SM ENTERTAINMENT JAPAN (4772) 企業分析レポート

東京証券取引所グロース市場に上場するSM ENTERTAINMENT JAPAN (4772) の企業分析レポートです。

1. 企業概要

SM ENTERTAINMENT JAPANは、韓国エンタメ大手SMエンターテインメントの日本法人として、韓流スターのコンテンツを日本市場に展開する企業です。主な事業内容は、スマートフォンなどへの韓流コンテンツ配信、韓流専門チャンネルの放送、そしてコンサートやイベントの企画・運営、アーティストグッズの物販事業など多岐にわたります。
主力製品・サービスは、K-POPアーティストのコンサートやファンミーティングの開催・運営、これに伴うMD(グッズ)販売、そして韓流ドラマ・K-POP番組などを放送するCSチャンネル「KNTV」の運営や、映像コンテンツの権利獲得・配信です。
収益モデルとしては、主にエンターテインメント事業におけるイベント運営収入、MD販売収入、およびライツ&メディア事業におけるコンテンツ放映・配信権料収入が挙げられ、B2C(ファン向けサービス)とB2B(権利販売、配信パートナー)の両者から収益を得るフロー型モデルが中心です。
技術的独自性はデータから特定できませんが、親会社であるSMエンターテインメントの強力なK-POPアーティストや豊富なコンテンツIPを日本で独占的に展開できる点が最大の参入障壁であり、競争優位性の源泉となっています。

2. 業界ポジション

業界内での具体的な市場シェアはデータなし。しかし、BTSやTWICEなどを擁する韓国の芸能事務所の日本法人として、K-POPおよび韓流コンテンツ市場において独自の強力なポジションを築いています。
主要競合との差別化要因は、親会社SMエンターテインメントが保有する「東方神起」「SUPER JUNIOR」「少女時代」「SHINee」「EXO」「Red Velvet」「NCT」「aespa」「RIIZE」「BoA」といった多数の世界的K-POPアーティストのIPを独占的に日本で展開できる点にあります。自社でCS放送チャンネル「KNTV」を運営していることも、コンテンツ展開における強みです。
市場動向として、エンターテインメント市場は大型会場の新設・高稼働化やチケット単価上昇で規模が拡大していますが、製作費・人件費の高止まりが課題です。また、映像コンテンツ領域ではOTT(オーバー・ザ・トップ)事業者の投資拡大により権利獲得競争が激化し、多チャンネル市場の縮小傾向で既存の権利販売は厳しさを増しています。同社はこれらの状況に対し、大型公演の実施やOTT連携・独占先行配信推進で対応を図っています。
【定量比較】
同社のPER(会社予想)は29.58倍、PBR(実績)は1.65倍であるのに対し、業界平均はPER 66.2倍、PBR 3.5倍です。この比較では、同社の株価は業界平均と比較して割安な水準にあると評価できます。ROE(実績)は11.79%であり、一般的な目安とされる10%を上回っています。

3. 経営戦略

経営陣のビジョンや具体的な中期経営計画に関する開示はデータなし。
当面の重点投資分野と成長戦略としては、東京ドームでの「SMTOWN LIVE」のような大規模公演の継続的な実施、MD(グッズ)販売の強化が挙げられます。また、ライツ&メディア事業においては、新作コンテンツの獲得、およびOTT事業者との連携による独占先行配信の推進を通じて、収益源の多様化と強化を目指しています。
最近の適時開示情報として、2025年11月5日に2025年12月期の通期業績予想の下方修正を発表しています。また、同日開示の第3四半期決算短信では、第3四半期累計期間(1-9月)において、新株予約権戻入益233,487千円という特別利益が計上され、純利益を押し上げました。
これらの情報は、今後の業績に対し複雑な影響を与えます。通期業績予想の下方修正はネガティブ要因ですが、第3四半期時点で営業利益および純利益が通期予想を既に上回っている点は一見ポジティブです。しかし、純利益の上振れは特別利益による一時的な要因が大きく、本業の収益力改善を示すものではないため、今後の継続的な採算改善が課題となります。Q4でのエンターテインメント事業の季節性や費用発生、権利販売の状況が通期成績達成に大きく影響すると考えられます。

4. 財務分析

収益性

  • 営業利益率(過去12か月): 3.31%。2025年12月期第3四半期累計では約3.02%と低水準です。
  • ROE(実績): 11.79% (過去12か月: 15.37%)。ベンチマークの10%を上回っており、株主資本の利用効率は良好です。
  • ROA(実績): 1.00% (過去12か月)。ベンチマークの5%に対しては低い水準であり、総資産に対する利益創出力には改善の余地があります。

財務健全性

  • 自己資本比率(実績): 48.0% (2025年12月期第3四半期末時点では50.4%)。安定水準にあり、財務基盤は比較的健全です。
  • 流動比率(直近四半期): 2.11 (211%)。ベンチマークの200%を上回っており、短期的な支払能力は良好です。
  • D/Eレシオ: 有利子負債に関する直接的なデータはありませんが、現金及び預金が4,010百万円と豊富であり、財務の安定性に寄与していると考えられます。

成長性

  • 売上高成長率: 過去の推移を見ると、2021年12月期から2024年12月期にかけて、売上高は5,631百万円から9,716百万円へと、順調に成長しています。 Quarterly Revenue Growth (前年比) は11.50%です。
  • 利益成長率: 2022年12月期までは赤字でしたが、2023年12月期に黒字転換し、2024年12月期は大幅な増益を達成しました。2025年12月期の通期予想では営業利益・経常利益は減益予想ですが、特別利益の影響で純利益は増益予想です。Quarterly Earnings Growth (前年比) は313.00%と高い成長を示していますが、一時的な要因も含まれます。

キャッシュフロー

  • 営業CF/純利益比率: 四半期キャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、正確な比率は算出できません。
  • 現金及び預金(直近四半期): 4,010百万円と豊富であり、前期末から1,557百万円増加しています。これは流動性の高さを裏付けています。

四半期進捗 (2025年12月期 第3四半期累計 (1-9月) 時点)

  • 売上高進捗率: 通期予想9,595百万円に対し、累計7,463百万円で約77.7%。概ね順調な進捗です。
  • 営業利益進捗率: 通期予想153百万円に対し、累計225百万円で約147.1%。通期予想を既に上回っています。
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益進捗率: 通期予想411百万円に対し、累計460百万円で約112.0%。通期予想を既に上回っています。ただし、純利益の上振れは一時的な特別利益(新株予約権戻入益)による影響が大きいです。

5. 株価分析

現在の水準

  • PER(会社予想): 29.58倍。業界平均PER 66.2倍と比較すると、相対的に割安な水準にあります。
  • PBR(実績): 1.65倍。業界平均PBR 3.5倍と比較すると、こちらも相対的に割安な水準です。
  • EPS(会社予想)は3.55円、BPS(実績)は63.51円です。
  • 業種平均PER基準の目標株価は496円、業種平均PBR基準の目標株価は230円であり、現在の株価105.0円はこれらの理論株価レンジよりも大幅に低い水準にあります。

テクニカル分析

  • 52週高値142円、安値94円に対し、現在の株価105.0円は52週レンジの22.9%の位置にあり、年間を通じて比較的安値圏に位置しています。
  • 移動平均線との位置関係を見ると、現在の株価105.0円は、5日移動平均線(106.60円)、25日移動平均線(108.48円)、75日移動平均線(113.59円)、200日移動平均線(111.75円)の全てを下回っています。これは、短期・中期・長期の全ての時間軸で下落トレンド、または軟調な推移を示唆しています。
  • トレンドシグナル: データなし。しかし、株価が複数の移動平均線を下回る状況は、通常デッドクロス発生を示唆し、下降トレンドが継続・強化される可能性を示します。

市場との比較

  • 日経平均株価やTOPIXとの相対パフォーマンスは、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年の全ての期間において、市場指数を大幅に下回っています。特に長期になるほどアンダーパフォームの幅が拡大しており、市場全体の上昇トレンドの中で同社株は軟調に推移していることが伺えます。

6. リスク評価

  • ベータ値(5Y Monthly)は-0.26と算出されています。これは、市場全体が変動する際に、同社株が市場と逆方向に動きやすいことを示唆していますが、値が小さいため、市場全体の動きに対する感応度は限定的であると解釈できます。
  • 決算短信に記載のリスク要因としては、エンターテインメント事業における製作費・人件費の高止まり、ライツ&メディア事業におけるOTT事業者間のコンテンツ獲得競争激化、多チャンネル市場の縮小による権利販売減少が挙げられています。また、コンサートやイベントの動員数変動も収益に影響を与えます。
  • 事業特有のリスクとしては、以下が考えられます。
  • 特定アーティストへの依存リスク: 韓流エンタメという性質上、人気アーティストの活動状況や動向が業績に大きく影響する可能性があります。
  • 親会社(韓国SMエンターテインメント)の影響: 親会社の経営戦略や事業方針の変更が日本法人に大きな影響を与える可能性があります。
  • 為替変動リスク: 輸入グッズの費用やコンテンツ権利取引において、為替レートの変動が収益に影響を及ぼす可能性があります。
  • 規制リスク: エンターテインメントコンテンツに関する国内外の著作権法や肖像権、興行に関する法規制の変更が事業に影響を与える可能性。
  • 技術陳腐化リスク: 配信プラットフォームの進化や消費者ニーズの急速な変化に対応できない場合のリスク。
  • 現在の株価は52週レンジの安値圏(22.9%)に位置しており、下値リスクは比較的限定的であるとも考えられますが、悪材料が出た際にはさらに下落する可能性も残されています。

7. 市場センチメント

  • 信用取引の状況では、信用買残が1,013,300株と前週比で+90,000株増加しており、買い方が増えている状況です。一方で信用売残は0株となっており、信用倍率は計算できませんが、売り方の圧力は現状では見られません。信用買残の増加は、将来の株価上昇を期待する投資家が多いことを示唆する一方、将来の需給悪化要因となる可能性もあります。
  • 株主構成を見ると、筆頭株主は(株)エスエム・エンタテインメント・ジャパンで66.06%を保有しており、親会社による支配色が非常に強いです。コリア・セキュリティーズ・デポジトリー・サムスンも14.65%を保有しており、安定株主比率は全体的に高いと言えます。
  • 機関投資家による保有割合は0.66%と非常に低く、株価形成においては個人投資家の動向や親会社の意向が強く反映されやすい構造です。経営陣の持株比率は個別には開示されていませんが、親会社が過半数を保有していることから、経営の安定性は高いと推測されます。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想)は1.90%です。
  • 会社予想の1株配当は2.00円です。2024年12月期の1.00円から増配予定です。
  • 予想配当性向は14.7%であり、利益に対する還元余力は健全な水準にあります。
  • 配当は2023年12月期まで行われず、2024年12月期に初めて(1.00円)、2025年12月期には増配予想(2.00円)と、近年になって始まったばかりです。そのため、配当の継続性や安定的な増配傾向は、今後の業績推移を慎重に見守る必要があります。
  • 自社株買いの実績や方針については、会社からの開示はデータなし。

9. 総合評価

【投資ポイント】

  • 親会社SMエンターテインメントから供給される強力なK-POPコンテンツIPを活用し、日本市場で独自のポジションを確立している点。
  • 高い自己資本比率と潤沢な現金を有し、財務健全性は良好である点。
  • コンサートやMD販売、OTT連携といった多角的な事業展開により、韓流エンタメ市場の成長を取り込む可能性がある点。

【強み】

  • 親会社であるSMエンターテインメントの絶大なブランド力とコンテンツ供給力。
  • K-POPアーティストのマネジメントからイベント企画・運営、MD販売、放送・配信まで一貫した事業展開。
  • 自己資本比率および流動比率が高く、財務基盤が比較的安定している。

【弱み】

  • 営業利益率が低く、製作費や人件費の高止まりにより採算性が圧迫されている。
  • 純利益の増益に一時的な特別利益の寄与が大きく、本業の収益力改善への評価が難しい。
  • 映像コンテンツの権利販売においては、多チャンネル市場の縮小という逆風に直面している。

【機会】

  • K-POPおよび韓流コンテンツの世界的な人気拡大と、日本市場における根強い需要。
  • OTTプラットフォームとの連携を強化し、新たな配信収益機会を創出する可能性。
  • 大規模イベントの企画力と実行力を活かした、国内外での事業展開の拡大。

【脅威】

  • コンテンツ製作費やイベント運営費の上昇、および競合激化による採算性の悪化。
  • 韓流ブームの減速や市場トレンドの変化、アーティスト活動の不確実性。
  • 為替変動リスクや、エンターテインメント産業に影響を及ぼす規制・社会情勢の変化。

【注目すべき指標】

  • 営業利益率: 本業の収益性改善を示す上で、今後の営業利益率の推移(目標:5%以上)に注目。
  • エンターテインメント事業およびライツ&メディア事業のセグメント利益率: 各事業の中核となる収益力を測る指標として、セグメント別の採算性推移を継続的にウォッチ。
  • 本業の利益成長: 特別利益に依存しない、売上増とコスト効率化による持続的な営業利益の成長。

10. 企業スコア

  • 成長性: A
  • Quarterly Revenue Growth (前年比) が11.50%であり、売上成長率が10-15%の範囲にあるため。
  • 収益性: B
  • ROEは11.79%と良好な水準にあるものの、営業利益率が3.31%と低く、収益性の課題を総合的に考慮。
  • 財務健全性: A
  • 自己資本比率が48.0%(2025年3Q末 50.4%)、流動比率が2.11(211%)であり、基準を上回る健全な財務状況。
  • 株価バリュエーション: S
  • PER 29.58倍、PBR 1.65倍は、それぞれ業界平均PER 66.2倍、PBR 3.5倍の70%以下にあり、大幅な割安と判断。

企業情報

銘柄コード 4772
企業名 SM ENTERTAINMENT JAPAN
URL https://smej.co.jp/
市場区分 グロース市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 105円
EPS(1株利益) 3.55円
年間配当 1.90円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 22.7% 40.3倍 398円 31.7%
標準 17.4% 35.1倍 278円 22.9%
悲観 10.5% 29.8倍 174円 12.2%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 105円

目標年率 理論株価 判定
15% 146円 ○ 28%割安
10% 182円 ○ 42%割安
5% 230円 ○ 54%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.9)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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