1. 企業概要

じげんは、「Better Life」の実現を目指し、求人・不動産・旅行・生活サービスなど多岐にわたる分野でインターネット上のライフサービスプラットフォームを運営する企業です。テーマ別の一括検索サイトを中心に展開し、ユーザーニーズに合致した情報を提供することで、最適な選択をサポートしています。収益モデルは主に成果報酬型課金であり、顧客(事業者)が成果を上げた際に収益を得るB2B課金が強みです。M&Aを積極的に活用し、事業領域の拡大とサービスの深化を図る成長戦略を推進しています。技術的独自性としては、大量の情報を集約・比較可能なプラットフォーム構築・運用ノウハウと、各領域における多様なアライアンス戦略が参入障壁となり得ます。

2. 業界ポジション

じげんは、インターネットコンテンツ・情報サービス業界において、特定の領域に特化したバーティカル型プラットフォームを複数展開しています。業界内での推定市場シェアは非公開ですが、多角的なM&Aによりサービスラインナップを拡充し、各市場での存在感を高めています。
主要競合との差別化要因は、主に「成果報酬型の課金モデル」による事業者とのリスクシェアと、「M&Aによる迅速な事業展開」にあります。また、多様なライフサービスを一括で検索・比較できる集約サイトの利便性も強みです。
市場動向としては、求人・採用ニーズは堅調に推移しているものの、生活関連領域では物価上昇の影響により移転やリフォームなどのユーザー需要が減退する一方、光熱費切替のような節約志向の需要は増加するなど、領域によって差異が見られます。同社はこれらの消費動向の変化に対応し、M&Aやサービスの最適化を進めています。

指標 じげん (3679) 業界平均(情報通信・サービスその他) 評価
PER (予想) 12.22倍 23.2倍 割安
PBR (実績) 2.38倍 2.3倍 ほぼ適正
ROE (実績) 20.51% データなし 優良
ROA (実績) 9.60% データなし 優良

業界平均PERと比較して割安、PBRはほぼ同水準であり、収益性(ROE, ROA)は優良な水準を維持しています。

3. 経営戦略

経営陣のビジョンや中期経営計画に関する具体的な数値目標は提供データには明示されていませんが、「Better Life」の実現に向けた事業領域の拡大とサービスの深化をM&Aを通じて推進していることがうかがえます。
重点投資分野は、既存事業の強化に加え、M&Aによる新規事業の獲得です。直近ではエニーキャリア株式会社の連結化を通じて、Vertical HR領域の拡充を図っています。これにより、売上収益や親会社帰属中間利益の増加に寄与しており、今後の業績にもプラスの影響が期待されます。ただし、M&Aに伴う「のれん」や無形資産の増加は、将来的な減損リスクとして留意が必要となります。

4. 財務分析

  • 収益性:
    • 営業利益率(過去12か月):20.45%
    • ROE(過去12か月):20.51%(ベンチマーク10%に対し優良)
    • ROA(過去12か月):9.60%(ベンチマーク5%に対し優良)
    • 高水準の収益性を維持しており、効率的な経営ができていると評価できます。
  • 財務健全性:
    • 自己資本比率(実績):53.2%(健全性の目安である40%を大きく上回り安定)
    • 流動比率(直近四半期):123%(短期債務に対する支払能力は100%超で確保されていますが、より高い数値が望ましい)
    • D/Eレシオ(直近四半期):30.03%(負債が自己資本に対して低い水準で、財務レバレッジは限定的)
  • 成長性:
    • 売上高成長率(過去12か月実績):+15.9%(前年同期間からの成長)
    • 売上高成長率(過去実績の推移):
      • 2022年3月期: +21.5%
      • 2023年3月期: +22.5%
      • 2024年3月期: +24.3%
      • 2025年3月期: +9.5%
    • 利益成長率(親会社帰属当期利益、過去実績の推移):
      • 2022年3月期: +21.1%
      • 2023年3月期: +29.5%
      • 2024年3月期: +29.7%
      • 2025年3月期: +1.9%
    • 直近の成長率は売上・利益ともに堅調ですが、2025年3月期予想ではやや鈍化が見られます。ただし、直近の「Quarterly Revenue Growth (前年比)」は+15.10%であり、再び成長の加速が見られます。
  • キャッシュフロー:
    • 営業CF(過去12か月):5,010百万円
    • 純利益(過去12か月):3,968百万円
    • 営業CF/純利益比率:1.26(健全性の目安1.0以上を大きく上回り、利益の質は非常に優良)
    • 一方で、直近中間期(2026年3月期 第2四半期)の営業CFは1,447百万円に対し、純利益は1,982百万円であり、営業CF/純利益比率は0.73と一時的に低下しています。これはM&Aに伴う一時的な運転資本の変動などが影響している可能性があります。
  • 四半期進捗:
    • 2026年3月期通期予想に対する第2四半期進捗率は、売上収益49.2%、営業利益48.5%、親会社帰属当期利益49.3%と、ほぼ均等に進捗しており、通期目標達成の可能性は高いと判断されます。

5. 株価分析

  • 現在の水準:
    • PER(会社予想):12.22倍
    • PBR(実績):2.38倍
    • 業界平均PER(情報通信・サービスその他):23.2倍
    • 業界平均PBR(情報通信・サービスその他):2.3倍
    • PERは業界平均と比較して約52.6%と大幅に割安な水準にあります。PBRは業界平均とほぼ同水準です。
    • EPSベースの理論株価レンジ(業種平均PER基準):917円
    • BPSベースの理論株価レンジ(業種平均PBR基準):475円
  • テクニカル:
    • 現在の株価(489.0円)は52週高値581.0円と安値354.0円の中間やや高値寄り(59.5%位置)にあります。
    • 移動平均線との位置関係:
      • 5日移動平均線(484.40円)を上回っています(+0.95%)。
      • 25日移動平均線(474.08円)を上回っています(+3.15%)。
      • 75日移動平均線(505.28円)を下回っています(-3.22%)。
      • 200日移動平均線(482.45円)を上回っています(+1.36%)。
    • 現在、短期的な移動平均線は上向きですが、75日移動平均線が上値抵抗線となる可能性があります。ゴールデンクロスやデッドクロスの明確なシグナルは現時点では確認できません。
  • 市場との比較:
    • 過去1ヶ月間ではTOPIXをわずかに上回るパフォーマンスですが、日経平均に対しては下回っています。
    • 過去3ヶ月、6ヶ月、1年間のパフォーマンスでは、日経平均およびTOPIXといった主要市場指数に大きく劣後しています。

6. リスク評価

  • ベータ値による市場感応度:
    • ベータ値(5Y Monthly):0.69
    • 市場全体(S&P 500)の動きに対して相対的に変動が小さい、ディフェンシブな特性を持つ銘柄と評価できます。
  • 決算短信記載のリスク要因:
    • マクロ経済(消費、物価)の変動、広告市場の需要変動、海外不動産市況の冷え込み、M&Aに伴う評価リスク(のれん・無形資産の回収可能性)、法規制の変更などが挙げられています。特にM&Aを積極活用する戦略のため、のれんや評価額の妥当性は今後の重要リスク要因です。
  • 事業特有のリスク:
    • プラットフォームビジネスは集客力やブランド力が重要であり、競合の動向や消費者のデジタルシフトに常に迅速に対応する必要があります。
    • 成果報酬型のビジネスモデルは、市場全体の需要動向に業績が左右されやすい側面があります。
    • M&A戦略には、買収後の統合プロセス(PMI)が円滑に進まないリスクや、買収対象事業が期待通りの成長をしないリスクが伴います。
  • 52週レンジにおける現在位置:
    • 現在の株価489.0円は、52週レンジ(354.0円~581.0円)の59.5%の位置にあり、中央よりやや高値寄りです。

7. 市場センチメント

  • 信用取引の状況:
    • 信用買残:854,700株
    • 信用売残:61,200株
    • 信用倍率:13.97倍
    • 信用買残が信用売残を大きく上回っており、信用倍率も高めであるため、将来的な需給悪化(信用買いの投げ売りなど)のリスクには留意が必要です。
  • 株主構成と大株主の動向:
    • 第1位株主は「じょうげん」で44.46%を保有、これに「自社(自己株口)」9.29%、「平尾丈」氏(代表者)4.8%が続きます。
    • 「じょうげん」は平尾丈氏の資産管理会社であると推測され、経営陣・創業者による高い保有比率(インサイダー保有比率50.74%)は、経営の安定性とオーナーシップの強さを示唆します。
    • 安定株主が多く、株主行動の安定性は高いと判断されます。機関投資家(% Held by Institutions 20.82%)の保有も一定程度あります。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): 2.24%
  • 1株配当(会社予想): 11.00円
  • 配当性向(会社予想): 27.5%
  • 配当の継続性・増配傾向:
    • 2022年3月期の年間配当3.5円から、2025年3月期実績10.5円、2026年3月期予想11.0円と、近年は増配傾向にあります。配当性向も20%台後半で無理のない水準です。
  • 自社株買いの実績と方針:
    • 直近の中間期で自己株式の取得・消却実績があり、株主還元策として配当と合わせて自社株買いも実施する方針が見受けられます。

9. 総合評価

  • 投資ポイント:
    • 多様なライフサービスを網羅するプラットフォーム事業による安定成長。
    • 業界平均と比較して割安なバリュエーション水準(PER)。
    • 高水準の収益性と健全な財務体質、かつ増配傾向にある株主還元策。
  • 強み:
    • 多分野にわたるバーティカルメディアの展開とシナジー効果。
    • 成果報酬型課金モデルによる高い利益率。
    • 積極的なM&A戦略による事業規模拡大と成長ドライバーの多元化。
  • 弱み:
    • M&Aによる「のれん」や無形資産の増加とその将来的な減損リスク。
    • 生活関連需要がマクロ経済状況に影響を受けやすい側面。
    • 信用買残が高い水準にあることによる、短期的な需給悪化リスク。
  • 機会:
    • DX推進やオンラインサービス利用拡大によるプラットフォーム需要の継続的な増加。
    • 未開拓分野へのM&Aによるさらなる事業領域拡大。
    • AI技術などの活用によるサービス高度化と競争優位性の強化。
  • 脅威:
    • 主要産業(求人、不動産)における競合激化と価格競争。
    • 消費者の嗜好変化やプラットフォーム間の乗り換え。
    • 情報セキュリティや個人情報保護に関する規制強化。
  • 注目すべき指標:
    • 売上収益成長率(通期予想に対する進捗率):通期予想28,000百万円に対する達成度。
    • 営業利益率:高水準の維持およびM&A後のシナジー効果。
    • 営業キャッシュフロー/純利益比率:1.0以上の健全性の継続。

10. 企業スコア

  • 成長性: S
    • Quarterly Revenue Growth (前年比) 15.10% であり、売上成長率15%以上。
  • 収益性: S
    • ROE 20.51% かつ 営業利益率 20.45% (過去12ヶ月平均) であり、ROE15%以上かつ営業利益率15%以上。
  • 財務健全性: B
    • 自己資本比率 53.2%(A評価の範囲)だが、流動比率が123%(B評価の範囲)であるため、総合的にB。
  • 株価バリュエーション: B
    • PERは業界平均の約52.6%(S評価)と大幅な割安。PBRは業界平均の約103.5%(B評価)とほぼ適正。両方でSを満たす必要があるのでB。

企業情報

銘柄コード 3679
企業名 じげん
URL http://zigexn.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 489円
EPS(1株利益) 40.19円
年間配当 2.24円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 9.3% 14.1倍 881円 12.9%
標準 7.1% 12.2倍 694円 7.7%
悲観 4.3% 10.4倍 515円 1.5%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 489円

目標年率 理論株価 判定
15% 352円 △ 39%割高
10% 439円 △ 11%割高
5% 554円 ○ 12%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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By ジニー

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