期・長期的に上昇トレンドへの転換を示唆する可能性があります。
    
  • サポート・レジスタンスレベルと現在株価の位置

    1ヶ月レンジのサポートレベルは617.00円、3ヶ月レンジのサポートレベルも617.00円です。現在の株価703.0円は、これらのサポートレベルから大きく上方にあり、上値抵抗線(レジスタンス)としては年初来高値726.00円が意識されるでしょう。
    
  • ゴールデンクロス/デッドクロスのシグナル確認

    現在の株価703.0円が、すべての移動平均線(5日、25日、75日、200日)を上回っている状況に加え、5日MAが25日MA、25日MAが75日MA、75日MAが200日MAを上回っている場合、これはゴールデンクロスを示唆する強い上昇トレンドの兆候となります。提供データからはMAの順番が直接わからないため断定はできませんが、各MAを上回っている事実はポジティブなシグナルです。
    

    8. 財務諸表分析

  • 売上、利益、ROE、ROAなどの指標を評価

  • 売上高: 過去4年間は増加傾向。2022年3月期11,577Mから2025年3月期(予想)13,078M。過去12ヶ月の売上高は13,307M。
  • 営業利益: 2022年3月期1,835Mから2025年3月期(予想)2,346Mと増加傾向。ただし、2026年3月期第2四半期は前期比で減益。
  • ROE(実績): 13.69% (過去12ヶ月: 10.00%)
  • ROA(過去12ヶ月): 9.72%
    いずれも収益性の高い水準を示しています。
  • 過去数年分の傾向を比較
    売上高は着実に増加しており、全体の成長は続いています。利益も概ね増加傾向でしたが、2026年3月期第2四半期は基幹システム更改に伴う減価償却費・外注費増、販売費増により営業利益が前年同期比19.6%減と一時的に落ち込んでいます。
  • 四半期決算の進捗状況(通期予想との比較)
    2026年3月期第2四半期の中間決算では、売上高6,725百万円(通期予想13,500百万円に対し進捗率49.8%)とほぼ計画通り。しかし、営業利益1,017百万円(通期予想2,350百万円に対し進捗率43.3%)、純利益725百万円(通期予想1,659百万円に対し進捗率43.7%)と、利益面では進捗が遅れています。会社は通期予想を据え置いており、下期での利益回復が期待されます。

9. 財務健全性分析

  • 自己資本比率、流動比率、負債比率の評価
  • 自己資本比率(実績): 88.5%
  • 流動比率(直近四半期): 6.20倍
  • 負債比率(負債合計/純資産): 約13.0% (1,673百万円 / 12,873百万円)
    これらの指標は非常に優れた財務健全性を示しています。自己資本比率88.5%は極めて高く、負債が非常に少ないことを意味します。流動比率6.20倍も、短期的な支払い能力が非常に高いことを示しており、資金繰りに全く問題がないと言えます。
  • 財務安全性と資金繰りの状況
    自己資本比率が非常に高く、流動比率も優れていることから、財務安全性は極めて高いと評価できます。現金及び預金も3,009百万円保有しており、資金繰りに懸念はありません。
  • 借入金の動向と金利負担
    提供データからは借入金の具体的な数値は確認できませんが、負債比率が低く、自己資本比率が高いことから、借入金は極めて少ない、または無いものと推測され、金利負担も軽微であると考えられます。

10. 収益性分析

  • ROE、ROA、各種利益率の評価
  • ROE(実績): 13.69% (過去12ヶ月: 10.00%)
  • ROA(過去12ヶ月): 9.72%
  • Profit Margin: 11.28%
  • Operating Margin(過去12ヶ月): 15.24%
    ROE、ROAともに高い水準にあり、資本を効率的に活用して利益を生み出す能力が高いことを示しています。利益率も堅調です。
  • 一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%等)との比較
    ROE 10.0%は、一般的なベンチマークである10%と一致しており良好です。ROA 9.72%は、一般的なベンチマークである5%を大きく上回っており、優良な水準です。
  • 収益性の推移と改善余地
    過去数年は堅調な収益性でしたが、2026年3月期中間期は投資負担増により一時的に利益率が低下しました。これは中長期的な競争力強化のための先行投資であり、システム更改完了後の効率化や新サービスによる収益機会創出により、収益性の改善余地も存在します。
  • 利益の質分析
  • 営業キャッシュフローと純利益の比較(OCF/純利益比率)

    営業CF/純利益比率: 1.40 (営業CF 1,240,000,000円 / 純利益 883,000,000円)
    
  • アクルーアルズ比率による利益の質評価

    営業キャッシュフローが純利益を大幅に上回っており、利益の質は非常に高いと評価されます。これは、会計上の利益だけでなく、実際に手元に現金が残っていることを示し、健全な事業運営の証拠です。
    
  • キャッシュフローが利益を上回るか(1.0以上が健全)

    比率が1.40であるため、キャッシュフローは利益を上回っており、極めて健全な状態です。
    

    11. 市場リスク評価

  • ベータ値による市場感応度の評価
    ベータ値(5Y Monthly): 0.16
    ベータ値が0.16と非常に低く、市場全体の変動に対する株価の感応度が低いことを示しています。これは、市場全体が大きく変動する中でも、朝日ネットの株価は比較的安定している傾向があることを意味します。

  • 52週高値・安値のレンジと現在位置
    52週高値: 726.00円、52週安値: 622.00円。現在の株価703.0円は、レンジの上限に近い(約77.8%の位置)にあり、やや高値圏に位置しています。
  • 決算短信に記載のリスク要因(外部環境、為替、地政学等)
    決算短信に明記されている主なリスク要因は以下の通りです。
  • トラフィック増に伴う設備・回線コストや品質問題の拡大リスク。
  • NTT東西等プロバイダー向け卸モデルの契約・料金動向の変化。
  • 2026年1月31日に予定されているADSLサービス終了に伴う移行コスト。
  • 教育市場の統廃合や大学の予算動向によるmanabaの新規獲得減少リスク。
    為替や地政学リスクについては、同社の主要事業が国内市場に特化しているため、直接的な影響は小さいと考えられますが、グローバル経済の動向が間接的に国内消費動向や企業投資に影響を与える可能性はあります。

12. バリュエーション分析

  • 業種平均PER/PBRとの比較
  • 朝日ネット PER(予想): 11.09倍
  • 業界平均PER: 23.2倍
  • 朝日ネット PBR(実績): 1.42倍
  • 業界平均PBR: 2.3倍
    PER、PBRともに業界平均を大きく下回っており、現在の株価は割安と判断できます。
  • 目標株価レンジの算出(業界平均倍率適用)
  • PER基準目標株価: 63.41円 (EPS) × 23.2倍 (業界平均PER) = 1,470円
  • PBR基準目標株価: 496.78円 (BPS) × 2.3倍 (業界平均PBR) = 1,143円
    目標株価レンジは1,143円~1,470円と算出されます。
  • 割安・割高の総合判断
    現在の株価703.0円は、各種指標と業界平均を比較した場合、割安な水準にあると総合的に判断できます。

13. 市場センチメント分析

  • 信用取引の状況(信用買残、信用倍率、需給バランス)
  • 信用買残: 54,100株(前週比 +2,800株)
  • 信用売残: 2,700株(前週比 +500株)
  • 信用倍率: 20.04倍
    信用買残が信用売残を大幅に上回っており、信用倍率も20倍を超えています。これは、将来の株価上昇を期待する買い方が多い状況を示しており、需給面では将来的な株価上昇時の売り圧力が存在する可能性があります。
  • 株主構成(経営陣持株比率、安定株主の状況)
  • 自社(自己株口): 19.02%
  • 日本マスタートラスト信託銀行(信託口): 9.15%
  • 朝日新聞社: 6.93%
  • (株)IWASAKI: 5.28%
  • 光通信KK投資事業有限責任組合: 3.78%
    上位株主には金融機関の信託口や事業会社、個人が名を連ねています。自己株式比率も高く、安定した株主構成と考えられます。経営陣の直接の持株比率は記載がないため不明ですが、主要株主が上位を占めています。
  • 大株主の動向
    大株主の具体的な最近の動向は提供データにはありません。

14. 株主還元と配当方針

  • 配当利回りや配当性向の分析
  • 配当利回り(会社予想): 3.56%
  • 1株配当(会社予想): 25.00円
  • 配当性向(予想): 約40.5% (25.00円 / 61.79円(通期予想EPS))
    配当利回り3.56%は、現在の低金利環境下では魅力的な水準です。配当性向も約40.5%と安定した水準であり、利益の一定割合を株主に還元する姿勢が見られます。
  • 自社株買いなどの株主還元策
    2026年3月期中間期において、自己株式を1,000,000株取得する株主還元策を実施しています。これにより発行済株式数が減少し、1株当たりの価値向上に寄与する可能性があります。
  • 株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策
    中間期において、譲渡制限付株式報酬として自己株式66,000株を処分しています。これは役職員へのインセンティブ施策として機能していると考えられます。

15. 最近のトピックスと材料

  • 適時開示情報の分析(大型受注、新製品、拠点展開等)
  • 2026年3月期 第2四半期決算短信:
  • 売上高は増加基調(FTTH契約増、VNEトラフィック増)。
  • 営業利益は前年同期比で減少(基幹システム更改に伴う減価償却費・業務委託費増加、販促費用増)。これは、中長期的な競争力強化のための先行投資と位置付けられています。
  • 自己株式の取得(1,000,000株)と、譲渡制限付株式報酬としての自己株式処分(66,000株)を実施しました。
  • 増配(中間配当12.50円、前年12.00円)。通期予想配当25.00円(前年24.50円)。
  • これらが業績に与える影響の評価
    売上増加は既存事業の堅調さと市場トレンドへの適応力を示していますが、利益の一時的な減少は投資期間中の特徴です。この投資が将来的に効率化や新サービスの収益貢献につながれば、中長期的な業績向上に繋がる可能性があります。自己株式取得は1株当たり利益を押し上げる要因となります。増配は株主還元への積極的な姿勢を示すものです。

16. 総評

株式会社朝日ネットは、ISP事業を主軸とする情報通信企業であり、安定したサブスクリプション型ビジネスモデルが強みです。
強み(Strengths):

  • 強固な財務基盤: 自己資本比率88.5%、流動比率6.20倍と極めて高い水準で、財務盤石。
  • 安定した収益モデル: ISP事業、VNE事業、教育支援サービスなど、ストック型収益が中心であり、景気変動に強い。
  • VNE事業の成長性: IPv6接続サービス「v6 Connect」は、インターネットトラフィック増加を背景に高い成長率を示しています。
  • 積極的な株主還元: 増配傾向に加え、自己株式取得も実施しています。
  • 高い利益の質: 営業キャッシュフローが純利益を大きく上回り、実質的なキャッシュ創出能力が高いです。
  • 低ベータ値: 市場変動に強く、比較的安定的な株価推移が期待できます。

弱み(Weaknesses):

  • 利益成長の一時的な減速: 基幹システム更改やmanabaの大規模開発といった先行投資により、直近の利益は一時的に減少傾向にあります。
  • manaba事業の課題: 契約ID数・導入校数の減少が見られ、教育市場での競争激化やニーズ変化への対応が求められます。
  • 市場認知度: 独立系ISPであるため、大手通信事業者と比較してブランド力や広告宣伝力で劣る可能性があります。

機会(Opportunities):

  • FTTH、IPv6需要の拡大: 国内の光回線普及や、トラフィック増加に伴うIPv6接続の需要は今後も継続すると見込まれます。
  • 教育DXの進展: 大学のオンライン教育への移行やデジタル化推進は、manabaのようなLMSにとって新たな需要創出の機会となり得ます。
  • システム投資による効率化: 基幹システム更改が完了すれば、長期的なコスト削減とサービス品質向上に繋がる可能性があります。

脅威(Threats):

  • ISP業界の競争激化: 大手通信事業者による統合サービスや低価格化攻勢により、顧客獲得競争は依然として厳しいです。
  • 回線仕入コストの変動: VNE事業の拡大は、回線仕入費用増加につながる可能性があり、収益性を圧迫するリスクがあります。
  • ADSL終了に伴う移行リスク: 既存ADSL契約者のFTTHへの円滑な移行が課題となります。

投資判断の参考となるポイント:

  • 財務の安全性は極めて高く、安定配当も期待できるため、ディフェンシブな長期投資に適している可能性があります。
  • 現在の株価は業界平均と比較して割安であり、バリュエーション面での魅力があります。
  • 直近の利益減少は先行投資によるもので、この投資が中長期的な成長にどう結びつくかが今後の注目点です。 manabaの大規模開発による競争力回復や、基幹システム更改後のコスト削減効果を注視する必要があります。
  • テクニカル分析では直近株価が移動平均線を全て上回っており、上昇トレンドを示唆する兆候が見られます。

17. 企業スコア

  • 成長性: B (売上は緩やかに成長しているが、manaba事業の課題や先行投資による短期的な利益減少が見られるため。)
  • 収益性: A (ROE 10.0%、ROA 9.72%とベンチマークを上回るが、粗利率の低下や直近の営業利益減を考慮。)
  • 財務健全性: S (自己資本比率88.5%と極めて高く、流動比率も非常に優れるため。)
  • 株価バリュエーション: S (PER 11.09倍、PBR 1.42倍と業界平均PER 23.2倍、PBR 2.3倍と比較して大幅に割安であるため。)

企業情報

銘柄コード 3834
企業名 朝日ネット
URL http://asahi-net.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 703円
EPS(1株利益) 63.41円
年間配当 3.56円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 6.0% 12.8倍 1,083円 9.4%
標準 4.6% 11.1倍 882円 5.1%
悲観 2.8% 9.4倍 685円 0.0%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 703円

目標年率 理論株価 判定
15% 448円 △ 57%割高
10% 560円 △ 26%割高
5% 707円 ○ 1%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.6)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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