1. 企業概要

兼松エンジニアリング株式会社は、環境整備用の特殊車両(特装車)を製造・販売するメーカーです。主力製品は、下水管清掃や産業廃棄物処理などに使用される強力吸引作業車と、高圧洗浄車です。これらの製品は、産業廃棄物処理業者、鉄鋼、電力、造船などのB2B顧客向けに提供されています。
強力吸引作業車では国内市場で8割強、高圧洗浄車では5割のシェアを持つ国内最大手です。収益モデルは、特装車の受注生産・販売によるフロー型が中心ですが、部品販売によるストック型収益も有しています。長年にわたる専用技術とノウハウの蓄積、高い市場シェアが技術的独自性および新規参入障壁となっています。

2. 業界ポジション

兼松エンジニアリングは、環境整備用特装車市場において強力吸引作業車で国内シェア8割強、高圧洗浄車で5割を占めるリーディングカンパニーです。主要競合との差別化要因は、その圧倒的な市場シェアに裏打ちされた製品信頼性、技術力、そして顧客基盤にあると考えられます。
市場動向としては、インフラの老朽化対策や環境規制の強化などを背景に、環境整備用特装車の需要は比較的安定していると推測されます。同社は、最新の決算短信において受注高および受注残高が堅調に推移していることを報告しており、市場の需要を捉えています。一方で、部材価格の高騰や調達の不透明感がリスクとして認識されています。
【定量比較】

  • PER(会社予想): 9.31倍
  • 業界平均PER: 10.7倍
  • 業界平均と比較して割安な水準にあります。
  • PBR(実績): 1.05倍
  • 業界平均PBR: 0.7倍
  • 業界平均と比較してやや割高な水準にあります。

3. 経営戦略

経営陣のビジョンや中期経営計画に関する具体的な開示情報は、提供データからは確認できませんでした。
重点投資分野や成長戦略についても詳細な開示はありませんが、2026年3月期第2四半期決算短信では、受注高が前年中間期比で18.5%増加し、受注残高も24.4%増加したと報告されており、特に粉粒体吸引・圧送車の生産が79.0%増加したことが目立ちます。また、部品売上も10.5%増加しています。
これらの適時開示情報から、同社は旺盛な需要を背景に生産体制を強化し、受注残高を着実に消化することで業績拡大を目指していると推測されます。受注残高の積み上がりは、今後の売上高に貢献するポジティブな要因ですが、部材高騰や調達に関する不確実性が、収益性に対するリスク要因として認識されています。

4. 財務分析

  • 【収益性】
  • 営業利益率(2025年3月期実績): 7.17%。2026年3月期第2四半期実績では約10.2%と改善傾向にあります。
  • ROE(2025年3月期実績): 10.16%。ベンチマークの10%を上回っており、株主資本を効率的に活用しています。
  • ROA(2025年3月期実績からの推計): 純利益700百万円 (2025年3月期) / 総資産12,079百万円 (2025年3月期末推定) ≒ 5.8%。ベンチマークの5%を上回ると考えられます(提供された過去12ヶ月のROA 0.11%はデータの古さから不採用)。
  • 【財務健全性】
  • 自己資本比率(2025年3月期実績): 59.1%。非常に健全な水準です。2026年3月期第2四半期は59.0%。
  • 流動比率(2026年3月期第2四半期): 約188%。短期的な支払い能力は良好です。
  • D/Eレシオ(債務対資本比率、2026年3月期第2四半期): 約69.6%(負債合計5,177百万円 / 純資産7,437百万円)。提供データ「Total Debt/Equity: 3.46%」は非常に低く、決算短信の計算値と乖離があるため、決算短信データに基づいて計算しました。いずれにせよ、過度な負債負担はなく健全です。
  • 【成長性】
  • 売上高成長率:
  • 2024年3月期から2025年3月期: +7.2%
  • 2025年3月期から2026年3月期(予想): +3.8%
  • 中期的に安定した成長を見せています。
  • 利益成長率: 営業利益は2024年3月期の808百万円から2025年3月期954百万円へ+18.1%、2026年3月期予想では1,180百万円へ+23.7%と、利益面での成長は加速傾向にあります。
  • 【キャッシュフロー】
  • 営業CF/純利益比率(2026年3月期第2四半期): 営業活動によるキャッシュフロー1,066百万円に対し、中間純利益525百万円であるため、比率は約2.03倍。純利益を大きく上回るキャッシュフローを創出しており、キャッシュ創出能力は非常に健全です(提供された過去12ヶ月のフリーCFは古い情報に基づく可能性があるため不採用)。
  • 【四半期進捗】
  • 2026年3月期の通期予想に対する第2四半期(中間期)の進捗率は以下の通りです。
  • 売上高: 52.2%(通期予想13,800百万円に対し中間実績7,206百万円)
  • 営業利益: 62.3%(通期予想1,180百万円に対し中間実績734百万円)
  • 純利益: 62.6%(通期予想840百万円に対し中間実績525百万円)
  • 利益面の進捗が売上高の進捗を上回っており、通期予想達成に向けて良好なペースで推移しています。

5. 株価分析

  • 【現在の水準】
  • PER(会社予想): 9.31倍。業界平均PER10.7倍と比較すると割安な水準にあります。
  • PBR(実績): 1.05倍。業界平均PBR0.7倍と比較すると割高な水準です。
  • EPS(会社予想): 171.70円。
  • BPS(実績): 1,518.71円。
  • 理論株価レンジ: 業界平均PER基準では約1,771円(EPS171.70円 × 業界平均PER10.7倍 / 1株配当58円を考慮した加重平均と推測)。業界平均PBR基準では約312円(BPS1518.71円 × 業界平均PBR0.7倍 / 1株配当58円を考慮した加重平均と推測)。PER基準では現在の株価より上に、PBR基準では大幅に下に乖離が見られます。
  • 【テクニカル】
  • 52週高値・安値との位置関係: 52週高値1,659円、安値970円に対し、現在の株価1,598円は52週レンジの約91.1%地点にあり、高値圏で推移しています。
  • 移動平均線との位置関係:
  • 5日移動平均線: 1,596.40円 → 株価はこれを0.10%上回っています。
  • 25日移動平均線: 1,547.24円 → 株価はこれを3.28%上回っています。
  • 75日移動平均線: 1,537.72円 → 株価はこれを3.92%上回っています。
  • 200日移動平均線: 1,341.98円 → 株価はこれを19.08%上回っています。
  • 短期、中期、長期の全ての移動平均線を上回っており、強い上昇トレンドを示唆しています。
  • トレンドシグナル: 提供データには具体的なゴールデンクロス/デッドクロスの記載はありませんが、全ての移動平均線を上回っている状況は強気シグナルと言えます。
  • 【市場との比較】
  • 日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス:
  • 1ヶ月、6ヶ月、1年の期間では、日経平均およびTOPIXを上回るパフォーマンスを見せています。
  • 3ヶ月では日経平均を下回っています。

6. リスク評価

  • ベータ値による市場感応度: ベータ値は0.22(5Y Monthly)と非常に低いです。これは市場全体の変動(日経平均やTOPIXの動き)に対して株価が感応しにくい、比較的ディフェンシブな特性を持つ銘柄であることを示しています。
  • 決算短信記載のリスク要因:
  • 部材高騰および調達の不透明感: 部材価格の上昇が製造コストを押し上げ、利益率を圧迫する可能性があります。また、部材調達の遅延は生産計画に影響を及ぼし、納期遅延や売上機会損失につながる可能性があります。
  • 生産体制の制約: 堅調な受注に対し、生産能力が追いつかない場合、受注残高の消化が遅れる可能性があります。
  • マクロ経済リスク: 米国通商政策の影響や物価上昇による景気減速は、設備投資需要に影響を及ぼす可能性があります。
  • 事業特有のリスク:
  • 特定のニッチ市場に特化しているため、その市場の需給変動や大きな技術革新が起こった場合の影響を受けやすい可能性があります。
  • 特装車という性質上、受注生産が中心であり、景気変動による法人顧客の設備投資意欲の減退が直接業績に影響する可能性があります。
  • 52週レンジにおける現在位置: 現在の株価は52週レンジの高値圏(91.1%)に位置しており、短期的には調整リスクも考慮する必要があります。

7. 市場センチメント

  • 信用取引の状況: 信用買残は105,500株ありますが、信用売残が0株のため信用倍率は0.00倍と表示されています。買残がある一方で売残がないため、需給バランスの上では買い方の比率が高い状態です。
  • 株主構成と大株主の動向:
  • 自社(自己株口)が11.99%を保有。
  • 代表取締役社長の山本琴一氏が8.61%を保有。
  • 自社従業員持株会が5.98%を保有。
  • 大株主には経営陣や従業員関連、および安定株主(四国銀行など)が多く、株主構成は比較的安定していると考えられます。
  • 経営陣の持株比率と安定株主の状況: 経営陣や従業員が株主上位に名を連ねており、安定株主比率が高く、経営の安定性や株主との利害一致という点でポジティブな側面があります。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): 3.63%。現在の株価水準に対して比較的高い利回りです。
  • 配当性向(会社予想): 34.9%(2025年3月期実績EPSに基づくYahoo! Financeのデータ)または33.8%(2026年3月期予想EPSに基づく決算短信の計算)。概ね30-40%の範囲にあり、中長期的に安定した株主還元を目指す姿勢が伺えます。
  • 配当の継続性・増配傾向: 過去の配当履歴を見ると、2024年3月期に一時的な減配があったものの、2025年3月期に50円、2026年3月期には予想で58円(うち特別配当46円)と増配傾向にあります。特別配当を含む形で株主還元を強化する姿勢が見られます。
  • 自社株買いの実績と方針: 提供データからは、期中自己株式処分11百万円の実績はありますが、積極的な自社株買いの方針については明示されていません。

9. 総合評価

  • 【投資ポイント】
  • 環境整備用特装車市場における国内トップシェアという強固な事業基盤。
  • 財務健全性が高く、キャッシュ創出能力も良好な安定企業。
  • 割安なPERと高めの配当利回り、堅調な受注残高による今後の業績期待。
  • 【強み】
  • 強力吸引作業車で国内シェア8割強を持つ圧倒的な市場優位性。
  • 自己資本比率が高く、潤沢な営業キャッシュフローを持つ強固な財務体質。
  • 堅調な受注環境と増加する受注残高による事業の安定性。
  • 【弱み】
  • 部材高騰や調達遅延が収益性や生産計画に与えるリスク。
  • ニッチ市場のため、売上高の爆発的な成長は見込みにくい。
  • PBRが業界平均と比較して割高な水準。
  • 【機会】
  • 老朽化したインフラの維持管理需要の増加、環境規制強化による需要拡大。
  • 国内トップシェアのブランド力を活かした他分野への応用や新技術導入の可能性。
  • 【脅威】
  • マクロ経済の悪化による設備投資抑制や、顧客の予算削減。
  • 部材調達難の長期化やコスト上昇による収益圧迫。
  • 想定外の技術革新や競合参入による競争激化(現状では低い)。
  • 【注目すべき指標】
  • 営業利益率の推移(部材高騰の影響を吸収できているか)。
  • 受注残高の消化状況と新規受注高の動向。
  • 通期業績予想に対する四半期ごとの進捗率および会社予想の修正有無。

10. 企業スコア

  • 成長性: C
  • 2025年3月期の売上高成長率+7.2%、2026年3月期予想が+3.8%であり、売上成長率0-5%に該当します。
  • 収益性: A
  • ROE(2025年3月期実績)10.16%は10-15%の範囲に、営業利益率(2026年3月期第2四半期実績)約10.2%も10-15%の範囲に該当します。
  • 財務健全性: A
  • 自己資本比率(2025年3月期実績)59.1%は40-60%の範囲に、流動比率(2026年3月期第2四半期)約188%は150%以上の範囲に該当します。
  • 株価バリュエーション: C
  • PER(会社予想)9.31倍は業界平均10.7倍の約87%であり割安ですが、PBR(実績)1.05倍は業界平均0.7倍の約150%であり割高です。PERはA評価、PBRはD評価に該当するため、総合的にC評価とします。

企業情報

銘柄コード 6402
企業名 兼松エンジニアリング
URL http://www.kanematsu-eng.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 機械 – 機械

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,598円
EPS(1株利益) 171.70円
年間配当 3.63円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 2.2% 10.7倍 2,049円 5.3%
標準 1.7% 9.3倍 1,738円 1.9%
悲観 1.0% 7.9倍 1,429円 -2.0%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,598円

目標年率 理論株価 判定
15% 873円 △ 83%割高
10% 1,091円 △ 46%割高
5% 1,377円 △ 16%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.7)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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