1. 企業概要

靜甲は、産業機械事業を主軸に、冷間鍛造事業、電機機器事業、車両関係事業、不動産等賃貸事業を展開する複合企業です。特に食品用包装機械プラントの製造販売に強みを持っています。
主力製品・サービスは、包装機械(大型液体充填ライン等)、電動工具・自動車部品などの冷間鍛造製品、工場自動化(FA)関連の電気機器販売・システム構築、スバル車などの新車・中古車販売とアフターサービスです。
収益モデルは、産業機械や冷間鍛造は法人顧客向けのB2B、車両関係では一般消費者向けのB2Cが主要です。設備販売はフロー型が中心ですが、補修部品やメンテナンス、自動車のアフターサービスにはストック型収益の要素も含まれます。
技術的独自性については、包装プラントや冷間鍛造には専門技術が求められ、既存顧客との関係性が参入障壁となり得ます。

2. 業界ポジション

靜甲は「機械」業界に属しています。推定市場シェアはデータなし。
主要競合との差別化要因は提供データからは特定できませんが、地域に根差した複合事業展開と、長年にわたる多様な事業を通じた顧客基盤の構築が強みと考えられます。
市場動向については、決算短信によると自動車分野の需要変動、半導体関連の在庫調整、食品・化粧品分野の底堅い需要、建設分野の資材高騰などが業績に影響しています。企業は省人化・省エネニーズへの対応強化や、営業体制・商品提案力強化で環境変化に対応しています。
【定量比較】

  • PER(会社予想): 7.48倍(業界平均10.7倍)→業界平均より割安
  • PBR(実績): 0.54倍(業界平均0.7倍)→業界平均より割安
  • ROE(実績): 7.33%(同業他社比較項目でのベンチマーク10.0%を下回る)
  • ROA(実績): 3.49%(同業他社比較項目でのベンチマーク5.0%を下回る)

3. 経営戦略

経営陣は、中期経営計画(2025年3月期起点、5ヵ年)に沿って、既存事業の収益基盤維持と、省エネ・省人化・省資源・カーボンニュートラルといった分野への再投資を重点投資分野としています。
成長戦略としては、産業機械事業の包装機械において省人化・省エネニーズに応える製品開発・提案を強化し、車両関係事業では営業体制強化や関連商品(アフターサービス等)の提案強化を進めています。
最近の適時開示情報からは、2026年3月期第2四半期決算短信において、通期業績予想に対する営業利益の進捗率が良好であること、産業機械と車両関連事業が好調に推移していることが確認されています。
これらの戦略や好調な事業展開は、今後の業績にプラスの影響を与える見込みですが、原材料高騰や国際通商政策などの外部リスクには引き続き留意が必要です。

4. 財務分析

  • 【収益性】
  • 営業利益率(過去12か月): 4.20% (通期予想3.56%に対して改善傾向)
  • ROE(実績): 7.33% (ベンチマーク10%には未達)
  • ROA(実績): 3.49% (ベンチマーク5%には未達)
  • 【財務健全性】
  • 自己資本比率(実績): 57.6% (中間期末58.3%) (非常に健全な水準)
  • 流動比率(直近四半期): 148% (短期的な安全性は確保されているが、200%には未達)
  • D/Eレシオ(直近四半期): 15.77% (非常に低く、財務リスクは極めて低い)
  • 【成長性】
  • 売上高成長率: Quarterly Revenue Growth (前年比)は13.40%と高成長。2025年3月期連結売上高成長率は対前年比11.07%です。
  • 利益成長率: Quarterly Earnings Growth (前年比)は45.70%と高く、2025年3月期連結純利益成長率は対前年比34.05%と大幅な伸びを示しています。
  • 【キャッシュフロー】
  • 営業CF/純利益比率(過去12か月): 3.12 (1.0以上が健全であり、非常に優良な利益の質を示しています)
  • 営業キャッシュフロー(過去12か月): 3,650百万円
  • フリーキャッシュフロー(過去12か月): 935.75百万円
  • 【四半期進捗】
  • 2026年3月期通期予想に対する第2四半期進捗率:
  • 売上高: 48.9%
  • 営業利益: 61.7%
  • 親会社株主に帰属する当期純利益: 46.2%
  • 営業利益の進捗が通期予想を大きく上回っており、良好な推移が見られます。

5. 株価分析

  • 【現在の水準】
  • PER(会社予想): 7.48倍(業界平均10.7倍と比較して割安)
  • PBR(実績): 0.54倍(業界平均0.7倍と比較して割安)
  • EPS(会社予想): 185.80円、BPS(実績): 2,579.01円
  • 業種平均PER基準の目標株価: 1,730円、業種平均PBR基準の目標株価: 1,805円(現在の株価1,390円に対し、割安と判断されます)
  • 【テクニカル】
  • 52週高値1,509円、安値677円に対し、現在株価1,390円は52週レンジの85.7%に位置しており、高値圏で推移しています。
  • 移動平均線(5日、25日、75日、200日)全てを上回っており、短期・中期・長期のいずれにおいても上昇トレンドにあることを示唆しています。
  • トレンドシグナル: データから明確なゴールデンクロス/デッドクロスの発生は示されていませんが、株価が全ての移動平均線を上回っている状況は強い上昇トレンドを示唆しています。
  • 【市場との比較】
  • 日経平均およびTOPIXとの相対パフォーマンスは、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年全ての期間において、市場指数を大幅に上回る好調な推移を示しています。

6. リスク評価

  • ベータ値(5Y Monthly): 0.25 (非常に低い値であり、市場全体の変動に対する株価の感応度が低いことを示します)
  • 決算短信記載のリスク要因: 米国通商政策の不確実性、原材料・エネルギー価格の高止まり、自動車関連需要の鈍化が継続的なリスクとして挙げられています。
  • 事業特有のリスク: 冷間鍛造事業では主要納入先の在庫調整による影響、電機機器事業ではシステム案件の鈍化と営業費増加による利益圧迫が挙げられます。
  • 52週レンジにおける現在位置: 85.7%(現在株価が高値圏にあり、短期的には調整局面に入る可能性も考慮する必要があります)。

7. 市場センチメント

  • 信用取引の状況: 信用買残39,300株に対し、信用売残は0株のため信用倍率は0.00倍です。信用売りがほとんど入っていない状態です。
  • 株主構成と大株主の動向: 鈴与ホールディングスが28.26%を保有する筆頭株主であり、(有)テイ・エム・ケイ、代表者の鈴木孝典氏、自社従業員持株会など、安定株主が上位を占めています。
  • 経営陣の持株比率: 代表者の鈴木孝典氏が7.33%を保有しており、経営陣が一定の持ち株比率を維持しています。
  • これらの状況から、浮動株が少なく、市場での流動性は低いと推測されます(Float: 2.22M)。 insidersが65.40%を保有し、経営の安定性は高いと考えられます。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): 1.87% (Forward Annual Dividend Yield: 2.03%)
  • 配当性向(2026年3月期予想): 12.4% (低い水準であり、業績推移によっては増配余地があります)
  • 配当の継続性・増配傾向: 2026年3月期中間配当は12.00円(前年同期比増配)となっており、年間配当予想も26.00円(前年比増配)と増配傾向にあります。
  • 自社株買いの実績と方針: 直近の決算短信からは明確な自社株買いの方針は確認できません。ただし、自己株口が0.39%存在します。

9. 総合評価

  • 【投資ポイント】
  • 主要事業(産業機械、車両関係)の業績が好調に推移し、営業利益の進捗が通期予想を上回る。
  • PER、PBR共に業界平均と比較して割安であり、バリュエーション上の魅力がある。
  • 自己資本比率が高く有利子負債も少ないため、財務健全性が極めて高い。
  • 【強み】
  • 多様な事業ポートフォリオによるリスク分散。
  • 強固な財務体質と安定したキャッシュフロー創出力。
  • 中期計画に基づく再投資と省人化・省エネニーズへの対応。
  • 【弱み】
  • 電機機器事業のシステム案件鈍化と利益率の低下。
  • 特定事業(冷間鍛造)が主要取引先の在庫調整の影響を受けるリスク。
  • 株価流動性が低い可能性。
  • 【機会】
  • 省エネ・省人化ニーズの高まりによる産業機械事業の成長。
  • 自動車市場の回復による車両関係事業の更なる伸長。
  • FA化の推進ニーズ。
  • 【脅威】
  • 原材料・エネルギー価格の高止まり。
  • 国際通商政策の変動や顧客の設備投資判断の慎重化。
  • 為替変動リスク。
  • 【注目すべき指標】
  • 営業利益率の継続的な改善 (特に電機機器事業の収益性回復)。
  • 特定の外部環境リスク(米国通商政策、原材料価格)が業績に与える影響。
  • 新規設備投資や研究開発による具体的な成果。

10. 企業スコア

  • 成長性: A
  • Quarterly Revenue Growth (前年比) 13.40%
  • 収益性: C
  • ROE(過去12か月)7.33% (ROE 5-8%に該当)
  • 営業利益率(過去12か月)4.20% (営業利益率 3-5%に該当)
  • 財務健全性: A
  • 自己資本比率 58.3% (60%未満、40%以上)
  • 流動比率 148% (150%未満)
  • 株価バリュエーション: S
  • PER 7.48倍(業界平均10.7倍の69.9%)
  • PBR 0.54倍(業界平均0.7倍の77.1%)

企業情報

銘柄コード 6286
企業名 靜甲
URL http://www.seiko-co.com/
市場区分 スタンダード市場
業種 機械 – 機械

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,390円
EPS(1株利益) 185.80円
年間配当 1.87円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 18.6% 8.6倍 3,749円 22.1%
標準 14.3% 7.5倍 2,711円 14.4%
悲観 8.6% 6.4倍 1,783円 5.2%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,390円

目標年率 理論株価 判定
15% 1,355円 △ 3%割高
10% 1,692円 ○ 18%割安
5% 2,136円 ○ 35%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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By ジニー

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