個人投資家の皆様へ

1. 企業概要

大阪油化工業は、化学物質の分離・精製を行う精密蒸留を主力事業とする企業です。主に大手化学メーカーや素材メーカーから受託する形でサービスを提供しており、そのプロセスは医薬品、農薬、電子材料など多岐にわたる製品の製造に不可欠なものとなっています。

  • 事業内容:
    • 混合物から目的物質を分離・精製する精密蒸留が主力であり、製薬、農薬、電子材料分野の顧客向けにサービスを提供しています。研究開発支援も行っており、将来の量産化に向けた提案も行っています。
    • 蒸留設備やろ過装置の設計、販売、保守を行うプラント事業も展開しています。
  • 主力製品・サービスの特徴:
    • 高純度が求められる化学物質の精密蒸留技術に強みを持っています。少量から大規模まで多様なニーズに対応し、顧客の研究開発段階から量産段階までをサポートします。
  • 収益モデル:
    • 主にB2B(企業間取引)の受託型ビジネスモデルです。顧客からの依頼に基づいて精密蒸留サービスを提供し、その対価を得ます。プラント事業は設備販売と保守サービスが中心です。
  • 技術的独自性や参入障壁:
    • 長年にわたる精密蒸留の技術とノウハウが蓄積されており、高純度化への要求が高まる現代においてニッチな優位性を持っています。蒸留プロセスの最適化や品質管理の厳格さ、顧客との密接な連携が参入障壁となっています。

2. 業界ポジション

  • 業界内での推定市場シェアまたはポジション:
    • 具体的な市場シェアのデータは開示されていませんが、決算短信には、ダウ・東レ、住友商事ケミカル、ENEOSといった大手企業が主要顧客として挙げられており、大手素材メーカーからの信頼が厚いことがうかがえます。精密蒸留における専門技術で特定のニッチ市場における地位を確立していると推測されます。
  • 主要競合との差別化要因:
    • 同社独自の精密蒸留技術が高純度な製品製造を可能にし、特に厳しい品質基準が求められる医薬品や電子材料分野で強みを発揮しています。研究開発支援から量産までを一貫して提供できる点も差別化要因です。
  • 市場動向と企業の対応状況:
    • 半導体・電子材料分野の需要回復や、化学業界における事業構造改革、環境装置・設備更新需要の拡大といった市場動向に対し、同社の受託蒸留事業は好調に推移しています。プラント事業については、ユニット型装置の拡販を中期的な成長戦略としています。
  • 【定量比較】可能な場合、業界平均との財務指標比較を含める:
    • PER(株価収益率): 同社26.78倍(会社予想)に対し、業界平均15.9倍。業界平均と比較して割高です。
    • PBR(株価純資産倍率): 同社1.54倍(実績)に対し、業界平均0.7倍。業界平均と比較して割高です。
    • ROE(自己資本利益率): 同社-1.90%(実績)に対し、業界ベンチマーク10%。業界ベンチマークを大幅に下回っています。ただし、この数値は一時的な特別損失による純損失が影響しています。
    • ROA(総資産利益率): 同社4.58%(過去12か月)に対し、業界ベンチマーク5.0%。ほぼ同水準、わずかに下回ります。

3. 経営戦略

  • 経営陣のビジョンと中期経営計画:
    • 中期的な戦略として、受託蒸留事業では高純度化やアップサイクル(高度利用)を推進し高付加価値化を図る方針です。プラント事業ではユニット型装置の拡販に注力することで、長期的成長を目指しています。具体的な数値目標を伴う中期経営計画の開示はありません。
  • 重点投資分野と成長戦略:
    • 受託蒸留事業における技術進化への投資、およびプラント事業でのユニット型装置の製造・販売体制強化が重点投資分野と考えられます。これにより、多様な顧客ニーズに対応し、事業領域の拡大を図る戦略です。
  • 最近の適時開示情報(大型受注、新製品、M&A等):
    • 大型受注や新製品に関する適時開示は直近ではありません。しかし、2025年9月期決算短信において、株式会社ダイセキによる当社株式に対する公開買付けに伴う関連費用114,113千円を特別損失として計上しており、M&A関連の動きがあったことが示唆されています。
  • これらが今後の業績に与える影響:
    • 受託蒸留事業の好調は引き続き営業利益に貢献する見込みです。プラント事業におけるユニット型装置の拡販は、今後の売上および利益成長のドライバーとなる可能性がありますが、案件長期化のリスクも抱えています。公開買付関連費用は一時的な特別損失であり、次期以降の営業利益には直接的な影響は少ないと見られます。

4. 財務分析

  • 【収益性】
    • 営業利益率: 2025年9月期実績で11.7%です。過去12カ月で見ると-8.18%ですが、これは特別損失の影響を受けた税引前利益が小さかったためであり、営業段階では堅調に推移しています。これはベンチマーク(15%以上でS、10-15%でA)に近い水準です。
    • ROE(自己資本利益率): 2025年9月期実績で-1.90%です。当期純損失を計上したため、負の値となっています。ベンチマーク(10%)を大きく下回っています。
    • ROA(総資産利益率): 過去12カ月で4.58%です。ベンチマーク(5%)に迫る水準です。
  • 【財務健全性】
    • 自己資本比率: 2025年9月期実績で88.5%と非常に高水準であり、財務基盤は極めて安定しています。
    • 流動比率: 直近四半期で534%(5.34倍)と非常に高く、短期的な支払い能力に優れています。
    • D/Eレシオ(負債資本倍率): 総負債215,561千円に対し純資産1,647,266千円と、負債が非常に少ないため、D/Eレシオは約0.13倍と極めて低い水準にあります。
  • 【成長性】
    • 売上高成長率: 2025年9月期の売上高は1,184百万円で、前期987百万円から+20.0%と大幅に増加しました。
    • 利益成長率: 2025年9月期の営業利益は139百万円で、前期18百万円から+642.1%と大きく成長しました。ただし、親会社株主に帰属する当期純利益は特別損失の影響で-32百万円となり赤字です。
  • 【キャッシュフロー】
    • 営業CF: 206,860千円と大幅にプラスであり、本業で安定したキャッシュを創出しています。
    • 営業CF/純利益比率: 当期純利益が赤字のため比較は適切ではありませんが、営業キャッシュフローは堅調であり、利益の質は高いと評価できます。
    • フリーキャッシュフロー: 242.88百万千円と潤沢であり、投資や株主還元に充てる余力があります。
  • 【四半期進捗】
    • 本レポートは通期決算であるため、通常の四半期進捗率は該当しません。しかし、2025年9月期の当期実績は、翌期(2026年9月期)の会社予想(売上高1,240百万円、営業利益140百万円)と比較すると、売上高で約95.5%、営業利益で約99.3%に相当する水準であり、来期予想が保守的である可能性を示唆しています。

5. 株価分析

  • 【現在の水準】
    • PER(会社予想): 26.78倍。業界平均15.9倍と比較して、割高と判断されます。
    • PBR(実績): 1.54倍。業界平均0.7倍と比較して、割高と判断されます。
    • EPS(会社予想): 91.03円。
    • BPS(実績): 1,578.39円。
    • 理論株価レンジ:
      • 業界平均PER基準: 15.9倍 × 91.03円 = 約1,446円
      • 業界平均PBR基準: 0.7倍 × 1,578.39円 = 約1,105円
      • 現在の株価2,438.0円は、これらの理論株価レンジを上回る水準です。
  • 【テクニカル】
    • 52週高値・安値との位置関係: 52週高値3,275円、52週安値1,835円に対し、現在の株価は2,438.0円であり、52週レンジの下方41.9%に位置しています。
    • 移動平均線との位置関係:
      • 現在株価(2,438.0円)は、5日移動平均線(2,440.40円)を0.10%下回っています。
      • 25日移動平均線(2,444.68円)を0.27%下回っています。
      • 75日移動平均線(2,610.29円)を6.60%下回っています。
      • 200日移動平均線(2,465.51円)を1.12%下回っています。
      • 全ての短期・中期・長期移動平均線を下回っており、下落基調または調整局面にあることを示唆しています。
    • トレンドシグナル: 上記の移動平均線の位置関係から、短期的な下落トレンド、あるいは調整局面にあると見られます。現在のデータからは明確なゴールデンクロスやデッドクロスの発生は読み取れませんが、株価が複数の移動平均線を下回っている状況は弱気シグナルです。
  • 【市場との比較】
    • 日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス:
      • 1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年の全ての期間で、日経平均株価およびTOPIXを下回るパフォーマンスとなっています。特に3ヶ月および6ヶ月では、市場指数を大幅に下回っています。

6. リスク評価

  • ベータ値による市場感応度:
    • ベータ値は-0.50(5年月次)と負の値を示しており、市場全体が上昇する局面では株価が下落しやすく、市場全体が下落する局面では株価が上昇しやすいという逆相関の動きをする傾向があることを示唆しています。ただし、負のベータ値には解釈の注意が必要です。
  • 決算短信記載のリスク要因:
    • 主要顧客への依存: 特定の大手顧客からの受託比率が高く、これらの顧客の事業方針転換や業績悪化が同社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
    • プラント案件の長期化・受注遅延: プラント事業の売上は案件の規模や工期に左右され、景気変動や設備投資抑制の影響を受けやすく、受注の長期化や遅延が発生するリスクがあります。
    • 原材料・エネルギー価格の変動: 精密蒸留プロセスにおける原材料やエネルギー価格の高騰は、同社の原価を押し上げ、利益を圧迫する可能性があります。
    • 地政学リスク: 世界経済の不確実性や地政学的な緊張が、顧客の設備投資計画やサプライチェーンに影響を与え、結果として同社の事業環境を悪化させる可能性があります。
    • 公開買付け等の企業リスク: 最近の公開買付けのように、経営権に関する外部からの動きは、株価の変動や経営戦略に不確実性をもたらす可能性があります。
  • 事業特有のリスク:
    • 技術陳腐化リスク: 精密蒸留技術は高度ですが、新たな分離技術の登場や顧客ニーズの変化に対応できない場合、競争力が低下する可能性があります。
    • 安全・環境規制リスク: 化学物質を取り扱う事業であるため、安全・環境規制の強化や事故発生は、事業活動に大きな制約を与え、多額のコスト発生や社会からの信頼失墜につながる可能性があります。
  • 52週レンジにおける現在位置:
    • 現在の株価は52週レンジの41.9%に位置しており、年初来高値からは約-25.5%、年初来安値からは約+32.8%の水準です。

7. 市場センチメント

  • 信用取引の状況(信用買残、信用倍率):
    • 信用買残は17,600株(前週比+1,000株)ですが、信用売残は0株であり、信用倍率は0.00倍と表示されています。売残がないため、実質的に買い残が積み上がっている状況であり、需給は買い方に偏っています。出来高が少ない銘柄特性と合わせると、需給要因による株価変動リスクが考えられます。
  • 株主構成と大株主の動向:
    • 大株主はエルアール(33.29%)、堀田哲平氏(22.17%)などが名を連ね、上位株主による株式保有比率が高いです。エルアールは株式会社ダイセキの関連会社であり、公開買付けの主体であったと推測されます。経営陣(代表者 堀田哲平氏)も主要な株主であり、安定した株主構成です。
  • 経営陣の持株比率と安定株主の状況:
    • 代表者である堀田哲平氏が22.17%を保有しており、経営陣が一定の持株比率を維持しています。これに加えてエルアールが大株主として加わったことで、安定株主比率は高まっている可能性がありますが、今後の経営方針や資本政策における大株主の影響力は注視が必要です。

8. 株主還元

  • 配当利回りと配当性向:
    • 配当利回り(会社予想)は1.52%です。
    • 2025年9月期の配当性向は、当期純損失を計上したため、負の数値(-30.77%)となり、参考になりません。しかし、前年度は非常に高い配当性向でしたが、これは一時的な要因によるものです。
  • 配当の継続性・増配傾向:
    • 配当実績は、2022年9月期25円、2023年9月期35円、2024年9月期35円、2025年9月期36円、そして2026年9月期は37円(予想)と、着実に増配傾向が続いています。不安定な純利益にも関わらず、安定的な配当を継続しており、株主還元への意識は高いと評価できます。
  • 自社株買いの実績と方針:
    • 2025年9月期に小規模ながら157千円の自己株式取得実績があります。現在のところ、積極的な自社株買いの方針は明確に示されていません。

9. 総合評価

  • 【投資ポイント】
    • 高純度精密蒸留のニッチ技術による安定的な収益基盤。
    • 極めて高い自己資本比率と潤沢なキャッシュフローに基づく健全な財務体質。
    • 純損失計上時にも増配を継続する株主還元意識の高さ。
  • 【強み】
    • 高度な精密蒸留技術とノウハウを保有し、大手顧客からの信頼が厚い。
    • 自己資本比率88.5%と、非常に高い財務健全性を維持。
    • 営業キャッシュフローが安定的にプラスであり、フリーキャッシュフローも潤沢。
    • 景気変動に左右されにくいB2Bの受託型ビジネスモデル。
  • 【弱み】
    • 純利益が特定の特別損失により一時的に赤字となったことによる収益変動性。
    • プラント事業の収益性が不安定であり、損失要因となっている。
    • 主要顧客への依存度が高く、売上構成に偏りがある。
    • 株式の流動性が低く、信用買残が積み上がっている。
  • 【機会】
    • 半導体・電子材料分野や資源・エネルギー関連分野での需要拡大。
    • プラント事業におけるユニット型装置拡販による新たな収益源の確立。
    • 高度な分離・精製技術が求められる新規分野への応用可能性。
  • 【脅威】
    • 原材料費やエネルギー価格の変動による原価高騰リスク。
    • 主要顧客の事業戦略変更や設備投資抑制による受注減少リスク。
    • 競争激化や代替技術の出現による技術的陳腐化リスク。
    • 公開買付けのような経営環境の変化に関連する企業リスク。
  • 【注目すべき指標】
    • 2026年9月期の連結営業利益予想140百万円に対する進捗。
    • プラント事業のセグメント利益(または損失)額の動向。
    • 受託蒸留事業の売上高成長率とセグメント利益率の維持。

10. 企業スコア

  • 成長性: S
    • 2025年9月期の売上高成長率は+20.0%であり、評価基準「売上成長率15%以上」に該当するためSと評価します。
  • 収益性: A
    • ROEは-1.90%で5%未満ですが、営業利益率は11.7%で「10-15%」の範囲に該当するため、Aと評価します。
  • 財務健全性: S
    • 自己資本比率88.5%(60%以上)かつ流動比率534%(200%以上)であるため、Sと評価します。
  • 株価バリュエーション: D
    • PER (会社予想)26.78倍は業界平均15.9倍の168%であり、PBR (実績)1.54倍は業界平均0.7倍の220%であり、共に業界平均の130%以上であるため、Dと評価します。

企業情報

銘柄コード 4124
企業名 大阪油化工業
URL https://www.osaka-yuka.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 素材・化学 – 化学

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 2,438円
EPS(1株利益) 91.03円
年間配当 1.52円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 11.3% 28.9倍 4,502円 13.1%
標準 8.7% 25.1倍 3,476円 7.4%
悲観 5.2% 21.4倍 2,510円 0.7%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 2,438円

目標年率 理論株価 判定
15% 1,733円 △ 41%割高
10% 2,164円 △ 13%割高
5% 2,731円 ○ 11%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

関連情報

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.9)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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