東京証券取引所 スタンダード市場に上場するスターシーズ(3083)の企業分析レポートを、個人投資家の皆様向けに作成しました。
1. 企業概要
スターシーズは、複数のブランドを展開する衣料品小売事業を主力としています。「TORNADO MART」「HIGH STREET」「FACETASM」といったファッションビル系アパレルや、アメカジ店「METHOD」、和柄の「流儀圧搾」などの民族衣料店を全国展開しています。近年では、メタバースファッション事業やコンサルティングサービスに加え、系統用蓄電池事業やGPUサーバー販売事業を開始し、新たな成長分野への多角化を推進しています。
同社の収益モデルは、既存の衣料品小売事業が主にB2Cのフロー型です。新規参入した蓄電池事業やGPUサーバー販売事業は、B2Bを主としたフロー型、あるいは保守サービスを含めるとストック型も期待されます。技術的な独自性や参入障壁に関して、既存小売事業では特定のブランドやストアコンセプトが挙げられますが、新規事業である蓄電池やGPUサービスにおいては技術やサプライチェーン構築が重要となります。
2. 業界ポジション
スターシーズは、アパレル小売業界において特定のニッチ市場をターゲットにブランド展開していますが、市場全体における具体的なシェアはデータから確認できません。主要競合との差別化要因としては、多角的なブランドポートフォリオに加え、近年は脱炭素・DXといった潮流に乗じた系統用蓄電池事業やGPUサーバー事業への展開を積極化している点が挙げられます。
アパレル小売市場は、消費者の節約志向や気候変動、EC化の進展などにより厳しい状況が続いています。これに対し同社は、既存事業の立て直しとともに、成長市場である系統用蓄電池やGPUサーバーの分野に活路を見出す戦略を取っています。
【定量比較】
- 業界平均PER: 21.1倍
- 業界平均PBR: 1.3倍
- スターシーズPER(会社予想): 13.05倍 (連結)
- スターシーズPBR(実績): 3.25倍 (連結)
同社のPERは業界平均と比較して割安水準ですが、PBRは業界平均を大きく上回り割高な水準にあります。これは、過去の赤字により純資産が減少傾向にあることが影響しています。
3. 経営戦略
経営陣は、旧社名C'sMENからStar seedsへの変更(2024年11月)に見られるように、持株会社体制への移行と事業多角化を通じて資本効率の改善と企業価値向上を目指すビジョンを掲げています。重点投資分野としては、系統用蓄電池設備の構築、All-in-One型蓄電池システムの商品化、そしてGPUサーバー販売事業(スターシーズデジタル設立)が挙げられ、これらの成長戦略を推進しています。
最近の適時開示情報としては、系統用蓄電池事業での大型受注(野村屋HDから出力1.998MW/容量8.358MWhの蓄電池システム)、GPUサーバー事業の子会社設立と取引開始、並びに資金調達のための新株予約権発行・行使があります。これらの新規事業への積極的な先行投資と受注獲得は、今後の売上高拡大に大きく寄与する可能性があり、通期業績予想の上方修正にもつながっています。ただし、現時点では新規事業が収益に本格貢献する前の段階であり、今後の進捗が業績を左右します。
4. 財務分析
- 【収益性】
- 営業利益率(過去12か月):-15.78%
- ROE(実績):-106.85% (過去12ヶ月: -48.29%)
- ROA(過去12か月):-8.98%
同社の収益性は、過去数期にわたり赤字が継続しており、ベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%)を大幅に下回る低水準にあります。
- 【財務健全性】
- 自己資本比率(実績):22.5% (2025年2月期実績)。なお、2026年2月期第2四半期決算短信では51.6%に大幅改善。
- 流動比率(直近四半期):146%
- D/Eレシオ(直近四半期):28.22%
中間期での自己資本比率51.6%は安定水準であり、新株予約権の行使により財務基盤が改善されました。流動比率も146%と流動性は確保されています。
- 【成長性】
- 売上高成長率: 2025年2月期は前年比-7.6%。しかし、2026年2月期通期予想では新規事業の貢献により前年比+75.1%と大幅な売上高成長を見込んでいます。
- 利益成長率: 過去数期は赤字が継続しているため、利益成長は確認できません。2026年2月期に通期黒字化を予想しています。
- 【キャッシュフロー】
- 営業CF(過去12か月):-330百万円
- 純利益(過去12か月):-633百万円
- 営業CF/純利益比率:約 0.52 (過去12ヶ月)。決算短信中間時点では営業CF/純損失比率約0.89。営業CFはマイナスであり、1.0以上が健全とされる基準には未達です。投資CFも新規事業への投資で大幅なマイナスですが、新株予約権行使による多額の資金調達(財務CFのプラス)により、資金は確保されています。
- 【四半期進捗】
- 2026年2月期第2四半期累計の売上高は通期予想8,950百万円に対し約28.1%の進捗率で、中間期目安(50%)に遅れています。
- 同中間期の営業利益・純利益はともに赤字であり、通期予想の黒字達成には下期における新規事業の収益化と既存事業の改善が大幅に必要です。
5. 株価分析
- 【現在の水準】
- 現在株価: 762.0円
- PER(会社予想): 13.05倍 (業界平均: 21.1倍) → 業界平均PERと比較すると割安。
- PBR(実績): 3.25倍 (業界平均: 1.3倍) → 業界平均PBRと比較すると割高。
- EPS(会社予想): 58.38円、BPS(実績): 234.44円。
- 理論株価レンジ (PER基準): 約1,231円、(PBR基準): 約305円。PER基準では割安ですが、PBR基準では割高となり、評価に乖離が見られます。
- 【テクニカル】
- 52週高値: 1,083円、52週安値: 527円。現在株価は52週レンジの約42.3%の位置で、安値圏に近い水準です。
- 移動平均線: 現在株価762.00円は、5日MA (751.80円)、25日MA (711.44円)、75日MA (742.72円)、200日MA (760.07円) の全ての移動平均線を上回っており、短期的に上昇基調にあります。
- トレンドシグナル: 株価が主要移動平均線を上回っていることから、上昇トレンドを示唆していますが、ゴールデンクロスやデッドクロスの具体的な発生はデータにないため明確に判断できません。
- 【市場との比較】
- 直近1ヶ月では、日経平均(+5.32%)を+5.60%ポイント、TOPIX(+6.12%)を+4.79%ポイント上回るパフォーマンスを記録しており、短期的に市場平均をアウトパフォームしています。しかし、3ヶ月、6ヶ月、1年といった中長期では市場平均を下回るパフォーマンスとなっています。
6. リスク評価
- ベータ値: 0.70 (5Y Monthly)。市場全体(ベータ1.0)と比較して株価変動が比較的小さい傾向を示します。
- 決算短信記載のリスク要因:
- 過年度から続く営業損失と営業キャッシュフローのマイナスにより「継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象」が存在します。ただし、新株予約権の発行による資金確保策により、会社は「重要な不確実性は認められない」と判断しています。
- 小売事業の需要低迷と粗利率低下。
- 系統用蓄電池事業およびGPUサーバー事業といった新規事業における建設遅延や収益化遅延。
- 新株予約権の行使に伴う株式の希薄化、および1株当たり利益の低下リスク。
- 新規事業への先行投資によるキャッシュアウトの増大。
- 事業特有のリスク:
- 小売事業は競合激化、消費者トレンドの変化、為替変動による原価高騰、人材確保などがリスクです。
- 系統用蓄電池事業は、大規模な設備投資を必要とし、電力市場の規制変更、電力系統への接続問題、技術の進歩や陳腐化、海外製品との価格競争に直面する可能性があります。
- GPUサーバー事業も、半導体市場の変動、技術革新の速さ、大手クラウド事業者との競合、電力コストなどがリスクとなります。
- 52週レンジにおける現在位置: 現在株価は52週レンジの42.3%位置であり、比較的安値圏にありますが、新規事業への期待で今後変動する可能性もあります。
7. 市場センチメント
- 信用取引の状況: 信用買残が959,300株と多い一方で、信用売残は0株であり、信用倍率も0.00倍です。信用買い残が多い状況は、将来的な株価上昇への期待を示す一方で、これらが将来の売り圧力となる可能性も孕みます。信用売りが少ないため、踏み上げによる短期的な急騰は考えにくい状況です。
- 株主構成と大株主の動向: 大株主には「サステナブルエナジー投資事業有限責任組合」「Blue lagoon」「みらい再生支援機構合同会社」といった投資事業組合や関連会社が名を連ねており、これは新規事業への投資や再編を支援する意図があると推測されます。インサイダー持株比率が56.55%と高いため、経営陣や緊密な関係者が株式の過半数を保有しており、経営の安定性や新規事業へのコミットメントは高いと見られます。
8. 株主還元
- 配当利回り(会社予想): 0.66%
- 配当性向: 0.0% (データ)。2026年2月期の予想配当は5.00円/株ですが、過去数期は赤字が継続しており配当は実施されていませんでした。
- 配当の継続性・増配傾向: 2026年2月期に黒字転換を予想し、配当を再開する見込みですが、これが今後の継続性や増配傾向を示すかは不透明です。新規事業の収益安定化が今後の株主還元策の鍵となります。
- 自社株買いの実績と方針: データからは自社株買いの実績や明確な方針は確認できません。資金調達を新株予約権の発行に頼っている状況から、当面は事業投資を優先し、自社株買いによる株主還元は積極的には行われないと考えられます。
9. 総合評価
- 【投資ポイント】
- アパレル小売から蓄電池・GPUサーバー事業へ大胆な事業転換を進めており、今後の成長市場での収益獲得に期待。
- 新株予約権による資金調達で財務基盤を強化し、継続企業の前提に関する疑義を解消したことで投資リスクが軽減。
- PERは業界平均と比較して割安水準にあり、新規事業の成功により株価評価が見直される可能性。
- 【強み】
- 成長市場(蓄電池・GPU)への早期参入と大規模な事業転換の実行力。
- 複数ブランドによる既存小売事業の顧客基盤・運営ノウハウ。
- 新株予約権行使による足元の自己資本比率の改善と資金確保。
- 【弱み】
- 既存小売事業における継続的な営業損失と収益性の低迷。
- 新規事業がまだ本格的な収益貢献に至っておらず、先行投資フェーズであること。
- 過去から続く営業キャッシュフローのマイナスと、通期黒字化予想に対する中間期の進捗遅れ。
- 【機会】
- 世界的な脱炭素化、DXの加速による再生可能エネルギーおよびデータセンター市場の拡大。
- 系統用蓄電池事業における大型受注の積み増しによる収益急拡大。
- 既存の小売事業とメタバース事業、新規事業におけるシナジー創出。
- 【脅威】
- 新規事業における技術革新の速さ、競合激化、計画未達による収益化の遅延リスク。
- 経済環境悪化や個人消費低迷の長期化による小売事業のさらなる悪化。
- 新株予約権の追加発行や行使による株式の希薄化、株価への下方圧力。
- 【注目すべき指標】
- 2026年2月期 通期営業利益 510百万円 の達成状況。
- 系統用蓄電池事業およびGPUサーバー事業における具体的な受注額および売上高への貢献額。
- 小売事業の営業損益の改善度合いと既存店舗の収益性向上。
10. 企業スコア
- 成長性: S
- 2026年2月期の通期売上高予想が前年比+75.1%と大幅な成長を見込んでおり、特に大型新事業(系統用蓄電池、GPUサーバー)への転換は「大型新製品投入」に準じるものと評価できます。
- 収益性: D
- ROE(実績)-106.85%、営業利益率(過去12か月)-15.78%であり、「ROE 5%未満 かつ 営業利益率 3%未満」に該当します。
- 財務健全性: A
- 2026年2月期第2四半期決算短信における自己資本比率が51.6%であり、「自己資本比率 40-60%」に該当します。流動比率は146%で「流動比率 150%以上」にはわずかに届きませんが、自己資本比率の健全性を高く評価し、Aと判断します。
- 株価バリュエーション: D
- PER(会社予想)13.05倍は業界平均21.1倍の約62%と割安水準で「S」に該当しますが、PBR(実績)3.25倍は業界平均1.3倍の約250%であり「D」に該当します。PERが会社予想に基づくものであり、PBRに大幅な割高感があるため、総合的にDと判断します。
企業情報
| 銘柄コード | 3083 |
| 企業名 | スターシーズ |
| URL | https://starseeds.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 小売 – 小売業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 762円 |
| EPS(1株利益) | 58.38円 |
| 年間配当 | 0.66円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 5.5% | 15.0倍 | 1,144円 | 8.5% |
| 標準 | 4.2% | 13.1倍 | 937円 | 4.3% |
| 悲観 | 2.5% | 11.1倍 | 734円 | -0.7% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 762円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 468円 | △ 63%割高 |
| 10% | 584円 | △ 30%割高 |
| 5% | 737円 | △ 3%割高 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.9)」によって自動生成されました。
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