1. 企業概要

ホープは、自治体に特化したサービスを提供する企業です。自治体広報紙を活用した広告事業、行政マガジン「ジチタイワークス」を通じた官民連携促進事業(BtoGソリューション)を主な柱としています。その他、企業版ふるさと納税支援サービス「Akisol」や自治体向けDX推進支援なども展開しており、多岐にわたる自治体の課題解決をサポートしています。
主力製品・サービスは、自治体への広告掲載提案や広報誌作成、行政情報発信を助ける「マチイロ」アプリ、そして官民連携を促進するプラットフォーム「ジチタイワークス」です。「ジチタイワークス」事業は特に成長が著しく、BtoG領域における企業と自治体のマッチングを強化しています。
収益モデルは、自治体及び民間企業からの広告料やコンサルティングフィーが中心で、自治体広報誌への広告掲載はフロー型、定期購読やプラットフォーム利用料はストック型と推測されます。BtoG(Business to Government)に特化している点が特徴です。
技術的独自性や参入障壁としては、長年にわたる自治体とのネットワークや、自治体固有のニーズに合わせた専門的なサービス開発力、そしてBtoG市場における知見が挙げられます。これらの専門性と実績が、新規参入企業にとっての障壁となっています。

2. 業界ポジション

ホープは「自治体特化型サービス」というニッチ市場において、先駆的なポジションを確立しています。業界内での推定市場シェアについてはデータがありませんが、自治体向けサービスプロバイダーとして独自の地位を築いています。
主要競合との差別化要因は、単なる広告代理店に留まらず、広報誌制作から官民連携プラットフォーム、課題解決支援まで、自治体運営全般をサポートする総合的なソリューションを提供している点です。これにより、自治体からの信頼を獲得し、多様なニーズに応えることが可能となっています。
市場動向としては、日本の地方創生や自治体DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の動きが活発化しており、ホープのメイン事業であるBtoG領域は成長機会を享受できる状況にあります。企業はジチタイワークス事業の拡大や新規事業投資を通じて、これらの市場機会に対応しています。
【定量比較】

  • PER(会社予想): 14.08倍 vs 業界平均PER: 25.7倍 (割安)
  • PBR(実績): 3.19倍 vs 業界平均PBR: 2.5倍 (割高)

ホープのPERは業界平均と比較して割安な水準にありますが、PBRはやや割高な水準にあります。収益性の高さがPBRの高さに影響している可能性があります。

3. 経営戦略

経営陣は、2024年5月に公表した3カ年の中期経営計画に基づき、「オーガニック成長、事業投資、資本配分」を重点的に推進しています。特に、自治体向けソリューション「ジチタイワークス」事業を成長ドライバーと位置づけ、BtoGプラットフォームとしての価値向上を目指しています。
重点投資分野は、ジチタイワークス事業の拡大に加えて、企業版ふるさと納税支援事業「Akisol」を含む「その他」事業への人的投資やシステム投資です。これらは将来的な収益源の多様化と成長基盤の強化を目的としています。
最近の適時開示情報(2026年3月期第2四半期決算短信)では、以下の点が注目されます。

  • 新規連結子会社として「株式会社ジチタイリンク」を追加し、BtoG領域の事業拡大を図っています。
  • 自己株式取得を積極的に実施しており、自己株式取得支出として160,675千円を計上しています。これは株主還元と資本効率の向上を意識した経営戦略の一環です。

これらの戦略は今後の業績に多大な影響を与えると見られます。ジチタイワークス事業の成長継続、新規子会社とのシナジー創出、そして「その他」事業への投資が結実すれば、中長期的な企業価値向上につながるでしょう。一方で、広告事業の回復計画達成と、投資先行による短期的な利益圧迫の軽減も課題となります。

4. 財務分析

  • 【収益性】
    • 営業利益率(過去12か月): 11.08% (良好)
    • ROE(過去12か月): 35.04% (優良、ベンチマーク10%を大幅に上回る)
    • ROA(過去12か月): 9.39% (優良、ベンチマーク5%を上回る)
    • 直近中間期営業利益率: 6.26%
      全体的に高い収益性を維持していますが、中間期の営業利益率は過去12ヶ月平均を下回っています。
  • 【財務健全性】
    • 自己資本比率(2025年9月末): 43.2% (安定水準、前期末から低下も健全性を保つ)
    • 流動比率(2025年9月末): 1.86倍 (良好、1.0倍以上を維持)
    • D/Eレシオ(直近四半期): 60.80% (中程度のレバレッジ、流動比率からみて問題ない水準)
  • 【成長性】
    • 売上高成長率(過去12ヶ月の前年比): 24.50% (高成長)
    • 利益成長率(過去12ヶ月の前年比): 20.80% (高成長)
    • 年度別売上高推移: 2023年3月期 2,157百万円 → 2024年3月期 2,553百万円 → 2025年3月期 3,140百万円(予想) → 2026年3月期 3,446百万円(予想)と順調な成長が続いています。
  • 【キャッシュフロー】
    • 営業CF/純利益比率(直近中間期): 約0.21 (1.0以上が健全とされる中、低水準であり、利益の質にはやや懸念があります)
    • 営業CF(過去12ヶ月): 229百万円 (プラス圏を維持)
    • フリーCF(過去12ヶ月): 173.25百万円 (プラス圏を維持)
    • 直近中間期フリーCF: △175,406千円 (マイナスであり、投資活動が営業キャッシュフローを上回っている状況です)
  • 【四半期進捗】
    • 2026年3月期 第2四半期進捗率(通期予想に対する実績)
    • 売上高: 45.1% (ほぼ順調)
    • 営業利益: 28.6% (低い、下期偏重の計画)
    • 親会社株主に帰属する当期純利益: 16.7% (非常に低い、下期偏重と特別損失等の影響)
      通期での利益目標達成には、下期の大幅な利益回復が不可欠です。

5. 株価分析

  • 【現在の水準】
    • PER(会社予想): 14.08倍 (業界平均25.7倍と比較して割安水準)
    • PBR(実績): 3.19倍 (業界平均2.5倍と比較してやや割高水準)
    • EPS(会社予想): 15.91円
    • BPS(実績): 70.29円
    • 業種平均PER基準の目標株価: 563円
    • 業種平均PBR基準の目標株価: 173円
      割安と割高の評価が混在しており、バリュエーションの判断が分かれるところです。
  • 【テクニカル】
    • 現在株価224.0円は、52週高値269.0円(52週レンジ内位置53.1%)と52週安値173.0円の中間やや高値圏にあります。
    • 移動平均線との位置関係:
    • 5日MA: 214.00円(株価が上回り4.67%)
    • 25日MA: 212.64円(株価が上回り5.34%)
    • 75日MA: 202.63円(株価が上回り10.55%)
    • 200日MA: 206.98円(株価が上回り8.28%)
    • 株価は全ての移動平均線を上回っており、短期から長期にかけて上昇トレンドにあると見られます。明確なゴールデンクロスやデッドクロスのシグナルは示されていませんが、MAの並びは強気を示唆しています。
  • 【市場との比較】
    • 過去1ヶ月では日経平均比で0.34%ポイント上回り、TOPIX比で0.46%ポイント下回っています。
    • 3ヶ月、6ヶ月、1年といった中長期では、日経平均およびTOPIXに対してアンダーパフォームしており、市場全体の強い上昇トレンドには乗り切れていない状況です。

6. リスク評価

  • ベータ値(5Y Monthly): -0.09 (市場全体との連動性が非常に低いことを示し、市場の動きとは逆方向に動く傾向があるか、相関がほとんどないことを示唆します)
  • 決算短信記載のリスク要因:
    • 自治体関連予算・発注の変動: BtoG事業に特化しているため、自治体の財政状況や政策変更が業績に直接影響を与える可能性があります。
    • 広告市場の季節性・需要変動: 広告事業は季節性があり、下期偏重の傾向が強いです。市場環境の変化による影響も受けます。
    • 借入増加による利払い負担の上昇: 財務CFで長期・短期借入が増加しており、今後の金利上昇局面では利払い負担が増すリスクがあります。
    • 投資(人員・マーケティング)による短期的な利益圧迫: 成長性向上のための先行投資が、一時的に利益を圧迫する可能性があります。
  • 事業特有のリスク: 自治体特有の規制や制度変更、情報セキュリティに関連するリスクなどが考えられます。
  • 52週レンジにおける現在位置: 53.1% (中間やや高値圏にあり、下値リスクは安値付近と比較して限定的ですが、高値更新にはさらなる好材料が必要です)

7. 市場センチメント

  • 信用取引の状況:
    • 信用買残: 338,200株 (前週比△7,100株)
    • 信用売残: 0株
    • 信用倍率: 0.00倍 (信用売残がないため)
      信用取引では買い残が多く、売り残がない状況です。これは、株価が上昇するとの期待が市場に存在、あるいは売り方に魅力が少ないことを示唆しますが、一方で将来的な売り圧力となる可能性も秘めています。
  • 株主構成と大株主の動向:
    • 大株主上位には、チェンジホールディングス(15.7%)、自社(自己株口)(10.66%)、株式会社E.T.(8.14%)、時津孝康(代表者)(8.06%)などが名を連ねています。
    • チェンジホールディングスの存在は、今後の事業連携や戦略的な動きに影響を与える可能性があります。
    • 代表者の時津孝康氏が安定した株式を保有しており、経営の安定性につながると考えられます。
    • 自己株口の保有比率も高く、機動的な資本政策の余地があります。
  • 経営陣の持株比率と安定株主の状況: 代表者の時津孝康氏が8.06%を保有しており、経営陣が一定のガバナンスを維持していると見られます。大株主構成から、安定株主が比較的多いと考えられます。

8. 株主還元

  • 配当利回り(会社予想): 0.00%
  • 1株配当(会社予想): 0.00円
  • 配当性向: 0.00%

ホープは現在無配であり、配当による株主還元は行っていません。配当の継続性や増配傾向もありません。

  • 自社株買いの実績と方針:
    • 積極的に自己株式取得を実施しており、2026年3月期中間期では160,675千円の支出がありました。
    • 通期でも上限358百万円の自己株式取得を計画しており、1株当たり利益の向上を通じて株主価値を高める方針です。

9. 総合評価

  • 【投資ポイント】
    • ジチタイワークス事業を中心とした自治体特化型BtoGソリューションの成長力
    • 高いROEとROAに裏付けられた収益性
    • 自己株式取得による積極的な株主還元姿勢と資本効率改善への取り組み
  • 【強み】
    • 自治体との強固なネットワークと専門性の高いサービス提供能力
    • 高成長を続ける「ジチタイワークス」事業
    • 財務諸表上の高い収益性(ROE、ROA)
  • 【弱み】
    • 営業キャッシュフローの少なさと利益の質の懸念(営業CF/純利益比率が低い)
    • 広告事業の不調と、通期利益目標への下期偏重リスク
    • 配当による株主還元がない
  • 【機会】
    • 地方創生、自治体DX推進などの政策トレンドによるBtoG市場の拡大
    • 企業版ふるさと納税支援など新規事業の成長余地
    • 自治体サービスのデジタル化による新たなソリューション提供機会
  • 【脅威】
    • 自治体予算や政策変更による事業環境の変動リスク
    • 広告市場の競争激化や季節性による収益変動
    • 成長投資先行による短期的な資金圧力と利益圧迫
  • 【注目すべき指標】
    • 「ジチタイワークス」事業の売上高成長率とセグメント利益率の推移
    • 通期営業利益・純利益の進捗率と目標達成度
    • 営業キャッシュフロー/純利益比率の改善状況
    • 自己資本比率および有利子負債残高の推移

10. 企業スコア

  • 成長性: S
    • Quarterly Revenue Growth (前年比): 24.50% (売上成長率 15%以上)
  • 収益性: A
    • ROE(過去12か月): 35.04% (ROE 10-15%以上)
    • 営業利益率(過去12か月): 11.08% (営業利益率 10-15%)
  • 財務健全性: A
    • 自己資本比率(2025年9月末): 43.2% (自己資本比率 40-60%)
    • 流動比率(2025年9月末): 1.86倍 (流動比率 150%以上)
  • 株価バリュエーション: C
    • PER(会社予想)14.08倍 vs 業界平均PER 25.7倍 (業界平均の70%以下でS評価)
    • PBR(実績)3.19倍 vs 業界平均PBR 2.5倍 (業界平均の110-130%でC評価)
    • PERは割安だがPBRが割高なため、「共に」という基準を満たさずCと評価します。

企業情報

銘柄コード 6195
企業名 ホープ
URL http://www.zaigenkakuho.com
市場区分 グロース市場
業種 情報通信・サービスその他 – サービス業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 224円
EPS(1株利益) 15.91円
年間配当 0.00円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 16.2倍 258円 2.8%
標準 0.0% 14.1倍 224円 0.0%
悲観 1.0% 12.0倍 200円 -2.2%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 224円

目標年率 理論株価 判定
15% 111円 △ 101%割高
10% 139円 △ 61%割高
5% 176円 △ 28%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

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By ジニー

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