ツムラ(4540)の企業分析レポート

1. 企業概要

ツムラは、漢方薬に特化した医薬品メーカーであり、日本国内の医療用漢方薬市場において8割を超える圧倒的なシェアを誇る最大手企業です。高齢者、がん支持療法、女性関連の3領域を重点分野として市場深耕を図っています。近年は中国事業も強化しており、国際展開も進めています。

  • 主力製品・サービスの特徴
  • 医療用漢方製剤:国内の医療機関向けに129処方を展開し、質の高い漢方薬を提供しています。
  • 一般用漢方製剤(OTC):一般消費者向けの漢方薬も提供し、セルフメディケーション需要に応えています。
  • 原料生薬・飲片の販売:漢方薬の原料である生薬の調達・加工技術を活かし、販売も行っています。
  • 収益モデル
  • 医薬品の製造・販売によるフロー型の収益モデルが中心です。
  • B2B(医療機関向け)が主軸ですが、B2C(一般消費者向け)のヘルスケア事業も展開しています。
  • 技術的独自性や参入障壁
  • 長年にわたる漢方薬研究開発の実績と、原料生薬の安定調達・品質管理体制が確立されています。
  • 医療用漢方薬市場における圧倒的なブランド力とエビデンス(科学的根拠)に基づく製品開発が強みです。
  • 高品質な漢方薬を安定供給するための生薬栽培・加工・製造技術は高い参入障壁となっています。

2. 業界ポジション

ツムラは、国内医療用漢方薬市場において8割超の市場シェアを持つ、揺るぎないリーダーです。

  • 業界内での推定市場シェアまたはポジション
  • 医療用漢方薬分野において、日本国内で8割を超える圧倒的な市場シェアを保持しています。
  • 主要競合との差別化要因
  • 漢方薬に特化した専門性と、原料生薬から製剤までを一貫して管理する独自の品質保証体制。
  • 漢方薬のエビデンス構築に向けた積極的な研究活動と、高い認知度・信頼性を持つブランド力。
  • 長年にわたる医療機関との連携による深い知見と処方実績。
  • 市場動向と企業の対応状況
  • 高齢化社会の進展に伴い、漢方薬の需要は堅調に推移しています。特にがん支持療法や女性特有の疾患への応用が進んでいます。
  • 同社はこれに対応し、重点3領域での市場深耕を継続。加えて、中国市場における漢方薬需要の拡大に着目し、上海虹橋中薬飲片有限公司の子会社化を通じて、中国事業の基盤を強化しています。
  • 【定量比較】可能な場合、業界平均との財務指標比較
  • PER(会社予想):12.71倍(業界平均 27.8倍)- 業界平均と比較して割安な水準にあります。
  • PBR(実績):1.04倍(業界平均 1.4倍)- 業界平均と比較して割安な水準にあります。
  • ROE(実績):11.35%(ベンチマーク 10%を上回る)- 同業他社比較(過去12か月)の8.83%と比較しても、最新の2025年3月期実績は良好な水準です。

3. 経営戦略

ツムラは、医療用漢方薬における強固な基盤を維持しつつ、国内外での成長機会を追求する戦略を推進しています。

  • 経営陣のビジョンと中期経営計画
  • 中期経営計画に関する詳細なKPIはデータ中にありませんが、高齢者・がん支持療法・女性関連の3領域での市場深耕、および中国における生薬プラットフォームの強化・拡大が継続的な経営方針とされています。
  • 重点投資分野と成長戦略
  • 中国事業の拡大:上海虹橋中薬飲片有限公司の子会社化により、中国での製造・販売・供給基盤を強化し、成長市場でのプレゼンス向上を目指しています。
  • 生薬プラットフォームの強化:安定供給と高品質維持のための生薬の調達・栽培・加工における投資を継続。
  • DX関連費用:情報提供活動や社内効率化のためのデジタル技術への投資も実施しています。
  • 最近の適時開示情報(大型受注、新製品、M&A等)
  • 2025年11月10日に発表された2026年3月期 第2四半期決算短信において、通期業績予想の上方修正が行われました(売上高+100億円、年間配当を一株当たり+8円)。
  • 上海虹橋中薬飲片有限公司の51%取得による連結子会社化が実施されました。
  • これらが今後の業績に与える影響
  • 中国事業の子会社化は、売上高の押し上げに寄与すると見込まれます。
  • 一方で、子会社取得に伴うのれん計上、取得関連費用、原料・加工費の上昇、為替差損などが一時的に利益を圧迫する可能性があります。
  • 長期的には、中国市場での規模拡大とシナジー効果により、収益基盤の強化が期待されます。

4. 財務分析

  • 【収益性】
  • 営業利益率(過去12か月):20.08% – 高い収益性を維持しています。
  • ROE(実績):11.35%(2025年3月期)- ベンチマークの10%を上回る良好な水準です。
  • ROA(過去12か月):4.66% – ベンチマークの5%に近く、堅実な資産効率を示しています。
  • 【財務健全性】
  • 自己資本比率(2026年3月期 第2四半期):56.9% – 安定性の目安とされる40%を大きく上回る健全な水準です(前期末64.7%からは低下)。
  • 流動比率(直近四半期):301% – 短期的な支払い能力を示す流動比率も非常に高く、財務健全性が高いです。
  • D/Eレシオ(直近四半期):35.19%(0.35倍)- 低水準であり、有利子負債に対する自己資本の比率が高く、負債負担が小さいことを示しています。
  • 【成長性】
  • 売上高成長率:
  • 2024/3期:+7.71%
  • 2025/3期(実績):+20.05%
  • 2026/3期(予想):+9.34%
  • 利益成長率:
  • 営業利益:2025/3期実績で+100.46%と大きく成長しましたが、2026/3期予想では-12.77%と減益を見込んでいます。
  • 純利益:2025/3期実績で+94.09%と大きく成長しましたが、2026/3期予想では-25.06%と減益を見込んでいます。
  • 大型M&Aによる売上増と、それに伴うコスト増・為替影響が利益に影響を与えています。
  • 【キャッシュフロー】
  • 営業CF/純利益比率(2026年3月期 第2四半期):0.79 – 目安の1.0以上を下回っており、利益がキャッシュフローに十分に裏付けられていない可能性があります。棚卸資産の増加や税金支払いが主な要因です。
  • フリーキャッシュフロー(過去12か月):-5.56B円 – マイナスとなっており、投資活動(特に子会社取得)が活発であることを示しています。
  • 【四半期進捗】
  • 2026年3月期通期予想に対する第2四半期時点の進捗率は以下の通りです。
  • 売上高:45.4%
  • 営業利益:48.9%
  • 親会社株主に帰属する中間純利益:51.4%
  • おおむね通期見通し達成に向けた順調な進捗と見られます。

5. 株価分析

  • 【現在の水準】
  • 現在株価:4,125.0円
  • PER(会社予想):12.71倍 – 業界平均27.8倍と比較して大幅に割安な水準です。
  • PBR(実績):1.04倍 – 業界平均1.4倍と比較して割安な水準です。
  • EPS(会社予想):324.53円
  • BPS(実績):3,955.97円
  • 理論株価レンジ(業界平均基準):
  • 業種平均PER基準:10,099円
  • 業種平均PBR基準:5,538円
  • 現在株価は理論株価レンジと比較して大きく下回っており、割安感が強いと評価できます。
  • 【テクニカル】
  • 52週高値:4,775円、52週安値:3,306円。現在株価は52週レンジの中央よりやや上の52.0%の位置にあります。
  • 移動平均線との位置関係:
  • 現在株価(4,125.00円)は5日移動平均線(4,121.00円)を0.10%上回っています。
  • 25日移動平均線(3,960.16円)を4.16%上回っています。
  • 75日移動平均線(3,773.21円)を9.32%上回っています。
  • 200日移動平均線(3,780.83円)を9.10%上回っています。
  • トレンドシグナル:全ての移動平均線を上回っており、短期から長期にわたって上昇トレンドにあると見られます。明確なゴールデンクロス/デッドクロスの記載はありませんが、現在のMA位置から上昇トレンドを示唆しています。
  • 【市場との比較】
  • 日経平均株価との相対パフォーマンス:
  • 1ヶ月では日経平均を+1.74%ポイント上回るパフォーマンスです。
  • 3ヶ月、6ヶ月、1年では日経平均を下回るパフォーマンスとなっています(特に1年では-47.26%ポイントと大きく下回っています)。
  • TOPIXとの相対パフォーマンス:
  • 1ヶ月ではTOPIXを+2.78%ポイント上回っています。

6. リスク評価

  • ベータ値による市場感応度
  • ベータ値:-0.07 – 市場全体の値動きに対する感応度が非常に低い、または逆相関に近い動きを示す傾向があります。これは市場全体の変動に左右されにくい特性を持つことを示唆します。
  • 決算短信記載のリスク要因
  • 為替変動リスク:海外事業の拡大に伴い、為替レートの変動が業績に影響を与える可能性があります。
  • 原料生薬価格・加工費の上昇:生薬の価格や加工費の変動は、売上原価に直接影響し、収益性を圧迫する可能性があります。
  • 流通在庫の変動:医療用漢方製剤の流通在庫の動向が売上計上時期に影響を与えることがあります。
  • 子会社の統合作業・のれん償却負担:新たに連結子会社化した上海虹橋中薬飲片の統合作業が円滑に進まない場合や、計上されたのれん償却費が利益を圧迫する可能性があります。
  • 政策的・規制環境の変化:医療制度改革や薬価改定など、政府の政策・規制変更が事業環境に影響を与える可能性があります。
  • 事業特有のリスク
  • 生薬の安定供給リスク:天候不順、病害、地政学リスクなどにより、原料生薬の安定調達が困難になる可能性があります。
  • 競合激化リスク:特に中国市場での競争激化や、他社による新規参入の可能性があります。
  • 製造物責任リスク:医薬品メーカーとして、製品の品質問題による製造物責任リスクを常に抱えています。
  • 52週レンジにおける現在位置
  • 52週高値4,775円、安値3,306円に対し、現在株価4,125円は52.0%の位置にあります。安値圏からは回復していますが、高値圏まではまだ距離があります。

7. 市場センチメント

  • 信用取引の状況
  • 信用買残:121,700株
  • 信用売残:34,900株
  • 信用倍率:3.49倍
  • 信用買残が信用売残を上回っており、個人の買い残が積み上がっている状況ですが、信用買残・売残ともに前週比では減少しています。信用倍率はやや高めですが、極端な水準ではありません。
  • 株主構成と大株主の動向
  • 大株主には日本マスタートラスト信託銀行(信託口)、中国銀行(香港)中国平安人寿保険、ステート・ストリート・バンク&トラストなど、国内外の機関投資家が上位を占めています。
  • 機関投資家の保有割合が高く、比較的安定した株主構成と言えます。
  • 経営陣の持株比率と安定株主の状況
  • インサイダー保有割合は8.37%です。
  • 信託銀行が上位株主として名を連ねていることから、安定株主の基盤は一定程度確保されていると考えられます。

8. 株主還元

  • 配当利回りと配当性向
  • 配当利回り(会社予想):3.49%(現在の株価4,125円、予想年間配当144.00円に基づく)
  • 配当性向(会社予想):45.0%(2026年3月期予想)- 堅実な水準であり、利益を株主還元に回す姿勢が見られます。
  • 配当の継続性・増配傾向
  • 2026年3月期の年間配当予想は144.00円と、前回予想の136.00円から増配しています。
  • 過去の配当性向の推移を見ても、継続的に配当を実施しており、安定した株主還元の方針が伺えます。
  • 自社株買いの実績と方針
  • 直近の決算短信では、当中間期に自己株式が2,422,034株と記載されており、自己株口の保有も確認できます。しかし、自社株買いに関する具体的な実績や今後の計画についてはデータがありません。

9. 総合評価

  • 【投資ポイント】
  • 国内医療用漢方市場における圧倒的シェアと安定した収益基盤。
  • 高齢化社会やがん支持療法など、漢方薬の需要拡大が見込まれる市場環境。
  • 中国市場への積極的な事業展開とM&Aによる成長戦略。
  • 【強み】
  • 医療用漢方薬分野での市場支配力とブランド認知度。
  • 原料生薬の安定調達から製品化までの一貫した品質管理体制。
  • 健全な財務体質と安定的なキャッシュ創出力(営業CFは変動あり)。
  • 【弱み】
  • 原料生薬価格や加工費の上昇が利益を圧迫するリスク。
  • 海外事業展開に伴う為替変動リスクと地政学的リスク。
  • M&Aに伴うのれん償却費や統合コストによる短期的な利益減少。
  • 【機会】
  • 中国における漢方薬市場の急速な成長と、子会社化による事業基盤強化。
  • 漢方薬のエビデンス強化を通じた新たな医療領域への適用拡大。
  • 一般用漢方製剤(OTC)市場におけるセルフメディケーション需要の取り込み。
  • 【脅威】
  • 医療費抑制政策による薬価改定や規制強化のリスク。
  • 原料生薬の安定供給を脅かす異常気象や病害によるリスク。
  • 中国市場における競合激化や模倣品問題。
  • 【注目すべき指標】
  • 中国事業の売上高と営業利益率(特に上海虹橋中薬飲片の統合効果)。
  • Raw material cost動向(生薬費・加工費)とコストコントロールの進捗。
  • 営業キャッシュフローの改善およびフリーキャッシュフローの回復。

10. 企業スコア

  • 成長性: C
  • 直近四半期売上高成長率は3.10%であり、C評価の閾値(0-5%)に該当します。
  • 収益性: A
  • ROE(11.35%)はA評価の閾値(10-15%)に該当し、営業利益率(20.08%)はS評価の閾値(15%以上)に該当しますが、S評価の「かつ」の条件を満たさないため、総合的にAと評価します。
  • 財務健全性: A
  • 自己資本比率(56.9%)はA評価の閾値(40-60%)に該当し、流動比率(301%)はS評価の閾値(200%以上)に該当します。S評価の「かつ」の条件を満たさないため、総合的にAと評価します。
  • 株価バリュエーション: A
  • PER(12.71倍)は業界平均(27.8倍)の45.7%であり大幅な割安です。PBR(1.04倍)は業界平均(1.4倍)の74.3%であり割安です。PERが圧倒的に割安である点を加味し、A評価とします。

企業情報

銘柄コード 4540
企業名 ツムラ
URL http://www.tsumura.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 医薬品 – 医薬品

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 4,125円
EPS(1株利益) 324.53円
年間配当 3.49円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 13.2% 14.6倍 8,830円 16.5%
標準 10.2% 12.7倍 6,697円 10.3%
悲観 6.1% 10.8倍 4,716円 2.8%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 4,125円

目標年率 理論株価 判定
15% 3,342円 △ 23%割高
10% 4,173円 ○ 1%割安
5% 5,266円 ○ 22%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.9)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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