以下はセントケア・ホールディング株式会社(証券コード: 2374)の企業分析レポートです。
1. 企業情報
- 事業内容などのわかりやすい説明
セントケア・ホールディングは、日本で介護サービスを幅広く提供する企業です。「訪問介護事業」を主体とし、訪問入浴、訪問看護、定期巡回といった在宅サービスから、デイサービス、ショートステイ、小規模多機能型居宅介護などの施設サービスまで多岐にわたります。認知症対応型共同生活介護(グループホーム)や特定施設入居者生活介護(有料老人ホームなど)も運営しています。
また、介護従事者の人材派遣・アウトソーシング、介護保険請求ASPシステム販売、介護ロボット関連事業、住まいのリフォームなどの「その他」事業も手掛けています。グループ連結の事業は介護サービスが98%、その他が2%を占めています(2025年3月期実績)。 - 主力製品・サービスの特徴
同社の主力は「介護サービス事業」で、特に訪問介護や訪問看護といった在宅系のサービスに強みを持っています。利用者の住み慣れた地域での生活を支えるため、「小規模多機能型居宅介護」や「看護小規模多機能型居宅介護」などの地域密着型サービスにも注力しています。これらのサービスは、多岐にわたる在宅ニーズに対応し、包括的なケアを提供することで、地域社会における高齢者の生活支援を推進しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内での競争優位性や課題について
セントケア・ホールディングは、超高齢社会を背景に需要が拡大し続ける介護サービス業界において、全国に約550以上の拠点を展開し(2025年9月中間期時点、連結子会社含む)、地域密着型の「コミュニティNo.1戦略」を掲げる大手の一角です。訪問系から施設系まで幅広いサービスラインナップを持つ点が強みであり、多様なニーズに応えられる総合力が競争優位性となっています。
一方で、業界共通の課題として、介護報酬制度に依存する事業構造のため、収益性が政策変動に左右されやすい点が挙げられます。また、介護人材の恒常的な不足は深刻であり、採用コストの増加や人件費の上昇が経営を圧迫するリスクがあります。 - 市場動向と企業の対応状況
日本の介護市場は、高齢化の進展により中長期的な成長が見込まれます。しかし、介護報酬改定による収益性の抑制、人材不足の深刻化、ICT化による業務効率改善の必要性といった課題に直面しています。
同社は、これらの市場動向に対し、M&Aによる拠点拡大で事業規模を強化し、既存拠点の稼働率改善に努めています。また、ICT基盤の刷新(請求システムや現場スマホ導入)を進めることで、業務効率化と生産性向上を図り、経営体質の強化と人材定着を目指しています。ただし、これらのICT投資は短期的な費用増加を伴うため、収益への影響も考慮する必要があります。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営陣が掲げるビジョンや戦略
経営陣は、地域に根差した「コミュニティNo.1戦略」を掲げ、地域ごとのニーズに即した質の高い介護サービスの提供を目指しています。具体的な戦略としては、M&Aを含む拠点数の拡大、訪問介護・看護サービスの強化による在宅ニーズへの対応強化、そしてICT活用による業務効率化と生産性向上を通じた経営基盤の強化を推進しています。 - 中期経営計画の具体的な施策や重点分野
決算短信からは具体的な中期経営計画の数値目標は読み取れませんが、デジタルシフト(基幹業務システム刷新など)を本格的に着手していることが明らかになっています。これは、中長期的な生産性改善と効率化を目指すものであり、先行投資費用が発生するものの、持続可能な事業モデルを構築するための重要な施策と位置付けられています。 - 新製品・新サービスの展開状況(決算短信参照)
決算短信からは、個別の新製品・新サービスの具体的な展開状況についての詳細な記載はありません。しかし、ICT化推進の一環として、請求システム刷新や現場職員へのスマートフォン・タブレット配布による情報共有・業務効率化を進めており、これらが間接的にサービス品質向上や提供体制の強化に繋がると考えられます。介護ロボット関連事業も「その他」セグメントに含まれており、今後の成長可能性も示唆されます。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデルや市場ニーズの変化への適応力
同社の収益モデルは、介護保険法に基づく介護保険報酬が主な源泉であり、利用者の自己負担分と合わせる形でサービスを提供しています。これは安定的な需要が見込める反面、保険報酬の改定リスクに晒されます。超高齢社会の進展により在宅介護のニーズは高まっており、同社が訪問系サービスを主力としている点は市場ニーズに合致しています。また、M&AやICT化による効率改善を通じて、市場変化への適応を図っています。
ただし、MBOにより上場廃止となる可能性があり、上場企業としての事業展開のあり方が大きく変わる可能性があります。 - 売上計上時期の偏りとその影響
提供されたデータからは、売上計上時期に特段の大きな偏りがあるとは読み取れません。介護サービスは継続的に提供される性質上、比較的安定した売上計上が見込まれます。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向や独自性
提供情報では、特定の画期的な技術開発に関する記述は少ないものの、ICT基盤刷新によるデジタル化を「中長期計画における重点施策」としています。請求システムの刷新や現場職員へのスマートフォン・タブレット配布は、業務効率アップと情報共有の迅速化、そして質の高いサービス提供に寄与するものです。介護ロボット関連事業も手掛けており、将来的な技術導入の可能性も示唆されます。 - 収益を牽引している製品やサービス
収益を牽引しているのは「介護サービス事業」全体、特に訪問介護や訪問看護といった訪問系のサービスと、M&Aで取得した拠点を含む施設系のサービスです。これらが全体の売上高の98%を占め、増収増益の主要因となっています。ICT化による生産性向上も、将来的に収益貢献が期待されます。
6. 株価の評価
- EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較
- 現在の株価: 1,208.0円
- EPS(会社予想 2026/3期): 54.21円
- BPS(実績 2025/3期): 694.96円 (最新四半期BPS 698.20円)
- PER(会社予想): 22.28倍 (1,208.0円 ÷ 54.21円)
- PBR(実績): 1.73倍 (1,208.0円 ÷ 698.20円)
現在の株価は、MBO発表の影響を強く受けている可能性があり、通常の業績に基づく評価とは異なる視点が必要です。
- 業界平均PER/PBRとの比較
- 業界平均PER: 17.0倍
- 業界平均PBR: 1.8倍
同社の予想PER 22.28倍は業界平均PER 17.0倍と比較して高めです。
同社の実績PBR 1.73倍は業界平均PBR 1.8倍と比較してやや低めです。PERは業界平均より割高感があり、PBRは業界平均と同水準かやや割安感があるとも言えます。ただし、MBOの公開買付け価格との比較が現状では最も重要です。
7. テクニカル分析
- 直近の株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か
現在の株価1,208.0円は、年初来高値1,219円に非常に近く、52週高値1,219円に対しても97.9%の位置にあり、高値圏にあります。これは、MBOによる公開買付け価格へのサヤ寄せが進行している可能性があります。 - 年初来高値・安値との位置関係
- 年初来高値: 1,219円
- 年初来安値: 687円
現在の株価1,208.0円は、年初来高値(1,219円)に近く、年初来安値(687円)からは大きく上昇した位置にあります。
- 出来高・売買代金から見る市場関心度
直近10日間の出来高は3万~25万株程度、売買代金は3千万円~3億円台と、時価総額302億円のプライム市場銘柄としてはやや流動性が低い水準と言えます。しかし、MBO発表後には市場の関心が高まり、出来高が増加する可能性もあります。 - 長期トレンド分析
- 1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年の株価リターンを評価
- 1ヶ月リターン: -0.66% (微減)
- 3ヶ月リターン: +48.77% (大幅上昇)
- 6ヶ月リターン: +57.50% (大幅上昇)
- 1年リターン: +65.93% (大幅上昇)
短期(1ヶ月)では微減ですが、中長期(3ヶ月、6ヶ月、1年)では株価は非常に好調な上昇トレンドにあります。
- 日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス(上回る/下回る)
- 日経平均比:
- 1ヶ月: 2.76%ポイント下回る
- 3ヶ月: 37.01%ポイント上回る
- 6ヶ月: 30.33%ポイント上回る
- 1年: 38.05%ポイント上回る
- TOPIX比:
- 1ヶ月: 2.77%ポイント下回る
短期では市場平均を下回っていますが、中長期では日経平均を大きく上回るパフォーマンスを示しています。
- 1ヶ月: 2.77%ポイント下回る
- 日経平均比:
- 移動平均線(5日、25日、75日、200日)との位置関係(上回り/下回り)
- 現在株価1,208.0円
- 5日MA: 1,209.20円(現在株価は下回り 0.10%)
- 25日MA: 1,214.84円(現在株価は下回り 0.56%)
- 75日MA: 1,012.97円(現在株価は上回り 19.25%)
- 200日MA: 859.57円(現在株価は上回り 40.54%)
短期移動平均線(5日、25日)は株価の上に位置しており、短期的な調整局面にあると見られます。しかし、中長期移動平均線(75日、200日)は大きく下回っており、依然として長期的な上昇トレンドが継続していることを示唆しています。
- サポート・レジスタンスレベルと現在株価の位置
- 1ヶ月レンジ: 1,208.00円 (サポート水準) – 1,219.00円 (レジスタンス水準)
- 3ヶ月レンジ: 787.00円 – 1,219.00円
現在の株価1,208.0円は、1ヶ月レンジの安値圏(サポートレベル)に位置しており、直近の高値圏での調整局面であることが示唆されます。短期のレジスタンスは1,219円付近、サポートは1,208円付近と考えられます。
- ゴールデンクロス/デッドクロスのシグナル確認
データからはゴールデンクロス/デッドクロスに関する直接的なシグナルは提供されていませんが、株価が長期移動平均線を大きく上回っていることから、過去にゴールデンクロスが発生し、強い上昇トレンドを形成している可能性が高いです。
- 1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年の株価リターンを評価
8. 財務諸表分析
- 売上、利益、ROE、ROAなどの指標を評価
- 売上高: 2022年3月期から継続的に増加傾向にあり、2025年3月期は56,298百万円、過去12か月では57,227百万円と堅調な成長を示しています。
- 営業利益: 2024年3月期に3,034百万円と過去最高を更新しましたが、2025年3月期は2,429百万円と減少(ただし、直近12か月では2,430百万円とほぼ横ばい)。2026年3月期予想では更に減少見込み(2,061百万円)。これはICT投資費用などの先行投資が影響している可能性があります。
- 純利益 (Net Income Common Stockholders): 2024年3月期に2,005百万円を計上しましたが、2025年3月期は1,487百万円に減少(直近12か月では1,740百万円)。2026年3月期予想も減少見込み(1,336百万円)。
- ROE (実績、過去12か月): 10.42% (2025年3月期実績 9.07%)。健全な水準にあります。
- ROA (実績、過去12か月): 5.02%。健全な水準にあります。
- 過去数年分の傾向を比較
売上高は一貫して成長しており、安定的な事業拡大が見られます。利益面では、2024年3月期をピークに、2025年3月期、そして2026年3月期予想にかけては営業利益・純利益ともに減益トレンドにあります。これは主に先行投資(ICT基盤刷新など)や人件費増加が要因と考えられます。ROEとROAは高い水準を維持しており、資本効率は良好です。 - 四半期決算の進捗状況(通期予想との比較)
2026年3月期 第2四半期(中間期)の実績は、会社通期予想に対し以下の進捗です。- 売上高:49.4%(若干下回る)
- 営業利益:62.5%(進捗良好)
- 親会社株主に帰属する中間純利益:79.5%(進捗良好、特別利益が寄与)
売上高はやや遅れ気味ですが、営業利益・純利益は中間期で通期予想の半分を大きく上回る進捗を示しています。特に純利益は関係会社株式売却益260百万円の計上が大きく寄与しています。会社は通期予想を据え置いていますが、これは下期にICT関連費用増加を見込んでいるためと説明しています。
9. 財務健全性分析
- 自己資本比率、流動比率、負債比率の評価
- 自己資本比率(実績、直近四半期): 56.0% (2025年3月期実績 55.1%)。非常に高く、財務健全性が高いことを示します。
- 流動比率(直近四半期): 2.35 (235%)。短期的な支払能力を示す指標であり、200%以上は非常に良好な水準とされ、短期的な資金繰りに問題はないと言えます。
- 負債比率 (Total Debt/Equity、直近四半期): 24.23%。自己資本に対する負債の割合が低く、財務的な安定性が高いことを示しています。
- 財務安全性と資金繰りの状況
自己資本比率が50%を超え、流動比率も200%を大きく上回っていることから、財務安全性は非常に高いと評価できます。手元現金も67.8億円と潤沢であり、安定した資金繰り状況を維持しています。 - 借入金の動向と金利負担
総負債は直近四半期で41.7億円です。提供データにある損益計算書では、支払利息純額が年間1億円前後で推移しており、総売上高や利益と比較しても金利負担は経営を圧迫する水準ではありません。長期借入金は8.9億円と前期より減少しており、負債を適切に管理している状況が見て取れます。
10. 収益性分析
- ROE、ROA、各種利益率の評価
- ROE(過去12か月): 10.42%
- ROA(過去12か月): 5.02%
- 粗利率(過去12か月): 12.01%
- 営業利益率(過去12か月): 4.26%
- 純利益率(過去12か月): 3.04%
- 一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%等)との比較
ROE 10.42%は、一般的なベンチマークである10%を上回っており、株主資本を効率的に活用して利益を生み出していると言えます。
ROA 5.02%も、一般的なベンチマークである5%を上回っており、総資産を効率的に活用していると評価できます。 - 収益性の推移と改善余地
売上高は堅調に伸びているものの、営業利益率と純利益率は、過去数年間で若干の変動が見られます。特に2025年3月期は利益率が低下しました。これは、人件費上昇やICT投資といったコスト増が影響していると考えられます。今後は、ICT化による業務効率化が進むにつれて、生産性向上による利益率改善の余地があると考えられますが、介護報酬改定リスクと人件費上昇は常に収益性を圧迫する要因となります。 - 利益の質分析
- 営業キャッシュフローと純利益の比較(OCF/純利益比率)
- 営業キャッシュフロー(過去12か月):2,430百万円
- 純利益(過去12か月):1,740百万円
- OCF/純利益比率:1.40
- アクルーアルズ比率による利益の質評価
OCF/純利益比率が1.0を大きく上回っており、営業活動によるキャッシュフローが純利益を大幅に上回っています。これは、利益が現金としてしっかりと稼ぎ出されていることを示しており、利益の質は非常に高いと評価できます。 - キャッシュフローが利益を上回るか(1.0以上が健全)
比率1.40は1.0を大きく上回っており、非常に健全な状況です。
- 営業キャッシュフローと純利益の比較(OCF/純利益比率)
11. 市場リスク評価
- ベータ値による市場感応度の評価
- ベータ値(5Y Monthly):0.18
ベータ値が0.18と非常に低く、市場全体の変動(S&P 500等の動き)に対する株価の感応度が低いことを示しています。これは、市場全体が上昇する局面ではリターンが小さい可能性がある一方、市場が下落する局面でも価格変動が比較的穏やかであることを意味し、景気変動の影響を受けにくいディフェンシブな特性を持つと考えられます。
- ベータ値(5Y Monthly):0.18
- 52週高値・安値のレンジと現在位置
- 52週高値:1,219.00円
- 52週安値:687.00円
- 現在株価:1,208.0円
現在株価は52週高値に極めて近い位置(97.9%)にあり、高値圏に位置しています。これはMBOによる公開買付け価格へのサヤ寄せの動きが影響している可能性が高いです。
- 決算短信に記載のリスク要因(外部環境、為替、地政学等)
決算短信に記載された主なリスク要因は以下の通りです。- MBO(公開買付け)およびそれに伴う上場廃止・株主還元政策の変更: 最も重要なリスク要因であり、株主としては公開買付けの行方と、その後の非上場化(上場廃止)による株主対応の変化が直接的な影響を及ぼします。
- 人材確保・離職率、賃金上昇によるコスト増: 介護業界全体の人手不足と人件費上昇圧力は継続的なリスク。
- 保険報酬改定や制度変更: 介護保険制度に依存する事業であるため、国による介護報酬の改定や制度変更は収益に直接的な影響を及ぼします。
- ICT刷新の遅延や追加費用: 現在進行中のICT投資が計画通りに進まない場合、コスト超過や期待される効果が得られないリスクがあります。
- マクロ要因(インフレ、景気変動): 人件費や運営コストへのインフレ影響、あるいは景気変動による事業環境の変化も潜在的なリスクです。
12. バリュエーション分析
- 業種平均PER/PBRとの比較
- 同社PER(予想): 22.28倍
- 同社PBR(実績): 1.73倍
- 業界平均PER: 17.0倍
- 業界平均PBR: 1.8倍
同社のPER 22.28倍は業界平均17.0倍と比較して高めにあり、割高感があります。
同社のPBR 1.73倍は業界平均1.8倍と比較してやや低く、割安感があるとも言えます。
- 目標株価レンジの算出(業界平均倍率適用)
- EPS(会社予想 2026/3期): 54.21円
- BPS(実績 直近四半期): 698.20円
- 業界平均PER基準の目標株価: 54.21円 × 17.0倍 = 921.57円
- 業界平均PBR基準の目標株価: 698.20円 × 1.8倍 = 1,256.76円
この目標株価レンジは921.57円~1,256.76円となります。
- 割安・割高の総合判断
現在の株価1,208.0円は、業界平均PER基準では割高ですが、業界平均PBR基準では目標株価レンジに入っています。しかし、最も重要なのはMBOの公開買付け価格と現在の株価の乖離です。現在の株価が年初来高値圏にあることから、MBO価格に近い水準にある可能性が高いです。
13. 市場センチメント分析
- 信用取引の状況(信用買残、信用倍率、需給バランス)
- 信用買残: 8,000株
- 信用買残(前週比): +600株
- 信用売残: 100株
- 信用倍率: 80.00倍
信用買残は8,000株、信用売残は100株と非常に少ない状況です。信用倍率80.00倍は非常に高く、買い方が圧倒的に多い状況を示しています。これは、株価上昇への期待から信用買いが増加し、売却を待つ投資家が少ない需給状況を示唆しています。MBOによる株価の安定化(公開買付け価格への収斂)を期待する動きも背景にあるかもしれません。
- 株主構成(経営陣持株比率、安定株主の状況)
- 筆頭株主は村上企画(35.97%)、次いで村上美晴(11.27%)で、合計で約47%と非常に高い割合を占めています。これに続く日本マスタートラスト信託銀行(信託口)(6.81%)、自社従業員持株会(2.22%)なども安定株主と見なせます。
- インサイダー保有比率が87.81%と非常に高く、経営陣や関連株主による株式保有が非常に強いことが特徴です。残りの浮動株はかなり少ない状況です。
- 大株主の動向
大株主は創業者一族や資産管理会社が中心であり、MBOの公開買付けに関連して、これらの大株主の意向が今後の株価形成に大きく影響を及ぼします。公開買付者である株式会社Colorが、現在の株主(代表取締役社長 藤間 和敏氏等)と共同で設立された特別目的会社であることから、主要株主の意向がMBOに沿っていると考えられます。
14. 株主還元と配当方針
- 配当利回りや配当性向の分析
- 配当利回り(会社予想):0.00%
- 1株配当(会社予想):0.00円
- 配当性向(過去12か月): 42.89%
- 配当性向(2025年3月期): 49.7%
2026年3月期の配当予想は、中間決算短信において「期末配当を行わない」旨が発表されており、0.00円となっています。これはMBOの実施に伴うもので、公開買付けが成立することを条件とした変更です。したがって、MBO成立を前提とすれば、2026年3月期の配当利回りは0%となります。
- 自社株買いなどの株主還元策
決算短信や提供データからは、直近で大規模な自社株買いが発表されたという情報は確認できません。MBOにより上場廃止となる場合は、MBOの公開買付け自体が、特定価格での全株式買い取りという最大の株主還元策となります。 - 株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策
データなし
15. 最近のトピックスと材料
- 適時開示情報の分析(大型受注、新製品、拠点展開等)
2025年11月7日付の適時開示情報として、MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせが最も重要な材料です。これは、公開買付者である株式会社Color(経営陣が設立した特別目的会社)が、セントケア・ホールディングの株式および新株予約権を公開買付けにより取得し、最終的に非公開化(上場廃止)を目指すものです。 - これらが業績に与える影響の評価
MBOは、短期的な業績に直接的な影響を与えるものではありませんが、会社の経営構造や株主構成を大きく変えるため、企業価値評価の方向性を根本的に変える材料です。公開買付け価格によっては、既存株主は売却することで利益を確定できる可能性があります。一方、上場廃止となれば、今後市場で株式を売買することはできなくなります。
中間期決算(2026年3月期第2四半期)では、関係会社株式売却益260百万円が特別利益に計上され、中間純利益が大幅に増加しました。これは「その他」事業の子会社譲渡によるもので、事業構成の整理を進める動きと見られます。また、ICT基盤の刷新といった先行投資は、今後中長期的な生産性向上に寄与する見込みです。
16. 総評
セントケア・ホールディングは、超高齢社会の日本において、在宅から施設まで幅広い介護サービスを提供するリーディングカンパニーの一角です。堅調な売上成長を続けており、M&Aによる拠点拡大やICT化推進など、持続的な成長に向けた戦略を展開しています。財務健全性は非常に高く、ROE・ROAも良好な水準を維持しており、利益の質も優良です。
しかし、足元ではMBO(マネジメント・バイアウト)による上場廃止の可能性が最大の注目点であり、これにより株主還元策(配当金ゼロ、株主優待廃止)も大きく変更されています。株価はMBO価格へのサヤ寄せにより年初来高値圏で推移しており、業績指標に基づくバリュエーションとは異なる特殊な状況にあります。
- 投資判断の参考となるポイントの整理
- MBOの動向: MBOが成立するかどうか、そして公開買付け価格と現在の株価の乖離が最も重要な判断基準となります。投資家は、株式を公開買付けに応募するか、市場で売却するか、あるいは非上場化後も株式を保有し続けるか(少数株主となるリスクを許容するか)の選択を迫られます。
- 介護業界の将来性: 超高齢社会という構造的な変化により、介護サービス需要は高まる一方です。しかし、介護報酬制度への依存や人材確保難は継続的な課題です。
- 経営戦略の進捗: ICT化による生産性向上やM&Aを通じた事業拡大が、中長期的な収益力強化に繋がり、MBO後の成長戦略にも影響を与える可能性があります。
- 強み・弱み・機会・脅威の整理(SWOT分析)
- 強み (Strengths):
- 在宅から施設まで幅広い介護サービスを全国展開する総合力。
- 多数の拠点を活かした地域密着型「コミュニティNo.1戦略」。
- 非常に高い財務健全性(自己資本比率、流動比率、負債比率)。
- ROE、ROAが高水準であり、資本効率が良い。
- 堅調な売上成長実績。
- 営業キャッシュフローが純利益を大幅に上回る、利益の質の高さ。
- 弱み (Weaknesses):
- 介護報酬制度に収益性が大きく依存し、政策変動リスクがある。
- 介護人材不足に伴う採用費・人件費の増加圧力。
- ICT投資やM&Aに伴う短期的な利益率の変動。
- MBOにより上場廃止となる可能性があり、市場での流動性が失われる。
- 機会 (Opportunities):
- 超高齢社会の進行による介護サービス需要の構造的な拡大。
- ICT化による業務効率化、生産性向上、サービス品質向上の可能性。
- M&A等を通じたさらなる事業規模拡大とシェア獲得。
- 介護ロボット等の新技術導入によるサービス付加価値向上。
- 脅威 (Threats):
- MBOが不成立となるリスクや、公開買付け後の株主対応の不確実性。
- 介護報酬の厳格化や制度変更による収益性悪化。
- 競合他社との人材獲得競争の激化。
- 予期せぬ疫病蔓延などによる事業運営への影響。
- 強み (Strengths):
17. 企業スコア
- 成長性:A
売上高は過去数年にわたり堅調に成長しており、直近の四半期売上成長率も2.90%(前年比)とプラスを維持しています。M&Aによる拠点拡大やICT化による生産性向上の取り組みも見られ、中長期的な市場需要も高いため、成長性は高いと評価します。 - 収益性:A
粗利率12.01%、営業利益率4.26%は特段高い水準ではありませんが、ROE 10.42%(ベンチマーク10%クリア)、ROA 5.02%(ベンチマーク5%クリア)と自己資本や総資産を効率的に活用し、堅実な利益を上げていると評価できます。営業キャッシュフローが純利益を大幅に上回っており、利益の質も非常に良好です。 - 財務健全性:S
自己資本比率56.0%は非常に高く、財務健全性が極めて優れています(自己資本比率40%以上でS評価基準)。流動比率235%も高く、短期的な支払い能力も良好です。総負債/自己資本比率も24.23%と低く、借入金の負担も軽微であり、非常に安定した財務基盤を有しています。 - 株価バリュエーション:C
PER(予想)22.28倍は業界平均PER 17.0倍よりも高く、PBR(実績)1.73倍は業界平均PBR 1.8倍と同水準かやや低いものの、総合的には割高感があります。 MBOにより株価が公開買付け価格にサヤ寄せしている状況であり、現在の株価は割安とは判断しにくい水ためC評価とします。
企業情報
| 銘柄コード | 2374 |
| 企業名 | セントケア・ホールディング |
| URL | http://www.saint-care.com/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,208円 |
| EPS(1株利益) | 54.21円 |
| 年間配当 | 0.00円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 4.2% | 24.7倍 | 1,649円 | 6.4% |
| 標準 | 3.3% | 21.5倍 | 1,368円 | 2.5% |
| 悲観 | 2.0% | 18.3倍 | 1,091円 | -2.0% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,208円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 680円 | △ 78%割高 |
| 10% | 849円 | △ 42%割高 |
| 5% | 1,072円 | △ 13%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
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