1. 企業概要
テリロジーホールディングスは、IPネットワーク関連製品や情報セキュリティ製品の輸入販売、および企業システム構築・関連サービスを日本国内外で提供する企業です。具体的には、ルーター、スイッチ、無線LAN機器といったネットワーク製品のほか、ファイアウォール、侵入検知・防御システムなどのネットワークセキュリティ製品を提供しています。また、RPAツール「EzAvater」やクラウド型アプリケーション性能監視サービス「CloudTriage」、多言語映像通訳サービスなど、DX推進およびソリューションサービスにも注力しています。
主力事業は、セキュリティ関連製品販売(39%)、ソリューションサービス(42%)、ネットワーク関連製品販売(19%)と多岐にわたり、B2Bモデルが中心です。収益モデルは製品販売によるフロー型と、システム構築後の保守・運用サービス、クラウドサービスによるストック型を両立させています。同社は海外の最新技術や製品を発掘し、国内企業に導入する技術的な目利き力と、それらを統合したシステムを構築するインテグレーション能力に強みを持っています。
2. 業界ポジション
テリロジーホールディングスは情報・通信業セクターに属し、特にネットワークとサイバーセキュリティ、DXソリューションといった専門分野に強みを持つ中堅企業です。特定の市場シェアに関するデータはありませんが、変化の速いIT業界において、海外の先進技術をいち早く国内に導入できる点が主要競合との差別化要因となっています。
市場動向としては、デジタルトランスフォーメーション (DX) の加速、クラウド利用の拡大、サイバー攻撃の高度化に伴うセキュリティ対策ニーズの高まり、OT (Operational Technology) / IoTセキュリティの需要増、さらにはインバウンド需要回復による多言語映像通訳サービスといった分野で追い風を受けています。同社はこれらの環境変化に対応するため、OT/IoTセキュリティやRPA、クラウド・ログ管理などの高付加価値領域への注力を進めています。
定量比較として、業界平均と比較すると以下のようになります。
- PER(会社予想): 19.91倍(業界平均: 17.6倍)
- PBR(実績): 1.83倍(業界平均: 1.6倍)
現在の株価水準は、業界平均と比較してやや割高な評価を受けていると言えます。
3. 経営戦略
経営陣は「デジタル経営人材・事業を創出・育成する会社」として中長期的な企業価値向上を目指すビジョンを掲げています。中期経営計画の具体的な数値目標は開示されていませんが、重点投資分野としてOT/IoTセキュリティ、クラウド・ログ管理サービス、RPA、インバウンド関連サービスなど高成長が見込まれる領域への投資を強化しています。
最近の適時開示情報としては、2026年3月期第2四半期決算短信において、受注残高が4,684百万円(前年同期比+37.6%)と大きく拡大していることが報告されています。これは、特にセキュリティ部門の伸長が大きく貢献しており、同社の戦略が市場ニーズと合致していることを示唆しています。また、当中間期に一部子会社株式を売却しており、財務構成に影響を与えています。これらの施策は、今後の売上高増加と利益改善に寄与する見込みですが、投資フェーズにおけるコスト増も注視が必要です。
4. 財務分析
- 【収益性】
- 営業利益率(過去12か月):7.41%
- ROE(過去12か月):11.90%(ベンチマーク10%以上で良好)
- ROA(過去12か月):3.77%(ベンチマーク5%未満で普通)
ROEはベンチマークを上回っており、株主資本の効率的な活用が見られますが、ROAはやや低めです。直近の決算短信では営業利益率は3.95%と、過去12か月と比較してやや低く推移しています。 - 【財務健全性】
- 自己資本比率(実績):39.7%(直近中間期は34.2%に低下)
- 流動比率(直近四半期):129%
- D/Eレシオ(直近四半期):7.54%
自己資本比率は、目安とされる40%を下回って直近中間期で34.2%に低下しており、財務健全性にはやや留意が必要です。流動比率は短期的な支払い能力を保持していますが、余裕は大きくありません。D/Eレシオは低く、有利子負債の負担は小さいと言えます。 - 【成長性】
- 売上高成長率(過去12か月、前年比):11.00%
- 利益成長率(過去12か月、前年比):451.60%
売上高は着実に成長しており、利益も大幅な改善を見せています。特にセキュリティ部門とソリューションサービス部門が売上を牽引しています。 - 【キャッシュフロー】
- 営業CF/純利益比率(過去12か月):3.41
営業キャッシュフローが純利益を大幅に上回っており、非常に良好な利益の質を示しています。フリーキャッシュフローも1,020百万円と潤沢です。 - 【四半期進捗】
2026年3月期第2四半期(中間期)の通期予想に対する進捗率は以下の通りです。 - 売上高:47.3%
- 営業利益:40.4%
- 親会社株主に帰属する中間純利益:45.6%
売上高と純利益は概ね想定通りに進捗していますが、営業利益はやや下振れペースで推移しているため、下半期の動向を注視する必要があります。
5. 株価分析
- 【現在の水準】
- 現在の株価: 326.0円
- PER(会社予想): 19.91倍(業界平均17.6倍に対し、やや割高)
- PBR(実績): 1.83倍(業界平均1.6倍に対し、やや割高)
- EPS(会社予想): 16.37円
- BPS(実績): 177.71円
業種平均PER基準の目標株価は360円、業種平均PBR基準の目標株価は287円であり、現在の株価はPER基準では割安圏にありますが、PBR基準では割高に位置しています。 - 【テクニカル】
- 52週高値: 412.00円、52週安値: 202.00円。現在の株価326.0円は52週レンジの59.0%の位置にあり、高値圏からは距離があるものの、安値圏でもありません。
- 移動平均線との位置関係:
- 5日移動平均線(323.20円)を上回っています(0.87%)。
- 25日移動平均線(327.12円)を下回っています(0.34%)。
- 75日移動平均線(330.05円)を下回っています(1.23%)。
- 200日移動平均線(328.83円)を下回っています(0.86%)。
短期的には膠着状態ですが、中長期的な移動平均線を下回っており、上値が重い展開を示唆しています。明確なゴールデンクロスやデッドクロスは確認できませんが、全体的に下向き傾向です。 - 【市場との比較】
テリロジーホールディングスの株価は、直近1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年のいずれの期間においても日経平均株価およびTOPIXを下回るパフォーマンスとなっています。これは、市場全体の上昇トレンドに乗り切れていないことを示しています。
6. リスク評価
- ベータ値による市場感応度: ベータ値は0.21と非常に低い水準にあります。これは市場全体の変動に対する株価の感応度が低く、相対的にディフェンシブな特性を持つことを示唆しています。
- 決算短信記載のリスク要因:
- 為替変動(円安)リスク:輸入商材が多いため、円安は仕入コスト上昇に直結します。
- 原材料・調達価格上昇リスク:IT機器やソフトウェアの価格変動による影響。
- 地政学リスク:サプライチェーンの混乱や需要変動リスク。
- 人的投資負担:DX人材の確保・育成費用が増加し、販管費を押し上げる可能性があります。
- 前受金比率の上昇:顧客からの前受金が増加し流動負債が増えているため、キャッシュアウトへの備えが必要です。
- 事業特有のリスク:
- IT技術の陳腐化リスク:急速な技術革新に対応できない場合、競争力が低下する可能性があります。
- サイバーセキュリティ脅威の変化:常に最新の脅威に対応するためのR&D投資や製品ラインナップの更新が求められます。
- 海外ベンダーへの依存:輸入販売が主力であるため、特定の海外ベンダーとの関係性や製品供給状況が業績に影響を与える可能性があります。
- 52週レンジにおける現在位置: 59.0%の位置にあり、過去1年間の安値からは上昇していますが、高値からは離れています。
7. 市場センチメント
- 信用取引の状況: 信用買残が732,500株(前週比+2,300株)と累積傾向にあり、信用売残は0株です。信用倍率はデータ上「0.00倍」となっていますが、これは信用売残がない状態を示しており、買い圧力が強い状況ではありません。一方で、将来の売り圧力となる可能性のある信用待機買いが存在しないとも言えます。
- 株主構成と大株主の動向: 大株主には創業者の津吹憲男氏が13.39%を保有し、兼松エレクトロニクス、高千穂交易、サクサといった事業会社も5%近い株式を保有しています。また、SBI証券や楽天証券といった証券会社も名を連ねています。
- 経営陣の持株比率と安定株主の状況: インサイダー保有比率が38.77%と高く、経営陣による経営の安定性が期待されます。複数の事業会社が安定株主として名を連ねていることも、経営の安定につながる要因と考えられます。
8. 株主還元
- 配当利回り: 1.53%(会社予想)
- 1株配当(会社予想): 5.00円
- 配当性向(会社予想): 24.41%(提出情報)または約30.5%(決算短信予想EPS基準)
配当性向は適切な水準であり、利益を内部留保と配当のバランスを考慮していると見られます。
- 配当の継続性・増配傾向: 2026年3月期の年間配当は5.00円を予想しており、継続的な配当は行われています。しかし、2023年3月期に比べて減配しており、現在のところ明確な増配傾向は見られません。
- 自社株買いの実績と方針: 直近の決算短信では自社株買いに関する開示はありません。
9. 総合評価
- 【投資ポイント】
- ITセキュリティやDX関連ソリューション市場の成長ドライバーを捉え、受注残高を拡大している点。
- 高い営業キャッシュフロー創出力があり、利益の質が良好である点。
- ベータ値が低く、市場全体の変動に左右されにくいディフェンシブな特性を持つ点。
- 【強み】
- 海外の先進IT技術・製品の発掘と、それらを活用したシステムインテグレーション能力。
- ネットワーク、セキュリティ、ソリューションサービスの多角的な事業展開。
- 高い営業キャッシュフロー創出能力と健全な負債水準。
- 【弱み】
- 円安や原材料高騰による仕入コスト増が利益を圧迫するリスク。
- 自己資本比率が足元で低下傾向にあり、財務健全性への若干の懸念。
- 市場平均を下回るトレンドが続く株価パフォーマンス。
- 【機会】
- 国内企業におけるDX推進、クラウド利用、サイバーセキュリティ投資の持続的な増加。
- OT/IoTセキュリティ、RPA、AI関連サービスなど成長市場の拡大。
- インバウンド需要回復による多言語映像通訳サービスの需要拡大。
- 【脅威】
- 為替レートの変動やグローバルなサプライチェーン問題による影響。
- ITソリューション市場における技術革新の加速と競争激化。
- 優秀なIT人材確保のための継続的な投資が収益性を圧迫する可能性。
- 【注目すべき指標】
- 営業利益率の改善と安定化(2026年3月期予想4.6%、これ以上の数値推移に注目)。
- 自己資本比率の動向(直近中間期の34.2%からの回復、理想は40%台への回帰)。
- 引き続き受注高と受注残の拡大状況。
10. 企業スコア
- 成長性: A (売上成長率 11.00%)
- 収益性: A (ROE 11.90% かつ 営業利益率 7.41%)
- 財務健全性: B (自己資本比率 34.2% かつ 流動比率 129%)
- 株価バリュエーション: C (PER/PBR共に業界平均の110-130%に位置)
企業情報
| 銘柄コード | 5133 |
| 企業名 | テリロジーホールディングス |
| URL | https://www.terilogy-hd.com |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 326円 |
| EPS(1株利益) | 16.37円 |
| 年間配当 | 1.53円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 20.9% | 22.5倍 | 952円 | 24.3% |
| 標準 | 16.1% | 19.6倍 | 675円 | 16.1% |
| 悲観 | 9.7% | 16.6倍 | 432円 | 6.3% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 326円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 342円 | ○ 5%割安 |
| 10% | 427円 | ○ 24%割安 |
| 5% | 539円 | ○ 39%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.7)」によって自動生成されました。
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