以下に玉井商船(9127)の企業分析レポートをまとめます。

1. 企業概要

玉井商船は、船舶の所有と運航を主軸に事業を展開する海運会社です。主要な事業は外航海運、内航海運、および不動産賃貸です。特に日本軽金属向けのアルミニウム原料船輸送と、全国農業協同組合連合会(全農)向けの穀物輸送に強みを持っています。
主力製品・サービスは、外航海運におけるドライバルク(鉱石、穀物など)の運搬と、内航海運での国内輸送サービスです。不動産賃貸事業も行い、収益源の多角化を図っています。
収益モデルとしては、外航・内航海運が主に運賃収入によるフロー型(一部定期的な貸船契約も含む)でB2Bが中心です。不動産賃貸は家賃収入によるストック型で、B2BおよびB2Cの要素を持ちます。
技術的独自性や参入障壁としては、大型船舶の調達・運航には多額の設備投資と専門的なノウハウが必要であり、新規参入障壁が高い業界です。また、日軽金や全農といった特定の大口顧客との長年にわたる関係は、安定した収益基盤となる強力な参入障壁となっています。

2. 業界ポジション

玉井商船は海運業に属しています。業界内での推定市場シェアはデータがありませんが、日本軽金属のアルミニウム原料船や全農の穀物輸送を柱としていることから、特定のニッチ市場において強固な顧客基盤を持つポジションを築いていると推察されます。
主要競合との差別化要因としては、特定顧客との長期的な契約関係に裏打ちされた安定した貨物獲得力、および自社船運航に重点を置くことで運航効率や品質管理を徹底している点が挙げられます。また、海運事業とリスクヘッジとして機能する不動産賃貸事業を併せ持つことも特徴です。
市場動向としては、2025年7-9月期の外航ドライバルク市況は上昇傾向にありましたが、米中貿易摩擦や中国経済の動向が地政学リスクとともに依然として業績変動の要因となり得ます。企業は新造船の取得による船隊の強化や効率的な配船により、コスト低減と収益力向上を目指しています。
【定量比較】

  • PER(会社予想): 61.19倍 (業界平均: 17.2倍) → 業界平均と比較して大幅に割高。これは、2026年3月期予想EPSが大幅に低下しているためです。
  • PBR(実績): 0.67倍 (業界平均: 0.5倍) → 業界平均と比較してやや割高な水準です。
  • ROE(過去12か月実績): 20.62% (同業他社比較ベンチマーク: 10.0%) → 過去の実績ベースでは優良な水準です。
  • ROA(過去12か月実績): 2.46% (同業他社比較ベンチマーク: 5.0%) → 過去の実績ベースでは低い水準です。
  • 2026年3月期中間期の営業利益率は約2.20%と、前年中間期(約16.0%)から大幅に低下しており、現在の収益性は業界平均と比較しても低い可能性があります。

3. 経営戦略

経営陣のビジョンや中期経営計画に関する具体的な詳細はデータにありません。しかし、過去には配当性向20%以上を目標としていたものの、現在は配当方針の抜本的見直しを検討中であると開示されており、戦略的な転換期にあると見られます。
重点投資分野としては、船舶の取得・建造に積極的であり、2026年3月期中間期には約2,756百万円の大規模な有形固定資産取得支出がありました。これは、船隊の近代化、効率化、および環境規制への対応を企図したものであり、今後の成長戦略の柱と考えられます。外航海運においては、効率的な配船やバラスト短縮によるコスト低減も図っています。
最近の適時開示情報として、2026年3月期中間決算短信で通期業績予想の下方修正と配当予想の未定化(配当方針見直し中)が発表されました。これは、主に外航海運セグメントの稼働隻数減少、短期貸船比率の上昇、借船料や中間検査費用の増加が原因であり、今後の業績に多大な影響を及ぼす見込みです。特に利益面では、下期での大幅な改善が通期予想達成には不可欠となります。

4. 財務分析

  • 【収益性】
    • 営業利益率:
      • 2025年3月期(実績): 16.48%
      • 過去12か月(TTM): 11.98%
      • 2026年3月期中間期(実績): 約2.20%
    • ROE:
      • 2025年3月期(実績): 25.25% (ベンチマーク10%優良)
      • 過去12か月(TTM): 20.62% (ベンチマーク10%優良)
      • 2026年3月期中間期(実績): 約0.03% (ベンチマーク8%以上良好→極めて低水準)
    • ROA:
      • 過去12か月(TTM): 2.46% (ベンチマーク5%低い)
      • 2026年3月期中間期(実績): 約0.02% (ベンチマーク5%以上良好→極めて低水準)
      • 最新の中間決算では、特に利益の面で大幅な悪化が見られます。
  • 【財務健全性】
    • 自己資本比率:
      • 2025年3月期(実績): 73.2%
      • 2026年3月期中間期(実績): 68.6% (非常に健全な水準)
    • 流動比率:
      • 2026年3月期中間期(実績): 約346% (流動性は極めて良好)
    • D/Eレシオ(直近四半期): 25.14% (レバレッジは低い水準)
  • 【成長性】
    • 売上高は2024年3月期以降、減収傾向が続いており、2026年3月期も減収(△7.2%)が予想されています。
    • 当期純利益は、2025年3月期に投資有価証券売却益により大幅増益となりましたが、2026年3月期は中間期の利益大幅悪化に伴い、通期で△95.2%の大幅減益が予想されています。
  • 【キャッシュフロー】
    • 営業CF(過去12か月TTM): 1,690百万円。2026年3月期中間期は360.7百万円とプラスを確保しています。
    • 純利益が極めて小さかった中間期において、営業CF/純利益比率は約120.2となり、営業活動によるキャッシュ創出力は利益計上額に比して健全であることを示唆しています。
    • フリーCF(過去12か月TTM): △1,660百万円。大規模な船舶取得に伴う設備投資により、投資CFが大幅なマイナスとなり、結果としてフリーCFは大きくマイナスとなっています。
  • 【四半期進捗】
    • 2026年3月期通期予想に対する中間期(2025年4-9月)の進捗率は、売上高49.5%、営業利益20.8%、当期純利益3.0%です。売上高は概ね半分を達成していますが、利益面で大幅な遅れが生じており、通期予想達成には下期の収益の V 字回復が不可欠です。

5. 株価分析

  • 【現在の水準】
    • 現在の株価: 3,170.0円
    • PER(会社予想): 61.19倍
    • PBR(実績): 0.67倍
    • 業界平均PER 17.2倍、業界平均PBR 0.5倍と比較すると、PERは大幅に割高、PBRはやや割高な水準にあります。特に、2026年3月期予想EPSが大幅に低下していることがPER割高感の要因です。
    • EPS 51.81円、BPS 4,766.01円に基づくと、業種平均PER基準の目標株価は891.13円、業種平均PBR基準の目標株価は2,383.00円となります。
  • 【テクニカル】
    • 52週高値: 3,490円、52週安値: 1,457円。現在株価は52週レンジの84.3%と高値圏に位置しています。
    • 移動平均線との位置関係:
      • 現在株価 (3,170円) は、5日移動平均線 (3,202.00円) と25日移動平均線 (3,231.00円) を下回っています。
      • しかし、75日移動平均線 (2,843.12円) および200日移動平均線 (2,376.30円) をはるかに上回っています。
    • トレンドシグナル: 中長期的な上昇トレンドは維持されているものの、短期的な移動平均線を下回っている現状は、一時的な調整局面にある可能性を示唆しています。短期的なデッドクロス発生の可能性があります。
  • 【市場との比較】
    • 日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンスでは、1ヶ月の期間では市場平均を下回っています。しかし、3ヶ月、6ヶ月、1年の期間では、日経平均・TOPIXを大きく上回るパフォーマンスを見せており、特に1年リターンは約+99.87%と非常に高い上昇を記録しています。

6. リスク評価

  • ベータ値による市場感応度: 0.75 (市場全体と比較して株価変動が小さい傾向にあります)
  • 決算短信記載のリスク要因:
    • 外航海運市況の変動、為替変動、燃料油価格の変動。
    • 船舶の稼働率変動、短期貸船比率の上昇、借船料・船費の増加、中間検査費用負担。
    • 地政学リスク(ウクライナ情勢、中東情勢など)、米中貿易摩擦、中国経済の動向。
    • 大規模な設備投資に伴う減価償却費の増加、借入金返済・金利負担の増加。
    • 配当方針の抜本的見直しによる株主還元の不確実性。
  • 事業特有のリスク: 海運業は国際市況に大きく左右される事業であり、景気変動や貿易量の変化、また環境規制強化への対応コストもリスクとなり得ます。特定の大口顧客への依存度も、その顧客の業績や戦略変更によってはリスクとなる可能性があります。
  • 52週レンジにおける現在位置: 84.3% (高値圏に位置しており、株価の調整リスクは相対的に高いと言えます)

7. 市場センチメント

  • 信用取引の状況:
    • 信用買残: 60,500株
    • 信用売残: 0株
    • 信用倍率: 0.00倍 (信用売残が0株のため、計算上0倍となります。これは売り方が不在であり、買いポジションが一方的に積み上がっている状況を示唆します。)
    • 今日の出来高が4,300株と少ない中で、信用買残が60,500株あることは、将来的な売り圧力になり得る可能性があります。流動性が低い点も注目されます。
  • 株主構成と大株主の動向:
    • 発行済株式数約193万株に対し、浮動株は約123万株です。
    • 上位大株主にはSUN YOU NING氏 (10.35%)、日本軽金属 (10.19%)などが名を連ねています。
    • 内部関係者(経営陣等)による保有比率: 47.28%と非常に高く、安定株主が多い構造です。
    • 機関投資家による保有比率: 6.14%と相対的に低く、機関投資家の注目度はまだ限定的である可能性があります。
  • 経営陣の持株比率が高いことから、経営の安定性は確保されているものの、市場での流通性が低い可能性が示唆されます。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): 未定
  • 1株配当(会社予想): 未定
  • 配当性向(会社予想): 未定
  • 過去の配当実績: 直近3期(2023年3月期~2025年3月期)は年間80円の配当を継続していました。しかし、2026年3月期は「配当方針の抜本的見直しを検討中」として配当予想が未定であり、株主還元の不確実性が高まっています。
  • 自社株買いの実績と方針: データなし。

9. 総合評価

  • 【投資ポイント】
    • 強固な財務基盤と安定した自己資本比率。
    • 日軽金・全農向け輸送という特定分野での強固な顧客基盤。
    • 船舶への積極的な設備投資による将来的な成長期待。
  • 【強み】
    • 高い自己資本比率68.6%と流動比率346%による財務の安定性。
    • 特定大口顧客との長期関係による事業収益の安定性。
    • 不動産賃貸事業によるリスク分散と収益の多角化。
    • 経営陣が約47%の株式を保有する安定した株主構成。
  • 【弱み】
    • 外航海運市況の変動に収益が大きく左右される体質。
    • 2026年3月期中間期の著しい利益悪化と通期予想の大幅下方修正。
    • 大規模な船舶投資に伴うフリーキャッシュフローの大きなマイナス。
    • 市場での流動性が低く、信用買い残が多い需給状況。
  • 【機会】
    • 世界経済回復によるドライバルク市況の本格的な上昇。
    • 新造船の稼働による船隊の効率化と採算改善。
    • 燃料効率化や排ガス規制対応など、環境技術への投資による競争優位性確立。
  • 【脅威】
    • 世界経済の減速や地政学的緊張による海運市況の再悪化。
    • 船舶燃料価格の高騰や為替の円高進行。
    • 大規模投資後の減価償却費や借入金利負担の増加。
    • 配当方針の見直しが株主還元減につながる可能性。
  • 【注目すべき指標】
    • 2026年3月期通期営業利益の進捗率(下期の回復度合い)。
    • 外航海運セグメントの営業利益率の改善状況。
    • 配当方針の見直し結果と具体的な年間配当額。
    • 営業活動によるキャッシュフローと投資活動によるキャッシュフローのバランス(フリーキャッシュフローの改善)。

10. 企業スコア

  • 成長性: D
    • 理由: 2024年3月期、2025年3月期、2026年3月期予想と3期連続で売上高が前年同期比で減少しており、「売上成長率 マイナス」に該当するため。
  • 収益性: D
    • 理由: 2026年3月期中間期の実績は、ROE約0.03%および営業利益率約2.20%と極めて低く、「ROE 5%未満 かつ 営業利益率 3%未満」に該当するため。過去の年度実績は良好ですが、直近の業績悪化を重視します。
  • 財務健全性: S
    • 理由: 自己資本比率68.6%(中間期)が「60%以上」、流動比率約346%(中間期)が「200%以上」の基準を満たしており、非常に健全な財務状況にあるため。
  • 株価バリュエーション: D
    • 理由: PER 61.19倍が業界平均17.2倍の350%以上、PBR 0.67倍が業界平均0.5倍の134%であり、PER、PBRともに業界平均の130%以上(割高)に該当するため。

企業情報

銘柄コード 9127
企業名 玉井商船
URL http://www.tamaiship.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 運輸・物流 – 海運業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 3,170円
EPS(1株利益) 51.81円
年間配当 80.00円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 22.8% 45.1倍 6,512円 18.1%
標準 17.5% 39.2倍 4,550円 10.5%
悲観 10.5% 33.3倍 2,845円 1.3%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 3,170円

目標年率 理論株価 判定
15% 2,594円 △ 22%割高
10% 3,239円 ○ 2%割安
5% 4,087円 ○ 22%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.9)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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