1. 企業概要
アサガミ株式会社は、総合物流事業と印刷事業を二本柱とする企業です。物流事業では、倉庫保管、港湾運送、陸上運送、国際輸送(航空貨物)など多角的なサービスを提供し、顧客の多様な物流ニーズに対応しています。印刷事業では、婚礼案内状・年賀状の印刷のほか、新聞印刷や商業印刷も手掛けています。
主力製品・サービスは、物流事業における貨物輸送・倉庫サービス、および印刷事業における婚礼・年賀状・新聞印刷です。特に物流分野では、港湾、陸上、倉庫機能が統合されたサービスを提供しており、印刷分野では大手新聞社の印刷受託を担う点で特徴があります。
収益モデルは、主に物流サービスと印刷物の売上によるフロー型ビジネスが中心です。顧客は法人(B2B)が主体であり、物流では製造業や商社、印刷では新聞社や企業、個人顧客(婚礼・年賀状)も含まれます。
技術的独自性としては、物流におけるITを活用したグローバルロジスティクス管理サービス、および多岐にわたる輸送モード(海陸空)を組み合わせた総合的なサービス提供能力が挙げられます。印刷事業においても、高品質な新聞印刷や多品種少量生産に対応する技術を有しています。参入障壁としては、広大な土地を必要とする倉庫・港湾設備、大型印刷機材への投資、運送ネットワークの構築、長年の実績と信頼関係が挙げられます。
2. 業界ポジション
アサガミは、港湾運送事業を核としつつ、陸上運送、倉庫、印刷、不動産と多角的な事業を展開しています。特定の市場シェアのデータはありませんが、総合物流と印刷の領域で一定の事業規模を持つ中堅企業として位置付けられます。特に婚礼案内状や年賀状印刷では大手の一角を占め、新聞印刷においても主要な受託先を持つなど、ニッチかつ安定的な需要を持つ分野でのポジションを確立しています。
主要競合との差別化要因は、物流と印刷という一見異なる事業を同時に展開している点です。これにより、複合的な顧客ニーズに対応できるほか、リスク分散にも寄与しています。物流事業では、港湾関連サービスから陸上・倉庫まで一貫した物流ソリューションを提供できる点が強みです。
市場動向としては、物流業界ではドライバー不足や燃料価格高騰などの厳しい環境が続いていますが、会社は料金改定により収益性改善を図っています。印刷業界では婚姻件数減少による婚礼印刷の需要減少がある一方、新聞印刷の安定的な受託は継続しています。アサガミは、物流コスト増への料金改定や製鉄関連作業量の増加、新聞印刷の受注増などでこれらに対応しています。
【定量比較】
- PER(会社予想):9.64倍(業界平均:11.8倍)
- PBR(実績):0.52倍(業界平均:0.5倍)
PERは業界平均と比較して割安水準にあり、PBRはほぼ同水準です。
3. 経営戦略
経営陣のビジョンや中期経営計画に関する具体的な情報はこのデータからは読み取れません。
重点投資分野や成長戦略についても、具体的な記述はありませんが、物流事業における料金改定の実施や製鉄関連の作業量増、印刷事業における新聞分野での受託増が直近の事業成長を牽引しています。また、修繕計画と代替時期の見直しによる修繕費・減価償却費の減少、人件費抑制など、コスト効率化にも注力していることが伺えます。
最近の適時開示情報としては、2026年3月期第2四半期(中間期)決算が、会社予想を大幅に上振れて着地した点が挙げられます。特に営業利益は中間予想の90百万円に対し、実績は495百万円と約5.5倍に達しました。期中平均株式数1,414,531株に対する中間EPSは2.38円と黒字転換しました(前年同期は△275.55円)。
これらのイベントは、物流事業における料金改定と製鉄関連の作業増、印刷事業における新聞分野での受託増、およびコスト抑制努力が奏功した結果であり、今後の業績にもポジティブな影響を与える可能性があります。ただし、通期予想は据え置かれており、第3四半期に受注が集中する子会社があるため、通期達成には今後の動向を注視する必要があります。
4. 財務分析
- 【収益性】
- 営業利益率(過去12か月):2.11%
- 営業利益率(2025年3月期実績):4.95%
- ROE(過去12か月):7.62%(ベンチマーク10%に対しやや低い)
- ROA(過去12か月):3.19%(ベンチマーク5%に対し低い)
直近の収益性はベンチマークを下回っており、改善の余地があります。ただし、2026年3月期中間期決算では営業利益率が3.04%と改善傾向にあります。 - 【財務健全性】
- 自己資本比率(実績2025年3月期):47.9%(健全な水準)
- 流動比率(直近四半期):121%(短期的な支払能力は概ね良好ですが、ゆとりは少ない)
- D/Eレシオ(Debt/Equity Ratio, 直近四半期):52.54%(比較的低い水準で、財務レバレッジは過度ではありません)
- 【成長性】
| 決算期 | 売上高成長率(前年同期比) | 営業利益成長率(前年同期比) |
|---|---|---|
| 2022年3月期 | +7.08% | +207.92% |
| 2023年3月期 | -1.05% | -15.48% |
| 2024年3月期 | -3.55% | -8.36% |
| 2025年3月期 | -1.74% | +25.44% |
| 2026年3月期予想 | -2.90% | -9.90% |
売上高は近年減少傾向にあり、2025年3月期も微減となりました。2026年3月期予想でも減収が示されています。営業利益は2025年3月期に回復しましたが、2026年3月期は減益予想となっています。成長性には課題が見られます。
- 【キャッシュフロー】
- 営業CF(過去12か月):4,310百万円
- 純利益(過去12か月):1,570百万円
- 営業CF/純利益比率:約2.75倍(1.0以上が健全であり、キャッシュ創出力は優良と言えます)
キャッシュフローは純利益を大きく上回っており、利益の質は高いと評価できます。 - 【四半期進捗】
- 2026年3月期通期売上高予想:37,815百万円に対し、中間売上高実績16,298百万円。進捗率:43.1%。
- 2026年3月期通期営業利益予想:1,735百万円に対し、中間営業利益実績495百万円。進捗率:28.5%。
売上高は通期予想の約4割を前半で達成していますが、営業利益の進捗率は3割未満と低く、下半期に利益が集中する傾向があります。特に第3四半期の動向が重要です。
5. 株価分析
- 【現在の水準】
- PER(会社予想):9.64倍
- PBR(実績):0.52倍
- 業界平均PER:11.8倍、業界平均PBR:0.5倍
PERは業界平均(11.8倍)と比較して割安(9.64倍)。PBRは業界平均(0.5倍)に対してわずかに割高(0.52倍)と評価できます。 - EPS(会社予想):809.46円、BPS(実績):15,111.72円
- 業種平均PER基準の目標株価:13,072円
- 業種平均PBR基準の目標株価:7,556円
これらの理論株価レンジを考慮すると、現在の株価7,800円は、PBR基準では適正水準に近い一方、PER基準ではまだ上昇余地があるとも解釈できます。 - 【テクニカル】
- 52週高値:7,800円、52週安値:5,450円
- 現在株価:7,800円
現在株価は52週高値と同じ水準にあり、年初来高値を更新しました。 - 移動平均線との位置関係(現在株価7,800円):
- 5日移動平均線:7,354.00円を上回る(+6.06%)
- 25日移動平均線:7,061.20円を上回る(+10.46%)
- 75日移動平均線:6,869.47円を上回る(+13.55%)
- 200日移動平均線:6,264.05円を上回る(+24.52%)
全ての主要移動平均線を上回って推移しており、株価は強い上昇トレンドにあることを示します。 - トレンドシグナル:すべての短期・中期・長期移動平均線を上回っており、ゴールデンクロスが形成されている可能性があります(具体的な交差のデータはなし)。
- 【市場との比較】
- 1ヶ月リターン:株式+18.00% vs 日経平均+2.10% → 15.90ポイント上回る
- 3ヶ月リターン:株式+11.43% vs 日経平均+11.76% → 0.33ポイント下回る
- 6ヶ月リターン:株式+36.84% vs 日経平均+27.17% → 9.67ポイント上回る
- 1年リターン:株式+36.84% vs 日経平均+27.88% → 8.96ポイント上回る
短期(1ヶ月、6ヶ月、1年)では日経平均およびTOPIXを大きく上回るパフォーマンスを示しており、市場全体のトレンドに対し強い動きをしています。
6. リスク評価
- ベータ値(5年月次):0.09
ベータ値が非常に低く、市場全体の変動に対する感応度が低いことを示しています。これは、市場全体が大きく変動する場面での株価安定性が高いことを意味する一方、市場が上昇しても追随しにくい特性も持ちます。 - 決算短信記載のリスク要因:
- 物流事業における燃料価格・運賃高騰、ドライバー需給逼迫によるコスト上昇
- 印刷事業におけるデジタル化の進展や婚姻件数低迷による市場縮小
- 為替変動リスク(国際物流・印刷に関わる原材料調達等)
- 事業特有のリスク:
- 設備投資が多額になるため、経済情勢や需要変動による投資回収リスク
- 法規制・環境規制の強化(物流・廃棄物処理等)
- 自然災害による操業停止リスク(倉庫、港湾施設、印刷工場など)
- OA Corporationの子会社であり、親会社の方針転換や事業再編等の影響を受ける可能性
- 52週レンジにおける現在位置:7,800円(安値5,450円、高値7,800円)
現在株価は52週高値にあり、今後の一段の上昇には強い買い材料が必要となる可能性があります。高値圏にあるため、短期的には調整局面を迎えるリスクも考慮する必要があります。
7. 市場センチメント
- 信用取引の状況:
- 信用買残:4,000株(前週比+600株)
- 信用売残:0株
- 信用倍率:0.00倍
信用売残がゼロのため信用倍率もゼロとなっています。信用買残が多少増加していますが、市場全体から見ると出来高も少なく、流動性は低いと判断できます。信用取引による需給の偏りは現状小さい状態です。 - 株主構成と大株主の動向:
- 大株主筆頭は(株)オーエーコーポレーションで52.4%を保有しており、安定株主として企業の経営基盤を支えています。
- その他、三井住友信託銀行、三菱UFJ銀行などの金融機関や事業会社が上位株主として名を連ねています。
- Insidersによる保有比率が61.69%と高く、経営陣や関係者が大半の株式を保有しているため、株主の安定性は非常に高いと言えます。
- 経営陣の持株比率と安定株主の状況:
経営陣の持株比率は直接的なデータとして示されていませんが、「% Held by Insiders 61.69%」から、経営陣および関係者による安定的な株式保有比率が高いことが分かります。これは、経営の安定性や長期的な視点での事業運営に寄与しますが、一方で市場流通株式が少ない(Float 541.13千株)ため、流動性が低いという側面もあります。
8. 株主還元
- 配当利回り(会社予想):1.62%(Forward Annual Dividend Yield)
- 1株配当(会社予想):120円 (Forward Annual Dividend Rate)
- 配当性向(2025年3月期実績):14.5%
配当性向は低水準であり、利益を内部留保に回す傾向が見られます。 - 配当の継続性・増配傾向:
過去の配当履歴からは、年間配当120円を継続している実績があります(データでは2025年3月期まで)。増配傾向は見られませんが、安定配当を継続している点は評価できます。2026年3月期の中間配当は無配であり、期末配当も現時点では未定とされています。 - 自社株買いの実績と方針:
自社株買いに関する具体的な実績や方針のデータはありません。「自社(自己株口) 3,400株、0.24%」という記述は見られますが、これが積極的に自社株買いを行っていることを示すものではありません。
9. 総合評価
- 【投資ポイント】
- 物流・印刷の複合事業体として、安定した収益基盤とリスク分散効果を持つ。
- PERは約9.6倍と業界平均に比べ割安水準にあり、PBRは0.5倍台と資産バリュエーションで割安感が継続。
- キャッシュ創出力が高く、営業キャッシュフローは純利益を大幅に上回る健全な状態。
- 【強み】
- 主要事業の一つである物流において、倉庫、港湾、陸上運送、航空貨物まで一貫したサービス提供能力を持つ。
- 印刷事業は婚礼・年賀状のほか、大手新聞印刷の受託により安定した需要を確保。
- 自己資本比率が高く、D/Eレシオも適正水準で財務健全性が高い。
- ベータ値が非常に低く、市場変動に対する株価の安定性が高い。
- 【弱み】
- 売上高は近年減少傾向にあり、持続的な成長性に課題。
- 収益性が業界平均と比較して低く、ROA、ROEともに改善の余地がある。
- 流動性が非常に低く、売買機会が限られる可能性がある。
- 52週高値圏にあるため、短期的な調整リスクがある。
- 【機会】
- 物流業界における料金改定の動きが、収益性改善にさらに寄与する可能性。
- ITを活用したロジスティクス管理サービスの強化による競争力向上。
- 安定した財務基盤を活かしたM&Aや事業提携による成長戦略。
- 【脅威】
- 物流コスト(燃料費、人件費)の高騰やドライバー不足の深刻化。
- 印刷DTP化や電子媒体への移行による印刷需要の構造的な減少。
- 親会社OA Corporationの事業戦略変更による影響。
- 低い流動性による価格変動リスク、および大株主売却時の株価影響。
- 【注目すべき指標】
- 営業利益率の推移(特に中間期以降の改善度合い)
- 物流事業における料金改定の効果と製鉄関連等の特定需要の継続性
- 期末配当に関する会社からの発表
10. 企業スコア
- 成長性: C
売上高は過去数年間微減傾向。2026年3月期の通期売上高予想も前年比マイナスであり、「売上成長率 0-5%」のC評価に該当します。直近四半期の成長は一時的なものと判断します。 - 収益性: C
ROE(過去12か月)7.62%、営業利益率(2025年3月期)4.95%。ROEは5-8%のC、営業利益率も3-5%のCに該当するため、総合的にC評価とします。 - 財務健全性: B
自己資本比率47.9%はA評価(40-60%)ですが、流動比率121%はC評価(150%未満)に該当します。両方の条件を満たすS/Aではないため、中間値を取りB評価とします。 - 株価バリュエーション: B
PER(9.64倍)は業界平均(11.8倍)の約81.7%でありA評価(80-90%割安)に近いですが、PBR(0.52倍)は業界平均(0.5倍)の約104.0%でありB評価(90-110%適正)に該当します。両者を総合してB評価とします。
企業情報
| 銘柄コード | 9311 |
| 企業名 | アサガミ |
| URL | http://www.asagami.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 運輸・物流 – 倉庫・運輸関連業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 7,800円 |
| EPS(1株利益) | 809.46円 |
| 年間配当 | 120.00円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 0.0% | 11.1倍 | 8,974円 | 4.2% |
| 標準 | 0.0% | 9.6倍 | 7,803円 | 1.5% |
| 悲観 | 1.0% | 8.2倍 | 6,971円 | -0.5% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 7,800円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 4,178円 | △ 87%割高 |
| 10% | 5,218円 | △ 49%割高 |
| 5% | 6,584円 | △ 18%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.9)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。