1. 企業概要

リンナイは、ガスを熱源とするガス給湯器や厨房機器、空調機器、業務用機器の製造・販売を国内外で展開するガス器具最大手の企業です。給湯機器が売上全体の約6割を占め、厨房機器と合わせて中核事業となっています。韓国、中国、米国、豪州など海外事業にも積極的で、海外売上比率も高いグローバル企業です。高付加価値製品の開発に注力し、技術的独自性と高いブランド認知度を背景に、強固な市場地位を築いています。

  • 主力製品・サービスの特徴:
  • 給湯機器: エコワン (熱と電気のハイブリッド給湯・暖房システム)、タンクレス給湯器など、環境配慮型・省エネ性の高い製品が特徴です。
  • 厨房機器: ビルトインコンロ、ガスオーブンなど、高い調理性や安全性を追求した製品を展開しています。
  • 空調機器・業務用機器: ガスファンヒーター、ガス衣類乾燥機、商業用ガス厨房機器など、幅広いニーズに対応しています。
  • 収益モデル:
  • 主に製品販売によるフロー型の収益モデルです。B2C(一般家庭向け)とB2B(業務用、住宅メーカー向け)の両方で展開しています。製品の買い替え需要や新規設置需要が収益基盤となります。
  • 技術的独自性や参入障壁:
  • ガス器具分野での長年の経験と技術開発力による省エネ・高機能製品の提供。
  • 国内外における高いブランド力と販売・サービスネットワーク。
  • 高温水供給、安全機能、制御技術など、ガス機器特有の技術ノウハウが参入障壁となっています。

2. 業界ポジション

リンナイはガス器具業界において国内最大手であり、グローバルでも主要プレイヤーの一つです。

  • 業界内での推定市場シェアまたはポジション:
  • 国内ガス器具市場においてはトップシェアを誇ります。グローバル市場でも主要な位置を占めており、特にアジア、北米、オーストラリアなどで高いプレゼンスを持っています。
  • 主要競合との差別化要因:
  • 高付加価値製品への注力: ECO ONEなどのハイブリッドシステムや、タンクレス給湯器、ガス衣類乾燥機といった付加価値の高い省エネ・高機能製品のラインナップが競合優位性です。
  • グローバルな事業展開: 海外売上高比率が高く、地域ごとの市場ニーズに合わせた製品開発・販売戦略を展開しています。
  • 徹底した原価低減と価格改定: 原材料高騰や為替変動リスクを吸収するための積極的な対応力が特徴です。
  • 市場動向と企業の対応状況:
  • 世界的な物価上昇、金利高止まり、円安、原材料高が継続する厳しい事業環境にあります。
  • 住宅市場においては新築着工数の減少が見込まれる中、同社はリフォーム需要の取り込みや、環境性能に優れた高付加価値商品の拡販を強化しています。
  • 中国市場の減速には直面していますが、米国やオーストラリアといった他地域での成長がこれをカバーしており、地域分散によるリスクヘッジも図られています。
  • 【定量比較】可能な場合、業界平均との財務指標比較を含める:
  • 本レポートの株価分析セクションにてPERおよびPBRの業界比較を実施します。

3. 経営戦略

リンナイは中期経営計画「New ERA 2025」を推進しており、最終年度に向けて成長戦略を実行しています。

  • 経営陣のビジョンと中期経営計画:
  • 持続的な成長と企業価値向上を目指し、重点商品(ECO ONE、タンクレス、エアバブル、ガス乾燥機など)の拡販と地域拡大を軸としています。
  • 重点投資分野と成長戦略:
  • 高付加価値商品の強化: ECO ONEやガス衣類乾燥機、浴室暖房乾燥機など、省エネ性や利便性の高い製品で市場シェア拡大を目指します。
  • 海外事業の拡大: 北米、オーストラリア市場での販売強化に加え、ラテンアメリカ(ペルー)での企業買収を通じて新たな成長市場の開拓を進めています。
  • 生産体制の最適化と原価低減: グローバルな生産拠点とサプライチェーンの効率化、原材料価格高騰への対応などを図ります。
  • 最近の適時開示情報:
  • 2025年10月31日には、ペルーのMT Industrial S.A.Cを約110億円で取得し子会社化することを発表しています。これは中南米市場への本格的な展開を強化する重要な一手となります。
  • 2026年3月期第2四半期決算(中間期)において、売上高・営業利益ともに過去最高を達成したことを開示しました。
  • これらが今後の業績に与える影響:
  • ペルーの企業買収は、中南米における生産・販売拠点を獲得し、長期的な海外売上高の拡大に寄与する可能性があります。ただし、買収後の統合プロセスとそのれんの影響は注視が必要です。
  • 高付加価値商品の拡販は、粗利率の改善と収益性の向上に貢献し、厳しい市場環境下でも利益を確保する原動力となると考えられます。
  • 中国市場の減速は一時的なリスクとなりますが、他の地域での成長により全体としての増収増益を維持する見通しです。

4. 財務分析

  • 【収益性】
  • 営業利益率(過去12か月): 11.42% (前年同期は9.15%)。改善傾向にあり、良好な水準です。
  • ROE(過去12か月): 8.95% (ベンチマーク10%に対しやや下回る水準)。
  • ROA(過去12か月): 5.06% (ベンチマーク5%に対し良好な水準)。
  • 直近の中間決算では営業利益率10.5%を確保しており、高付加価値製品の販売伸長や価格改定、原価低減活動により収益性を維持・向上させています。
  • 【財務健全性】
  • 自己資本比率(直近中間期): 68.8% (非常に健全な水準)。
  • 流動比率(直近中間期): 355% (流動負債に対する流動資産の比率が高く、短期的な支払能力は極めて良好)。
  • D/Eレシオ: データなし。ただし、自己資本比率と流動比率の高さから、実質的な負債は少なく財務健全性が高いと推測されます。
  • 【成長性】
  • 売上高成長率の推移:
  • 2023年3月期: +16.1%
  • 2024年3月期: +1.2%
  • 2025年3月期(予想): +7.0%
  • 2026年3月期(会社予想): +2.1%
  • 直近の通期予想では成長率がやや鈍化する見込みですが、過去からの継続的な増収トレンドが見られます。
  • 利益成長率の推移 (親会社株主に帰属する当期純利益):
  • 2023年3月期: +9.9%
  • 2024年3月期: +2.2%
  • 2025年3月期(予想): +11.3%
  • 2026年3月期(会社予想): +11.1%
  • 利益成長率は比較的安定しており、2025年3月期および2026年3月期の予想では二桁成長を見込んでいます。
  • 【キャッシュフロー】
  • 営業CF(過去12か月): 64,180百万円。
  • 純利益(過去12か月): 33,362百万円。
  • 営業CF/純利益比率: 1.92 (1.0以上が健全とされる中、純利益を大幅に上回っており、キャッシュ創出力が非常に優れていることを示します)。
  • フリーキャッシュフロー(過去12か月): 45,020百万円 (高い水準で、事業活動から十分な現金を創出できています)。
  • 【四半期進捗】
  • 2026年3月期 第2四半期(中間期)実績は、通期会社予想に対し、売上高46.0%、営業利益45.5%、純利益48.2%の進捗率です。季節性などを考慮すれば、通期予想の達成はおおむね順調に進んでいると判断できます。

5. 株価分析

  • 【現在の水準】
  • PER(会社予想): 17.02倍
  • PBR(実績): 1.38倍
  • 業界平均PER: 17.5倍、業界平均PBR: 0.7倍
  • 評価: PERは業界平均と比較してほぼ同水準であり、適正な水準にあると言えます。PBRは業界平均を大きく上回っており、やや割高に評価されている可能性があります。ただし、PBRは自己資本比率の高さとも相関があり、同社の高い財務健全性を反映している側面もあります。
  • EPS/BPSベースの理論株価レンジ:
  • EPS237.37円(2026年3月期会社予想)に基づく業界平均PER目標株価: 約4,154円。
  • BPS2,906.92円(直近実績)に基づく業界平均PBR目標株価: 約2,035円。
  • これらの理論株価はあくまで指標であり、市場の評価とは異なる場合がある点に留意が必要です。
  • 【テクニカル】
  • 現在株価4,003円は、52週レンジ(2,993円~4,075円)の高値圏93.3%に位置しています。
  • 移動平均線との位置関係:
  • 5日移動平均線 (3,981.20円) を0.55%上回っています。
  • 25日移動平均線 (3,959.72円) を1.09%上回っています。
  • 75日移動平均線 (3,720.81円) を7.58%上回っています。
  • 200日移動平均線 (3,630.64円) を10.26%上回っています。
  • 短期、中期、長期の全ての移動平均線を上回っており、上昇トレンドが継続していることを示唆します。
  • 【市場との比較】
  • 日経平均比:
  • 1ヶ月: 株式+2.64% vs 日経+5.13% → 2.49%ポイント下回る
  • 3ヶ月: 株式+15.49% vs 日経+15.36% → 0.14%ポイント上回る
  • 6ヶ月: 株式+12.51% vs 日経+29.10% → 16.59%ポイント下回る
  • 1年: 株式+25.41% vs 日経+32.63% → 7.22%ポイント下回る
  • TOPIX比:
  • 1ヶ月: 株式+2.64% vs TOPIX+4.08% → 1.44%ポイント下回る
  • 中短期では市場平均とほぼ同等かやや劣後していますが、3ヶ月では日経平均をわずかに上回っています。長期(6ヶ月、1年)では市場全体の強い上昇トレンドに対しては劣後している状況です。

6. リスク評価

現在の株価水準と事業特性を考慮したリスク要因を以下に示します。

  • ベータ値による市場感応度:
  • ベータ値 (5Y Monthly): 0.44。この数値は市場全体の変動に対して、リンナイの株価が約0.44倍しか変動しないことを示します。市場感応度が低く、安定した銘柄であると言えます。
  • 決算短信記載のリスク要因:
  • 為替変動リスク: 海外売上比率が高く、為替レートの変動が業績に影響を与える可能性があります。
  • 原材料・エネルギー価格の変動: 原材料(金属等)やガス・電気などのエネルギー価格の高止まりは製造コストを押し上げ、収益を圧迫する可能性があります。
  • 地域別需要の変動: 特に中国市場の減速は近年の懸念材料です。各国の経済状況や消費動向が業績に直接影響します。
  • 関税・貿易政策の変更: 世界的な保護主義の台頭や貿易摩擦が、国際事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
  • 買収の統合リスク: ペルーの企業買収は成長機会を提供する一方で、買収後の事業統合が計画通りに進まず、のれん減損などのリスクも伴います。
  • 事業特有のリスク:
  • 技術陳腐化・電化へのシフト: 脱炭素・省エネの流れの中で、ガス機器からヒートポンプなどの電化製品への需要シフトが進む可能性があります。同社はハイブリッド給湯器「ECO ONE」などで対応していますが、長期的なトレンドへの適応が重要です。
  • 規制・環境基準の強化: 各国でガス機器に関する環境規制や安全基準が強化される場合、製品開発や設備投資に影響が生じる可能性があります。
  • 52週レンジにおける現在位置:
  • 現在株価は52週高値圏の93.3%に位置しており、短期的には過熱感や高値での調整リスクが考えられます。

7. 市場センチメント

  • 信用取引の状況:
  • 信用買残: 24,000株 (-200株)
  • 信用売残: 21,900株 (-700株)
  • 信用倍率: 1.10倍
  • 信用倍率は1倍台と低く、売り買いが拮抗しており、需給面での大きな歪みは現状見られません。
  • 株主構成と大株主の動向:
  • 機関投資家保有比率: 31.08%
  • 内部関係者(インサイダー)保有比率: 28.87%
  • 大株主には創業家と見られる内藤(株)、林謙治氏の名前があり、また日本マスタートラスト信託銀行、日本カストディ銀行といった信託銀行の信託口も上位に連なっています。これにより、安定的な株主構成が維持されていると考えられます。
  • 経営陣の持株比率と安定株主の状況:
  • 上位株主の存在から、堅実な経営体制が期待できます。公益財団法人リンナイ奨学財団や自社社員持株会も大株主に名を連ねており、安定株主が比較的多い状態と言えます。

8. 株主還元

リンナイは安定的な配当と自社株買いを通じて株主還元に積極的な方針を示しています。

  • 配当利回りと配当性向:
  • 配当利回り(会社予想): 2.49% (現在の株価4,003円、年間配当予想100円に基づく)
  • 配当性向(2026年3月期会社予想ベース): 約42.1% (会社予想EPS237.37円、年間配当予想100円に基づく)
  • 配当性向は健全な水準であり、事業成長とのバランスが取れた還元策と言えます。
  • 配当の継続性・増配傾向:
  • 同社は過去10年以上にわたり、安定配当を継続し、基本的に増配傾向にあります。
  • 2026年3月期会社予想では、前年の年間80円から100円への増配を計画しており、株主還元への意欲がうかがえます。
  • 自社株買いの実績と方針:
  • 2026年3月期中間期決算では、自己株式取得による支出が約7,355百万円発生しており、継続的に自社株買いを実施する方針であることが確認できます。これは、1株あたりの価値向上に寄与します。

9. 総合評価

  • 【投資ポイント】
  • 高い財務健全性と安定したキャッシュ創出力。
  • 高付加価値商品の強化と積極的な海外展開による成長戦略。
  • 安定配当と自社株買いによる株主還元姿勢。
  • 【強み】
  • 国内ガス器具市場における圧倒的シェアとブランド力。
  • 高い技術力とエコ・高機能製品(ECO ONE等)の開発力。
  • 自己資本比率68.8%、流動比率355%という極めて強固な財務体質。
  • 【弱み】
  • 中国市場の需要減速と政治・経済情勢への感応度。
  • 一部の市場(PBR)で業界平均と比較して割高感があること。
  • 世界的な脱炭素・電化の流れにおけるガス器具事業の長期的な位置づけ。
  • 【機会】
  • 住宅リフォーム市場における高付加価値商品の需要拡大。
  • 北米、オーストラリア、そして新規参入する中南米といった成長市場での事業拡大。
  • 環境規制強化に伴う、高効率・低エミッション製品への買い替え需要。
  • 【脅威】
  • 原材料・エネルギー価格の高騰や為替変動によるコスト増加リスク。
  • 競合他社の電化製品シフトや技術革新による競争激化。
  • 世界経済の減速や地政学リスクによる消費動向への悪影響。
  • 【注目すべき指標】
  • 営業利益率の推移: 高付加価値化や原価低減の効果を測る上で重要。中期的に12%台への改善を目指せるか。
  • 海外売上高比率と地域別売上高: 特に中国の回復度と、米国・豪州・ラテンアメリカの成長寄与度。
  • フリーキャッシュフロー: 事業成長と株主還元を両立できる現金を継続的に創出できるか。

10. 企業スコア

  • 成長性: C
  • 2026年3月期の会社予想売上成長率が+2.1%であり、評価基準の0-5%に該当するためCと評価します。
  • 収益性: A
  • ROE(過去12か月)が8.95%でB評価(8-10%)、営業利益率(過去12か月)が11.42%でA評価(10-15%)に該当します。両指標を総合的に鑑み、A評価とします。
  • 財務健全性: S
  • 自己資本比率が68.8%(60%以上)、流動比率が355%(200%以上)と、共にS評価の基準を満たしており、極めて高い財務健全性を保っています。
  • 株価バリュエーション: D
  • PERは会社予想17.02倍で業界平均17.5倍とほぼ同水準(B評価の範囲内)ですが、PBRは実績1.38倍で業界平均0.7倍を大幅に上回ります(197%)。両指標のバランスを考慮し、PBRの割高感が顕著であるためD評価とします。

企業情報

銘柄コード 5947
企業名 リンナイ
URL http://www.rinnai.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 建設・資材 – 金属製品

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 4,003円
EPS(1株利益) 235.84円
年間配当 2.49円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 8.9% 19.7倍 7,114円 12.2%
標準 6.9% 17.1倍 5,622円 7.1%
悲観 4.1% 14.5倍 4,194円 1.0%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 4,003円

目標年率 理論株価 判定
15% 2,803円 △ 43%割高
10% 3,500円 △ 14%割高
5% 4,417円 ○ 9%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.9)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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