1. 企業概要
りそなホールディングスは、りそな銀行、埼玉りそな銀行、関西みらい銀行、みなと銀行を傘下に持つ金融持株会社です。銀行・信託業務を中核として、個人および法人顧客に対し幅広い金融サービスを提供しています。特に、リテール分野(個人)と中小企業向け取引に強みを持つことが特徴です。
主力製品・サービスは多岐にわたります。個人向けには住宅ローン、資産運用コンサルティング、資産承継サービスを提供。法人向けには法人向けローン、信託資産運用、不動産関連業務、企業年金、資産承継サービスを展開しています。また、金融市場サービスとして、短期貸付、債券の売買、デリバティブ取引なども手掛けています。
収益モデルは、預金と貸出による金利収入が中心の典型的な銀行ビジネスです。預金はストック型、貸出金はストック型で、これらが主要な資金源および運用先となります。収益の柱としてB2C(個人向け)およびB2B(法人向け)の両方に対応しており、信託業務や市場取引はフロー型収益の一部を構成します。
技術的独自性や参入障壁としては、全国主要都市および広域圏に展開する店舗ネットワークと強固な顧客基盤が挙げられます。特に、旧大和・あさひ銀行を母体とする信託機能と地域に根差したリテールサービスに定評があり、グループ各行との連携によるシナジー創出も競争優位性となっています。
2. 業界ポジション
りそなホールディングスは、メガバンクに次ぐ大手金融グループの一角を担い、特にリテールバンキングおよび中小企業向け金融サービスにおいて存在感を示しています。推定市場シェアを示す明確なデータは提供されていませんが、「中小企業・個人に強み」という記述から、地域金融機関や一部の地方銀行セクター内での競争優位性が伺えます。
主要競合との差別化要因は、信託機能を兼ね備えたフルバンキングサービスを提供できる点です。また、傘下銀行群が異なる地域をカバーすることで、リスク分散と特定地域での深耕を両立させています。リテール分野では、資産運用コンサルティングや資産承継ビジネスにおいて、顔の見える関係を重視したソリューション営業で差別化を図っています。
市場動向としては、日本銀行のマイナス金利政策解除に伴う金利正常化が大きな変化点です。金利上昇は貸出金利収入の増加を通じて収益を押し上げる一方で、預金金利の上昇による資金調達コストの増加という課題も抱えています。同社は金利上昇局面において、貸出金利益の増加を最大限に取り込みつつ、預金コストの上昇を抑制する対応が求められています。直近の決算短信では、貸出金利息の大幅増が確認され、金利上昇の恩恵を受けていることが示されています。
【定量比較】
データなし(業界平均との財務指標比較は、5.株価分析および10.企業スコアでPER/PBRを中心に実施します)。
3. 経営戦略
経営陣のビジョンと中期経営計画に関する具体的な数値目標は、提供された決算短信では特に言及されていません。外部環境の不確実性を理由に「連結業績目標」として、親会社株主に帰属する当期純利益240,000百万円(2026年3月期)を提示しています。これは2025年3月期の213,324百万円に対し約12.5%の増益目標となります。
重点投資分野と成長戦略としては、金利正常化局面における貸出金利の上昇メリットを最大限に活かし、安定的な利鞘を確保することが挙げられます。また、強みとするリテールおよび中小企業向けビジネスの深耕を通じて、預貸金以外の収益源(手数料収入等)の拡大も目指していると考えられます。
最近の適時開示情報としては、2026年3月期第2四半期決算短信が最新です。この短信では、貸出金利息や有価証券利回り上昇により資金運用収益が大幅に増加したことが報告されています。一方で、預金利息等の資金調達費用も増加しており、金利上昇のプラスとマイナスの両面が顕在化しています。その他有価証券評価差額金の大幅改善も、包括利益の増加に寄与しています。大型受注、新製品、M&Aに関する具体的な記述は本データにはありません。
これらが今後の業績に与える影響として、貸出金利益の増加は引き続き収益の柱となり得ますが、預金金利の上昇が予想以上に進んだ場合や、市場金利の急変動による有価証券の評価損が発生した場合には、業績に下押し圧力がかかる可能性があります。中間期時点で通期純利益目標59.5%の進捗は好調ですが、下期の市場環境の変化には注意が必要です。
4. 財務分析
【収益性】
- 営業利益率: Operating Margin (過去12ヶ月) 40.64%。銀行業における「営業利益率」は一般事業会社とは概念が異なるため、単純比較はできませんが、収益性の高さを示唆します。
- ROE(実績): (連)7.77%(会社情報)、直近12か月は8.54%。ベンチマークの10%を下回っていますが、銀行業としてはまずまずの水準です。
- ROA(実績): (過去12ヶ月) 0.32%。ベンチマークの5%を大幅に下回ります。銀行は総資産に対する純利益の割合が低い傾向にありますが、この水準は低いと評価できます。
【財務健全性】
- 自己資本比率(実績): (連)3.5%(会社情報)。ただし、決算短信には連結自己資本比率(国内基準)が12.69%と記載されており、これが銀行業としての健全性を示す主要指標です。国内基準においては、この水準は監督基準を大きく上回り安定的です。
- 流動比率: データなし。銀行業では預金が負債の大半を占めるため、一般事業会社の流動比率とは異なる評価が必要です。
- D/Eレシオ: データなし。Total Debt (直近四半期) 8.45兆円、Total Cash (直近四半期) 17.08兆円。資金調達の大部分が預金と自己資本であり、一般事業会社のような債務リスクとは異なります。
【成長性】
- 売上高成長率:
- 過去12ヶ月のTotal Revenueは918,572百万円。
- Quarterly Revenue Growth (前年比、直近四半期) は3.40%。
- 連結経常収益の中間期前年同期比は+16.2%。2025年3月期の通期連結経常収益は1兆1,174億9千万円で、前年比+18.7%と高い成長を示しています。
- 利益成長率:
- Quarterly Earnings Growth (前年比、直近四半期) は+22.90%。
- 親会社株主に帰属する中間純利益は142,866百万円 (前年同期比+25.1%)。
- 2025年3月期の通期最終利益は213,324百万円で、前年比+34.2%と大幅な利益成長を達成しています。
【キャッシュフロー】
- 営業CF/純利益比率: -3.02(過去12か月)。営業キャッシュフローが-729,740百万円と大幅なマイナスとなっており、純利益の241,946百万円に対して比率がマイナスです。銀行業のキャッシュフローは特性上複雑ですが、一般的に1.0以上が健全とされる中、この状況は利益の質に懸念がある可能性があります。
【四半期進捗】
- 2026年3月期通期純利益目標240,000百万円に対し、中間実績は142,866百万円で、進捗率は約59.5%です。これは通期目標の達成に向けて順調な進捗と評価できます。
5. 株価分析
【現在の水準】
- PER(会社予想): 14.21倍。業界平均PER10.7倍と比較すると約1.33倍であり、割高と判断されます。
- PBR(実績): 1.18倍。業界平均PBR0.4倍と比較すると約2.95倍であり、大幅に割高と判断されます。
- EPS/BPSベースの理論株価レンジ: 業種平均PER基準の目標株価は1,131円、業種平均PBR基準の目標株価は507円です。現在の株価1,493.0円は、これらの目標株価を上回っています。
【テクニカル】
- 52週高値・安値との位置関係: 52週高値1,644円、安値845円に対し、現在の株価1,493.0円は52週レンジの81.1%の位置にあり、高値圏に推移しています。
- 移動平均線との位置関係:
- 現在株価1,493.0円は、5日移動平均線(1,509.20円)、25日移動平均線(1,548.38円)、75日移動平均線(1,516.22円)を全て下回っています。
- 200日移動平均線(1,375.26円)は上回っています。
- トレンドシグナル: 短期的には移動平均線を下抜けしており、下落トレンドまたは調整局面にあると見られます。中長期的には200日移動平均線を上回っていることで、まだ上昇トレンドの可能性は残されていますが、短期的な下落圧力は強いです。ゴールデンクロスやデッドクロスに関する直接的な記述はありません。
【市場との比較】
- 日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンスは、過去1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年全てにおいて、日経平均およびTOPIXを下回っています。これは市場全体の上昇に乗り切れていないことを示唆します。
6. リスク評価
- ベータ値による市場感応度: ベータ値は0.09(5Y Monthly)と非常に低いです。これは市場全体の変動に対する株価の感応度が低く、比較的ディフェンシブな特性を持つことを示しています。
- 決算短信記載のリスク要因:
- 金利変動: 短期・長期金利の変動が貸出金利鞘や保有有価証券の評価額に影響を与えます。特に金利環境が大きく変化する局面では注意が必要です。
- 市場価格変動: 保有する株式や債券などの有価証券の時価変動が、包括利益や自己資本に大きな影響を及ぼします。
- 預金流出や調達コスト上昇: 金融市場の金利上昇に伴い、預金金利も上昇し、資金調達コストが増加する可能性があります。
- マクロ景気・与信環境の悪化: 景気後退局面では、貸出先の経営悪化による貸倒費用が増加し、業績を圧迫するリスクがあります。
- 事業特有のリスク: 銀行業は、金融政策(日本銀行の政策転換)、信用リスク(貸倒リスク)、流動性リスク、オペレーショナルリスクなど、多岐にわたる事業特有のリスクに晒されています。特に、急激な円安による外貨建て資産の評価変動リスク、海外金利動向による影響も間接的に受けます。
- 52週レンジにおける現在位置: 現在株価は52週レンジの81.1%の位置にあり、高値圏にあるため、短期的には調整圧力が高まる可能性があります。
7. 市場センチメント
- 信用取引の状況: 信用買残が5,210,700株と多く、信用売残347,300株に対して信用倍率は15.00倍と高い水準です。これは、株価上昇を期待する投資家が多い一方で、将来的な売り圧力となる可能性も秘めていることを示唆します。信用買残の前週比は+919,000株と大幅に増加しており、信用買いが積み上がっている状況です。
- 株主構成と大株主の動向: 大株主には日本マスタートラスト信託銀行 (信託口) が15.59%、日本カストディ銀行 (信託口) が5.46%を保有しており、信託銀行が上位を占めています。機関投資家による保有比率は49.17%と高く、これにより安定した株主構成であると考えられます。個別の変動に関する情報はありません。
- 経営陣の持株比率と安定株主の状況: 経営陣による持株比率(% Held by Insiders)は3.09%です。これは、経営陣と株主の利害が一定程度一致していることを示す一方、安定株主としての存在感は限定的です。機関投資家の保有比率が高いことから、比較的安定した株主構成であると判断できます。
8. 株主還元
- 配当利回り(会社予想): 1.94%(株価: 1,493.0円、1株配当: 29.00円をもとに算出)。
- 配当性向(会社予想): 27.1%。これは比較的安定した水準であり、利益を内部留保と配当のバランスを考慮していることを示します。
- 配当の継続性・増配傾向: 過去の配当履歴を見ると、年間配当は2023年3月期21円、2024年3月期22円、2025年3月期25円と推移し、2026年3月期には予想29円と、増配傾向が続いています。これは株主還元に積極的な姿勢の表れと評価できます。
- 自社株買いの実績と方針: 提供された情報には、自社株買いの実績や方針に関する具体的な記載はありませんでした。
9. 総合評価
【投資ポイント】
- 金利正常化局面における貸出金利益の拡大が、収益を押し上げる主要な追い風となっている。
- リテールおよび中小企業向けビジネスに強みを持ち、安定した顧客基盤と信託機能で差別化を図っている。
- 増配傾向が継続しており、株主還元への意識が高い。
【強み】
- 地域密着型かつリテール・中小企業向けに強固な顧客基盤を持つ。
- 信託機能と銀行機能を併せ持つフルバンキング体制。
- 金利上昇局面における収益性改善期待。
- 安定的な配当と増配傾向。
【弱み】
- 業界平均と比較してPER、PBRともに割高なバリュエーション。
- ROAが低水準であり、総資産に対する利益効率が課題。
- 銀行業特有のキャッシュフロー構造で、営業キャッシュフローのマイナスが懸念要因。
【機会】
- 日本銀行の金融政策変更(金利正常化)による利鞘改善の余地。
- 地域の活性化や経済成長に伴う貸出需要の増加。
- 高齢化社会における資産運用・承継ニーズの拡大。
【脅威】
- 急激な金利変動による有価証券評価損や預金調達コストの想定以上の増加。
- 国内外景気の悪化に伴う信用コスト(貸倒引当金)の増加。
- 金融テクノロジーの進化による異業種からの参入による競争激化。
【注目すべき指標】
- 資金運用収益と資金調達費用のバランス(ネット金利差)の推移
- 連結自己資本比率(国内基準)の安定性
- 通期純利益目標(240,000百万円)に対する進捗率および下期の金利・市場変動の影響
10. 企業スコア
- 成長性: S
- (評価理由: 2025年3月期連結経常収益成長率+18.7%、2026年3月期中間経常収益前年同期比+16.2%と、明確な閾値「売上成長率15%以上」を満たす。)
- 収益性: B
- (評価理由: ROE(過去12ヶ月)8.54%。明確な閾値「ROE 8-10%」に該当。)
- 財務健全性: D
- (評価理由: 連結自己資本比率(国内基準)12.69%。明確な閾値「自己資本比率20%未満」に該当。ただし、銀行業としては監督基準上の健全性は確保されている点に留意が必要。)
- 株価バリュエーション: D
- (評価理由: PER14.21倍(業界平均10.7倍の約133%)、PBR1.18倍(業界平均0.4倍の約295%)。明確な閾値「PER/PBR共に業界平均の130%以上」に該当。)
企業情報
| 銘柄コード | 8308 |
| 企業名 | りそなホールディングス |
| URL | http://www.resona-gr.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 銀行 – 銀行業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,493円 |
| EPS(1株利益) | 105.09円 |
| 年間配当 | 1.94円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 11.9% | 16.3倍 | 3,008円 | 15.1% |
| 標準 | 9.1% | 14.2倍 | 2,311円 | 9.2% |
| 悲観 | 5.5% | 12.1倍 | 1,657円 | 2.2% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,493円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,155円 | △ 29%割高 |
| 10% | 1,443円 | △ 3%割高 |
| 5% | 1,820円 | ○ 18%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.7)」によって自動生成されました。
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