2025年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
エグゼクティブサマリー
- 業績の方向性:増収ではないが増益(売上減少・営業増益)。特に半導体関連事業の回復・大型案件寄与で収益性は改善。一方で金属素形材事業で売上大幅減・セグメント損失に転落。
- 注目すべき変化:半導体関連事業が売上1,868百万円(前年同期比+213.6%)、セグメント営業利益506百万円(+349.3%)と急拡大。対照的に金属素形材事業は売上18,535百万円(▲16.7%)、営業損失56百万円(前年は営業利益198百万円)に悪化。タイ工場閉鎖と受注減が主因。
- 今後の見通し:通期業績予想(通期売上56,700百万円、営業利益1,700百万円、当期純利益1,200百万円)は第3四半期累計の進捗率が高く(売上進捗73.7%、営業利益進捗82.8%、親会社株主純利益進捗97.7%)達成可能性は高いが、金属事業のボリューム回復が鍵。会社は2024年11月に公表した予想を修正している(2025/2/12公表のリリース参照)。
- 投資家への示唆:短期は半導体関連事業の回復と産業機械の収益改善がポジティブ。懸念は金属素形材事業の受注低迷と工場閉鎖影響の継続、ならびに為替・原材料等マクロ要因。決算では「収益構造の転換(収益力重視)」を掲げており、その進捗を注視する必要あり。
基本情報
- 企業名:株式会社北川鉄工所
- 上場コード/取引所:6317/東証
- URL:https://www.kiw.co.jp/
- 主要事業分野(概要):工作機械(工作機器事業)、産業機械(荷役機械・立体駐車場等)、金属素形材(鋳造等)、半導体関連(装置・消耗品・受託加工)
- 代表者名:代表取締役社長執行役員 岡野 帝男
- 問合せ先:執行役員 経理部長 三好 桂司(TEL 0847-45-4560)
- 報告概要:
- 提出日:2025年2月12日
- 対象会計期間:2025年3月期 第3四半期累計(2024年4月1日~2024年12月31日)
- セグメント(報告セグメント、概要)
- キタガワ グローバル ハンド カンパニー(工作機器事業)
- キタガワ サン テック カンパニー(産業機械事業)
- キタガワ マテリアル テクノロジー カンパニー(金属素形材事業)
- 半導体関連事業(半導体関連の装置・消耗品・受託加工)※中間期より独立セグメント化
- 発行済株式:
- 期末発行済株式数(自己株含む):9,650,803株
- 期末自己株式数:411,167株
- 期中平均株式数(第3四半期累計):9,235,627株
- 時価総額:–(資料に記載なし)
- 今後の予定:
- IRイベント:決算説明会の開催は無(本短信記載)
決算サプライズ分析
- 予想 vs 実績(第3四半期累計 vs 通期会社予想に対する進捗率)
- 売上高:41,784百万円。通期予想56,700百万円に対する進捗率 73.7%(進捗高め)
- 営業利益:1,407百万円。通期予想1,700百万円に対する進捗率 82.8%(進捗高め)
- 親会社株主に帰属する当期純利益:1,172百万円。通期予想1,200百万円に対する進捗率 97.7%(ほぼ到達)
- サプライズの要因:
- 上振れ要因:半導体関連事業の大型案件計上と収益性向上、産業機械事業での価格転嫁・施工管理徹底により営業利益改善。
- 下振れ要因:金属素形材事業でのタイ工場閉鎖や受注減、工作機器の国内需要低迷・納期延伸で売上減。
- 通期への影響:第3四半期時点の進捗は高く通期予想達成の可能性は高い。ただし、金属事業の回復が遅れる場合は売上達成がリスクとなるため注視が必要。会社は通期予想を修正している(詳細は「連結業績予想の修正に関するお知らせ」参照)。
財務指標
- 要点(第3四半期累計、単位:百万円)
- 売上高:41,784(前年同期45,789、前年同期比▲8.7%、減少)
- 売上総利益:6,646(前年6,123、+8.6%)
- 営業利益:1,407(前年1,204、+16.9%)
- 経常利益:1,985(前年1,834、+8.3%)
- 親会社株主に帰属する四半期純利益:1,172(前年1,427、▲17.8%)
- 1株当たり四半期純利益(累計):126.96円(前年154.60円、▲)
- 利益率・指標
- 営業利益率:1,407 / 41,784 = 3.37%(前年 1,204 / 45,789 = 2.63%)→ 収益性改善(良い)
- 経常利益率:1,985 / 41,784 = 4.75%(前年 4.01%)
- 純利益率:1,172 / 41,784 = 2.81%(前年 3.12%)→ 純利益は減少(税負担等の影響)
- 財政状態(第3四半期末:2024/12/31)
- 総資産:79,976百万円(前期末80,142百万円、ほぼ横ばい)
- 純資産:39,920百万円(前期末40,031百万円、ほぼ横ばい)
- 自己資本(四半期末):39,915百万円、自己資本比率49.9%(安定水準:40%以上)
- 流動資産:41,389百万円、流動負債:23,275百万円、流動比率=41,389/23,275 = 約177.9%(良好)
- 有利子負債(短期借入 5,208 + 長期借入 9,590)= 14,798百万円、現金及び預金11,103百万円 → 単純なネット有利子負債 ≒ 3,695百万円
- 効率性
- 総資産回転率(累計売上/総資産):41,784 / 79,976 = 0.522(前年 45,789/80,142 = 0.572)
- ROA(簡易)=当期純利益 / 総資産 = 1,172 / 79,976 = 約1.46%(低め)
- ROE(簡易)=当期純利益 / 自己資本 = 1,172 / 39,915 = 約2.94%(低め)
- セグメント別(第3四半期累計、単位:百万円、前年との差は本文注記通り)
- キタガワ グローバル ハンド:売上6,494(▲6.6%)、セグメント利益369(▲36.4%)
- キタガワ サン テック:売上14,303(▲7.8%)、セグメント利益1,114(+19.4%)
- キタガワ マテリアル テクノロジー:売上18,535(▲16.7%)、セグメント損失56(前年は利益198)
- 半導体関連事業:売上1,868(+213.6%)、セグメント利益506(+349.3%)
- 財務の解説:
- 売上はタイ工場閉鎖や一部売上の来期以降への繰延等で減少。ただし売上総利益は増加しており、コスト低減・価格転嫁・高付加価値案件の寄与で営業利益は改善。自己資本比率約50%と財務基盤は安定。短期借入金の増加と長期借入増加が見られるが、現金残高も確保されている。
配当
- 配当実績・予想(表示は円)
- 中間配当(第2四半期末):25.00(2025年3月期予想)
- 期末配当(予想):25.00
- 年間配当予想:50.00(前期実績 40.00)
- 直近公表の配当予想からの修正:無し(※ただし業績予想自体は修正あり)
- 配当性向(目安)
- 通期会社予想の1株当たり当期純利益129.93円に対し年間配当50円 → 配当性向(概算)=50 / 129.93 ≒ 38.5%(中程度〜やや高め。株主還元重視の水準)
- 配当利回り:–(株価情報が資料にないため算出不可)
- 特別配当:無し
- 自社株買い等:記載なし(–)
セグメント別情報(詳細)
- キタガワ グローバル ハンド(工作機器)
- 売上:6,494百万円(前年▲6.6%)、セグメント利益369百万円(▲36.4%)
- コメント:海外(インド等)は好調も、国内自動車関連の設備投資減速で影響。利益率低下。
- キタガワ サン テック(産業機械)
- 売上:14,303百万円(▲7.8%、一部売上来期繰延有り)、セグメント利益1,114百万円(+19.4%)
- コメント:荷役機械の一部売上が来期以降に延期されたが、原価転嫁や施工管理で収益確保。
- キタガワ マテリアル テクノロジー(金属素形材)
- 売上:18,535百万円(▲16.7%)、セグメント損失56百万円(前年は営業利益198百万円)
- コメント:タイ工場閉鎖による売上減と受注量減が大きく影響。コスト改善は進むが量の回復が課題。
- 半導体関連事業
- 売上:1,868百万円(+213.6%)、セグメント利益506百万円(+349.3%)
- コメント:HDD装置の大型案件計上、消耗品・受託加工が順調で高収益を寄与。中間期から独立セグメント化し成長フェーズ。
- セグメント戦略:中期経営計画(2027)・長期(Plus Decade 2031)で「収益力改善・資本効率化」を掲げ、量より利益重視へのシフトを図る。半導体関連の拡大が収益の柱へ寄与しつつ、金属事業の構造転換が今後の焦点。
中長期計画との整合性
- 中期経営計画:中期経営計画2027を策定。長期計画「Plus Decade 2031」に基づき「世界基準の成長」を目標とする旨を表明。
- 進捗状況:第3四半期時点で営業利益は前年より改善しており、収益構造転換の初期効果(半導体関連や産業機械の収益改善)が見える。一方で金属素形材事業の受注低下は計画達成のリスク要因で、数量回復/コスト削減の両面で追加施策が必要。
- KPI達成状況:資料に明確KPI値の詳細は記載なし(KPI進捗は–)。
競合状況や市場動向
- 市場動向(資料記載の概況)
- 世界経済は中国低迷や地政学リスク等で不透明だが、米国個人消費等で緩やかに回復基調。日本国内は物価高止まり等で先行き不透明。
- 工作機械:全体需要は弱含み。EV関連は底堅いが国内自動車投資の減速が影響。
- 金属素形材(自動車・農建機向け):市場は弱含み、特に欧米住宅着工低下や中国需要低下の影響。
- 半導体:在庫調整局面が終了し持ち直し。
- 競合比較:本資料に同業他社比較はなし(–)。相対的には半導体関連で急回復している点が差別化要素。ただし金属素形材の市場環境は同業での競争が厳しいと想定される。
今後の見通し
- 業績予想:
- 通期(2025年3月期)会社予想(修正後):売上56,700百万円(▲7.9%)、営業利益1,700百万円(+1.2%)、経常利益2,200百万円(▲8.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,200百万円(▲5.3%)、1株当たり当期純利益129.93円
- 予想修正:あり(2024/11/08公表分を修正。詳細は別お知らせ参照)
- 会社予想の前提条件:添付資料に具体前提あり(為替・原材料等は別紙参照)→本短信本文に要旨記載だが詳細は添付参照
- 予想の信頼性:第3四半期累計の進捗は高く、通期達成の見込みは比較的堅い。ただし金属素形材事業の売上回復が不確定要素。
- リスク要因:自動車向け需要急減、工場閉鎖影響の長期化、為替変動、原材料価格上昇、受注の延期・キャンセル、地政学リスク等。
重要な注記
- 会計方針の変更:法人税等に関する会計基準改正(2022年改正会計基準)を第1四半期会計期間の期首から適用。四半期財務諸表への影響は無し。
- 四半期レビュー:四半期連結財務諸表に対する監査法人によるレビューは無。
- 四半期連結キャッシュ・フロー計算書:当第3四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成していない(注記あり)。
- その他:中間連結会計期間より「半導体関連事業」を報告セグメントとして独立表示。のれん償却額増(前年22→当期66百万円)。
(注)
- 数値は原資料のまま記載。必要な項目で資料に記載のないものは「–」としています。
- 本要約は提供資料に基づく情報整理であり、投資助言ではありません。
上記の内容は、AIによる自動要約に基づいて作成されたものであり、正確性や網羅性について保証するものではありません。内容の解釈や利用に際しては、必ず公式の決算短信 をご参照ください。信頼性を確保するよう努めていますが、情報の完全性についてはご自身での確認をお願い致します。
企業情報
| 銘柄コード | 6317 |
| 企業名 | 北川鉄工所 |
| URL | http://www.kiw.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.5)」によって自動生成されました。
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