1. 企業概要
株式会社大水は、水産物卸売業を主力とし、鮮魚、塩冷品(練り製品・凍魚等)を国内外に販売しています。また、冷蔵倉庫サービスも提供しており、関西の中央卸売市場を主要拠点としています。主力となる水産物販売事業が連結売上高のほぼ100%を占めています。
主力製品・サービスは、鮮魚、凍魚、加工品(練り製品、塩干品)であり、ニッスイの持分法適用会社であることも特徴です。収益モデルは水産物の取引によるフロー型収益が主で、スーパーマーケットやレストランが主要顧客のB2Bモデルです。冷蔵倉庫業は保管料を主とするストック型収益です。
長年の事業で培われた多様な仕入れルートと販売ネットワーク、特に近畿地方の中央卸売市場における強固な顧客基盤が参入障壁となります。ニッスイとの資本提携も競争優位性の一つです。
2. 業界ポジション
大水は「日水系水産卸大手」として関西圏で確固たる地位を築いていると見られます。具体的な市場シェアのデータは提供されていません。主要競合との差別化要因としては、筆頭株主であるニッスイの安定した資本関係による調達・販売力、近畿7市場に広がる強固な流通ネットワーク、および冷凍魚・加工品への注力による商品供給体制が挙げられます。
市場動向として、水産物の漁獲量・相場は魚種により変動が大きく、円安による輸入魚価格の高止まりが続いています。外食産業はインバウンド需要で堅調な一方、内食は弱い傾向が見られます。大水は鮭鱒、エビ、塩サバなどの取扱量を増やし、海外向け凍魚や国内向けスリミが堅調に推移する一方で、貝類、養殖ブリなどの取扱量は減少しています。
定量比較では、PER(会社予想)8.93倍に対し業界平均10.1倍(割安)、PBR(実績)0.42倍に対し業界平均0.7倍(大幅割安)と、バリュエーション面で割安感があります。また、ROE(実績)10.63%はベンチマークの10.0%を上回る良好な水準ですが、ROA(実績)1.72%はベンチマークの5.0%を下回っています。営業利益率の業界平均との比較データは提供されていません。
3. 経営戦略
中期経営計画の詳細に関するデータは提供されていません。
重点投資分野としては、冷凍魚・加工品への注力と国内外向け販売の強化が挙げられます。直近の中間期決算では有形固定資産取得による設備投資が前年同期比で増加しており、事業の効率化や拡大に向けた投資を進めている可能性があります。
最近の適時開示情報として、大型受注、新製品発表、M&Aなどの特筆すべき情報は提供されていません。これらの投資は、将来的な生産性向上や供給能力強化に寄与し、収益基盤の強化に繋がる可能性があります。
4. 財務分析
- 【収益性】
- 営業利益率: 0.51%(過去12か月)
- ROE (自己資本利益率): 10.63%(過去12か月、ベンチマーク10%以上で良好)
- ROA (総資産利益率): 1.72%(過去12か月、ベンチマーク5%以上)
- 【財務健全性】
- 自己資本比率: 46.1%(実績、目安40%以上で安定)
- 流動比率: 171%(直近四半期、目安150%以上で比較的健全)
- D/Eレシオ (総負債/純資産): 35.23%(直近四半期)
- 【成長性】
- 売上高成長率(前年通期比較):
- 2025年3月期99,302百万円 vs 2024年3月期98,460百万円(+0.86%)
- 2026年3月期通期予想100,000百万円 vs 2025年3月期99,302百万円(+0.70%)
- 直近四半期売上高成長率(前年比): 8.90%
- 利益成長率(純利益、前年通期比較):
- 2025年3月期1,189百万円 vs 2024年3月期1,009百万円(+17.8%)
- 2026年3月期通期予想570百万円 vs 2025年3月期1,189百万円(-52.0%)
- 直近四半期(前年比)利益成長率: 350.00%
- 【キャッシュフロー】
- 営業CF: -2,040百万円(過去12か月)
- 純利益: 1,182百万円(過去12か月)
- 営業CF/純利益比率: -1.73(1.0以上が健全)→ 不健全
- 【四半期進捗】
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信に基づく通期予想に対する進捗率:
- 売上高: 49.5%
- 営業利益: 38.0%
- 親会社株主に帰属する当期純利益: 41.4%
- 営業利益の進捗率が売上高を下回っており、通期達成には下期の利益回復が課題です。
5. 株価分析
- 【現在の水準】
- PER(会社予想): 8.93倍。業界平均10.1倍と比較して割安です。
- PBR(実績): 0.42倍。業界平均0.7倍と比較して大幅に割安です。
- EPS(会社予想): 42.00円。BPS(実績): 885.61円。
- 理論株価レンジ(業種平均基準):
- 業種平均PER基準: EPS 42.00円 × 10.1倍 = 424.2円
- 業種平均PBR基準: BPS 885.61円 × 0.7倍 = 619.927円
- 【テクニカル】
- 現在株価は375.00円です。52週高値384.00円、52週安値288.00円に対し、現在の株価は52週レンジ内において高値圏(90.6%)に位置しています。
- 移動平均線(MA)との位置関係:
- 現在株価375.00円は5日MA (363.80円)、25日MA (356.24円)、75日MA (351.47円)、200日MA (337.52円) のすべてを上回っており、短期から長期にわたって上昇トレンドを示唆しています。
- トレンドシグナル: 移動平均線が全て株価を下回って推移しており、上向きの傾向が確認できます。
- 【市場との比較】
- 1ヶ月リターンでは日経平均およびTOPIXをそれぞれ1.82%ポイント、1.02%ポイント上回るパフォーマンスを見せています。
- しかし、3ヶ月、6ヶ月、1年リターンでは日経平均をアンダーパフォームしています(それぞれ-4.59%、-16.42%、-16.26%ポイント)。中長期的には市場平均を下回る傾向が見られます。
6. リスク評価
- ベータ値による市場感応度: -0.11。市場全体の変動に対して逆相関または感応度が非常に低いことを示唆しており、市場全体の暴落時には相対的に安定しやすい可能性を示唆します。
- 決算短信記載のリスク要因:
- 棚卸資産及び売上債権の増加に伴うキャッシュフローの悪化リスク。
- 為替変動(円安)による輸入原価上昇リスク。
- 水産物全般の漁獲量変動および市場相場の変動リスク。
- 法人税等の税金負担の想定外増加リスク。
- 事業特有のリスク:
- 食料品であるため、フードサプライチェーンにおける品質管理や食品安全に関する問題発生時のブランドイメージ毀損リスク。
- 自然要因による漁獲量や養殖環境の変動が供給・価格に与える影響。
- 消費者の健康志向や食トレンドの変化への対応。
- 52週レンジにおける現在位置: 90.6%(レンジの高値圏)に位置しており、短期的な調整売りの可能性に留意が必要です。
7. 市場センチメント
- 信用取引の状況:
- 信用買残: 65,300株(前週比+1,100株)
- 信用売残: 0株
- 信用倍率: 0.00倍(売残がないため)
- 信用買いが先行している状況です。
- 株主構成と大株主の動向:
- 大株主にはニッスイ(31.24%)、極洋(8.57%)、農林中央金庫(5.04%)といった大手水産会社や金融機関が名を連ねており、安定株主が一定割合を占めています。
- 経営陣の持株比率と安定株主の状況:
- インサイダー保有比率が54.35%と高く、経営陣および主要株主による経営の安定性が高いと考えられます。
8. 株主還元
- 配当利回り(会社予想): 1.60%
- 1株配当(会社予想): 6.00円
- 配当性向(会社予想の純利益に基づく試算): 14.2%(年間配当6.00円 ÷ 予想EPS42.00円)
- 配当の継続性・増配傾向: 年間配当は過去数年間6円で横ばいの傾向です。2016年3月期から継続して配当を実施しており、安定配当を志向していると考えられます。
- 自社株買いの実績と方針: 提供データに自社株買いの実績や方針に関する記載はありません。
9. 総合評価
- 【投資ポイント】
- PBR 0.42倍と業界平均0.7倍に対し大幅に割安なバリュエーション。
- 大手水産会社が親会社・大株主として名を連ねる安定した経営基盤。
- ROEが10.63%とベンチマークを上回る資本効率。
- 【強み】
- ニッスイを筆頭とする大手水産グループとの強固な連携と安定した供給・販売ネットワーク。
- 関西圏の中央卸売市場における老舗としてのブランド力と強い顧客基盤。
- 多様な商品ラインナップと冷凍魚・加工品への注力。
- 【弱み】
- 営業利益率が0.51%と非常に低く、外部環境の変化に影響を受けやすい利益体質。
- 過去12か月および直近中間期で営業キャッシュフローが大幅なマイナスであり、資金繰りへの懸念。
- 今期の純利益が大幅な減益予想であること。
- 【機会】
- 円安を背景とした国内生産回帰や加工品の需要増加。
- インバウンド需要の回復による外食産業の活性化。
- 割安なバリュエーションが市場に評価され、株価が上昇する可能性。
- 【脅威】
- 為替のさらなる円安進行や原油価格の高騰による輸入コスト・物流コストの増加。
- 天然資源である水産物の漁獲量変動、疾病、異常気象などによる供給不安と相場変動。
- 消費者の節約志向や内食需要の停滞。
- 【注目すべき指標】
- 営業利益率の改善(通期予想0.69%に対する進捗と、今後の実績)。
- 営業キャッシュフローの動向(棚卸資産の適切な管理とキャッシュ創出能力の回復)。
- 今期(2026年3月期)の1株当たり純利益(EPS)42.00円の達成状況。
10. 企業スコア
- 成長性: D
- 2026年3月期通期予想の売上高成長率は対前年比+0.70%(C評価水準)ですが、EPS成長率は対前年比-52.0%と大幅な減益予想であるためD評価とします。
- 収益性: D
- ROE 10.63%はA評価水準ですが、営業利益率0.51%は3%未満であるためD評価水準です。両方の基準を考慮し、より低い評価となるDと判断します。
- 財務健全性: A
- 自己資本比率46.1%(A評価水準)かつ流動比率171%(A評価水準)です。直近の営業キャッシュフローはマイナスですが、評価基準に則りAと判断します。
- 株価バリュエーション: S
- PER 8.93倍(業界平均10.1倍の約88%)は割安水準です。PBR 0.42倍(業界平均0.7倍の約60%)は業界平均の70%以下であるため、大幅な割安感があると評価しSと判断します。
企業情報
| 銘柄コード | 7538 |
| 企業名 | 大水 |
| URL | http://www.daisui.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 375円 |
| EPS(1株利益) | 42.00円 |
| 年間配当 | 1.60円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 11.9% | 10.3倍 | 755円 | 15.4% |
| 標準 | 9.1% | 8.9倍 | 580円 | 9.5% |
| 悲観 | 5.5% | 7.6倍 | 416円 | 2.6% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 375円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 294円 | △ 28%割高 |
| 10% | 367円 | △ 2%割高 |
| 5% | 463円 | ○ 19%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.9)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。