1. 企業概要

日本ファルコムは、主に家庭用ゲーム機向けのロールプレイングゲーム(RPG)の企画・開発・販売を手掛ける独立系ゲームソフトウェア会社です。プレステ用ゲームソフトの開発が主力であり、「英雄伝説 軌跡シリーズ」や「イースシリーズ」といった有名なRPGタイトルに強みを持っています。これらの主要タイトルから派生するスマートフォンアプリやPCゲーム、その他派生商品のライセンス許諾事業も重要な収益源となっています。
同社の収益モデルは、自社開発ゲームソフトの販売による製品部門(フロー型)と、既存IPのライセンス許諾によるライセンス部門(ストック型)に分かれます。特にライセンス部門が全体の7割強を占めており、安定した収益基盤を形成しています。技術的な独自性としては、長年にわたり培われたストーリーテリングとゲームシステム開発のノウハウ、そして熱心なファン層に支持される強力なIP群が参入障壁となっています。

2. 業界ポジション

日本ファルコムは、ニッチながらもコアなファン層を持つRPG市場において、確固たるブランドと独自のポジションを築いています。具体的な推定市場シェアはデータがありませんが、自社IPの力で大手ゲームメーカーとは異なる存在感を示しています。
主要競合との差別化要因は、他社には真似できない重厚なストーリー展開、魅力的なキャラクター、そしてシリーズを通して形成される独特の世界観です。これは長年の開発経験によって培われたものであり、他社が容易に追随できない強みとなっています。
市場動向としては、家庭用ゲーム市場の活性化(Nintendo Switch 2などの登場予測)、グローバルでのゲーム需要の高まり、マルチプラットフォーム展開の加速が挙げられます。同社は、自社IPのワールドワイド展開、PCやスマートフォン向けへのマルチプラットフォーム化、そして新規IPの創出を通じてこれらの市場変化に対応しています。

【定量比較】

  • PER(会社予想):19.33倍
  • 業界平均PER:66.2倍
    • 業界平均と比較して割安な水準にあります。
  • PBR(実績):1.60倍
  • 業界平均PBR:3.5倍
    • 業界平均と比較して割安な水準にあります。
  • 営業利益率(2025年9月期):51.3%
    • 情報・通信業の業界平均と比較して異常に高い水準であり、同社のビジネスモデルの収益効率の高さを示しています。

3. 経営戦略

経営陣は、特定の数値目標を伴う中期経営計画は明示していませんが、「IP活用のワールドワイド展開」「マルチプラットフォーム化」「新規IPの創出」を継続的な成長戦略として掲げています。
重点投資分野は、複数の新規ゲームタイトルの開発、既存作の続編・移植版・翻訳版の制作です。これらは製品部門の売上増に直結し、ライセンス部門の収益基盤を強化します。
直近の適時開示情報としては、2025年9月期の決算短信において、空の軌跡 the 1st発売と軌跡シリーズ900万本突破記念として記念配当を実施したことが挙げられます。また、特別損失として「お別れの会関連費用」26,036千円を計上していますが、これは一時的な費用と見られます。
これらの戦略は、今後の業績に多大な影響を与えます。特に新作ゲームの発売有無とその成功度合いは、同社の売上高および利益の大部分を左右する要因となります。2026年9月期の会社予想では、売上高・利益ともにほぼ横ばいから微減を見込んでいますが、これは期内の新作発売スケジュールに大きく依存する点に注意が必要です。

4. 財務分析

【収益性】

  • 営業利益率(2025年9月期):51.3% (前期49.13%)
    • 非常に高水準で、ビジネスモデルの収益性の高さを裏付けています。
  • ROE(実績、2025年9月期):8.58% (ベンチマーク10%未満)
    • ベンチマーク10%を下回ります。高自己資本比率も影響している可能性があります。
  • ROA(過去12ヶ月):7.55% (ベンチマーク5%以上)
    • ベンチマーク5%を上回っており、資産を効率的に活用して利益を生み出していると言えます。

【財務健全性】

  • 自己資本比率(実績、2025年9月期):94.6% (前期95.1%)
    • 極めて高い水準であり、財務基盤が非常に安定していることを示しています。有利子負債は実質ゼロです。
  • 流動比率(直近四半期):1834%
    • 非常に高い水準であり、短期的な支払い能力に全く問題がない極めて健全な状態です。
  • D/Eレシオ:有利子負債がないため、0倍。

【成長性】

  • 売上高成長率(2025年9月期 vs 2024年9月期):+3.5%
  • 営業利益成長率(2025年9月期 vs 2024年9月期):+8.1%
  • 当期純利益成長率(2025年9月期 vs 2024年9月期):+6.0%
    • 緩やかな増収増益を確保しています。ただし、2026年9月期の会社予想は売上、利益ともに微減を見込んでいます。

【キャッシュフロー】

  • 営業CF(過去12ヶ月):1,013,181千円
  • 純利益(過去12ヶ月):903,682千円
  • 営業CF/純利益比率:1.12 (1.0以上で健全)
    • 営業活動によるキャッシュフローが純利益を上回っており、利益の質は非常に良好です。フリーキャッシュフローも963.5百万円と潤沢です。

【四半期進捗】

  • 通期予想に対する四半期ごとの進捗データは提供されていません。決算短信には、売上は新作発売月に集中するため下半期、特に第4四半期に比重が高い旨の注意書きがあります。

5. 株価分析

【現在の水準】

  • PER(会社予想):19.33倍
  • PBR(実績):1.60倍
  • 業界平均PER:66.2倍、業界平均PBR:3.5倍
    • 業界平均と比較すると、PER、PBRともに大幅に割安な水準にあります。
  • EPS(会社予想)87.55円、BPS(実績)1,058.13円
    • 業界平均PER基準の目標株価:87.55円 × 66.2倍 = 5,800.81円
    • 業界平均PBR基準の目標株価:1,058.13円 × 3.5倍 = 3,703.46円
    • 現在株価はこれらの理論株価と比較して大幅に低い水準です。

【テクニカル】

  • 現在株価:1,695.0円
  • 52週高値:1,800円、52週安値:1,049円
    • 52週レンジ内における現在位置は86.0%であり、高値圏に位置しています。
  • 移動平均線との位置関係:
    • 5日移動平均線(1,688.60円)を0.38%上回る。
    • 25日移動平均線(1,581.60円)を7.17%上回る。
    • 75日移動平均線(1,524.31円)を11.20%上回る。
    • 200日移動平均線(1,319.83円)を28.43%上回る。
    • 全ての移動平均線を上回っており、短期から長期にわたる強い上昇トレンドが示唆されます。短期線が長期線を上回る「ゴールデンクロス」の状況にあり、テクニカル分析上は強気シグナルです。

【市場との比較】

  • 日経平均・TOPIXとの相対パフォーマンス:
    • 1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年すべての期間において、日経平均およびTOPIXを上回るパフォーマンスを示しています。これは、市場全体と比較して同社株が力強く推移していることを意味します。

6. リスク評価

  • ベータ値(5Y Monthly):0.11
    • 非常に低いベータ値であり、同社株は市場全体の変動にほとんど影響されない、独自の動きをする傾向が強いことを示しています。これは、市場リスクに対する感応度が低いことを意味します。
  • 決算短信記載のリスク要因:
    • 主要顧客依存: 売掛金の約90.5%が特定の主要顧客(コナミデジタルエンタテインメント、NIS America, Inc.など)に集中しており、これらの顧客との関係悪化や業績不振が同社の業績に大きな影響を与える可能性があります。
    • 新作の販売不振: 新作ゲームの発売スケジュールや販売状況が業績に直結するため、開発の遅延や市場での評価が低い場合、業績が悪化するリスクがあります。
    • 為替変動リスク: 海外売上高比率が高い(2025年9月期で約41%)ため、為替レートの変動が業績に影響を与える可能性があります。
    • プラットフォーム環境の変化: 主要ゲーム機プラットフォームの戦略変更や市場の変化が収益に影響する可能性があります。
  • 事業特有のリスク:
    • ゲーム業界は競争が激しく、技術革新も速いため、同社が常に人気タイトルを生み出し続ける必要があります。IPの陳腐化やユーザー嗜好の変化に対応できないリスクがあります。
  • 52週レンジにおける現在位置: 86.0%
    • 株価が高値圏にあるため、短期的には利益確定売りによる調整リスクがあることを示唆しています。

7. 市場センチメント

  • 信用取引の状況:
    • 信用買残:248,500株(前週比+8,400株)
    • 信用売残:0株
    • 信用倍率:0.00倍
    • 信用売残がゼロのため信用倍率は算出されませんが、信用買残が増加傾向にあることから、将来的な需給悪化(買い残の解消売り)の可能性も考慮すべきです。
  • 株主構成と大株主の動向:
    • 大株主には日本ファルコムホールディングス(40.47%)、加藤圭氏(10.45%)、加藤翔氏(10.41%)など、個人およびグループ会社の保有割合が高いことが特徴です。
    • インサイダー保有比率が80.00%と非常に高く、安定した株主構成です。浮動株比率は低いと推定され、特定の大株主による経営安定化が図られています。
  • 経営陣の持株比率と安定株主の状況: 経営陣自身が多くの株式を保有している状況は、経営の安定性や長期的な視点での企業価値向上へのコミットメントを示すと解釈できます。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想):0.59%
  • 1株配当(会社予想):10.00円 (2026年9月期)
  • 配当性向(2025年9月期実績):22.8% (過去12ヶ月では11.38%)
    • 配当性向は比較的低く、内部留保を厚くする方針か、または将来の事業投資余力を残していると見られます。
  • 配当の継続性・増配傾向:
    • 2025年9月期は記念配当を含め年間20円でしたが、2026年9月期は普通配当のみの10円を予想しており、減配となる見通しです。ただし、記念配当は特別な事業進捗を記念するものであり、業績に応じて再び臨時配当を行う可能性も示唆されています。
  • 自社株買いの実績と方針:
    • 小額の単元未満株買いは実施していますが、大規模な自社株買いは近年行われていません。

9. 総合評価

【投資ポイント】

  • 確立されたIPと安定したライセンス収益: 「軌跡」「イース」といった強力なIPを擁し、製品販売だけでなくライセンス事業から安定的な収益を確保しています。
  • 極めて健全な財務体質: 自己資本比率94.6%、有利子負債ゼロ、潤沢な現預金といった突出した財務安全性は、投資家にとって大きな魅力です。
  • 高い収益性とキャッシュ創出力: 営業利益率50%超、営業CFが純利益を上回る質の高い利益構造を持ち、持続的な成長の基盤があります。

【強み】

  • 独自性の高いRPG開発力と人気IP
  • 無借金経営と高自己資本比率の超健全財務
  • 非常に高い営業利益率と安定したキャッシュフロー

【弱み】

  • 新作タイトルへの業績依存度が高く、保守的な業績予想
  • 主要顧客への売掛金集中リスク
  • グローバルでの認知度・規模は大手ゲーム会社に劣る

【機会】

  • 海外市場へのIP展開とマルチプラットフォーム対応の強化
  • 次世代ゲーム機による市場活性化と新規ユーザー獲得
  • アニメ化など、ゲーム以外のメディアミックス展開によるIP価値向上

【脅威】

  • 他社大型タイトルの競合激化
  • コンソールゲーム市場の急速な変化や技術革新への対応
  • 為替変動が海外収益に与える影響

【注目すべき指標】

  • 次期以降の新作タイトル発表数と発売スケジュール
  • 海外売上高比率の継続的な拡大
  • ライセンス部門売上高の成長率

10. 企業スコア

  • 成長性: C
    • 2025年9月期の売上成長率は+3.5%であり、2026年9月期の会社予想では-0.5%と微減を見込んでいるため、評価基準「C: 売上成長率 0-5%」に該当。
  • 収益性: S
    • ROEは8.58%とベンチマーク10%を下回るものの、営業利益率は51.3%と極めて高水準です。評価基準「S: 営業利益率 15%以上」に該当するためS評価。
  • 財務健全性: S
    • 自己資本比率94.6%(S基準60%以上)かつ流動比率1834%(S基準200%以上)を両方満たしているためS評価。
  • 株価バリュエーション: S
    • PER(19.33倍)は業界平均(66.2倍)の約29%、PBR(1.60倍)は業界平均(3.5倍)の約46%であり、PER/PBRともに業界平均の70%以下に位置するためS評価。

企業情報

銘柄コード 3723
企業名 日本ファルコム
URL http://www.falcom.co.jp/
市場区分 グロース市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,695円
EPS(1株利益) 87.55円
年間配当 0.59円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 3.0% 30.3倍 3,081円 12.7%
標準 2.3% 26.4倍 2,590円 8.9%
悲観 1.4% 22.4倍 2,103円 4.4%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,695円

目標年率 理論株価 判定
15% 1,289円 △ 31%割高
10% 1,610円 △ 5%割高
5% 2,032円 ○ 17%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.9)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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